【感想・ネタバレ】向田理髪店のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2020年04月24日

北海道の過疎の町に起こる出来事。
でもそれらひとつひとつは、町民にとっては大事件。
小さい町での人間関係は、時に煩わしさを感じるけれど、助け合いの関係性にほっこりします。心温まる物語です。

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Posted by ブクログ 2019年11月02日

旅先の地元雑誌で書評をみて。

といっても、何が書いてあって、何に惹かれたのか全く覚えていない。
そのせいが、読み出してしばらくとても怖かった。

基本的にはホラーは好きでないので読まないが、ホラーと分かって読んでいれば怖くない。
ミステリーの殺人事件も怖くない。
というよりかは、追い詰められた状況...続きを読むが続き過ぎると誰か早く殺されてくれ、と願ったりもする。
連続殺人も刺殺死体も、怖くない。
それらは非日常だから。虚構だから。

それに対して、若者が街へ流れ出すような、
町おこしをやってもやっても成功しないような先細りの田舎の町、には現実感があった。
そして、その現実感の中で、かろうじてバランスをたもっているような、幸せとも言えないような「日常」が崩れてしまうのではないかという恐怖感だった。
何が悪いことが起こるのではないかと思うと、読み進むのが怖かった。

だが、実際には全くもってそれは自分の思い込みで、酷い話ではなかった。
映画のロケ地になるという一大事件も起きるが、
過疎の問題が解決した訳でも、町が活性化した訳でもないし、主人公の床屋には相変わらず客が来ない。
ドラマチックな展開は何もない。
でも、ほんの少しクスッと笑えて、ほんの少し心が温まる良い作品だった。

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Posted by ブクログ 2019年09月02日

かつては炭鉱で栄えたが、すっかり寂れた北海道苫沢町。理髪店経営者・向田康彦の視点で、過疎の町のさまざまな騒動と人間模様を温かくユーモラスに描く連作集。
地方の過疎地域には未来がない。子供が少なく老人ばかりなので、話題がどうしても暗く湿っぽい。本書の舞台・苫沢町も先行き真っ暗状態だが、徐々に薄くも光明...続きを読むが射してきた。中盤の『中国からの花嫁』から一気に面白くなる。何にもないけど、だんだん良い町に思えてくるから不思議だ。

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Posted by ブクログ 2019年07月21日

20190721


安定の奥田英朗作品。

短編集かと思ったら、全編向田理髪店の店主を主人公とした連作だった。

どの話しも現実にありそうな悲壮感と、それにふっと手を差し伸べられる暖かさがある。

田舎に帰ってきた息子達が立派すぎて、田舎の未来を感じさせる。

読んで良かったと思える良作。

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Posted by ブクログ 2020年05月14日

かつて、炭鉱で栄えた北海道の苫沢町。今では、すっかり寂れ高齢化ばかりが進む。そんな町で起こる様々な騒動と人間模様を温かくユーモラスに描く連作集。

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Posted by ブクログ 2020年04月20日

田舎の悪いところばかり書くんじゃなくて、良いところばかり書くんじゃなくて、いいところも、良いところも、人生ってそんなもんだよねーって感じなところも、書いてる短編集。
奥田英朗さんの小説は、読後感が良いのはなんでだろうなー。読んで良かったってなるものなー。

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Posted by ブクログ 2020年03月04日

こういう町は、結構あるんだろうなと思う。

私の母の実家も、北海道の田舎。
だから母も弟も妹も、みんな大人になったら町を出て行ったので、祖父母も康彦たちと同じような気持ちだったのかなあ。
私は子供のころほぼ毎夏行ってたけど、よく考えたら子供とその親、そして老人ばかりで「独身の若者」と呼べる人がいなか...続きを読むったもんなあ。

舞台が北海道ということもあって、つい祖父母と重ね合わせて読んでしまった。

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Posted by ブクログ 2019年12月22日

連作ものだが、それぞれのストーリーが無理なくほのぼのとして大変読後感がよい。それぞれの立場にそれぞれの悩みや喜びがあって、それが集まってひとつの村が回っている。主人公は普通の人で、かつ少し客観的なところがよい。また読み返したくなるくらいに気にいった作品。

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Posted by ブクログ 2019年11月06日

北海道の苫沢町という、元は炭鉱で栄えたけれども今は過疎化が進んでいる小さな街を舞台にした連作短編集。小さな町でお互いみんなが知り合いであるが故に、何かあったときの助け合いや温かみもあれば、秘密がなくプライベートもなく、という田舎町特有の不自由さもあるさまが、軽やかに描かれていて、読んでいるだけでこの...続きを読む街がなんとなく好きになる。

第一話は、向田理髪店の息子が、札幌でのサラリーマン生活を早々に辞め、苫沢に戻って理髪店を継ぐ、と宣言するところから始まるお話。後を継ぐという気持ちは嬉しいものの、子供には都会で成功してもらいたいという親の葛藤がまざまざと。そんな親心を知ってか知らずか、苫沢の町おこしまで考える若い息子たち。このお話で、この街の様子がすごくイメージしやすくなった。どっちの気持ちもわかるけど、若者たち、頑張って欲しいな。

第二話以降も、苫沢で起きる出来事に、町人たちがあれこれ関わり出ていくところが、なんだか微笑ましかった。こういうことってあるんだろうな、みんなが助け合っていていいな、でも都会のクールさも捨てがたいんだろうな。

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Posted by ブクログ 2019年10月15日

奥田英朗の暖かい物語。
いつもながら人間描写が上手くて、登場人物全てがイキイキしている。
安定の読み応え感。

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Posted by ブクログ 2019年10月12日

閉山となった炭鉱のある北海道の町を舞台にした連作短編集ですが、過疎の町にありそうな話を人間味溢れるいいキャラクターの登場人物と共に楽しく、ときに考えさせられながら読みました。

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Posted by ブクログ 2019年10月02日

かつて炭鉱で栄えていた北海道の過疎地が舞台。寂れていく地元をなんとか復興させたいと前向きに頑張る若者たち、流れに任せて日々を送る高齢者たち。閉ざされた田舎町では良くも悪くも住民たちは互いをよく知っている。プライバシーとかあまり無くて、何かあればすぐ町中に話が広がってしまう。登場人物たちは誰かが困れば...続きを読む助け、誰かに腹が立てば遠慮無くぶつかり、誰かの幸せは一緒になって喜びます。

この本、私が読むべくして読む本だった。
両親はこの本に出てくるような過疎地では無く関東の小都市住まいだけど、私は飛行機で行く距離に住んでおりなかなか会えないので、親不孝をしているよなぁといつも申し訳無く思っている。隣近所さんが何かと気にかけて下さっているようでもう心から感謝してもしきれない気持ち。この本の登場人物たちのように、ずっと昔からその地に住んで互いに良く知っているからこそ助けたり助けられたりがあるのでしょう。そしてこの本には子供が都会に出て行った後の親の気持ちも書かれており、その箇所を読むのは正直ちょっと緊張したのですが、読んでみたら前向きなものだったので救われた気持ちがしました。

過疎化、高齢化に限らず、田舎の小さな町に住むのは絶対に嫌だってずっと思っていました。都会のドライな人間関係の暮らしが自分には合っていると今でも思う。だけど「向田理髪店」を読んで、こういう暮らしもいいものなのかもしれないと思いました。どこに住んでいても、自分の周囲の人たちに対しもっと思いやりを持ち接して行こうと思いました。

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Posted by ブクログ 2019年06月03日

北と南の違いはあるけれど、こんな感じの街は日本全国どこにでもある。燻ったままに見えても、芯の芯には火が少しは残ってて、どうにか変わりたいと思ってるんだ。

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Posted by ブクログ 2019年06月03日

財政破綻した地方のお話
北海道って事は、モデルは夕張ってことかな?

田舎の人間関係のいやらしいところがよく描かれている
また逆に何でも知っている関係の良さも最終的には感じられる
でも、実際にこんな田舎にはもう住めないなぁ

札幌までバスで2時間という、これまた中途半端な田舎なところ
まぁでも、都会...続きを読むまでこのくらい時間のかかる田舎なんてざらだしね


新しいスナックができたり、中国人嫁が来たりのところまではありふれているけど
映画のロケやら出身の犯罪者が出たりという展開はドラマティック

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Posted by ブクログ 2019年04月25日

人口減少や過疎化、高齢化に直面する北海道の旧炭鉱町が舞台。街の向田理髪店の50歳代の店主から見た小さな街での出来事の連作短編集。

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Posted by ブクログ 2019年04月05日

なんとなくモデルになった町がわかる。過疎の町の悩み、田舎ならではの人の繋がり暖かみ。でも頼もしい若者たちがいる町って大丈夫そうな気がする

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Posted by ブクログ 2019年03月24日

自分の実家の方で起きてそうな話そのまま。

誰かに勧める感じでもないが読後に心から良かったと思う本。奥田さんはこの手の書き物が本当に上手い。

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Posted by ブクログ 2019年03月24日

高齢化、人口減少、さらに後継者不足等々、現代日本が直面する問題。
その最先端の町ともいう夕張を思わせる北海道の過疎地を舞台に、向田理髪店の店主の目で、そこで暮らす住民たちを描いた連作短編集。
深刻な問題も、ここでは何故か絶望ではなく、希望すら湧いてきて、読んでいて元気にさえなってくる。

後半、映画...続きを読むのロケがやって来たり、町出身の若者が詐欺事件を起こし指名手配となり、警察やマスコミが押しかける。そんなてんやわんやも、住民たちはハッピーエンドにこなしてしまう。
流行りの言葉で言えば「底力」か、現代日本もまだまだ
捨てたものではない、そんな気持ちにさせてくれる。
普通の人々を暖かな目で見守る著者の、小説作法のなせる技だろう。

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Posted by ブクログ 2019年03月17日

過疎が進む北海道の田舎町で起きるちょっとした出来事を描く連作。都会では話題にもならないことも、田舎では大事件。都会から赴任してきた役人、田舎に戻ってきた子供世代。そして生まれてこのかたずっと田舎で暮らす現役世代。最初はそれぞれの思いが違っていたが、物語の最後には不思議と噛み合ってくる。

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Posted by ブクログ 2019年03月03日

近所の理髪店が大好きだった。老夫婦が営んでいる理髪店で、飛び込み客は受け付けないという完全予約のお店。完全予約と言っても、土日は予約でいっぱいだったが平日は空いている。それでも常連客以外は、どんなに空いていても予約をしないと理髪をしないというマイペースなお店だった。

「忙しいのは苦手なんだよね」と...続きを読むいうのが店主の口癖で、それでも土日は予約でいっぱいなのは店主の人柄が穏やかで好かれていたからだろう。親父さんが髪を切り、奥さんが髪を洗う。そんな分担がのんびりとしたリズムのなかで行われていて、リラックスすることを求めて毎月通っていた。

理髪料金は洗髪や顔ぞりを含めて4,000円弱。最近では千円ほどで理髪だけを行うチェーン店も増えてきたが、昔ながらの理髪店にはリラックスできるという良さがある。その心地良い時間を味わうために定期的に通っていた。

そんなお気に入りのお店だったが、ある日のこと予約していた日時にお店に行くとカーテンを閉めた店内にポツンと奥さんが座っていた。ご主人が前夜倒れて、救急車で運ばれたとのこと。予約していたお客さんにお詫びするのために、病院から戻って待っていてくれたのだ。

お客さんを大切する気持ちに感動しながらも、ご主人のことが気になった。その後、幸いにしてご主人の容態は大事には至らなかったようだが、お店はそのまま閉じることになった。今からもう10年以上前の話だが、理髪店のポールを見るとこのお店のことを今でも思い出す。

奥田英朗さんが書かれた「向田理髪店 (光文社文庫)」は、過疎が進む北海道苫沢町ある理髪店が舞台の小説だ。苫沢町は架空の町で、かつて炭鉱で栄えたが今では財政破綻をした町だという。モデルになっている市町村は何となく推察できるが、逆に日本のどこにでもありえる町だという感じもする。

向田理髪店を営む向田康彦は、若い頃には都市部でサラリーマンをしていた。元々実家の理髪店を継ぐ気はなかったものの、父親が病気で倒れたことをきっかけに店を継ぐことになる。それから数十年、康彦の息子は札幌で働いていたが、ある日「会社を辞めて店を継ぐ」と宣言し戻って来てしまう。妻は手放しで喜んでいるものの、店の隣をカフェにするとか町を元気にするんだとかいう息子の言葉を、康彦は素直に聞くことができない。それでも、後継者不足の進む苫沢町ではありがたい話だと周囲に諭される。

そのほか、町に映画のロケを誘致する話や中国からの花嫁を巡る話など、高齢化と後継者不足の進む苫沢町で繰り広げられる日常を、向田理髪店と店主の康彦とを中心に連作短編で綴っている一冊だ。

過疎の町が抱える問題を鋭く掘り下げながらも、町の人々の暖かくてやさしい気持ちを描きながら問題を解決していく。登場人物の一人一人がとても個性豊かで純朴で優しくて、読み終わった時にじわっと心が暖まってくる。

理髪店というのは人が集まる場所だからこそ、人の噂や情報が飛び込んでくる。そのため、口の固さや物腰の柔らかさなど、店主の人柄がお店の信用と繋がってくる。私が以前通っていた理髪店にも、旅行のお土産を持ってくる人がいたり理髪が終わっても話し込んだりする人がたくさんいた。

そんな昔ながらの理髪店の良さも思い出させてくれる一冊は、心を温めてくれるだけではなく読んだ人の心を元気にしてくれる一冊だった。

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