あらすじ
平成22年、23年の月刊誌『淡交』での連載を単行本化。作家・山本兼一氏が小説『利休にたずねよ』の取材を通して出会った利休ゆかりの茶道具、茶室、茶庭などについて綴ったエッセイ集。いくつもの情景から利休の心の深奥へと踏み込んで人間・利休の輪郭を炙りだしていきます。これまで誰も語らなかった若き日の利休の恋とは? その死の真相とは? 巻末には十五代樂吉左衞門氏と待庵で行った対談も収録。
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Posted by ブクログ
「淡公」に連載したエッセイ、というよりは評論に、対談を加え
て単行本化した作品。
侘び茶を完成させた千利休については、著者には『利休に
たずねよ』の作品があるが、執筆の動機となった著者の利休
論が、現存する茶室や茶道具を通して展開される。
それは、「侘び」の枯れた利休像ではなく、定型的な中世の
「書院の茶道」を破壊し、ルネサンスに対比しうる新しい美
を求めた、革新的なエネルギッシュな利休像である。
そして、その極限まで美を追究する姿勢が秀吉に嫌われ、
表現者としての自己を曲げなかった利休は切腹を命じられ
たのだとする。
Posted by ブクログ
利休のセンスを独自の視点で捉え、秀吉との関係、楽茶碗、待庵、等伯などについて論じており、新しい発見を感じました。
小説とは違う読み応えのある一冊でした。