柴田元幸のレビュー一覧

  • 翻訳夜話

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     残念ながら柴田先生の講義を受ける機会に恵まれませんでしたが、翻訳者としての意見を本書で知ることができ、嬉しいです。翻訳について村上派か柴田派か、と聞かれれば、私は柴田先生を選びます。
     大学にて翻訳理論、英文学翻訳、米文学翻訳の授業を受講していたのですが、各先生と柴田先生は、翻訳者の立ち位置について似たことを仰っていました。
     改めて「翻訳者とは」を勉強した気持ちです。

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    2024年02月25日
  • ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)

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    お気に入りの本になった!
    波瀾万丈あるけど、喜劇的な要素が多く、悲しいシーンでも文章にユーモアがあり面白いから楽しく読めた。
    主人公ネイサンは基本的には他の登場人物たちを手助けするような立ち回りだったけど本人もしっかり作中で成長していて、人生の明るい部分を思い出させてくれるかのようなお話だと思った。
    ポールオースターを読んだのは冬の日誌/内面からの報告書に次いで2回目。なのでまだ多くを語れる立場ではないけどこの人の書く文章や感性が好きだなと思う。

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    2024年02月23日
  • 冬の日誌/内面からの報告書(新潮文庫)

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    自分の人生を肉体と精神のそれぞれの側面から振り返った本。
    ただの自叙伝ではなく、構成がかなりユニークで面白いと思った。時系列順に並んでなかったり、各章でアプローチ方法が全然違ったりなど。あんまり詳しく書くとネタバレになってしまうけど、私は本を書く人間ではないのに思わずこういう書き方もあるんだって感嘆するようなものだった。
    全く違う国と時代と性別に生まれた人だから、情景を上手くイメージできないこともあったけど、それでも筆者の人生を一緒に辿るのが楽しかった。

    恥ずかしながらポール・オースターのことは知らなくてこの本をたまたま書店で目についたからなんとなく買っただけなんだけど、文章がとにかく面白く

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    2024年02月13日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    そろそろ事件が動く頃だろうと期待するたび肩透かしを食らいながら読み進めていって、最後数ページでようやく自分がこれまで読んできた物語の正体がわかった。アハ体験かよ。

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    2024年01月07日
  • トム・ソーヤーの冒険

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    ハックルベリーフィンの冒険を読んだ後、読まなければと思っていたこの本をやっと読むことができた。
    やはりとても面白かった。
    ミシシッピ川河畔の描写も多く、20年前に訪れた、マークトウェインの生家までセントルイスから車でドライブした時のことを思い出した。
    ミシシッピ川沿いをずっと北上してたどり着いた。
    道中所々で見えたミシシッピ川は水量が多く堂々としている印象だった。
    マークトウェインはもちろん知っていたが、まだ本は読んでいなかったので、ただ単に訪れたというだけで終わってしまったが、読んでから行けばよかったと今は後悔の気持ちでいっぱいだ。
    できれば再度訪れてみたい。

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    2023年09月18日
  • ムーン・パレス(新潮文庫)

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    良い本だ。
    M.S.フォッグの生き方に対しては、自分もそうなってしまうのではないかという不安と、羨ましさの感情が混ざる。

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    2023年07月18日
  • 雲

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    序盤、黒曜石雲の描写から始まり、終始どんよりした空気を感じながら読み進めた。
    度々差し込まれた奇怪なエピソードが鋭く心に残る。
    決して明るい物語ではないが、読書体験としては新鮮に感じた。

    主人公ハリーとその息子フランクとの関係性が独特(互いを尊敬しつつ、なんでも話せる関係、ではない感じ)で、こんな親子も良いなと思った。

    通して、ハリーの内面に迫っていく感じが面白い。

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    2023年06月04日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    衝撃。
    あらすじとしては単調なのに面白く読み進められる。奇妙な世界観。
    自己、考えること、書くこと、見ること、幽霊たち、たくさん考えさせられる。

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    2023年04月08日
  • 写字室の旅/闇の中の男(新潮文庫)

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    「闇の中の男」作中作と現実世界が交互に進み、どうなるんだろうと思ってどんどん読んだ

    ミステリーではないから伏線があって分かりやすく繋がっているというものではないが、通して読んで本当に良かったと思えた海外文学作品
    特に孫娘に語るソーニャとの日々のところが良かった
    読後感も良い

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    2023年01月05日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    おもしろかった!
    ハルキストではないので、おもしろかったことが悔しい(笑)

    柴田先生との対談。ホントに楽しそうで、また、本の紹介本でもある…

    柴田先生のコール・ミー・ホールデンが良かったです。

    ライ麦畑でつかまえて、読みたくなりました。

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    2022年10月12日
  • 舞踏会へ向かう三人の農夫 下

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    作者が書きたい放題書いたというだけあって、とびぬけている。本国の出版が1985年という古さがどこにも感じられない。もっと早く読めば良かった。

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    2022年10月03日
  • オズの魔法使い

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    オズのライオンに言ったか『あなたに足りないのは自信です。』と言うセリフは自分に向けられたメッセージのように感じました。

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    2022年07月12日
  • ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)

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    人生そのものの価値を改めて感じさせる物語。
    ストーリーも愉しいけれどどこを読んでも面白い語り口が気持ちいい。

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    2022年02月18日
  • デカルトからベイトソンへ――世界の再魔術化

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    自我を全体の一部としてとらえていた近世以前の世界

    産業革命を経てデカルト的な化学というイデオロギーによって自我は世界と切り離され、自然と人間のつながりが薄れ、今や多方面で限界がきているように見える

    今こそベイトソン的な全体論的世界の関わりかたを模索すべき
    という内容。非常に学び深い本であった。

    いままさにこの現代、筆者の描く全体論的な世界へのパラダイム推移を自分自身が体験しているのではないかと感じた。

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    2021年09月22日
  • 雲

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    出張で訪れたメキシコの古書店で、偶然手にした一冊の本「黒曜石雲」。そこにかつて暮らした街の名を見つけた事をきっかけに、物語が主人公の過去へと展開していく。スラムで生まれ、恋に破れ逃げるように世界を転々とし、各地で様々な人と出会い別れ、流されるように生きたハリー。時々「黒曜石雲」の調査の進展が挟み込まれ、アクセントとなる。数奇な彼の人生は、多くの偶然(必然?)に弄ばれ、幸福と過去の恋愛へのパラノイアの間で揺れ動く。物語の語り手であるハリーの、雲のように流れる人生を追体験でき、良い読書体験ができた。

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    2021年08月02日
  • インヴィジブル

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    『真実を求めれば求めるほど、目に見えない物語』

    1967年コロンビア大学での二人の出会いから物語は始まる。複数の語り手が語る物語は、一体何が事実で何が作り話なのか、その境界が『不可視』である。最後まで、物語の全体像は『不可視』である。でも、それが心地良く感じるのが、ポール・オースター。さすがです。

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    2021年07月21日
  • 雲

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    面白かった。
    彼の今までの作品はグロテスクで奇想な展開が多かったのだけれど、本作にはあまりそういう展開はでてこない。
    所々出てはくるのだけれど、あまりメインの話に有機的には絡んではこない。
    ただ、そんなグロテスクで奇想な展開は、今までに彼が発表してきた作品に登場したエピソードに似た内容が多いので、彼の一つの集大成的な意味合いもあるかも知れない。
    まぁ、そんな展開を期待していた人にとってはちょっと肩透かしを食らわされたように感じるかも知れない。
    実は僕も最初はそんな肩透かしを食らった一人だったのだが、読み進めていくうちに「おいおい、エリックさん。グロテスクで奇想な展開がなくても凄く面白い作品が書

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    2021年05月07日
  • トム・ソーヤーの冒険

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    小学校時代に読み漁った名著の読み返し。
    「トムソーヤの冒険」が発表されたのが今から140年前、アメリカがまだ南北で対立していた時代。
    奴隷制もあり、荒れていた時代にこれほどまでに勇気と希望に溢れた物語を生み出した著者が素晴らしい。
    印象的なシーンが、自らの日曜学校の葬式の日に戻ってきた3人を、喜びに満ち溢れて出迎えた人たちに、ハックが帰ってきたことも喜んでくれと、何の気無しにトムが言ったところ。
    トムの心の優しさ、寛大さがひしひしと伝わってくるこのシーンに胸を打たれた。

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    2021年05月05日
  • 雲

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    古書店で、とある本を見つけるハリー。
    そこから彼の半生が語られる。
    滾々と湧きいでる泉水が虹を放つような言葉で。

    タイトルどおり、ぽっかりと浮かびいつしか形を変え消えゆく雲のような挿話。ほんとうに、雲を眺めるような心地よい読書時間がもてた。

    ラストは、波乱に満ちていくのか穏やかに過ぎゆくのか、どちらにしてもハリーの人生が長く続いていくだろうことを感じさせる。
    本を閉じても物語は閉じないようだ。

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    2021年05月02日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    ネタバレ

    大変に面白かったです。大満足です。

    まず、「翻訳夜話2」ということで、第二弾の本ですよ、って事だと思うのですが、「翻訳夜話(1)」は、未読です。そっちを読まずに「2」から読むのって、ある意味アカンやんか、、、と思うのですが、すみませんコッチから読んじゃいました。また機会がありましたら、「(1)」の方も、読みますです。楽しみです。

    で、本書の内容をザックリと言いますと、村上春樹さんと柴田元幸さんが、それぞれに
    ①翻訳というものはなんぞや?を語る。
    ②「キャッチャー・イン・ザ・ライ」という物語を語る。
    ③J・D・サリンジャーという人物について語る。
    という本、だと思います。

    翻訳論、キャッチ

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    2021年04月14日