山本兼一のレビュー一覧

  • 命もいらず名もいらず 上 幕末篇

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    激動の幕末!名を揚げることこそ武士の本懐という世においてどこまでも真っ直ぐで命がけで本気を貫いた鬼鉄こと山岡鉄舟。
    とんでもない真っ直ぐさは美しくて清清しくて鬼鉄の魅力に引きずりこまれてしまう。
    下巻明治篇へ。

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    2010年05月23日
  • 白鷹伝 戦国秘録

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    織田信長配下シリーズとも言うべき山本兼一さんの、今度は鷹匠の話。

    猛禽類大好きなワタシには一石二鳥とも呼べるこの本は、本当に鷹の狩りの描写が素晴らしいと感じた。
    動きの描写が何と言うかリアルって言うか「映像を観てるような躍動感」がある。

    一人の、自分の人生にひたむきに生きる男と、それをとりまく周囲の人々の生き様が「鷹」をキーワードに本当にたくみにかみ合っているんだなと思った。

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    2009年11月19日
  • 命もいらず名もいらず 上 幕末篇

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    己の志を貫く。
    と言ったらカッコいいが、芸のためなら〜女房も泣かす〜ってのと変わりない。
    それどころか幼子までも…と思うと何やっとんじゃ! ってなるけど、昔は子どもの数も今とちがうし、命の重みもちがったのかな。でもヤダ。
    男のロマンなのかね。下巻になったらも少し印象変わるかしら。

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    2025年10月07日
  • 狂い咲き正宗 刀剣商ちょうじ屋光三郎

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    「利休にたずねよ」のクオリティに比べると、どうしても劣ってしまう。つまみ読むには最適な分量と内容。
    末國氏の解説がよい。これは時代小説であるが、ミステリーの手法がきっちりとおとしこまれており、コンゲーム(騙し合い)の応酬される。
    ペリー来航時の江戸末期の設定だが、登場人物は現代的な性質を持っており、そこが共感しやすい。

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    2025年08月26日
  • 利休にたずねよ

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    香合は一つのキーではあるし、ミステリではないのだけれど、1人の美の天才としての利休と、別の方向での表現の天才である秀吉の交わり。
    利休の侘び寂びの基となった美の基準とは何なのか?貪欲、怒り、愚かの三毒をもって生きる、持つものと持たぬものとの嫉妬と憧れ。人間描写が素晴らしい。

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    2025年08月12日
  • 利休にたずねよ

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    千利休が切腹を命じられてから物語は始まり、過去へ回想していく流れ。色々な人の視点から千利休とはどう映っていたのかを読み解いていく物語。

    読む前までは、千利休=茶道=物静かで悟りに達した人というイメージだったが、茶道を極めただけあって、拘りや情熱、執念が凄まじい。
    時の権力者や情勢を動かすほどのものがある。

    思ったより茶の味に対する描写は少なく、道具など目に見える美に特化した描写が多い。
    普段見るもの中に見出す美が、いかに美しく強いか。

    最後に木槿の花言葉がこの物語を表してる気がした。
    花言葉:新しい美、繊細な美、デリケートな愛、信念、尊敬

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    2025年02月20日
  • おれは清麿

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    波乱の人生。恵まれた能力と、これをサポートしてくれる人達との絆が良かった。「狂い咲き正宗」にも出てくるが、また違った感じ。

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    2025年01月24日
  • 黄金の太刀 刀剣商ちょうじ屋光三郎

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    この作品は、各章ごとに一様区切りは付いているけど、全体を通して一つの物語になっている長編小説である。小説として面白い、というのは当然だけど、刀というものについて、いろんな知識を得られることも、大きな魅力だ。

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    2024年09月13日
  • 火天(かてん)の城

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    新しい視点からの信長、みたいな事が書いてあったけどまさにそうだったなぁ。
    最後は仕方ないけど切ない感じ。息子、成長したね。

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    2024年04月17日
  • 利休にたずねよ

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    「利久にたずねよ」山本兼一著
     秀吉の命で切腹させられた千利休の切腹から19の時の言葉も通じない高麗からさらわれてきた女との恋を時間を遡るような書き綴っている。
     千利休がどれ程の美を追求したか、秀吉が利久の才覚を妬み死に追いやったかを小説にしている。
     千利休は秀吉を品のない人間と認識していたが、「人をとろかす魔力がある」と書いてます。恋も茶道も美学として作者山本兼一は捉えている。
     解説で宮部みゆきは利久に多くの恋をしたが本当に愛したのは宋恩(最後の妻で後妻)と言っているが僕は19の時の高麗の女じゃないかと思う。

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    2024年03月20日
  • 利休にたずねよ

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    なぜ戦国時代に武力社会と対極にある静の文化、茶の湯がもてはやされたのか、そしてその中心人物とされる利休とは一体何者だったのか?
    作者独自の視点で利休が自害するまでの経緯が解き明かされる意欲作で、第140回直木賞受賞作品。
    本書には工夫がある。まず、秀吉から切腹を命じられる場面からどんどん遡っていく倒叙法を採用している点、従って早くから利休が心底愛した一人の女の存在が明かされるが、そこまで辿り着くまでの長いこと、それだけにその女の登場には、「待ってました!」と膝を打つ。
    また、「侘び寂び」という曖昧模糊とした概念を作者は本書のあらゆる場面で言語化しているが、それが取りも直さず権力者が茶道に傾倒す

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    2024年03月15日
  • 弾正の鷹

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    信長にまつわる短編集。山本兼一の初期の作品が多いらしく、「利休にたずねよ」ほど引き込まれるところがなくて残念だった。男女の交わりを含めて、一人の人生をしっかり描いてあるのはよかった。

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    2024年02月08日
  • 狂い咲き正宗 刀剣商ちょうじ屋光三郎

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    黒船が到来した幕末。将軍家の刀管理を司る御腰物奉行の長男の光三郎は、刀の事がきっかけで父親と喧嘩して、勘当となり、刀剣商に婿入りしてしまう。
    テンポよく、非常に読みやすい。武士や町人を巻き込み、刀をめぐり、人情劇が繰り広げられる。

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    2024年01月17日
  • 利休にたずねよ

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    独特な話の運びに、最後まで馴染めなかった。繰り返し繰り返し語られることに、少し飽きてしまったのかもしれない。

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    2023年10月30日
  • 火天(かてん)の城

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    安土城を作った男たちの物語。
    映画化もされています。

    「仕事とは?」ということを考えさせられた。
    建築系の人には刺さると思う。

    同じく山本兼一の『信長死すべし』とのつながりも感じさせられ、面白かった。

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    2023年10月05日
  • 弾正の鷹

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    織田信長の暗殺に向かう人たちの恋多きオムニバス。

    戦国を中心とした時代小説を得意とする山本さん、織田信長の暗殺に関わった男女を描く短編集です。山本さんといえばものづくりに魂を捧げる職人ものや、しっとりとして心温まる夫婦の描写が得意で、なんかこう、燃え上がるような恋というのは珍しい気もします。それだけにちょっと書き慣れていないというか。
    ともあれ、様々な職種の人たちが様々な手法を使って信長に肉薄する暗殺もので、そのアプローチが山本さんらしくて、読んでいて楽しいです。これが「雷神の筒」とか「火天の城」とか「白鷹伝」に繋がっていてなかなかに憎らしい。山本さん好きとしてはけっこう楽しめた一冊でした。

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    2023年08月09日
  • 命もいらず名もいらず 上 幕末篇

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    山岡鉄舟の生涯。まさに正直で真っ直ぐな人間。
    身長は六尺二寸(188センチ)、体重は二十八貫(105キロ)と、恵まれた体格。
    優れた武術家であり、また書でも有名。あね木村屋の看板の書は鉄舟によるもの。
    豪快ではあるが、曲がった事は一切しない。清々しい生き方。
    上巻は清河八郎が暗殺されるまで。

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    2022年03月14日
  • 利休にたずねよ

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    一回読んだ。待って待って、もう一回、読まないと!→→読んだ。
    利休が、生涯かけて追求した美の原点を、逆回しで辿って明らかにしていく。
    「鄙めいて枯れた草庵のなかに、命の艶やかさを秘めた」利休の茶の湯。なぜそんなふうになるのか。
    黄金の茶室も利休が思いついたと。狭い牢獄のような茶室も作り、黄金の茶室も…のめり込んだ女人に端を発した美の追求、欲から発出した理性の昇華というか、理性の中心にうごめく欲と執着というかに凄みを感じる。

    本文には関係ないけど……
    1500年代、日本には、織田信長、豊臣秀吉、千利休と、狩野永徳と、長谷川等伯が生きていた。
    ヨーロッパではルネサンスで、ダ・ビンチやミケランジェ

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    2022年03月05日
  • 利休の風景

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    利休にたずねよという小説を書いた作家によるエッセイ的な利休論。幼い時に聚光院の側に住み、父に連れられて行っていたのが利休との出会い。
    利休が神経質で鋭敏な感性を持っていたであろうこと、レトリックの達人でもあったこと、一級の知性を持っていたヴァリニャーノにも茶道具の価値の理解に苦しんだこと、黄金茶室が意外に神秘的で玄妙なる空間であること、狩野永徳や同朋衆と不仲であったろうこと、利休の禅への嗜み、利休の死罪は何でもない秀吉に嫌われたからであろうことなど。

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    2022年02月06日
  • 夢をまことに(下)

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    ついに天体望遠鏡を完成させる。
    現代ではありふれているネジや鏡も、イチから手作業で作るとなると果てしない苦労があると分かる。
    潜水艦や飛行船まで夢想してしまう人間の想像力。

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    2022年02月01日