柴田元幸のレビュー一覧

  • ムーン・パレス(新潮文庫)

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    良い本だ。
    M.S.フォッグの生き方に対しては、自分もそうなってしまうのではないかという不安と、羨ましさの感情が混ざる。

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    2023年07月18日
  • 雲

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    序盤、黒曜石雲の描写から始まり、終始どんよりした空気を感じながら読み進めた。
    度々差し込まれた奇怪なエピソードが鋭く心に残る。
    決して明るい物語ではないが、読書体験としては新鮮に感じた。

    主人公ハリーとその息子フランクとの関係性が独特(互いを尊敬しつつ、なんでも話せる関係、ではない感じ)で、こんな親子も良いなと思った。

    通して、ハリーの内面に迫っていく感じが面白い。

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    2023年06月04日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    衝撃。
    あらすじとしては単調なのに面白く読み進められる。奇妙な世界観。
    自己、考えること、書くこと、見ること、幽霊たち、たくさん考えさせられる。

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    2023年04月08日
  • 写字室の旅/闇の中の男(新潮文庫)

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    「闇の中の男」作中作と現実世界が交互に進み、どうなるんだろうと思ってどんどん読んだ

    ミステリーではないから伏線があって分かりやすく繋がっているというものではないが、通して読んで本当に良かったと思えた海外文学作品
    特に孫娘に語るソーニャとの日々のところが良かった
    読後感も良い

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    2023年01月05日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    おもしろかった!
    ハルキストではないので、おもしろかったことが悔しい(笑)

    柴田先生との対談。ホントに楽しそうで、また、本の紹介本でもある…

    柴田先生のコール・ミー・ホールデンが良かったです。

    ライ麦畑でつかまえて、読みたくなりました。

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    2022年10月12日
  • 舞踏会へ向かう三人の農夫 下

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    作者が書きたい放題書いたというだけあって、とびぬけている。本国の出版が1985年という古さがどこにも感じられない。もっと早く読めば良かった。

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    2022年10月03日
  • オズの魔法使い

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    オズのライオンに言ったか『あなたに足りないのは自信です。』と言うセリフは自分に向けられたメッセージのように感じました。

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    2022年07月12日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    作者の意図は、小説を書くことを見ること。その人間離れした奇妙さを言語化すること。しかし、見ることは、書くことと独立はしていない。クールに見ることは出来ないのだ。見るものは読んでしまう、そこに自分自身を。関与しすぎるものに、自己を見失わせる。

    これはメタ小説だ。

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    2022年06月16日
  • ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)

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    人生そのものの価値を改めて感じさせる物語。
    ストーリーも愉しいけれどどこを読んでも面白い語り口が気持ちいい。

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    2022年02月18日
  • ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    『アメリカの多様性にもがく人達の再生物語』

    離婚・癌・退職と人生を終える場所としてブルックリンに戻ってきたネイサン。甥のトムとの再会をきっかけに、ニューヨークに暮す多様な人達との悲喜劇を描く。オースターにしては明るめなハッピーエンド物語だが、随所に挟み込まれたウィットはさすがオースター!

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    2022年02月13日
  • デカルトからベイトソンへ――世界の再魔術化

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    自我を全体の一部としてとらえていた近世以前の世界

    産業革命を経てデカルト的な化学というイデオロギーによって自我は世界と切り離され、自然と人間のつながりが薄れ、今や多方面で限界がきているように見える

    今こそベイトソン的な全体論的世界の関わりかたを模索すべき
    という内容。非常に学び深い本であった。

    いままさにこの現代、筆者の描く全体論的な世界へのパラダイム推移を自分自身が体験しているのではないかと感じた。

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    2021年09月22日
  • 雲

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    出張で訪れたメキシコの古書店で、偶然手にした一冊の本「黒曜石雲」。そこにかつて暮らした街の名を見つけた事をきっかけに、物語が主人公の過去へと展開していく。スラムで生まれ、恋に破れ逃げるように世界を転々とし、各地で様々な人と出会い別れ、流されるように生きたハリー。時々「黒曜石雲」の調査の進展が挟み込まれ、アクセントとなる。数奇な彼の人生は、多くの偶然(必然?)に弄ばれ、幸福と過去の恋愛へのパラノイアの間で揺れ動く。物語の語り手であるハリーの、雲のように流れる人生を追体験でき、良い読書体験ができた。

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    2021年08月02日
  • インヴィジブル

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    『真実を求めれば求めるほど、目に見えない物語』

    1967年コロンビア大学での二人の出会いから物語は始まる。複数の語り手が語る物語は、一体何が事実で何が作り話なのか、その境界が『不可視』である。最後まで、物語の全体像は『不可視』である。でも、それが心地良く感じるのが、ポール・オースター。さすがです。

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    2021年07月21日
  • 雲

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    面白かった。
    彼の今までの作品はグロテスクで奇想な展開が多かったのだけれど、本作にはあまりそういう展開はでてこない。
    所々出てはくるのだけれど、あまりメインの話に有機的には絡んではこない。
    ただ、そんなグロテスクで奇想な展開は、今までに彼が発表してきた作品に登場したエピソードに似た内容が多いので、彼の一つの集大成的な意味合いもあるかも知れない。
    まぁ、そんな展開を期待していた人にとってはちょっと肩透かしを食らわされたように感じるかも知れない。
    実は僕も最初はそんな肩透かしを食らった一人だったのだが、読み進めていくうちに「おいおい、エリックさん。グロテスクで奇想な展開がなくても凄く面白い作品が書

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    2021年05月07日
  • トム・ソーヤーの冒険

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    小学校時代に読み漁った名著の読み返し。
    「トムソーヤの冒険」が発表されたのが今から140年前、アメリカがまだ南北で対立していた時代。
    奴隷制もあり、荒れていた時代にこれほどまでに勇気と希望に溢れた物語を生み出した著者が素晴らしい。
    印象的なシーンが、自らの日曜学校の葬式の日に戻ってきた3人を、喜びに満ち溢れて出迎えた人たちに、ハックが帰ってきたことも喜んでくれと、何の気無しにトムが言ったところ。
    トムの心の優しさ、寛大さがひしひしと伝わってくるこのシーンに胸を打たれた。

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    2021年05月05日
  • 雲

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    古書店で、とある本を見つけるハリー。
    そこから彼の半生が語られる。
    滾々と湧きいでる泉水が虹を放つような言葉で。

    タイトルどおり、ぽっかりと浮かびいつしか形を変え消えゆく雲のような挿話。ほんとうに、雲を眺めるような心地よい読書時間がもてた。

    ラストは、波乱に満ちていくのか穏やかに過ぎゆくのか、どちらにしてもハリーの人生が長く続いていくだろうことを感じさせる。
    本を閉じても物語は閉じないようだ。

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    2021年05月02日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    ネタバレ

    大変に面白かったです。大満足です。

    まず、「翻訳夜話2」ということで、第二弾の本ですよ、って事だと思うのですが、「翻訳夜話(1)」は、未読です。そっちを読まずに「2」から読むのって、ある意味アカンやんか、、、と思うのですが、すみませんコッチから読んじゃいました。また機会がありましたら、「(1)」の方も、読みますです。楽しみです。

    で、本書の内容をザックリと言いますと、村上春樹さんと柴田元幸さんが、それぞれに
    ①翻訳というものはなんぞや?を語る。
    ②「キャッチャー・イン・ザ・ライ」という物語を語る。
    ③J・D・サリンジャーという人物について語る。
    という本、だと思います。

    翻訳論、キャッチ

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    2021年04月14日
  • 新訳 オズの魔法使い

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    オズの魔法使い、柴田元幸さんの新訳。

    オズの魔法使いは、絵本的なイメージがあり、メルヘンチックな幼児向けな話がしていたけど、きちんと小説を読んでみたら、思っていたよりも複雑な話だった。
    小学校中学年以上向けというのもうなづける。

    寓話的な話であることが印象的。
    夢に向かっていたアメリカで書かれた話。

    コンプレックスだらけの弱者たちが協力し助け合うことで未知の世界を開拓し、成功する。

    皆が足りないと思っている能力は、実は皆の中にある。
    経験と自信を得ることで、自分の力に気づき、堂々と振る舞えるようになる。

    カラフルな色の表現。(これは映画版でも大きな効果)

    カンザスは「なにもかも灰色

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    2021年02月20日
  • トム・ソーヤーの冒険

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    おそらく子どもの頃に読んだことがあるはずだが、こんなに長い話だという印象はなかったので、子ども向けに縮訳されたバージョンで読んだのだろう。数々のいたずらと冒険、少年らしい想像力と恋、そしてハッピーエンドで、19世紀アメリカらしい瑞々しさ満載のストーリーを柴田元幸訳で楽しめるのだから、文句のつけようがない。『ハックルベリー・フィンの冒険』も読もう。

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    2021年02月20日
  • 雲

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    『ひょっとしたら、一見ごく取るに足らない要素 ― 聞き間違えた一言、誤った想定、無理もない計算違い ― こそ実は、物事の連鎖における何より強力な環なのかもしれないのだ』―『学芸員いま一度』

    旅先の鄙びた古本屋で目に留まる一冊の古書。物語がそのように始まると、ついウンベルト・エーコの小説を思い浮かべてしまう。だがしかし、この物語はエーコが好んで描いた劇中劇のような形式に素直に嵌まることはない。スコットランドでかつて観測されたという「黒曜石雲」にまつわる記録は十分に摩訶不思議な物語を展開しそうだというのに。

    一人称の主人公の語りは、古書の周りを回りながら自らの来し方を辿り、如何にして自身をメキ

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    2021年02月02日