あらすじ
結婚して数年。自分たちには子どもができないようだと気づいた歯科受付の敦美。ある日、勤務先に憧れの人が来院し…(「虫歯とピアニスト」)。ずっと競い合っていた同期のライバル。53歳で彼との昇進レースに敗れ、人生を見つめ直し…(「正雄の秋」)。16歳の誕生日を機に、アンナは実の父親に会いに行くが…(「アンナの十二月」)。など、全6編を収録。読後に心が晴れわたる家族小説。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「手紙に乗せて」母が亡くなった。父のことが気になり一緒に住むことに、三人の傷が癒えるのはずっと先、時間以外に処方箋はなさそうだ。上司である石田部長が父の事を気にかけて優しい対応。分厚い手紙に涙する。人情について改めて考えさせられました。
「妊婦と隣人」(笑)本当に隣人はヤバイ人達だったのねー。
「妻と選挙」我が家の問題のラストに登場したファミリー再登場!今回は里美さんが選挙に立候補!結果を知った時涙がジンワリ(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)勿論嬉しい涙。
Posted by ブクログ
・たった35ページの短編で、こんなにも心を揺さぶられて、最後には、電車の中なのに思わず微笑んでしまったのは、初めてかもしれない。
・『虫歯とピアニスト』のピアニスト大西さん流に言うならば、人生を大げさに考えなければ、ほとんどのことは諦めがつくのだ。それを悲劇ととらえる人と、運命と想って受け入れる人の差は、心の中のスイッチひとつでしかない。
・奥田英朗の小説は、基本的に悪人が出てこないから、安心して読める。ちょっと癖のある人だなと思っても、そこらへんに普通にいる人々だし、自分でもあるし、読み終わる頃にはその人もまるっと好きになってしまっている。
・今作も、文句なしにすばらしい小説でした。
Posted by ブクログ
面白かった!やはり奥田英朗はいい。
この家族シリーズは基本的に良い人ばかり出てくるので、心が疲れない。疲れないどころか暖かくなって癒される。
「手紙に乗せて」は突然死で母を失った主人公が憔悴しきっている父に戸惑う場面から始まる。主人公の周りには、父に同情し気にかけてくれるおじさんたちと、自分の世界で忙しく他人の不幸はすぐに忘れてしまう若者達の2種類がいる。この本のいいところは、そういう若者達を決して悪者にはしないところだ。年を重ねるとは、いろんな悲しみを知ることであり、悲しみを知っているおじさん達は他人の悲しみにも敏感だが、まだ経験が少ない若者達は自分のことでいっぱいいっぱいになる。それはしょうがないのだと認めてくれる。
人に対する視線がなんとも優しく爽やかな気持ちになれる本だった。
Posted by ブクログ
久しぶりに奥田英郎さんの作品を読んだんですが、やっぱり良い!何が良いのかというと、"絶妙な脱力感"です。
読んでて変に頭を使う事無く読めちゃうストーリー展開は流石です。今回読んだ「我が家のヒミツ」は6話の短編集となりますが其々のストーリーに登場する登場人物の心理描写が本当に巧みで、自分事の様な不思議な感覚で読めちゃいます。6話全てが良いのですが、個人的には「アンナの十二月」が良かったかな~。
Posted by ブクログ
人の心をきちんと描き、ふと気付くと本の世界に入り、主人公のそばでハラハラしたり、優しく見守っているような気にさせてくれる本。ワタシ的には向田邦子さんの作品と同じような魅力を感じてしまう作品でした。
Posted by ブクログ
やっぱり最高!
家族の出来事をほのぼのと描いています。
「虫歯とピアニスト」「手紙に乗せて」「妻と選挙」がとても良かった。
このシリーズは絶対読み返すなと思います。
Posted by ブクログ
奥田英朗好き!!(笑)
読む前は暗い気持ちになっていても、読んだ後には心がスーっと軽くなってる。
短編集だから起承転結がしっかりしてて、スラスラ読むことができました。
「手紙に乗せて」は奥深かったな。年の功ってよく言うけど、年の功って思いやりがあるかないかってことなのかな。私も年齢関係なく相手を思いやれるような人間になりたいと思いました。
Posted by ブクログ
いいなぁこのシリーズ。どのお話にも愛がある。
我が家のヒミツ、だなんて怪しげなタイトルだけど、どの家庭でも起きそうな優しい6つのお話たち、全部良かった。『虫歯とピアニスト』はほっこり。『手紙に乗せて』は読み終えてからじわじわ。歳をとると涙もろくなる解説のようで納得。
そして最後の『妻と選挙』!衝撃でした!
これはほかの『我が家の、、』に出てきた家族!短編同士がどこなく繋がるパターンは多いけど、別の本に載ってる短編と繋がるって斬新な気がする〜♪
マラソンの次は選挙なのね。今回もホロリとしました。なんていい家族。
このシリーズ、たまら〜ん!笑
Posted by ブクログ
作者の奥田先生がインタビューで、登場人物を裁かないのがモットーと仰っていた。脚光を浴びている人もいれば日の目を見ない人もいる。でも奥田先生は日の目を見ない人にそっと寄り添って、それぞれの短編を後味よく読み切ることができた。初めて読んだ作家さんだったが、また読んでみたい。
Posted by ブクログ
家庭内のちょっとしたイベントを描いた短編集。奥田さんの短編は初めて。家シリーズというのは知らなかった。
とにかく心地よい終わり方をする小説ばかりで、疲れているときにも気持ちよく読める。ほかの短編も読んでみたくなるな
Posted by ブクログ
どれも面白かった。全体的にジーンとくる作品ばかりだった。
①『虫歯とピアニスト』は推しが目の前に現れ小さな優越感を感じて過ごす主人公を見てて自分も楽しかった。夫の言いっぷりがカッコよかった!
②『正雄と秋』は終盤、ライバルの父の訃報からの流れ、ライバルや奥さんや自分自身ときちんと向き合ったところに心が温かくなった。
③『アンナの十二月』は、実は有名人が実の親だったと分かり、舞い上がってしまう気持ちも分かるけど、生みの親より育ての親を大切にしてくれて安心した。
④『手紙に乗せて』は考えさせられた。自分も若い世代だから、親や配偶者の死は他人事とは思わずともあまり深く考えていなかった。作中で、「伴侶を失うというのは、自分の人生の半分を失うのと一緒」という言葉が印象的だった。義父が去年の夏に亡くなって、残された義母のことや夫のことを思ったりした。
⑤『妊婦と隣人』はハラハラドキドキして面白かった。
⑥『妻と選挙』は夫の演説、ラストに感動して泣いた。
Posted by ブクログ
6つの短編集だ。
いずれの話も面白い。世の中にはいろんな家族がいるよなぁって実感できる…中年男性が主人公だと我が身に照らし合わせ、妻が主人公だと『へえ、世の妻方というのはこう考えるんだ』と参考になる。
特に印象に残ったのは『手紙に乗せて』という話。母親が死に、憔悴した父親を息子がいろいろ心配する。同じように妻を亡くした過去を持つ息子の会社の部長が、父親宛てに進展で手紙を書く…その内容はわからないが、優しい思いやりに鼻の奥がツーンとし、思わず泣きそうになった。
最後の話『妻と選挙』は奥さんが市会議員に立候補する話…ダンナは作家…ん?読んだ後に気がついた。この夫婦は…『家日和』『我が家の問題』にも登場した大塚さん夫婦だ!これまでに奥さんがロハスやマラソンにハマってきたが、今回は議員になりたいと言い出すのだ。このように『シリーズもの』に時を経てまた同じ夫婦の話が取り上げられているのも、実に面白い。
Posted by ブクログ
家シリーズ第3弾。
どこにでもいる普通の家族の、ちょっとだけ特別な出来事。
「アンナの12月」「手紙に乗せて」
そして家シリーズのレギュラー(?)大塚家の「妻と選挙」が心に残った。
いつもほっこり温かい気持ちになれる。
Posted by ブクログ
やはり、奥田英朗の短編小説は素晴らしいです。
伊良部先生シリーズのような毒やスパイスは少ないですが、
読後感はほっこり、前向きになることができるお話しで、家シリーズも読み返していきたいです。
Posted by ブクログ
短編なので気軽に読めて、
数ページで入り込みやすい。
読み終わった後は、暖かい気持ちになる。
どこにでもあるリアルな家庭の一部を
覗き込みながら自分と重ねて、
家族や社会や人との繋がりの良さを思い出せる。
最後の解説まで必読。
この読み終えた時の爽快感を
上手に言語化してくれている。
Posted by ブクログ
短編6作品収録
これまたいろんな家族の物語
どれもまた面白かったのですが
最後の作品はうるっときてしまいました
これでこのシリーズを3冊読みましたが
とても気に入りました
今後も続編に期待したいです
Posted by ブクログ
ほのぼのとした家族の出来事をほのぼのと描く。自分だったら、たぶんそうするなあと思わせるほど、特別感がなく妙に納得させられる。それでいて面白いのが作者の真骨頂なのかもしれない。
Posted by ブクログ
衝撃的な展開が待っているでもない。
心を鷲掴みにする演出が凝っているわけでもない。
なのに、
なぜこんなに心が震えるんだろう?
オニムバス形式で、私は殆どの主人公と同じ立場になったことがないのに、
今後同じ立場になった時のもしものことを、
ものすごくリアリティを持って感じてしまった。
こういう話を集めたとかこう感じて欲しいとかそういう作者の意図は全く感じず、
素直に没頭できる物語でした。
奥田さんの本は初めて読みましたが、
他の本も読んでみたいと思いました!
Posted by ブクログ
短編集なのでさらっと読みたい時にちょうど良い
アンナの12月
歯医者とピアニスト
が面白かった
本当の父親が有名人でお金もちだったら…
勤務先の歯医者にファンのピアニストが患者さんで来たら…
私の心も同じでした。
Posted by ブクログ
「家日和」「我が家の問題」に続く家族にまつわる短編集。今回も穏やかにほっこりするお話でした。
6編6家庭のストーリーが、50代の夫目線・40代の妻目線・10代の娘目線etcとそれぞれで、今の自分と近い目線の作品もあってキュンとしました。主人公以外の登場人物のアナザーストーリーを想像するのも楽しいです。「手紙に乗せて」が1番好きかな。
Posted by ブクログ
短編6話で
すべての話がホッコリ系!!
寝る前や、休憩の時に読めて良いですね
普通の長編もそうですが
短編とか
作家さんて何でこんなに似たようなテーマで こんなに沢山の話が書けるの?とビックリする
作家さんの執筆の仕方や資料とかどうやってるのか見てみたいですよね?!
※だから話が変わるけど、俺が何を言いたいかって言うと…
【自分が理由はないけど、なんか好きで良く使ったり買ったりしちゃう物は「ペンライト」と「四色ボールペン」です】って事!!
Posted by ブクログ
続けて読んできた「家シリーズ」第3弾。
今作は家族プラスαというか、家族以外の人に助けられたり影響を受けたり癒されたりといった要素もあって、ちょっと家族観は薄めかなと思える作品も。
すごく沁みる作品もあれば、ちょっと首をかしげたくなる作品もあったので、評価は均して☆3つ。
各シリーズに大塚家のお話があったのは楽しかったな。
ただ、さすがに市議会に立候補っていうのは現実的じゃなかったけど。
Posted by ブクログ
タイトルから想像するに、さぞやドロドロした内容では…と思っていたのですが、そんなことはなく、いろんな家庭にいろんな事情、悩みがある…という6編からなるお話。
身近な誰かが経験していそう…。
もし自分だったら…と本人や取り巻く家族になったつもりで読んでました。
それぞれの解決に向けた突破口が見つかった瞬間に、はぁ〜良かった、とホッとできます。