奥田英朗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレジョン・レノンをモデルにした、ファンタジーで、この作品が奥田英朗さんのデビュー作になります。
ジョン・レノンについて書かれた書物はたくさんあるようですね。
でも、活動停止期間中に言及したものはほとんどないらしく、それを想像で埋めようとする試みが面白いと思いました。
ビートルズや、ジョン・レノンに詳しくなくても楽しめますが、知識があればきっと、更に楽しめるのではないでしょうか。
そう考えると、ちょっと悔しいですね。
ひとりの男性の癒しと再生の物語で、読後感も良かったです。
この新装版には、「二十年後のあとがき」と題されたあとがきも加えられていて、そちらも楽しく読ませていただきました。
そ -
Posted by ブクログ
気軽に読める短編だった。
個人的に好きだったのは「おれは社長だ!」と「毎度おおきに」のシリーズである。
経営者とは孤独なものであり、弱音を吐ける場所もないという様子が父親と重なった。
たとえセンスや技術があっても経営者として優れているかは別の話であって、社員の生活まで背負う責任の重さは計り知れない。
会社を守るためには手段なんて選べない。
世間知らずだと相手の好きなようにあしらわれる。
「セブンティーン」もまたおもしろかった。
私は母と学校のこと、友だちのこと、恋愛のことでもなんでも話す方であると思う。
母自身学生時代はモテて遊んでいた(ように私には思える)。
それでも娘のことは心配らしい -
Posted by ブクログ
帯にスラップスティックって書いてありました。よく聞くけどなんだっけ?と思って検索してみたらドタバタ喜劇というような意味なんですね。じゃあドタバタ喜劇って書けよって思いますが、今度からかっこつけてスラップスティックって言ってみよう。
そもそもとても器用な作家さんなので、硬軟どちらも名作を書ける人として定評があります。これもまた犯罪小説ながらとっても青春の香りがして楽しく読めました。
コミュニケーション能力の発達した、一発でかいのを当てることを夢見る企画屋。記憶力抜群だが注意力が無さすぎる財閥の苗字を持つ一般庶民。成り上がり俗物金持ちの娘に生まれたことを苦々しく思っている美女。そしてドーベルマンの -
Posted by ブクログ
久々に奥田さんを読もうとして、これにした。軽くて明るそうだ。そういうものが読みたい気分だった。読み始めると面白くてずんずん進む、これはもしかして当りかも。すぐ読みきった。
感想はいつものように感謝して甘い点をつけたかったが、辛かった。
兄貴に憧れ一途に尽くしてきた純平21歳、兄貴のようなヤクザになりたい。尽くして尽くしまくっているとき、組長からじきじきの命令だ出る。三日後に鉄砲玉になれ。
感激して、20万と貰った三日間を豪勢に暮らす。何しろ田舎出で、兄貴について見聞きしたことしか知らない、おずおずしたところが可愛らしいが、それなりに女の子と付き合い、勝手知った歌舞伎町で羽を伸ばす。兄貴に呼 -
購入済み
人として面倒くさくて普通
山田太一さんとの対談を読んで、普通の人の生活がドラマや小説になるんだと、改めて思いました。
人は普通に面倒くさくて、それがかかわり合って生きてる。それでいいと思うと肩の血からが抜ける。