奥田英朗のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
過疎の町、北海道苫沢町。この町で起こる様々な騒動と人間模様。一話完結であるが繋がっている連絡集。
息子が後を継ぐと急に帰ってくる「向田理髪店」
風呂場で倒れた馬場さんと家族の話「祭りの後」
中国から花嫁を迎えた大輔の話「中国からの花嫁」
小さな町に新しいスナック「さなえ」ができた話「小さなスナック」
苫沢町が映画撮影のロケ地になる話「赤い雪」
広岡の息子が詐欺師の主犯格になる話「逃亡者」
小さな町特有の息苦しさと、小説ならではの小さな希望と温かさを感じられるエピソード。
どこかの町に本当にありそうなリアリティさがある。
モデルは夕張市だろうか?
「向田理髪店」はまさに共感できて、胸がザワザ -
Posted by ブクログ
奥田英朗のクライムノベルは初読なんだけど、あんまりスッキリしないラストだった。
半分以上物語を過ぎた時点であまりにも展開が不快で、読んでいてかなりストレス高かった。ここまで読者の気持ちを落とす必要があるのか、あるのならそれなりのカタルシスを持ってきてくれよ、と思ったんだけど、結局心の澱は消えず。
後半は「そうきたか」という方向に物語の舵を切って、最後まで読み切った。
けど、やっぱりラストが釈然としない。終幕が粗すぎる。
じゃあどういう終わり方をすれば良いのか?という話だけど、結論としては助走をつけすぎだったんじゃないか、と思う。
さっきも言ったけど、けっきょくこの600ページ超える作品で半分以 -
Posted by ブクログ
シリーズ第三弾!
これ、パロっていると思いますが、大丈夫なの?(笑)
ナベツネ、ホリエモン、黒木瞳...
■オーナー
間違いなくナベツネをパロっています(笑)
プロ野球の1リーグ構想。
新聞社のオーナー。
しかし、パニック障害に..
結局、背負っていたものをすべて、脱ぎ捨て、引退することで解決へ..
■アンポンマン
これはホリエモン(笑)
インターネットとメディアの融合。
二ホン放送の買収。
ひらがなが書けなくなってしまう症状に。
幼稚園児との交流から治癒していきます。
■カリスマ稼業
これは、黒木瞳だと思う(笑)
スタイルにこだわり、アンチエイジングへのこだわり。
ここではマユミの言動 -
Posted by ブクログ
あとがきに方々に散らばった短編を寄せ集めて作ったとあった短編集。終わる話かと思ったら2話続いてり、それ以外は1話完結で、途中で突然対談が入ったりする。「おれは社長だ!」と「毎度おおきに」は続いてる話で、大手広告代理店を退職独立したの話。業界内ではよくある話をネタにしたという雰囲気。「ドライブ・イン・サマー」は落語のようなオチのあるドライブ感のある短編。真夏の車中、ありえない人たちと次々と出会う。気がつけば抜け出せない最悪の事態に引きづりこむのがさすがこの作者。「クロアチアvs日本」はサッカーワールドカップのクロアチア戦をクロアチア人目線で描くショートショート。「住み込み可」は熱海の旅館みたいな
-
Posted by ブクログ
日常に起きる不思議な出来事。ユーモアとペーソスに溢れ平易な文章でスイスイと読み進めることができた。
■海の家
葉山の古民家のタケシ君。怖くない、むしろ癒しになる幽霊。助けてくれてありがとね。
■ファイトクラブ
追い出し部屋に追いやられた男性たちにボクシングを教える年配の男性。丹下段平みたいだな。よくあるパターンのお話だが、後味は良い。
■占い師
恋愛の悩みにアドバイスをくれる占い師。鏡子という名前が絶妙。
■コロナと潜水服
コロナウイルスを感知できる5歳の息子。雨合羽を搔き集めた市長がいたのを思い出した。まだ感染者は一定数いて終わった話でもないのだが、こういう感じに語れるほどには落ち着