あらすじ
「侮(あなど)ったら、それが恐ろしい女で」。高校までは、ごく地味。短大時代に潜在能力を開花させる。手練手管と肉体を使い、事務員を振り出しに玉の輿婚をなしとげ、高級クラブのママにまでのし上がった、糸井美幸。彼女の道行きにはいつも黒い噂がつきまとい――。その街では毎夜、男女の愛と欲望が渦巻いていた。ダークネスと悲哀、笑いが弾ける、ノンストップ・エンタテインメント!
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Posted by ブクログ
こういうのでいいんだよっていう模範例。
この人に田舎の絶望感を書かせたら右に出る人はいないのでは。
取られても仕方ないような人たちから取るのも良い。
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いや〜面白かった。
これからどうなる?と美味しくなってきたところで話が終わってしまうあたりがとても良い。その先の展開が気になって仕方がない。そして次のエピソードが始まる。止まることなく一気読みでした。
糸井美幸の虜になっていく愚かな男たち。たびたび本書に出でくる糸井美幸の容姿は、美人かどうかは分からないが男好きのする顔立ち。大きな口と厚ぼったい唇。そして肉感的である。とある。
これにはもう糸井美幸の虜になってしまう男たちの気持ちが痛いほど分かるのでした。悲しい男の性とゆうやつですね。
Posted by ブクログ
『噂の女』を軸に、その周りにいる人の目線で描かれた短編集。
それぞれの話が絶妙なところで次の話に移り、ちょっともどかしい気もするけど全体を通してとても楽しめた。
各話の主人公が面倒ごとに挟まれ右往左往する様がうまく描かれており、作者が得意としている内容であった。
Posted by ブクログ
読んで、だから何?って感じではあるけど、読みやすくて面白い。
後妻業みたいな。
そして白夜行みたいに、「噂の女」自身の目線にはならないが、いろんな人物から語らせて、「噂の女」が見えて来る。
そして完結している短編ながら、時間は経過していき、次の話の時には妊娠していたり出産していたり、すでに新しい男がいたりというのが面白い。
最後、どうなるのかは分からないが、結末としても痛快!
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糸井美幸の噂が連作になっている。
男に好かれる容姿を生かし、女が生きていくには男の経済力を活用し糧にしてのし上がるしかない、と言い切る様はある種の清々しさを感じる。
悪い女ではあるが憎めない、伊良部ドクターのマユミちゃんを思いだす。自分にそんな容姿があったら、どうしたかな?と考えた。
面白くあっという間に読み終えた。
Posted by ブクログ
面白くてどんどん吸い込まれてゆく。一見平凡な女が、女の性をつかって上り詰めてゆく話。いろんな立場の人間から「噂の女」が描写されてるのがよい。
面白いが、女の私が読むと疲れる。この本を読むだけで、普通の女には、「噂の女」のように男から次々と金を巻き上げてゆくことなどできないとわかる。この女、しぶといなぁと。
Posted by ブクログ
読書好きの友人Kからお下がりでもらった一冊。
ひとことで言うと、エンタメ小説だった。
章が割に細かく分かれていて、それぞれに語り手が変わる。普段見えていない人間や物事の裏表を全て可視化したような、そんな内容だった。
章ごとに数年が経過していて、章ごとのシチュエーションもバラバラ。けれど全ての核に謎の女“美幸”がいる。
それだけ聞くと重い話なのかと思うけれど、どちらかと言うと深く考えずに楽しめる一冊だと思う。
これまで奥田英朗を読んだことがなかったけれど、他の作品も読んでみたいと思った。
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全部噂で終わり、最後まで語られずに進むから軽い。語られない部分が多いから好みは分かれそうだけれども、個人的にはテンポ良くて好きです。続けて読まないと面白さが伝わりにくいかも。
Posted by ブクログ
高校まで地味だった女、糸井美幸は短大入学後、派手になり、顔は地味だが、
男性が魅了する身体になっていた。
糸井美幸には、ある噂があり、とある社長の愛人ではないかと言う。
ミステリー?サスペンス?それとも、エンタメ?
連作短編で、章が変わるごとに年月は進み、
噂の女となった、糸井美幸は、突如現れては、何やら怪しい行動をしている。
どんどん怪しくなっていく・・・。
読んでいて、糸井美幸の素性が全くつかめず、弟を名乗る若手のヤクザも
本当に弟なのか謎で、まさに、噂の女と言った感じ(笑)。
どこの地方とは明記されてませんが、地方を舞台にした作品展開で、
言葉使いにも訛りがはっきりあります。
そんなに読みづらくはないですが、イントネーションとか少し違和感?
慣れが必要かも。著者である奥田英朗の出身県である、岐阜県なのかな。
Posted by ブクログ
悪女の話。和歌山のドンを思い出す。ここまで悪女に徹すると痛快。奥田さんの地元愛、地方ならでわの笑い。グッと親近感が湧く。彼の本『最悪』のトーンである。
Posted by ブクログ
著者得意の群像劇。序盤は田舎の若者がしょうもないトラブルを抱える盛り上がりに欠ける展開だが、半分読み進めたあたりから話が次々とつながっていき、それぞれの登場人物の行く末に思いを馳せながら最後までノンストップで読めた。最終的に噂の女がどうなったかは語られていないが、どこかでまた、色仕掛けをしているんだろうな。。。
Posted by ブクログ
岐阜弁、いいなぁ。文字で読むと、ほとんど名古屋弁みたい。
東野圭吾さんの白夜行の女主人公と手を組んだら、どんな事になるんだろう? 男なんて全く歯が立たない、最強コンビとなるに違いない!
Posted by ブクログ
前半は
あまり気の進まない
ゆっくりとした
読書となったが
読み進めるにつれ
どんどん引き込まれていき
後半は
一気に読み終える
これも
作者の
計算なのか…
短編を
巧妙に編成された作品
Posted by ブクログ
悪女の話に見せかけて、実際は地方のしがらみに生きる人々の人間模様を描いている。何とも嫌な話ばかりでため息をつきながら、それでいて少しニヤつきながら読んでしまう自分が可笑しい。
Posted by ブクログ
なんとなく借りた。
短編集なんだけど、語られるのは噂の女、糸井美幸。おそらく、作者の出身地岐阜を舞台にのし上がっていく女。
彼女の視点では語られず、まわりの視点で語られる。高校まで地味だった彼女が何故短大に入ってからハデになったのかは謎。あまりステキな家庭では育ってなさそうだけど、ヤクザまがいの弟とは仲が良いみたい。
地方の慣習とかいやらしさが前面に出てて、それを利用してのしあがっていく噂の女。爽快なのよね。これは女性が応援したくなる。
最後は逃げちゃうけど、一筋縄ではいかない逃げ方。
Posted by ブクログ
おのおの別の'噂の女'の話なのかと思って読み始めたら、糸井美幸の話だった。
怖い…小説の中だけの話と思いたいけど、実際、こんな感じで周囲で男性が不審死している事件ってあるよな、と。そしてそれが、美人の起こした事件かと思えば、そんなことも無いと言うのも現実の事件でも同じ。
どの話も、えーその後どうなったの?と言うところで終わるのも何とも、、
今、糸井美幸はとこで何をしているんでしょうね。
Posted by ブクログ
最初は短編集風にみえてどんどんと繋がっていく、連作短編的な作品。視点がさまざま入れ替わり面白くよく練り込まれている。女は男次第で成り上がれる。
Posted by ブクログ
地方出身のとりわけ美人でもない女性が、男女の愛と欲望を土台として、のし上がって行く様子を描いた作品。
彼女の名前は糸井美幸。
目次
中古車販売の女
麻雀荘の女
料理教室の女
マンションの女
パチンコの女
柳ケ瀬の女
和服の女
檀家の女
内偵の女
スカイツリーの女
そう!
この目次の女は、全て糸井美幸のことなのだ。
描かれている『噂の女』こと糸井美幸が、いわゆる悪女なんだけれど、本人目線での描写が全くないので、読み手からするとミステリアスに感じられて、それもまた彼女の魅力に拍車をかけているのだろう。関わった人間を次々と惹きつけて利用価値を巧妙に計算し、自らの人生を闊歩する様子は爽快感すら感じられた。
男性は、彼女の肉感的でボウリングのピンの様なスタイル、厚ぼったい唇、豊満な胸に、アルトトーンの落ち着いた声を目の前にすると、みな一様に欲望を抑えるのに必死だ。
一方で女性は、男性が好みそうなその容姿に一目置き、時にはその大胆な言動にある種のカリスマ性を感じて、羨望の眼差しを向けている。
それにしても作中で、糸井美幸に出会った男性は、同級生から社長さん、議員さんから刑事に至るまで、滑稽なほどに十把一絡げの扱いで描かれている。異性からするとそんな事ないやろ〜笑
と思うのだが、同性の作者が描いているのだからきっと間違いないのだろう。生物学的な性の前では、みな無防備なのかもしれない。
次から次に場面展開して、毎度糸井美幸が出没するのだが、人物の繋がりが分かりやすく、場面毎の主要人物も絞ってあるのでとても読みやすい。余韻を含む終わり方も、本作のイメージ通りで秀悦だった。
個人的には、美幸の子供がその後どんな人生を歩むのだろうと気になってしまった。
授かり方も極めて計算高かったが、この子の半生を続編で見てみたい。いや〜何だかんだ私も糸井美幸に魅了されてるなぁ・・・
タワケッ!って言われそうですが笑
それと、歯並び!
美幸曰く、女性は歯並びさえよければどうにでも仕込めると・・・
私もこれには激しく同感。
女性だけでなく男性にも十分言えることだろう。年齢を重ねて痛感するのは、健康な自分の歯で、尚且つ美しい歯並びは最強だ。大袈裟でなく、その人の生き方にも影響すると思う。
・・・って、最後はなぜか歯の話だが、所々雑学的な要素もあり、なかなか面白い作品だった。
Posted by ブクログ
社会の闇につけ込んで暗躍する謎の女。エピソードの大半はやるせない結末を迎えるのでフラストレーションが溜まる。檀家の話、警察組織の話、ゼネコン業界の話は今でも有り得る話なのだろうか。謎の女、糸井美幸の暗躍とともに社会の闇を読んで腹立たしい気分で読んだ。どの章も初めの一文があらすじを語る内容で物語に入り込みやすく、文体もとても読みやすい。
客観的に捉えている謎の女の正体を最後に明かしてくれるかと期待していたが残念ながら謎のままで落胆。
Posted by ブクログ
デートした人におすすめの小説はと聞いて勧められた本
絶対デート相手にすすめるような本ではない
自分がすすんで読むなら面白い、世で言われる男をたぶらかす凶悪女殺人鬼ってこんなもんだろうって思う
全体としては、少し憂鬱になる本。田舎には住みたくない。
Posted by ブクログ
陰キャだった女子が男を手玉にとって1歩1歩のし上がっていく話。
愛知県の片田舎を舞台にしているようで登場人物のこれでもかという方言が若干読みにくい。
Posted by ブクログ
男を手玉にとる女が凄いのか、それとも騙される男がバカなのか・・・。 きっと、その両方なんだろうな〜・・・。 言い寄られる財力もないから自分には縁遠い話だけど・・・。(^_^;)
Posted by ブクログ
あちこちで噂になる女の本。田舎の閉塞感とかしょうもないしがらみとかを背景に、田舎の女性がのしあがっていく様が痛快ともいえる。男はしょうもないな。
もうひとひねり欲しい感じかな。
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
「侮ったら、それが恐ろしい女で」。高校までは、ごく地味。短大時代に潜在能力を開花させる。手練手管と肉体を使い、事務員を振り出しに玉の輿婚をなしとげ、高級クラブのママにまでのし上がった、糸井美幸。彼女の道行きにはいつも黒い噂がつきまとい―。その街では毎夜、男女の愛と欲望が渦巻いていた。ダークネスと悲哀、笑いが弾ける、ノンストップ・エンタテインメント!
Posted by ブクログ
男を食い物にして成り上がる27歳女の物語。奥田英朗がなりふり構わず書き飛ばした感があり、どの章も結末を語らずに終わっている。女性蔑視の傾向もある。
Posted by ブクログ
2よりの3かな。
一番不憫なのはだいちゃん。
男の目線から書かれた章がずっと不快。
痛い目に合うわけじゃないからカタルシスも薄い。
もうちょっと面白くなりそうなのにね。
Posted by ブクログ
奥田英朗にハズレなし。最後まで面白く読めた。
美幸の心理描写が一度もなく、あくまで周りの人の視点だけで進んでいくのは白夜行の雪穂と同じスタイルか。どちらも悪女だし。
もう少し出来事の真相を明かして欲しかったかなー。ちょっと消化不良かも。
Posted by ブクログ
奥田秀郎さんの作品は読みやすくて好きで手に取った。
確かに読みやすかったが、ちょっと噂の回しが長かったかなーと個人的には中弛みを感じてしまった。最初の引き込みと後半のドキドキ感はたまらなかった。
女で生まれたからには男より稼がなきゃ
この目線は今の時代的には当てはまらないのかもしれないけど、いろんな性別、家庭、仕事の人がいてでもどの人たちからも同じ目線で見られている美幸はある意味てアイデンティティを確立していて憧れの存在なのかもしれないなと