【感想・ネタバレ】邪魔(上) 新装版のレビュー

あらすじ

及川恭子、34歳。サラリーマンの夫、子供二人と東京郊外の建売り住宅に住む。スーパーのパート歴1年。平凡だが幸福な生活が、夫の勤務先の放火事件を機に足元から揺らぎ始める。恭子の心に夫への疑惑が兆し、不信は波紋のように広がる。日常に潜む悪夢、やりきれない思いを疾走するドラマに織り込んだ傑作。

スーパーのパート。不眠症の刑事。不良高校生。接点のなかった三人の日常が、ある事件を機に静かに急速に、転落してゆく――。

日常に潜む悪夢を描いたクライムノベルの傑作。
大藪春彦賞受賞作。

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Posted by ブクログ

■サマリー
・人が堕ちていく、見事にどん底に。
・彼、彼女たちは最後どうなるのかは
 読者の想像におまかせ。
・上下巻で800ページ弱あるものの、
 テンポよく読み進められる。

■所感
放火の容疑が掛かった夫を持つ主婦の及川恭子。
過去に妻子を亡くし不眠症を患う刑事の九野薫。
不良高校生で刑事とヤクザに追われる渡辺裕輔。
最初は全く関係性がなかった三人が、及川恭子の夫が起こした放火事件を契機に複雑に絡み合い物語を進めていくところがとても面白い。
現実世界でこんなに人は不幸になるものかなと疑いたくなるものの、テンポよく物語は進んでいくため、疑念がどんどん薄れていく。
読後は気持ちは晴れないが、彼、彼女たちはどういう人生を歩んでいくのか、〇〇だったらいいなといった余韻がずっと残る作品だった。

■心に残ったフレーズ
・もしも人生が続けられるのであれば、
 しあわせに背を向けるのはやめようと思った。
 幸せを怖がるのはよそうと思った。
 人は幸せになりたくて生きている。
・『しあわせか』って聞かれりゃあ『しあわせ』って
 答えようけど、ほんとのところはわからん。
 もっと別の人生があったかもしれん。
・人間、将来があるうちは無条件に幸せなんだよ。
 それから先は全部条件付きだ。
 家族があるとか、住む家があるとか、
 仕事があるとか、金があるとか、
 そういうものを土台にして乗っかってる
 だけのことだ。 貸

1
2025年04月13日

Posted by ブクログ

まずタイトルのインパクトが…(笑)
亡くなった妻の母親を大切にする刑事、親に反抗しきれないヤンキー高校生、パート勤めの主婦の視点で話が展開され、後半につれて少しずつ絡み合っていく
主要登場人物の周囲で起こることすべてがなんだか不穏な感じ!これからどうなるのか楽しみです

0
2025年06月03日

Posted by ブクログ

刑事の九野、主婦の及川恭子、オヤジ狩り、連続放火、パートの待遇改善運動などいくつもの事件が起こりまだ先は見えない。
面白い、下巻に続く…

0
2025年04月25日

Posted by ブクログ

 奥田さんの積読本。タイトルの意味を考えながら刑事パートと主婦パート、たまにヤンキー少年パートを行ったり来たり。派手な殺人事件が起こっている訳でもないが、面白くてするする読めてしまう。平凡な主婦・恭子がパート先に立ち向かい、どんどん変わっていく様子に惹かれ、彼女を応援したくなる。花村の逆恨みが勘違いも甚だしくて気持ち悪い。放火事件よりレジ打ちパートの権利獲得運動の方が気になってきた。

0
2024年11月26日

Posted by ブクログ

奥田英朗『邪魔 上』。
ひさしぶりの奥田英朗。新装版で山積みされており、『奥田英朗、初期の傑作!!』に惹かれて、購入。

おやじ狩りでこづかい稼ぎをする高校生・祐輔。
事故で妻を亡くした刑事・九野。
スーパーでレジ打ちのパートをする平凡な主婦・恭子。

なんの関係もなさそうな3人。

九野が上司の命令で、同僚・花村を張り込んでいたところに祐輔たちがおやじ狩りに。当然ながら、返り討ちに合い…

恭子の夫・及川茂則の会社・ハイテックスで放火事件が発生。茂則は第一発見者として、火傷を負い、入院することに…

3人が繋がり始める…

ハイテックス内部での不祥事が見え隠れする。
不安に苛まれる恭子。
一方、花村から一方的に恨みを買い、窮地に陥る九野。

どうなっていくのか…

奥田英朗はほんとに読みやすい。
たくさんの人の視点で描かれているにもかかわらず、わかりにくさを感じない。

0
2024年05月26日

Posted by ブクログ

面白いが、少し読むのに時間がかかってしまった。
新装版の表紙のチューリップは、恭子の花壇作りをイメージしたと思われる。

0
2021年08月27日

Posted by ブクログ

内容(ブックデータベースより)

奥田英朗、初期の傑作にして大藪春彦賞受賞作!!
その幸福は、本物ですか?

ほんの小さなきっかけから、追い詰められてゆく人たち。
平穏な日々が、暗転するーー。

ドアホンを手に取ると「警察です」という男の低い声が恭子の耳に飛び込んだ。
心臓が早鐘を打つ。ドアホンを置く手が小さく震えた。
怖がることなんか何もない。
うちは貧乏でも金持ちでもない平凡な家庭なのだ。
何も起こるわけがないじゃないか。

妻を事故で亡くして以来、不眠症に悩まされている刑事・九野。スーパーのレジ係として働きながら子育て中の主婦、恭子。華やかではないが平穏な二人の日常が、ある事件を機に交錯し始めるーー。小さなほころびがいつの間にか取り返しのつかない事態へと発展する、人生のもろさ、人の危うさを描いた著者初期の傑作!

令和7年11月21日~25日

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2025年11月25日

Posted by ブクログ

妻を亡くした九野と、平凡な主婦の恭子。
恭子の夫の事件をきっかけに交錯していくとあり、早く下巻が読みたい!

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2025年11月04日

Posted by ブクログ

及川恭子、34歳。サラリーマンの夫、子供二人と東京郊外の建売り住宅に住む。スーパーのパート歴1年。平凡だが幸福な生活が、夫の勤務先の放火事件を機に足元から揺らぎ始める。恭子の心に夫への疑惑が兆し、不信は波紋のように広がる。日常に潜む悪夢、やりきれない思いを疾走するドラマに織り込んだ傑作。

スーパーのパート。不眠症の刑事。不良高校生。接点のなかった三人の日常が、ある事件を機に静かに急速に、転落してゆく――。

日常に潜む悪夢を描いたクライムノベルの傑作。
大藪春彦賞受賞作。

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2025年09月22日

Posted by ブクログ

著者の作品を読むのは3作目。こちらも楽しく読むことができた。
不眠症の刑事と、事件の容疑者の妻の二人を中心に話が進む物語。
文章は読みやすく、スムーズに物語が進行します。
下巻が楽しみ

0
2025年07月08日

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