奥田英朗のレビュー一覧

  • 無理(上)

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    合併で生まれた地方都市・ゆめので、鬱屈を抱えながら暮らす5人の男女ー人間不信の地方公務員、東京にあこがれる女子高生、暴走族あがりのセールスマン、新興宗教にすがる中年女性、もっと大きな仕事がしたい市議会議員ー。縁もゆかりもなかった5人の人生が、ひょんなことから交錯し、思いもよらない事態を引き起こす。

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    2018年06月17日
  • 純平、考え直せ

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    坂本純平は気のいい下っ端やくざ。喧嘩っ早いが、女に甘くて男前。歌舞伎町ではちょっとした人気者だ。そんな彼が、対立する組の幹部の命を獲ってこいと命じられた。気負い立つ純平だが、それを女に洩らしたことから、ネット上には忠告や冷やかし、声援が飛び交って…。決行まで三日。様々な出会いと別れの末に、純平が選ぶ運命は?

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    2018年06月16日
  • 無理(下)

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    「ゆめの」と同じような何もない地方都市に住んでいる私には、あの鬱屈した風景に哀しいくらいの親近感があったのですが、下巻に入ってから状況は一変。
    さすがに誘拐や殺人とあれば、その親近感も吹っ飛びましたわな。
    徐々に破滅に向かう5人の物語。この結末をどう締めくくるのか非常に気になりましたけども、はっきりとした結末は無く。その先のそれぞれの姿は読者のご想像にお任せします的な終わり。でも確かにその後の5人の姿を想像すれば、はっきりと目の前にエンディングは浮かんでくる。当然ハッピーエンドでは無いものの。

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    2018年04月12日
  • 無理(上)

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    鬱屈した人間の姿は実に滑稽で面白いもの。でもそんな他人の不幸を嘲笑う俺自身もまた「ゆめの」のような地方都市に住んでいて、鬱屈した生活を送る一人である。この作品を読んでいてその現実に気づかされてしまう。手を伸ばせば届きそうなくらいの距離にある5人の物語。決して他人事でもないような。痛いくらいの共感と共感してしまう寂しさで、なんだか複雑な感情で読んでいた。下巻でどんな展開になるのやら。

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    2018年04月03日
  • 恋愛仮免中

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    <内容紹介より>
    人気、実力とも当代随一の作家5人が腕を競う、恋愛小説アンソロジー。3年越しの恋人が無断で会社を辞めてショックを受け、結婚を焦るOL。夏の日、大人の異性との出逢いに心を震わせる少年と少女。長年連れ添った夫婦の来し方、そして行く末。人の数だけ、恋の形はある――。人の心が織りなす、甘くせつない物語の逸品。
    ――――
    どの作品の程よいボリュームですらすらとよむことができました。甘酸っぱい「有川浩」的な恋愛要素を求めて読むと、少し肩透かしを食うかもしれません。
    もちろん、恋愛特有の甘酸っぱさはあるのですが、「ベタベタ」した感じはなく、どの作品もスッキリとしています。
    大きなどんでん返し

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    2018年03月14日
  • 恋愛仮免中

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    2018/2/18

    奥田英朗/あなたが大好き
    窪美澄/銀紙色のアンタレス
    荻原浩/アポロ11号はまだ空を飛んでいるか
    原田マハ/ドライビング•ミス•アンジー
    中江有里 /シャンプー

    ‪読みやすくて晴れ晴れするアンソロジー。ウルっときたりもするけど、透明な気持ちになれる。‬
    ‪中江有里さんは初読みかも。‬

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    2018年02月18日
  • 恋愛仮免中

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    結婚して家庭を築くというのは人生のビッグイベント。イベントには事業計画が必要で両家の釣り合いも大事な要素となってくる。惚れた腫れたの恋愛感情だけでは自ずと無理がくる。周囲が順調に人生を闊歩する中、スタートラインにも立っていない自分。焦る気持ちは喉元までせりあがってくる。結婚は愛じゃないのか、経済なのか、安定なのか、それとも。好きという気持ちとそうでないものとの狭間で揺れるヒロイン。悩みと葛藤しながら七顛八倒しながらも答えを導き出す。人は人、自分は自分、そういうこと。

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    2017年11月25日
  • 恋愛仮免中

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    このストーリーの中の人の繋がりは美しくて素敵だと感じたものを2つ挙げて、レビューに代えます。

    荻原浩さんの
    「アポロ11号はまだ空を飛んでいるか」

    原田マハさんの
    「ドライビング・ミス・アンジー」

    奇しくも2編ともタイトルが長いです。

    ほおっと息をつきたくなるあったかさ。
    胸の奥がつーんとなる切なさ。
    どちらも長い年月が解してゆく人の心が
    とても聡明な美しさで描かれています。

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    2017年10月08日
  • ララピポ

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    風俗関係の人達ばかりが出てくる群像劇。作者の他作品には割と可笑しくも愛される登場人物が出て来るんだけど。今回は屑ばかり(確かに日常的にいそうではあるけども)登場人物として出てくる。ジェットコースター群像劇ではある部分があってイッキ読みはしたけれども。いや〜珍しく登場人物に感情移入出来なかった

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    2017年10月06日
  • 新装版 ウランバーナの森

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    奥田英郎で期待したが、期待したユーモア的にはイマイチの本でジョンと言う主人公はジョンレノンと被らせて書いているのか?軽井沢での生活をグダグダと書いてある内容で完読せず終える。

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    2017年09月16日
  • 無理(下)

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    元々、幸福感が薄い人々が、ズルズルと不幸になってゆく。
    映像的には青空がない、話の中では雪が降っているが、眩い白というよりは、灰色感がある。

    見ていて楽しさを全く感じられないが、なぜか読み続けることができる。作者に嵌められた感がある。

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    2017年08月25日
  • 無理(上)

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    陰鬱な内容。読むと元気になるとかテンションが上がるとか、そんな小説は数多あるが、これはその逆。
    それでいてなんとなく読み続けさせる。
    市役所職員、市議会議員、女子高生、地元大手スーパーの覆面警備員、詐欺まがい商法の営業、それぞれの登場人物はお互いを知らないが、微妙にすれ違ったりする。それぞれの今後とか、微妙に気になる。

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    2017年08月16日
  • 恋愛仮免中

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    タイトルにセンスがないなぁ~と思う。表紙デザインもだけど。
    奥田さんが好きで読んだけど、ありがちな設定でありがちな展開だけれど、やっぱり面白い。
    窪さんのは既読だったけれど、この話は好き。
    荻原さんは、荻原さんっぽい。
    原田マハさんと、中江有里は初読み。中江さんのが良かった。

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    2017年07月24日
  • 恋愛仮免中

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    奥田英朗、窪美澄、荻原浩、原田マハ、いずれも好きな作家と、私は初読みの中江有里による短編集。書き下ろしではなく、ここ数年に雑誌等に収載されたもの。

    三十路突入までに結婚したいのに頼りない恋人にいらつくOL、夏の海辺で年上の女性に淡い恋心を抱く男子高校生、余命わずかな妻に寄り添う夫、外国人観光客を乗せたタクシー運転手、母が通う美容室のシャンプー係に恋をした女子中学生。

    初読みの作家以外は、その作家のいちばんとは言えないけれど、どの物語も穏やかでそれなりの良さ。2時間ほどでさまざまな恋の形が楽しめるのはお得かも。

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    2017年06月05日
  • 恋愛仮免中

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    著書各々の色が出ていてリラックスして楽しめた。やはり奥田氏の読ませ方は心憎い。中江有里さんの文章力とストーリーテリングの上手さに驚いた。一番好きなマハさんはいまひとつ、やはりもう少し長い文が似合う。

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    2017年06月02日
  • 用もないのに

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    初出は04~09の雑誌に掲載されたもの。
    奥田さんのエッセイは安定のユルさ。
    ちゃんとした文章で、面白いものを分かりやすく読ませる。
    面白おかしい書き方でごまかさなくても笑える文章は書ける。
    プロの作家の文章をちゃんと読まないと、脳みそがふやけるな。
    雨のフジロック体験記は未知の世界&オヤジ初参加で何倍にも面白かった。

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    2017年05月24日
  • 無理(下)

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    地方都市の課題を風刺した社会的な作品。舞台の天候も、登場人物たちの心情も、全てが重たい曇り空で、読んでいる間の気分の悪さは必至。

    人間の身勝手さやそれを生む地方都市のシステムが上下巻通してローテンションで描かれ続けるが、不思議と飽きず、ページを繰る手も止まることなく、一気読みできる。

    この薄暗い内容でテンションの高低もないのに飽きさせないのは、さすが奥田さんの作品と感服しました。

    ただ、ラストの事件は、わたしにとっては違和感。これからも彼らや都市自体は救われることなく生きる他ないと思わせることはいいのだけど、あの事件の偶然性がフィクションの感覚を必要以上に強めている気がする。

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    2017年05月08日
  • 東京物語

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    年代が違うからどうかなぁって思って読んだけど、まったく問題なかった。
    めっちゃおもしろかった!
    自分が上京した時を思い出した。ヽ(´ー`)ノ
    名古屋弁がイイ味だしてたねー。
    なにィ=お爺、なにがァ=チョコバー、にゲラゲラ笑った。

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    2017年04月30日
  • 泳いで帰れ

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    ネタバレ

    アテネ五輪の観戦記のはずなのに
    「泳いで帰れ」ってどういう意味かと思っていたら
    アテネ五輪野球の日本代表に対する著者からの怒りの
    メッセージだったのですね。

    アテネ五輪観戦記と言いつつ野球日本代表の話がメイン。
    金メダルは取れなかったと記憶しているものの
    内容はどんな感じだったかは全く忘れていました。
    ただ試合内容については詳細に語られておらず
    むしろ著者が観戦している時の周囲の様子などの方が
    事細かに語られておりそれはそれで面白いです。
    著者が怒り心頭な3位決定戦のシーンは全く覚えていませんが
    言いたいことは分かりますし同感です。

    アテネ五輪の頃から中韓との軋轢ってあったんでしたっけ?

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    2017年03月31日
  • 用もないのに

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    ネタバレ

    「延長戦にはいりました」が好きなので、今回も期待して読みましたが、少々期待はずれ。
    奥田さんが行ってみたシリーズ、みたいな感じ。北京五輪、フジロック、お遍路、などなど。
    そもそも私は野球にそんなに詳しくないので、最初から疲れてしまいました。
    時々、ドキッとするようなことが書いてあって、そこはさすが奥田さん!と思いました。

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    2017年02月23日