【感想・ネタバレ】向田理髪店のレビュー

あらすじ

かつては炭鉱で栄えたが、すっかり寂れ、高齢化ばかりが進む北海道苫沢町。理髪店を営む向田康彦は、札幌で働く息子の「会社を辞めて店を継ぐ」という言葉に戸惑うが……。(表題作) 異国からやってきた花嫁に町民たちは興味津々だが、新郎はお披露目をしたがらなくて――。(「中国からの花嫁」) 過疎の町のさまざまな騒動と人間模様を、温かくユーモラスに描く連作集。

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Posted by ブクログ

北海道の過疎の町で理髪店を営む向田康彦が主人公。今はもう高齢者ばかりの町に、札幌で働く息子が「会社を辞めて店を継ぐ」と帰ってくる。

いくつかの章では狭い社会の中で数多くの難題が降りかかる。若者らと親世代での開発への意見相違、町に中国人の花嫁が嫁いでくる話。美人の若い女がスナックを開き、男たちが通い出す話。映画のロケが町で行われることになり、町民がエキストラで何人も出演することになる話。
最後の話は町出身の若者が東京で事件を起こし逃げ帰ってくる話。

実はこの小説は2022年に映画化され、主人公の向田康彦役は高橋克実が演じている。配信で観てびっくりしたのが、映画の舞台は北海道ではなく福岡県であった(博多弁が飛び交っていた)まあ、撮影の都合だろうけど…過疎の街を救うというテーマでは同じだった。小説と映画ではエンディングが少し違っていたが、無骨な高橋克実の演技で、映画もなかなかよかった。

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2025年10月08日

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人間味溢れる6つの話短篇集。北海道の町が舞台で、様々な出来事を通じて人々の触れ合いを感じられました。描写が素敵!

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2024年11月04日

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映画を先に見ちゃったせいか、ついつい高橋克実の顔が浮かんでしまう。。。まずは原作を読むべきと思いました。
人間味あふれる、なんか景色が想像できる、とてもいいお話でした。

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2024年04月27日

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北海道のとある町、苫沢町。かつては炭鉱で栄えていたが、廃れていき、
今では、財政破綻をしてしまっている。そんな過疎地で暮らす人々を
描いた物語。
芦沢町で理髪店を営む、2代目の向田康彦を中心に、
息子や親友に過疎地ならではの子供の時からの友人・知人たちとの
交流が描かれていた感動作。

札幌で会社勤めをしていた息子が、理髪店を継ぐと言い出す話。
40代になり結婚できなかった男が中国人の嫁を貰う話。
友人の息子が事件を起こし逃亡している話。
など、計6作品。

過疎地ならではの問題があって、そんな中でも、
人のつながりが深くハートフルな関係とともに、
財政破綻した過疎地ならではの問題を、
助け合いによってどうにかしようと奮闘する人々の逞しさが垣間見えた。

読む前の印象は、雪深い北海道の田舎町の理髪店、
それって面白いのかな?ってな感じで読み始めたら、
これがどうして、結構な感動があって、田舎の日常と言ってしまえば、
それまでなんですが、読めて良かったと思う作品でした。

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2024年02月29日

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苫沢町のあたたかい日常が目に浮かぶようで、サクサク読みました。家族も近所もみんなあたたかくて、なぜか懐かしい気持ちが湧いてきます。昔ながらの風習も、新しい風も、良いところを折衷しあって日本全体があたたかい国になると嬉しいなあとしみじみしました。私達世代、いまがんばりどころですね。

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2024年02月03日

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ここまでではないが、親の故郷も似たようなことがあった。近所同士プライベートもなく、いらぬお節介。今の俺にはとても耐えられない。田舎に移住なんて出来るか。
祭り、中国からの花嫁、出戻りのスナックのママ、映画のロケ、同じ地区の息子の詐欺事件、、、どれをとっても、余計なぐらいに関わってくる。

主人公の康彦にあまりに共感して嫌悪感しかない。全て中途半端。なまじ一度故郷を離れてるから田舎の隣人たちに同調したり、距離取ったり。多分自分も同じ立場ならこういう動きしそう。

面白かったけど、読んでて辛かった。

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2025年08月24日

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田舎の空気感がありありと伝わるストーリーで、途中からどんどん面白くなった。同時に、苦しさもあったけど、それは物語のうまさだなと思う。
最後の逃亡者の結末は、心温まる終わり方。失敗をしてもやり直せる社会をって言われるけど、簡単じゃない。でも、それを何となく軽々と乗り越える若い世代の人たちは、きっとやっぱり小さい挫折や失敗をして田舎に帰ってきて、だからこそ清々しいのかもと思った。

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2025年08月24日

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さすが奥田英朗!
どの話も上手。
ストーリーもキャラもよくあるパターンだが、読みやすく少し捻ってある。
ここらが売れる作家の力だろう。

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2025年08月19日

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田舎町の人と人との温かいふれあいを描いた作品です。そういえば、以前の日本はこういう風景がどこでも観られたので、それを思うと懐かしい気持ちと、もう見られないかという残念な気持ちが同時に感じました。

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2024年11月21日

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北海道の田舎町を舞台にした連作短編集。

田舎町ならではの連帯感というか、おせっかいというか…

理髪店を営む康彦の周りで起こる、様々な人間模様。過疎の町ならとではの様々な騒動。

街は変わっていくけれど、人や人情は変わらない、温かくちょっと切ない作品でした。

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2024年10月14日

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過疎化の進んだ北海道の寂れた炭鉱町・苫沢町(架空の町)で長年町民から愛された向田理髪店。主人の康彦は自分の代で店を畳む事を考えていたが、札幌に出ていた息子・和昌が後を継ぐと言い出した。過疎化が進む一方で何一つ明るい展望が見えない苫沢町に戻ると言い出した息子に対し複雑な感情を抱く康彦だが、苫沢町や町民にも色々な変化が訪れていた。。。6篇の短編からなる当作品「向田理髪店」ですが、人々の心理描写や感情表現が絶妙で面白い!奥田さんらしい作品でした♪私的には「小さなスナック」が好きかな。

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2024年10月13日

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舞台は北海道の過疎地。
自分の両親は北海道の田舎なので、田舎の人間模様ってこうだよねって懐かしさ半分、この狭い人間関係はもう嫌だなーというのが半分。ただ、都会にはない人情味溢れるドラマはいいね。映画化されてると知り、機会があれば観てみたい。

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2024年06月16日

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「中国からの花嫁」は好きな作品でした!
短編それぞれがちょっと温かさを狙いすぎてるのかなあなんて印象はありましたが!
てか映画化されてるのね!!

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2024年06月08日

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北海道舞台のお話しなので読んでみようと思い購入。方言が強すぎてなかなか最初は読み難い感じで主人公の役を高橋克己がやったのを知りそれからは高橋克己が話してる感じで読み進めたら、キツイ方言も気にならなくなってきた。

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2024年05月26日

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北海道の小さな町を舞台にした6つの連作短編集。帯にはハートウォーミングと書いてあるが、現実はそんなもんじゃないというメッセージの入れ方が面白い。モデルとなった場所を想像すれば、心温まるどころではない話も透けて見えるが、何とかその街が長く続いていくことを願いたくなる。中国からの花嫁、映画のロケ、地元出身の起業家、ストーリーの上手さと悲壮感なく厳しい現実をユーモラスに描くのはさすが。

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2023年04月05日

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北海道の過疎化に迫られた町を舞台にした連作短編集。
未来に対し期待が低く、寂しく感じる日々なのだけどそれでも事件は起こる。
小さなコミュニティな分、すぐに共有してしまい隠し事ができない。康彦さんをはじめ、いつも同じ面子が愚痴ってしまうのも仕方ないのかなあ。

中国からの花嫁
大輔くんの周りに対しての遠慮、気のまわし方よくわかります。恥ずかしく感じてしまうのだなあ。後は本来の性格なのでしょう。周りはそんなに気にしていないのに、どう思われているか本人は考えこんでしまう。自分もそんな面があるので気持ちわかります。

小さなスナック
おじさん達が美人ママにのぼせる様が、微笑ましいというか、おぼこい。変化のない町で刺激を求めてしまうのも何となくわかる。
本気ではないのだけども、アイドルをみてる感覚なのだと思います。はしゃいじゃう。同年代の自分も共感できそうです。

逃亡者
冒頭では何となく頼りなく、都会から逃げて来たように思えた和昌くんが実は人間的に成長している様が、康彦さんと同じ目線で安心させらせた気持ちに。

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2023年03月25日

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高橋克実さん主演の映画であることはラジオで聴いていたので役を当てこみながら一瞬で読み切ってしまいました。
都会へのコンプレックスを抱きながらも逃げ出せない田舎を思う心模様の移り変わりが描かれています。

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2022年12月18日

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北海道の炭鉱があった町なお話

田舎あるあるの話だったが、奥田英朗にかかると温かくて、楽しい話になってしまうのは凄いな〜

逃亡者の話が最後で、やってくれるねーと思ってしまいました。

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2025年05月11日

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ネタバレ

北海道の苫沢町で理容店をしている向田康彦。
冬は雪で閉ざされる過疎地に住む人々のリアルな生活、田舎と都会の違いがよく描かれており、辛く感じる人も多いだろうな。私は馴染めず逃げた人間なので、生活を続ける人を尊敬する。何でも筒抜け、やりたいことをやるほうが目立つ…匿名性を担保するため高い家賃や生活費を支払っている、わかりすぎる…

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2025年01月30日

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喜八さんや野村夫婦、早苗ママなど、この後どうなったのかが書かれておらず、モヤモヤした気持ちを抱え消化不良で読み終えました。続編は出ないんだろうか。苫沢町の未来を見てみたい。

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2024年12月04日

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北海道苫沢町を舞台にした連作短編集。
理髪店を営む向田康彦と家族、友人、町の住民がおりなす狭い町におこる様々な出来事。狭い町にありがちそうなおせっかいで隠し事のできない人間関係がおもしろくえがかれている。

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2024年08月24日

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過疎の町、北海道苫沢町。この町で起こる様々な騒動と人間模様。一話完結であるが繋がっている連絡集。
息子が後を継ぐと急に帰ってくる「向田理髪店」
風呂場で倒れた馬場さんと家族の話「祭りの後」
中国から花嫁を迎えた大輔の話「中国からの花嫁」
小さな町に新しいスナック「さなえ」ができた話「小さなスナック」
苫沢町が映画撮影のロケ地になる話「赤い雪」
広岡の息子が詐欺師の主犯格になる話「逃亡者」

小さな町特有の息苦しさと、小説ならではの小さな希望と温かさを感じられるエピソード。
どこかの町に本当にありそうなリアリティさがある。
モデルは夕張市だろうか?

「向田理髪店」はまさに共感できて、胸がザワザワした。
「中国からの花嫁」は好きなエピソード。お嫁さんの意外な性格が最高。

テレビドラマ風のストーリーだなぁと思っていたら、映画化されていた!
映画になる程のドラマはないと思うけど。

もっといろんなエピソードが読みたい作品。

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2024年08月12日

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え、これで終わりなの?って感じ。
悪く言えば、物足りない。
良く言えば、もっと読みたい。
結局、奥田英朗作品が大好きなので高評価ですが、もっと読みたいので★は3つ。

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2024年06月08日

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ネタバレ

「『向田理髪店』は北海道の中央部、苫沢町において・・・」から始まる連作集。1編1編が、財政破綻し、人口流出が止まらず、若者は都会に出ていき、中高年者ばかりが残る、典型的な過疎の町でくりなすユーモアと人情味溢れる人間模様が描かれている。
そんな過疎の町で、町の将来は自然消滅を待つばかりと諦めている中高年者たちもいれば、数は少ないが何かしらの事情を抱え故郷にUターンしてくる若者に期待する中高年者たちもいる。この小説には何十年前から日本全国各地で問題となってきた、尚且つ根本的解決策を怠ってきた「少子高齢化」及び「地域格差」をベースとして、そこから来る悲哀さを、今でも有るかもしれない住民たちの人情と地元愛、都会に対する対抗心で、少しでもそれらを薄めてくれるようなストーリーになっている。
県庁所在地とは言え、典型的な地方都市に住んでいる身としてみれば、毎年年度初めに出る市報に、年々減り続ける人口や財政赤字の累計が載っていて、それを見ると我が都市の将来が憂鬱になってくる。我が子も、早く東京に出て行ったほうが良いのではないかと思うことがある。そう思う人も結構いるのではないか。けっして他人事ではない。勿論、町起こし、村起こしに一生懸命な人も多くいるだろうが。
この小説の「苫沢町」の将来がどうなるのか?は、書かれていない。
主人公「向田康彦」の息子「和昌」が、勤めている札幌の会社を辞め、苫沢町に戻って理髪店を継ぐというところから話が始まるが、狭い苫沢町で起こるちょっとした出来事、事件に、住民たちの心配やお節介、嫉妬心、怒りなどがユーモアと共に心優しく描かれている。
それを読むと心がほっこりとするが、その根底に読者には「苫沢町の将来への不安」が読み取れていて、住民たちの心配りが嬉しいやら悲しいやらで共感を呼ぶ。
自分勝手な解釈かも知れないが、本当にこういう住民たちのいる町がずうっと残っていってほしいと思う。そんな小説でした。

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2024年04月25日

Posted by ブクログ

伊良部先生以外での初の奥田作品だったので期待値上げすぎたのかも。連作短編とはいえ、小さな町での馴れ合いのような展開はイマイチ。ラスト二編でようやくエンジンかかってきたのも束の間で尻つぼみに終わってしまった。夕張を彷彿とさせる内容なのも寂しさに拍車をかける。もう少し特定されないところの方が色々と考えることなく単純に面白かったかな。

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2023年11月30日

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(たぶん)北海道の夕張が舞台であろう小説。
良くも悪くも田舎の暮らしが描かれているのだが、暗くならずに未来が見えるのは奥田英朗さんならではかなぁと思う。

好き嫌い分かれそうな1冊、私は好き。

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2023年02月10日

Posted by ブクログ

北海道の苫沢町で理髪店を営む向田康彦の身の回りで起きる出来事を中心とした、さらっと読める短編集。暇を持て余す毎日の中で、些細な出来事に驚きや喜び、興奮を見出す町民達の生活に、穏やかさと寂しさの両方を感じる作品。

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2023年01月23日

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じわじわと田舎の集落の煩わしさなどが感じられる
これが実情なんだろうな

皆が自分の少し未来を諦めながら受け入れていく、それを味わった

田舎なりの大事件もいくつかおこり、なんだかんだ落ち着いていく、それも現代の田舎の姿なのだろうなと感じる

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2023年01月15日

Posted by ブクログ

映画は未見。
ただキャストが分かってしまっているので、ついつい俳優さんをあてて読んでしまった。
過疎の町での高齢化や跡継ぎ、財政難の問題を短編形式で丁寧に描いてる奥田さんらしい作品。
地方出身者としては田舎あるあるに苦笑いしっぱなし。そしてこの先の不安を掻き立てられてしまった。
続編ありそうだなと思った。
ガソリンスタンドのオヤジが空気読めない憎めない奴で面白かった。

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2022年12月18日

Posted by ブクログ

ローカルの素朴なストーリー、楽しめた。
飛行機の機内で映画を見た。
映画よりも本で読んだ方が面白かった。

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2023年03月06日

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