あらすじ
時は安永年間、江戸の町では凶悪な強盗団「不知火」が跋扈し、「宮本武蔵」と名乗る辻斬りも出没していた。
本所深川に在する堀河吉右衛門は、からくり師として法螺右衛門の異名を持つ人物。畏友の天才剣士・病葉十三とともに、怪異に立ち向かうが……。
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Posted by ブクログ
夢枕獏『天海の秘宝 上』徳間文庫。
本所深川に住むからくり師として法螺右衛門の異名を持つ堀河吉右衛門を主人公にした時代伝奇小説の上巻。
法螺右衛門こと堀河吉右衛門が、畏友で天才剣士の病葉十三と共に怪異に立ち向かうという設定は『陰陽師』にも似ている。しかし、『陰陽師』とは異なり、活劇がある分、面白みが増している。
謎が謎を呼ぶ上巻。下巻でこれらの謎をどう回収するのか非常に興味深い。
堀河吉右衛門が病葉十三と共に江戸の町に出没する謎の辻斬り『新免武蔵』の正体を探るうちに二人の前に人の言葉を話す怪しい黒犬が現れ、二人の周囲で強盗団『不知火』が暗躍する。そんな中、吉右衛門の前に現れた謎の男、大黒天。
次第に明らかになる吉右衛門の出時の秘密。そして、謎の天海様のお宝とは……
本体価格760円
★★★★★
Posted by ブクログ
江戸の街を舞台にしたエンターテイメント! 盗賊「不知火」との闘いと謎解きの行方は? 主人公は今風に言えば発明家。赤穂浪士の子孫だと言っているが本当か謎がある。
また、彼を取り巻く登場人物が魅力的だ。天才剣士の「病葉一三」、後の火付盗賊改長谷川平蔵こと「本所の銕」、黒猫の「悟空」。
タイトル「天海の秘宝」の天海とは天海僧正のことだ。天海僧正とは、徳川家康を日光東照宮に祀った慈眼大師のことだ。その秘宝を盗賊「不知火」が狙っているらしい。どんな秘宝なのかは上巻でははっきりしない。
夢枕獏の作品らしく、人間かどうかわからない武士「新免武蔵」、お化けのような黒犬が登場し、怪異の匂いがプンプンする。
直近に読んだ「宿神」や「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」に比べると、肩の力を抜いて読めるエンターテイメント作品だと思う。
さあ、下巻へ進む!