柴田元幸のレビュー一覧
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ネタバレ壮大なタイトル詐欺。
竜巻のせいで魔法の国に飛ばされたドロシーと、カカシ、ブリキ男、ライオンの愉快な仲間たちで送るファンタジック・ヒーローズ・ジャーニー。
非常に面白かった。不朽の名作である訳が分かった。愉快で変わった仲間たちとの冒険譚でありながら、『青い鳥』のような寓意性も持っている。また様々な困難を全員の協力で打開していくところが非常に素晴らしい。ストーリーは『桃太郎』に似たところがあるが、『桃太郎』よりも困難に工夫が見られる。
あらすじ
カンザス州に住む少女ドロシーは愛犬トトと一緒に迫り来る竜巻に備え地下室に逃げ込もうとした。だがトトがベッドの下に逃げ込んだせいで、家ごと竜巻 -
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特に翻訳に興味があるわけではない、と言うか、むしろ翻訳の文章は頭に入ってこないので苦手な世界だが、その舞台裏はとても面白い。興味がないけどそのマニアックぶりが面白いという点では「小澤征爾さんと、音楽について話をする」を連想する。やはり村上春樹が面白いのだ。
翻訳のあれこれを語ると読者や作家活動にも関係してきてその広がりも面白いところ。
ここでは2つの短編を二人が翻訳して掲載し、比べるという面白い試みもしている。例えば登場人物の職業について書かれていない場合、翻訳者が肉体労働者と思うか知的労働者と思うかで訳文がかわってくる。淡々としたものにするか熱いものにするか、主人公は「僕」なのか「私」なの -
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読んだばかりのJ.D.Salinger の「Catcher in the Rye」について、訳者である村上春樹と、それを教材に東大で講義をしている柴田元幸が徹底的に語り合っている。
この小説は「社会に反抗する無垢な少年の物語」という評価が通り相場らしいが、村上も柴田もそれに関してはとても否定的である。以前は、若者はこの小説を読まないことには話が始まらないというところがあったそうだ。ところが二人の対談を読んでいると、とてもそんな単純な物語ではないことに気付かされた。
二人は「トム・ソーヤー」や「ハックルベリー・フィン」を引用しながら、ヨーロッパにある成長物語はアメリカにはない。反成長物 -
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はじめに『ブルックリン・フォリーズ』を読んでポール・オースターにはまり、初期のニューヨーク三部作、『ムーン・パレス』、『偶然の音楽』と読んだ。
初期の作品から間を飛ばして後期の本作を読んだので作風の違いに驚きもあったが、歳を重ねたオースターの厚みを感じられる、心にずっしりとくる素晴らしい小説だった。
物語の前半は他の作品と比べて何だか入り込めなかった。今までの作品には魅力的なストーリーと絶妙なユーモアが入っていたのだが、本作は様々な人が抱えている人生の重たい荷物が淡々と描写されていく。
読んでいて辛いわけではないが、今までの遠くへ連れて行っていってくれるオースターではない。今まで読んだ作品の -
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1947年ニューヨーク、私立探偵ブルーは、ホワイトという男からブラックという男を見張り、報告書を送るよう依頼される
ブルーはブラックの部屋の向かいにあるアパートに住み、見張り始めるが、何も起こらない。監視を始めて1年が過ぎた頃ブルーは見張られているのはむしろ自分なのではないか、という疑念を抱き始める
よく理解できなかったのでまた時間をおいて読み直したいと思う。そしたらまた違う解釈がでてくるかもしれない。
私には難解でした。
〈考察〉
ブラックについて⋯
ブラックは自分を見ているブルーを必要としていた。自分が生きているあかしとして。自分が何をしていることになっているか、自分自身が忘れない