山本兼一のレビュー一覧

  • 利休の茶杓 とびきり屋見立て帖

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    「とびきり屋見立て帖」シリーズ第4弾

    『よろこび百万両』
    銅(あかがね)屋の大旦那・吉左衛門に蔵の中の道具の目録作りを任された真之介とゆず。
    珍しい盆を託されるが…
    ゆずの兄は嫌な奴だなあ…
    彼の代でからふねやは潰れるんじゃないだろうか?
    父親にも臆せずに商売のやり方をはっきり主張するゆずは、朝ドラのヒロインレベル!

    『みやこ鳥』
    幕末の動乱期である。
    蛤御門の変で都落ちすることとなる、長州藩と三条実美。
    ゆずは三条公に心づくしの餞別を贈る。

    『鈴虫』
    茶碗で変わる、ティータイムの心持ち。

    『自在の龍』
    壬生浪人も攘夷志士も、押し掛ける、京の街、店。
    関わり方も非常にきわどい。
    女将と

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    2016年05月22日
  • 花鳥の夢

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    地位も名誉も技術もありながら、悩み続ける様子がとても印象に残りました。
    まだ天下人ではない、信長・秀吉と対面するシーンも良かったです。

    次は「等伯」を読み、違った視点からの狩野永徳を知りたい。

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    2015年06月17日
  • 花鳥の夢

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    2015.5.17
    天才狩野永徳の生涯に迫った力作。
    強烈な嫉妬心が人間らしく、天才の苦悩を上手く描いている。また芸術家は果たして、誰の為に絵を描くのか?自分の為か?客の為か?という問いにも迫っている。答えは、恐らく両方の為。父の絵との対比で、そこはうまく表現できている。また、利休のことばも、それを表現している。

    時代小説は、権力者にスポットが当たったものしか、経験なかったが、美術家にせまり、時代を描いた力作。山本兼一の他の作品も読んでみたい。

    良作?

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    2015年05月17日
  • 花鳥の夢

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    苦手意識のあった歴史小説。狩野永徳の絵に対する思いを描いていて、すばらしい!絵の裏にあるストーリーを想像を交えて書いてあるのだろうけど、すんなり受け入れられた。これを機に歴史小説にも手を広げようかしら~。

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    2015年04月16日
  • 白鷹伝 戦国秘録

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    一部の武士達の鷹狩は、或る種の“軍事演習”として愛され、流行った感も在る。一部の貴族達の鷹狩は、雅なお楽しみ、様式化され、様々な有職故実が成立するに至った。戦国時代末期になると、最高実力者たる者の権威、武威を発揚するような感にもなって行った…とは言うものの…鷹狩そのものは、野の食物連鎖の頂点に在る猛禽の力を借りながら、人が天地や風と交わり、一体化するような、途轍もなく深遠な営みなのかもしれない…そうした深遠な営みの専門家という、やや変わった立ち位置から眺める戦国時代末期の様子…そして彼らのドラマ!!非常に興味深い…

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    2015年04月02日
  • 信長死すべし

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    山本兼一氏の作品はやっぱり面白い。
    この人の作品他にも色々あるけど、とにかく面白いとしか言えないくらいに面白い。
    で、信長死すべし。
    いろんな人の人間模様というか、一人一人のその時々の
    心境とか行動が、本能寺の変までの変化が人物別に
    尚且つ時系列の様な感じで描かれているような。
    こんな書き方があったのか、と。
    驚きもあり、読みやすさといったら。
    朝廷vs武士なんだけれども、みんな腹黒過ぎる!とか
    最後のえー!?っていう驚きとか。
    信長という絶対的覇者であり、絶対的存在を如何にして討つのか。
    これを読みつつ、違う本能寺の変に関わる小説を読むと
    またより一層楽しめます。

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    2015年04月02日
  • 白鷹伝 戦国秘録

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    ネタバレ

    信長に仕えた鷹匠、小林家鷹の活躍と生涯を描く。

    もちろん実在の人物で、あまり知られていない鷹匠の物語で自分も恥ずかしながら全く知らず。

    残念ながらお亡くなりになられたこの作者の作品はどれも歴史物で面白いが、特にこの作品のように、職人にような人物の描写が武骨ででも親しみやすく描かれる登場人物がとても印象に残る。

    山本さんの刀鍛冶の話などを既に読んでいるが、ひとつの技術を極めた人間の自分を見失わない一本気な生き方は感銘を受ける。

    実はこの作品、信長・テクノクラート三部作の一つであるそう。

    「火天の城」「雷神の筒」も読まねば。

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    2015年03月28日
  • 信長死すべし

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    思い悩む帝の章から始まり、多くの視点人物による濃密な各章が積み上げられながら、“事件”に至るまでが描かれるというスタイル…非常に好きなスタイルだ…

    何か「渋い!!」という感じで、少し夢中になれる作品だ…

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    2015年01月02日
  • 白鷹伝 戦国秘録

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    鷹狩りといえば徳川家康をイメージするのだが
    この本はそれより前の浅井家からのスタート。
    小林家鷹かっこよすぎる。
    信長、秀吉、家康に仕え子孫は明治時代まで引き継がれている
    まさに伝統そのもの。
    伝説、というか非常に価値があり
    地位と名声の全てであると言っても過言ではない…白鷹。
    鷹匠である家鷹の全てがすごく好き。
    忍耐、冷静はもちろんのこと。
    己を水になればよいと言うところとか、あぁなるほどなと。
    「水のごとく相手に従い、水のごとく相手をながす。」
    いつも普段忘れかけていることを思い出させてくれた。

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    2014年05月12日
  • 命もいらず名もいらず 下 明治篇

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    2014/2/8-2014/2/15
    命もいらず名もいらず、官位も金もいらぬ人は始末に困るもの也。此の始末に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られる也。(西郷隆盛)

    みんな負けを認めると自分が自分でなくなってしまう様な不安を感じる。
    勝負は時の運。勝っても驕らず負けても卑屈にならずいること。

    まず、自分の気持ちがすっきりしている時に、しっかりと方針を思い定めておいて、あとは小さな事は気にせず、ずんずん物事を進めていく事が大切。

    良く生きた。そう思えば、心は春風に吹かれてる様に気持ちがいい。

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    2014年02月15日
  • 命もいらず名もいらず 上 幕末篇

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    2014/1/20-2/8
    山岡鉄舟
    人というものついおのれを過信し他人を見くだす悪癖がある。おのれが正で他人が邪、おのれが清く、他人が穢れているて思いがちだ。世の多くの人間が、そう慢心して生きておる。とかく人とは愚かなものよ。

    まずは人に勝ちたいという気持ちを無くすことから始めよ。修行は人に勝つためではなく、おのれの徳を積むためにする。徳の積み方が分からぬ者は、おのれを見つめよ。

    おのれに恥じぬよう精神を満腹にして生きよ!

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    2014年03月18日
  • 命もいらず名もいらず 上 幕末篇

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    江戸無血開城の真の立役者である山岡鉄太郎 の生き様を見事に描いた歴史小説。
    タイトルの「命もいらず名もいらず」というのは、幕末に西郷隆盛と江戸総攻撃を中止するよう談判した際に、西郷が鉄舟の人物を評して「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、始末に困りもす。そういう始末に困る人物でなければ、艱難を共にして、国家の大業は為せぬということでございます」と語った言葉から来ている。

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    2013年06月16日
  • 命もいらず名もいらず 上 幕末篇

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    幕末三舟のひとり、山岡鉄舟。
    この人の評伝には疑義もあるようです。
    が、山本兼一版鉄舟が魅力的であることには変わりはありません。

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    2013年05月22日
  • 千両花嫁 とびきり屋見立て帖

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    江戸時代の商人のほのぼの時代小説だと思って手に取りました。
    大店のお嬢様と番頭が店を持って、一から出発、という設定が面白いと思って。
    そこはそれ、幕末の京都、最初は『自分たちは攘夷とか倒幕なんて関係ない』と思っていた主人公たちは、なんだか次第に巻き込まれていく。

    ほのぼの時代小説の部分と、本格歴史小説の部分がミルフィーユのように何層にも重なっている感じで、ぐいぐい引き込まれてしまう。
    龍馬や、新選組の面々が登場し、道具屋との絡みはもちろんフィクションなんだけれど、あったかもしれないと思わせる。
    名前が分かるまでは、真之介の目から見た人物描写で描かれるので、誰のことを言ってるのか想像するのも楽

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    2016年05月20日
  • 命もいらず名もいらず 下 明治篇

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    ネタバレ

    「お腹がすいたら、心を満腹にしなさい。」
    心の底からこんなこと言えるってすごい。
    鉄舟のような人は、身内には欲しくないけど(笑)、人間としては学ぶことが多いなぁ!

    あ、あと、牧の原台地をお茶畑として開墾した人でもあったんだ!
    意外と知らない地元のこと、ひとつ知識が増えました☆

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    2013年02月10日
  • 命もいらず名もいらず 上 幕末篇

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    山岡鉄舟の生涯を描いた物語、上巻の舞台は幕末。
    幼き頃より人並外れた頑固さと男気の良さを持ち、それでいて優しく素直な鉄舟…冒頭から既に惹かれてしまいました。
    彼がこれからどういう風に生きていくのか、何を起こしていくのか、知れば知るほど惹かれます。
    新しい時代になろうとしつつある幕末で、名誉ばかりを求める者達が溢れる中、鉄舟の真っ直ぐな生き方に胸を打たれました。
    そんな鉄舟の妻もまた、強かで凛とした素晴らしい女性。
    浅利又七郎義明に弟子についたところで、下巻の明治編へ続きます。

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    2012年12月30日
  • 命もいらず名もいらず 上 幕末篇

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    幕末という激動の時代にどこまでも自分に正直に生きた男。山岡鉄舟を描いた物語。
    「自分の為にはなる事をしろ。それが天下の役に立つ。」と言う父の遺言を胸に自分がなすべき事をひたすら真っ直ぐにやり遂げる。故に時代が山岡鉄舟を表舞台へと求める。

    この小説を読んでまず感じたのは山岡鉄舟はスゴイ男だと言う事です。今の時代にここまで真っ直ぐ歩く事が出来るの人が何人いるだろうか。。
    徳川幕府末期であるこの時代は武士が武士らしさを失くしてしまった時代であり、今まで虐げられた人々が立ち上がりつつある時代であった。どこまでも武士として男として自分が決めた事は最後までやり遂げる意思の強さは感服しました。

    物語の中

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    2012年07月25日
  • 命もいらず名もいらず 下 明治篇

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    「人のために、全力をつくす」という信条で行動した、山岡鉄舟の生き方に感服した。しっかりとした信念があるから、体だけでなく、心も強い。だからこそ、勝海舟、西郷隆盛、清水次郎長、明治天皇といった人達からの信頼を得たのだろう。それにしても、自分の足と馬しかなかったのこの時代に、よくもまあ、あちこちいったり来たりしたもんだ。そして、酒の飲み方が尋常ではない。明治篇の出だし第4章は感動である。

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    2011年11月20日
  • 火天(かてん)の城

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    山本兼一さんの出世作。
    山本さんは、これまで何冊か読んできましたが、その中で最も面白い。確かに喧伝されるだけのことはあります。

    安土城築城を、その総棟梁の親子を主人公にして描いた物語。ケン・フォレットの『大聖堂』を思い出します。『大聖堂』が聖堂建築を主軸にしながらも、様々な伏線を取り込んだ膨大な中世ロマン小説だったのに対し、『火天の城』は伏線が少ないシンプルな構成です。どちらが良いという訳でなく、それぞれが素晴らしい。ただ、軸となる壮大な建築物語は似た雰囲気があります。ひょっとしたら山本さんは『大聖堂』の影響を受けているかもしれません。
    ちなみに現存する安土城設計図は、内部が吹き抜け構造で、

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    2016年07月30日
  • 命もいらず名もいらず 下 明治篇

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    最後のサムライとも言われる山岡鉄舟の史実をもとにしたフィクションである
    西郷隆盛・勝海舟・清水の次郎長などとの交流も魅力的に描かれており、まるで大河ドラマを読んでいるような感じがする
    谷中の全生庵にも行ってみたくなった

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    2011年01月23日