山本兼一のレビュー一覧
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「とびきり屋見立て帖」シリーズ第4弾
『よろこび百万両』
銅(あかがね)屋の大旦那・吉左衛門に蔵の中の道具の目録作りを任された真之介とゆず。
珍しい盆を託されるが…
ゆずの兄は嫌な奴だなあ…
彼の代でからふねやは潰れるんじゃないだろうか?
父親にも臆せずに商売のやり方をはっきり主張するゆずは、朝ドラのヒロインレベル!
『みやこ鳥』
幕末の動乱期である。
蛤御門の変で都落ちすることとなる、長州藩と三条実美。
ゆずは三条公に心づくしの餞別を贈る。
『鈴虫』
茶碗で変わる、ティータイムの心持ち。
『自在の龍』
壬生浪人も攘夷志士も、押し掛ける、京の街、店。
関わり方も非常にきわどい。
女将と -
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山本兼一氏の作品はやっぱり面白い。
この人の作品他にも色々あるけど、とにかく面白いとしか言えないくらいに面白い。
で、信長死すべし。
いろんな人の人間模様というか、一人一人のその時々の
心境とか行動が、本能寺の変までの変化が人物別に
尚且つ時系列の様な感じで描かれているような。
こんな書き方があったのか、と。
驚きもあり、読みやすさといったら。
朝廷vs武士なんだけれども、みんな腹黒過ぎる!とか
最後のえー!?っていう驚きとか。
信長という絶対的覇者であり、絶対的存在を如何にして討つのか。
これを読みつつ、違う本能寺の変に関わる小説を読むと
またより一層楽しめます。 -
Posted by ブクログ
江戸時代の商人のほのぼの時代小説だと思って手に取りました。
大店のお嬢様と番頭が店を持って、一から出発、という設定が面白いと思って。
そこはそれ、幕末の京都、最初は『自分たちは攘夷とか倒幕なんて関係ない』と思っていた主人公たちは、なんだか次第に巻き込まれていく。
ほのぼの時代小説の部分と、本格歴史小説の部分がミルフィーユのように何層にも重なっている感じで、ぐいぐい引き込まれてしまう。
龍馬や、新選組の面々が登場し、道具屋との絡みはもちろんフィクションなんだけれど、あったかもしれないと思わせる。
名前が分かるまでは、真之介の目から見た人物描写で描かれるので、誰のことを言ってるのか想像するのも楽 -
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幕末という激動の時代にどこまでも自分に正直に生きた男。山岡鉄舟を描いた物語。
「自分の為にはなる事をしろ。それが天下の役に立つ。」と言う父の遺言を胸に自分がなすべき事をひたすら真っ直ぐにやり遂げる。故に時代が山岡鉄舟を表舞台へと求める。
この小説を読んでまず感じたのは山岡鉄舟はスゴイ男だと言う事です。今の時代にここまで真っ直ぐ歩く事が出来るの人が何人いるだろうか。。
徳川幕府末期であるこの時代は武士が武士らしさを失くしてしまった時代であり、今まで虐げられた人々が立ち上がりつつある時代であった。どこまでも武士として男として自分が決めた事は最後までやり遂げる意思の強さは感服しました。
物語の中 -
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山本兼一さんの出世作。
山本さんは、これまで何冊か読んできましたが、その中で最も面白い。確かに喧伝されるだけのことはあります。
安土城築城を、その総棟梁の親子を主人公にして描いた物語。ケン・フォレットの『大聖堂』を思い出します。『大聖堂』が聖堂建築を主軸にしながらも、様々な伏線を取り込んだ膨大な中世ロマン小説だったのに対し、『火天の城』は伏線が少ないシンプルな構成です。どちらが良いという訳でなく、それぞれが素晴らしい。ただ、軸となる壮大な建築物語は似た雰囲気があります。ひょっとしたら山本さんは『大聖堂』の影響を受けているかもしれません。
ちなみに現存する安土城設計図は、内部が吹き抜け構造で、