京極夏彦のレビュー一覧

  • 塗仏の宴 宴の支度(2)【電子百鬼夜行】

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    痛ェと感じるうちは大丈夫だ--。
    躰が生きたがっている証拠よ--。
    --木場。
    ふたり切りで敗走した夜--。
    前線で聞いた、戦友の言葉だ。
    そして私は、微かに友人の顔を思い出した。

    続く支度は猿っぽい「ひょうすべ」と狛犬のような顔の「わいら」。
    「ひょうすべ」不幸な元編集者・加藤麻美子の身に起こった謎を京極堂にて解体する。
    「わいら」書いた記事が原因で古武術の一派「韓流気道会」に襲われる中禅寺敦子。その最中に追われていた女と出会い、彼女が巷で有名な予言者であると知る。彼女と共に榎木津を訪ねるまで。

    今回のお茶目な京極さんは、百鬼夜行を片手に「こいつの出番が多くって困る、貴重な本が傷む」とぼ

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    2013年01月12日
  • 塗仏の宴 宴の支度(1)【電子百鬼夜行】

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    あれは。
    あれは私だ。
    私が樹の下に立っている。

    関口君の夢から始まる「支度」。
    「ぬっぺっぽう」関口君の韮山での村探索、「うわん」狂骨で出てきた朱美がやたら死にたがる村上を拾う話。紡がれた話がどう絡んでいくのか楽しみな第1巻。
    おちゃめな京極さん……の前に、御大将まだ出ていらっしゃいません(笑)

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    2013年01月06日
  • 覘き小平次

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    どうやったらこんな文体でこれほど完璧に書けるのだろう。京極夏彦は実は昔の人なんじゃないだろうか…
    と思ってしまうほど、慣れ親しんだ現代文章とは違う。しかし、戸惑うのは最初だけで、読み進めるに従いどんどん慣れてきて、むしろこちらがその世界に引き込まれてしまう。

    ジャンルはミステリーではないはずなのに、伏線や人物が徐々にからみ合って行き、謎とは思っていなかったことが実は謎だった、そしてそれが解決されるカタルシス。

    こっそり又市一味が出てくるのもファンには嬉しい。

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    2013年01月06日
  • 魍魎の匣(3)【電子百鬼夜行】

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    木場は悠寛と思い出している。

    昔見た映画を思い出し、京極との約束を破った事に思いを馳せる木場から始まる最終巻。

    今回は随所に怒っている京極さんが出てきますが……それにしても分かりづらいですね。憑物落としのやり方がいつもと違って苛めているように思うとか、流石付き合いが長いだけありますね、関口君。それだけ分かっているのに、打ち合わせなしで呼吸の合う京極・榎木津コンビのようになれず「知人」と呼ばれてしまう辺り、彼の立ち位置が窺えます。
    でも、京極は鳥口君には関わりたくないかと確認しているのに関口君には頼みがあると一言でお願いしている辺り……。

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    2013年01月06日
  • 前巷説百物語

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    僕に読書の楽しさを教えてくれた『巷説百物語』
    第4弾の本作には、又市が御行(魔除けの札売り)になる前、双六売りをしていたころの話が6編収められている。
    又市が自分のことを「やつがれ」ではなく「俺」と言い、仕掛けによって誰かが死ぬことを厭うた青臭い時期があったなんて何だか新鮮。
    稲荷坂の祗右衛門との戦いがこのときすでに始まっていたことを知って、シリーズの構成の妙に惚れ惚れした。

    『巷説』シリーズは、読み終えるといつも哀しさがこみ上げてくる。
    たくさんの仲間を失った後、「御行奉為(おんぎょうしたてまつる)」と言って江戸に消えていった又市の背中はすごく寂しげで、でもそれがカッコいい。
    「口八丁手八

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    2013年01月03日
  • 陰摩羅鬼の瑕(3)【電子百鬼夜行】

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    下巻。

    なんとなくあの人が犯人なんだろうなぁ…と思ったけれども、それでも思いっきりイレギュラーなところから突っ込まれてびっくりするとともに、「厭な小説」を読んだ時と同じような気味の悪さも感じた。良くあの理論でこの小説をまとめたなぁ…と思うと、読後感はあんまり良くないものの、印象深く面白い小説だったなぁと思えた。

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    2012年12月30日
  • 絡新婦の理(4)【電子百鬼夜行】

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    「あなたがーー蜘蛛だったのですね」

    この言葉で締め括られる4巻。最後に漸く関口くんが登場。
    こうやって京極に寄り添えるのは彼ならではなのかなとぼんやり。
    邪険にされ、同行をやんわり断れても聞かず結局は同行。友人ではなく知人だと称しつつも、京極堂にとって関口君の存在の大きさを感じさせるラストでした。

    桜の木の下の光景を眺める関口君の独白は物悲しさと、彼の見える世界の美しさを感じさせます。
    しかし、次の宴の支度を読んでみると、そんな伏線!と叫びたくなります。

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    2012年12月26日
  • 絡新婦の理(3)【電子百鬼夜行】

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    「実はー仕事を二つ程お願いしたいのです」

    京極堂を担ぎ出した今川。
    蜘蛛の罠に嵌まって、小蜘蛛に絡み付いた糸を切ると紡ぐ京極。物語はいよいよ収束していく第3巻。
    今回のおちゃめな京極さんは、箱根の借りを返せと榎木津に送り出された益田とのやり取り。
    相殺すればこっちの貸しが多いと主張した後、身辺が騒がしく本も読めないとおっしゃる京極堂。
    しかし、益田が来てから2冊目読破とかw

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    2012年12月26日
  • 絡新婦の理(1)【電子百鬼夜行】

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    木場が担当する事件。「目潰し魔・平野」。被害者・矢野妙子、水商売の女・川野弓栄、女教師・山本純子。宿で殺害された前島八千代。殺害現場で目撃された木場の旧友・川島喜一と思われる人物。川島と出会い「蜘蛛にきけ」と吐かれた木場。ベルナール学園に流れる「黒い聖母」の噂。「黒い聖母」に願いをかけると恨みを持つ人間を殺すことができるという。学園内の売春組織。教師の本田に乱暴され妊娠した渡辺小夜子の復讐。何者かに殺害された本田と直後に転落死した渡辺小夜子。織作家の骨董の鑑定にやってきた伊佐間。鑑定中に乱入してきた織作茜の良人・耕作。先代に見込まれたが挫折し酒におぼれていた耕作。何者かに絞殺された耕作の謎。

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    2012年12月24日
  • 絡新婦の理(2)【電子百鬼夜行】

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    木場の動きが一瞬止まった。
    小屋の中を凝視している。
    「ーー畜生オッ!」
    木場は雄叫びを上げて、脱兎の如く男を追った。

    木場さんフィーチャリング。
    今回は沢山木場が出ているので木場ファンな私に取っては嬉しい何かです。
    幼馴染み・降旗さんとのやり取りなど、木場修の人間味溢れる魅力に触れられる第2巻。

    今回のおちゃめな京極さんのシーンは増岡弁護士とのやり取り。
    二百何人分の憑物落としの祈祷料について、高くても柴田財閥が払うから大丈夫という増岡に対して、榎木津の6万倍は貰うがそういう問題じゃないと云いきる京極堂。
    京極堂の憑物落とし代(1人分)は榎さんの探偵料の300倍なんだw

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    2012年12月22日
  • 絡新婦の理(1)【電子百鬼夜行】

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    「あなたが--蜘蛛だったのですね」
    低い、落ち着いた声だった。
    一面の桜である。
    満開の桜の只中である。

    黒衣の男と桜色の女との会話から始まる蜘蛛と理、キリスト教が散りばめられた物語。
    始まりの場面の幻想的な美しさが、少しだけ関口君の見ている世界に通じる印象でした。
    最後まで読んで、最初に戻るとまた味わい深い第1巻。

    第1巻にはおちゃめな京極さんのシーンは特になし。
    というか、出ばったのは木場さんで、京極、関口、榎木津は時系列的に箱根で大変な目に遭っていた頃ですし。

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    2012年12月22日
  • 魍魎の匣(2)【電子百鬼夜行】

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    今すく出かけよう。彼の娘を

    燻っている謹慎中の木場から始まり、『匣の中の娘』の一文で終わる第2巻。
    これまで紡がれていた物語を別視点で見ると違う風景が見える。凡てが見えることが良いとは限らないのかもしれません。

    今回のおちゃめな京極さんは「そりゃあ僕だ」と云いきる辺りでしょうか。そもそもは君が僕を引っ張り出すからややこしくなったと宣い、楠本頼子の目撃証言を解説しだします。関口センセの小説が引用されているのがちょっと嬉しい。もう少し関口君の幻想的な世界に触れてみたいなーと個人的には思います。

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    2012年12月08日
  • 魍魎の匣(1)【電子百鬼夜行】

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    祖母が亡くなつたので急ぎ歸省した。

    『匣の中の娘』の一文で始まり、同じ言葉で締めくくられる上巻。
    久保が紡ぐ幻想文学の世界と平行して展開されるバラバラ殺人と加菜子と頼子の物語。
    絡新婦まで読んで、もう一度読み直すと加菜子に対して思うことが増します。

    今回のおちゃめな京極さんは鳥口君との初対面とオカルト談義で自分で言った区分を気に入った辺りですかね。

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    2012年12月08日
  • 鉄鼠の檻(4)【電子百鬼夜行】

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    もう畏くはない。
    京極堂は呟いた。

    「拙僧が−−殺めたのだ」

    もう暫く箱根にいようと、私は思った。

    夜の庭を見つめ、何もかも抛って帰りたくなっている関口君と飯窪女史の会話から始まり、漸く帰って来た富士見屋での会話。

    憑物落としを進める京極堂と邪魔するものは打ち砕くように手助けをする榎木津の息ぴったりぷりと、絶妙の合いの手を入れる関口君らのやりとりは圧巻。最後の最後で、走り回っていた鼠の伏線も回収された事に感嘆の息しか零れません。
    時が止まり、世界と隔絶された異界がまたひとつ解かれ、此れから先は個人が抱え込まなくちゃならなくなると紡ぐ京極堂。甘美な闇の世界がまた一つなくなる切なさが溢れま

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    2012年12月07日
  • 鉄鼠の檻(3)【電子百鬼夜行】

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    「や、山下さんあの巨漢は!あれは」
    「哲童−−杉山哲童だ。あれは杉山哲童だ」
    「て、哲童?ああ!哲童和尚−−」
    法堂の方向から悲鳴が聞こえた。

    榎木津の明慧寺来襲から始まり、祐賢和尚が頓悟して最初で最後の参禅に部屋を出て行った後。僅か30分後に悲鳴が聞こえる場面まで。

    京極堂が云った、本来なら憑物落としは自力でやるのが修行と云っていた通り、祐賢和尚と常信和尚のやり取りに引き込まれました。
    だからこそ余計に4巻が切なくなって来るのですが……。
    榎木津の来襲っぷりに惚れ惚れします。

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    2012年12月06日
  • 鉄鼠の檻(2)【電子百鬼夜行】

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    京極堂は突然振り返った。
    そして立ちすくんでいる敦子鳥口を見て、
    「あまり深く入り込むなよ」
    と云った。
    今更何を云うにだーーと私は思った。

    仙石楼の現場検証の場面から始まり、鎌倉から明慧寺を訪ねて来た僧侶が保護されたという一報が入るまで。檻のような山から下りて来た関口等を迎えたのは京極堂の粗忽者という一言。
    繰り返し深入りするなと警告する京極堂の言葉とは裏腹にどんどん入り込んでしまう第2巻。
    只働きだと憑物落としで京極堂が文句を云い始めます。でもまだ序の口(笑)

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    2012年12月05日
  • 百器徒然袋 山颪 薔薇十字探偵の憤慨

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    楽しみにしておりました、山颪です  
    全力の茶番劇  
    百器はほとんどが茶番かあ~  

    本島君と関口先生の組み合わせがとっても好きです  
    獣のお見合い()  
    それと益田の百面相がかわいい  

    今回は女っ気がないですが、雪絵さんが美人かわいくて眼福眼福

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    2012年11月26日
  • 狂骨の夢(3)【電子百鬼夜行】

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    「お前なんか大っ嫌いだッ!」
     伊佐間の予想は外れた。
     朱美は伊佐間の方を見て、笑った。
     髑髏は波に攫われて見えなくなってしまった。

    関口巽が海鳴りを聞いて不安を掻き立てられる海岸から始まり、伊佐間と朱美が髑髏を見送る海岸で終わる最終巻。ただ働きの文句をいう京極堂がとてもお茶目です。

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    2012年11月23日
  • 狂骨の夢(2)【電子百鬼夜行】

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    「−−後の話はそれからです。それが叶ったらすぐに憑物落としにかかりましょう。
     場所は、そうだな、一寸遠くて億劫だが、逗子の聖宝院−−だな」
     京極堂は決然とそう云った。
     木場は大いに戸惑った。

    やる気を殆ど失っている木場修から始まり、渦中の人間が交わって行く。
    漸く京極堂が重い腰を上げ、物語は収束へと向かって行く。

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    2012年11月22日
  • 狂骨の夢(1)【電子百鬼夜行】

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    不吉な予感がわさわさと関口を覆って行く。
    それが何故なのか、関口には解らなかった。

    物語の始まりは海鳴りから。
    海辺で起こる凄惨な事件の幕開けを予感させる関口の悔恨で上巻は締めくくられる。
    一度読んで、もう一度繰り返し読むと、余計に切ない宇田川との別れのシーンです。

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    2012年11月16日