感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2023年08月05日
面白かった!やはり奥田英朗はいい。
この家族シリーズは基本的に良い人ばかり出てくるので、心が疲れない。疲れないどころか暖かくなって癒される。
「手紙に乗せて」は突然死で母を失った主人公が憔悴しきっている父に戸惑う場面から始まる。主人公の周りには、父に同情し気にかけてくれるおじさんたちと、自分の世界で...続きを読む忙しく他人の不幸はすぐに忘れてしまう若者達の2種類がいる。この本のいいところは、そういう若者達を決して悪者にはしないところだ。年を重ねるとは、いろんな悲しみを知ることであり、悲しみを知っているおじさん達は他人の悲しみにも敏感だが、まだ経験が少ない若者達は自分のことでいっぱいいっぱいになる。それはしょうがないのだと認めてくれる。
人に対する視線がなんとも優しく爽やかな気持ちになれる本だった。
Posted by ブクログ 2023年06月02日
久しぶりに奥田英郎さんの作品を読んだんですが、やっぱり良い!何が良いのかというと、"絶妙な脱力感"です。
読んでて変に頭を使う事無く読めちゃうストーリー展開は流石です。今回読んだ「我が家のヒミツ」は6話の短編集となりますが其々のストーリーに登場する登場人物の心理描写が本当に巧みで...続きを読む、自分事の様な不思議な感覚で読めちゃいます。6話全てが良いのですが、個人的には「アンナの十二月」が良かったかな~。
Posted by ブクログ 2022年06月01日
人の心をきちんと描き、ふと気付くと本の世界に入り、主人公のそばでハラハラしたり、優しく見守っているような気にさせてくれる本。ワタシ的には向田邦子さんの作品と同じような魅力を感じてしまう作品でした。
Posted by ブクログ 2022年04月10日
やっぱり最高!
家族の出来事をほのぼのと描いています。
「虫歯とピアニスト」「手紙に乗せて」「妻と選挙」がとても良かった。
このシリーズは絶対読み返すなと思います。
Posted by ブクログ 2022年03月13日
奥田英朗好き!!(笑)
読む前は暗い気持ちになっていても、読んだ後には心がスーっと軽くなってる。
短編集だから起承転結がしっかりしてて、スラスラ読むことができました。
「手紙に乗せて」は奥深かったな。年の功ってよく言うけど、年の功って思いやりがあるかないかってことなのかな。私も年齢関係なく相手を思い...続きを読むやれるような人間になりたいと思いました。
Posted by ブクログ 2021年10月23日
いいなぁこのシリーズ。どのお話にも愛がある。
我が家のヒミツ、だなんて怪しげなタイトルだけど、どの家庭でも起きそうな優しい6つのお話たち、全部良かった。『虫歯とピアニスト』はほっこり。『手紙に乗せて』は読み終えてからじわじわ。歳をとると涙もろくなる解説のようで納得。
そして最後の『妻と選挙』!衝...続きを読む撃でした!
これはほかの『我が家の、、』に出てきた家族!短編同士がどこなく繋がるパターンは多いけど、別の本に載ってる短編と繋がるって斬新な気がする〜♪
マラソンの次は選挙なのね。今回もホロリとしました。なんていい家族。
このシリーズ、たまら〜ん!笑
Posted by ブクログ 2021年09月12日
奥田英朗さんの家シリーズ第三弾。
読んだ後はいつも、日常の小さな幸せに気づかせてくれます。
子どもができない31歳の主婦や、53歳で出世戦争に敗れて一線から外されるサラリーマンや、母と離婚した実の父に会いに行く16歳の女子高生などが登場する全6編。
終わり方が爽やかで、人を恨んだり憎んだりすることが...続きを読む一切出てこないので、温かい気持ちになれます。
理想の展開なんてないから、どちらの人生でも楽しめればいいんですよね。
50代で妻を亡くした夫の気持ちも、亡くした経験がなければわからない。「手紙に乗せて」は本当に心優しいお話でした。手紙っていいものだなぁとつくづく思います。
最後に収められている、N木賞をとったことのある小説家の妻が、市議会議員選挙に立候補する話「妻と選挙」は最高の盛り上がりで、涙が出そうなくらいいい話でした。
このシリーズの前作を読んでから2年以上も経つのですが、第三弾も読んでよかったです。
Posted by ブクログ 2021年08月30日
「家族シリーズ」第三弾!
大好きなピアニストが自分の歯科医院にやって来る「虫歯とピアニスト」
局長の座を逃したサラリーマン「正雄の秋」
本当の父親を探す「アンナの12月」
妻を亡くした父親の話「手紙に乗せて」
怪しい隣人が気になってしょうがない妊婦「妊婦と隣人」
選挙に出馬しようとする作家の妻「妻と...続きを読む選挙」
またまた秀逸な短編集。
大きなドラマや、大袈裟な表現は全くない。
どこにでもあるような、ストーリーなのに、とにかく共感できて、泣ける。
押し付けがましさがないのに、心を打つ、というのがやっぱり作者の技術なんだろう。
とにかく素晴らしい。
特に「正雄の秋」は、会社員なら誰でも、いつかどこかで経験するか、見たことがある風景。
そして、「手紙に乗せて」は、いつか自分に起こるだろう現実。
いろいろな人の人生を通して優しい心を感じられる名作
Posted by ブクログ 2021年07月19日
シリーズ三作目。
私の大好きな大塚一家も登場。あのロハスにはまっていた”妻”が懸命に選挙と闘う姿、そしてそれを最後には団結して全力で応援する家族に感動。やはり大塚一家は素敵な家族だ。
他の話ももちろん良い。嫌なことがあった時、前向きな気持ちになりたい時などにふと読み返したくなるシリーズだ。
Posted by ブクログ 2021年07月16日
文庫を購入して何度目かの再読。リアリティ溢れる登場人物、感情移入できるストーリー、笑いも涙もちょうど良い分量、奥田作品は何度読んでも素晴らしい。
Posted by ブクログ 2021年04月25日
奥田さんらしい文章。
人生につまづいたり挫折を感じたり現状に自信がもてなくなったりこのままでいいのかと迷ったり不安に思ったり。いろいろあるけど、最初の話に出てきたピアニストが言っているように、「人生の青写真を描いたことがない」くらいの心持ちでいるのがちょうどいいのだと思う。
それぞれの話すべて、自分...続きを読むの中の問題を抱えている主人公が、人との関わりの中で癒やされたりしながら救われていく。人に救われるといっても、実際に心と向き合って折り合いをつけて前を向いて立ち上がるのは自分自身だ。
人に影響されて落ち込んだり調子に乗ったりして、人に影響されてまた地に足をつけて前を向いて。それぞれの人生を抱えて生きてるたくさんの人の中で生きてたら、そんなことは当たり前にある。青写真を描いてもしょうがないし、もったいない。落ち込んで前を向く旅路を経て、そのたびに見える世界が少し変わるし、広がっていくんだと思う。
Posted by ブクログ 2021年02月27日
「虫歯とピアニスト」では自分の勤務する歯科医院に、ずっとファンだったピアニストの大西さんが通院する事になり、子供が出来なかった敦美に自分だけの秘かな楽しみが出来た事に共感すると共に心がほっこりさせられました。
「正雄の秋」では出世競争に葛藤する正雄の哀愁が切なく描かれ、「アンナの十二月」では、育...続きを読むての父と実の父の間で揺れ動くアンナの気持ちがリアルに描かれています。
各短編、所々に心の琴線に触れる言葉もあり、優しさを感じ元気を貰え 読み終わった後、心が温かくなる読後感の良い作品集でした。
Posted by ブクログ 2024年03月13日
短編なので気軽に読めて、
数ページで入り込みやすい。
読み終わった後は、暖かい気持ちになる。
どこにでもあるリアルな家庭の一部を
覗き込みながら自分と重ねて、
家族や社会や人との繋がりの良さを思い出せる。
最後の解説まで必読。
この読み終えた時の爽快感を
上手に言語化してくれている。
Posted by ブクログ 2024年02月07日
短編6作品収録
これまたいろんな家族の物語
どれもまた面白かったのですが
最後の作品はうるっときてしまいました
これでこのシリーズを3冊読みましたが
とても気に入りました
今後も続編に期待したいです
Posted by ブクログ 2022年09月17日
ほのぼのとした家族の出来事をほのぼのと描く。自分だったら、たぶんそうするなあと思わせるほど、特別感がなく妙に納得させられる。それでいて面白いのが作者の真骨頂なのかもしれない。
Posted by ブクログ 2021年10月31日
衝撃的な展開が待っているでもない。
心を鷲掴みにする演出が凝っているわけでもない。
なのに、
なぜこんなに心が震えるんだろう?
オニムバス形式で、私は殆どの主人公と同じ立場になったことがないのに、
今後同じ立場になった時のもしものことを、
ものすごくリアリティを持って感じてしまった。
こういう...続きを読む話を集めたとかこう感じて欲しいとかそういう作者の意図は全く感じず、
素直に没頭できる物語でした。
奥田さんの本は初めて読みましたが、
他の本も読んでみたいと思いました!
Posted by ブクログ 2021年10月03日
「家日和」「我が家の問題」に続く、奥田英朗による、家族を題材にした短編小説集の3作目。前2作に劣らず面白い。ストーリーが重くならず、文章が軽快で、最後はほぼハッピーエンドであるというのが短編の共通点であり、安心して読める。
6編の作品が収められているが、好きだったのは「正雄の秋」と「手紙に乗せて」。...続きを読む
「正雄の秋」は、社内の出世競争に最終的に敗れた53歳のサラリーマンが主人公。この物語のような露骨な形での社内の出世競争の決着は、少なくとも私が勤める会社では見かけたことはないし、世の中にも少ないのだと思うが、昇進昇格をめぐる一喜一憂は、実際には表に出ることは少ないものの、サラリーマンにはつきものの話だ。敗れた正雄は妻や会社の人たちに気遣われながら、最後は、ふっきれそうな予感がするところで物語は終わる。
「手紙に乗せて」は、妻を亡くした56歳のサラリーマンが主人公の話。子供たちや会社のひとたち、さらには、同じ経験をした長男の上司に気遣われ、最後に長男の上司から長い手紙をもらい、それに対して主人公が、やはり長い手紙を返すことにより、立ち直りのきっかけをつかんだと思わせるところで物語は終わる。私自身も最初の妻を病気で亡くしている。主人公や長男の上司の気持ちや行動にはリアリティを感じた。
その他の4話も面白い。いずれの話も、読後、自分も前を向こうという気持ちになる。
Posted by ブクログ 2021年06月15日
よかった。どの短編もよかったが、出世レースに負けたサラリーマンの話がリアルで印象に残った。出世レースに敗れたことがわかったあとに行った本屋で「司馬遼太郎」コーナーは素通りしたくなるっていうシーン、すごいリアルだったな。
Posted by ブクログ 2021年06月05日
家庭のちょっとしたヒミツ。短編の六話。
ヒミツと言うかちょっとした体験の話し。
それぞれの物語りが暖かくほっこりする。
六篇全て自分にも似たような体験があったり、
「正雄の秋」は自分の父はどんなだったか
正雄のような気持ちだったかとか
懐かしい気持ちになった
Posted by ブクログ 2021年02月09日
短編集。
どれも面白かったけど、下記の2つが印象的だった。
「手紙に乗せて」
母親が亡くなった際の周囲との温度差。
父の激しいまでの落ち込み…
実際に家族を亡くした経験のない人にはわからない悲しみの重さ。
「妊婦と隣人」
となりに引っ越してきた人たちのことが気になって仕方ない。
日中も部屋にいて、全...続きを読むく出てこない。
どうやって生活しているのか?
どうにも気になることってあるよなぁと思ってしまう。
2021.2.8
Posted by ブクログ 2023年04月11日
短編6話で
すべての話がホッコリ系!!
寝る前や、休憩の時に読めて良いですね
普通の長編もそうですが
短編とか
作家さんて何でこんなに似たようなテーマで こんなに沢山の話が書けるの?とビックリする
作家さんの執筆の仕方や資料とかどうやってるのか見てみたいですよね?!
※だから話が変わるけど、...続きを読む俺が何を言いたいかって言うと…
【自分が理由はないけど、なんか好きで良く使ったり買ったりしちゃう物は「ペンライト」と「四色ボールペン」です】って事!!
Posted by ブクログ 2022年08月17日
続けて読んできた「家シリーズ」第3弾。
今作は家族プラスαというか、家族以外の人に助けられたり影響を受けたり癒されたりといった要素もあって、ちょっと家族観は薄めかなと思える作品も。
すごく沁みる作品もあれば、ちょっと首をかしげたくなる作品もあったので、評価は均して☆3つ。
各シリーズに大塚家のお...続きを読む話があったのは楽しかったな。
ただ、さすがに市議会に立候補っていうのは現実的じゃなかったけど。
Posted by ブクログ 2022年06月10日
タイトルから想像するに、さぞやドロドロした内容では…と思っていたのですが、そんなことはなく、いろんな家庭にいろんな事情、悩みがある…という6編からなるお話。
身近な誰かが経験していそう…。
もし自分だったら…と本人や取り巻く家族になったつもりで読んでました。
それぞれの解決に向けた突破口が見つかっ...続きを読むた瞬間に、はぁ〜良かった、とホッとできます。