夢枕獏のレビュー一覧
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登山家・麻生誠は、現地政府の許可を得ない違法なアタックでヒマラヤの霊峰・マチャプチャレに挑む。猛吹雪に襲われ、友の生命と自身の指五本を犠牲にしながら頂上を目指した麻生が目にしたのは、煌々とした月の光に照らされた巨大なオウムガイの化石だった。
なんとか下山して帰国した麻生は、オウムガイに異常な執着を見せるようになる。連日通う水族館でオウムガイを担当している布引と交流するようになり、布引からオウムガイにまつわる様々な奇譚を聞き、さらにオウムガイへの興味を深める麻生の身に、やがて不思議な出来事が降りかかる・・・。
事前に知ってはいたんですけど、こちらの想像以上に突然、本当に突然、話が終わります。ブ -
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「夢枕獏」の短篇集『鳥葬の山』を読みました。
「夢枕獏」作品は6年前に読んだ『神々の山嶺』以来なので久しぶりですね。
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都内で小さなデザイン事務所を経営する「夏木」は、あくせく働く日常の代償に、二週間の休みをとり、チベットで過ごすことにした。
ラサの町でハゲワシに人間の死体を処理させる鳥葬を見ることができると聞き、「夏木」はその場に立ち会った。
以後、毎夜夢に現われる奇怪な光景の謎。
表題作以下、『羊の宇宙』『渓流師』『超高層ハンティング』等の「夢枕」ワールド八篇。
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おどろおどろしい作品から、S -
Posted by ブクログ
陰陽師絵物語の四冊目「鼻の上人」。
四冊目というものの、他の絵物語持っていないや。どこかで買い求めるのか、求めないのか。それはそのときどき次第ということで。
妙法寺の僧、善智内供の悩みは顎の下まで垂れ下がる長い鼻。悩みを抱える僧の前に蘆屋道満が現れて、という物語。
この長鼻の僧侶の話って、どこかで読んだ気がするけど思い出せない。元ネタを知っていると思うのだけど、どこだっけ?小坊主が食事の際に鼻を持ち上げて、の絵を見た気がするので、どこかで漫画見たと思うんだけどなぁ。思い出せない。
村上豊さん追悼の一冊となりました「鼻の上人」。
昔話の素っ頓狂な部分と、綺麗な場面が魅力的な絵を描く人であり -
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陰陽師の十六巻「女蛇ノ巻」。
「さしむかいの女」冒頭でいつになく恋話に話を咲かせる晴明と博雅の二人。なんかいちゃいちゃ度が増しているように思えます。基本、陰陽師は二人のいちゃいちゃから始まることがほとんどですが、今回は微笑ましかった。博雅を称して「自然の人」というのは、こういう純粋な面があるからでしょう。
「狗」と「にぎにぎ小納言」がよかった。というか怖い。
祟りの怖さがあった二つ。「狗」の方は多弥子になんの落ち度もないのが、祟るという執着の強さを感じてしまって怖い。どちらも肉親の情が強いからこその怪しき事。
情の強さは強さということか。
「つよさ」で「こわさ」と読むのは、表裏一体が事実で