山本兼一のレビュー一覧
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「とびきり屋見立て帖」シリーズ第4弾
『よろこび百万両』
銅(あかがね)屋の大旦那・吉左衛門に蔵の中の道具の目録作りを任された真之介とゆず。
珍しい盆を託されるが…
ゆずの兄は嫌な奴だなあ…
彼の代でからふねやは潰れるんじゃないだろうか?
父親にも臆せずに商売のやり方をはっきり主張するゆずは、朝ドラのヒロインレベル!
『みやこ鳥』
幕末の動乱期である。
蛤御門の変で都落ちすることとなる、長州藩と三条実美。
ゆずは三条公に心づくしの餞別を贈る。
『鈴虫』
茶碗で変わる、ティータイムの心持ち。
『自在の龍』
壬生浪人も攘夷志士も、押し掛ける、京の街、店。
関わり方も非常にきわどい。
女将としてのゆずの機転にはいつも脱帽。
…京のおあげって、すごく大きいんですよね。
『ものいわずひとがくる』
銅屋吉左衛門から、樂家十一代それぞれの、11個の茶碗を預かる。
店は、良い物を置くことで、客筋も変った。
しかし、良い物も大切だが、店主の人柄と良い使用人がいなければ商売は成り立たない。
『利休の茶杓』
真之介の目利きも大したものである。
お茶の家元にもお墨付きをもらった。
この家元は、人柄も申し分なく大人物だが、息子の若宗匠はドラ息子だ。
ここは「つぶれる」という事はないと思うけれど…
『追悼エッセイ』
奥様のエッセイ
山本氏は2014年に亡くなられたため、このシリーズも終わってしまいました。
駆け落ちして、必死で千両かき集めるところから読み続けて、二人の成長を見守って来たので、寂しいことこの上ないです。
他にも良い作品をたくさん書かれていたのに、本当に残念。
しかし、この本は、シリーズ最後を飾るのにふさわしい、まとまりのある本だと思います。
「ああー、また芹沢が来た!はよ爆発しろ!!」
などと、はらはらしながら読むのですが…
ヤツが爆発するところも永遠に書かれることはありません。
良かったのか、そうでなかったのか…
もしかしたら、とびきり屋にお客で来ていた坂本龍馬、近藤、芹沢といった人たちの最期などは、血腥くて、この作品にはふさわしくない…
それは書かれなくて正解だったのかもしれません。 -
Posted by ブクログ
山本兼一氏の作品はやっぱり面白い。
この人の作品他にも色々あるけど、とにかく面白いとしか言えないくらいに面白い。
で、信長死すべし。
いろんな人の人間模様というか、一人一人のその時々の
心境とか行動が、本能寺の変までの変化が人物別に
尚且つ時系列の様な感じで描かれているような。
こんな書き方があったのか、と。
驚きもあり、読みやすさといったら。
朝廷vs武士なんだけれども、みんな腹黒過ぎる!とか
最後のえー!?っていう驚きとか。
信長という絶対的覇者であり、絶対的存在を如何にして討つのか。
これを読みつつ、違う本能寺の変に関わる小説を読むと
またより一層楽しめます。 -
Posted by ブクログ
江戸時代の商人のほのぼの時代小説だと思って手に取りました。
大店のお嬢様と番頭が店を持って、一から出発、という設定が面白いと思って。
そこはそれ、幕末の京都、最初は『自分たちは攘夷とか倒幕なんて関係ない』と思っていた主人公たちは、なんだか次第に巻き込まれていく。
ほのぼの時代小説の部分と、本格歴史小説の部分がミルフィーユのように何層にも重なっている感じで、ぐいぐい引き込まれてしまう。
龍馬や、新選組の面々が登場し、道具屋との絡みはもちろんフィクションなんだけれど、あったかもしれないと思わせる。
名前が分かるまでは、真之介の目から見た人物描写で描かれるので、誰のことを言ってるのか想像するのも楽しい。
武市はちょっと分からなかったけれど、近藤と一緒にいる「すかした侍」とか、武市と一緒にいる「何人も人を斬ってそうな怖い人」とか、すぐ分かりますよね。
新選組物はいくつか読んだけれど、町人側が主人公のものを読むのは初めてかな?
町人はさぞ迷惑してただろうな、と思っていたので、視点の変化が面白い。
ここで、時代の流れに巻き込まれることなく、商人らしくしたたかに生きて、儲けて、そして幸せになって欲しいです。
続編も買ってあるので楽しみ。 -
Posted by ブクログ
幕末という激動の時代にどこまでも自分に正直に生きた男。山岡鉄舟を描いた物語。
「自分の為にはなる事をしろ。それが天下の役に立つ。」と言う父の遺言を胸に自分がなすべき事をひたすら真っ直ぐにやり遂げる。故に時代が山岡鉄舟を表舞台へと求める。
この小説を読んでまず感じたのは山岡鉄舟はスゴイ男だと言う事です。今の時代にここまで真っ直ぐ歩く事が出来るの人が何人いるだろうか。。
徳川幕府末期であるこの時代は武士が武士らしさを失くしてしまった時代であり、今まで虐げられた人々が立ち上がりつつある時代であった。どこまでも武士として男として自分が決めた事は最後までやり遂げる意思の強さは感服しました。
物語の中で清河八郎が登場するが、清河八郎との出会いも偶然ではなく必然だったのだろう。
清河八郎が望むのは倒幕。そしてその魁となる事で名を残すことだった。
古来から武士の本懐は命を賭して功名を得る事であるはずだが、命も惜しまず名も惜しまずとはどうゆう意味なのか。。
下巻からはいよいよ倒幕。そして明治維新へと時代は進む。その時に山岡鉄舟は何をなしたのか。先が楽しみです。