柴田元幸のレビュー一覧

  • ジム・スマイリーの跳び蛙―マーク・トウェイン傑作選―

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    古典文学を読む!と意気込んで読んだら予想以上のユーモアに驚いた。楽しく読めて、時々考えさせられた。
    翻訳が自然で解りやすかった。

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    2014年09月09日
  • 翻訳夜話

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    翻訳物を多く読む訳でなく、著者に思い入れがある訳でもなく、なのに何故か気になり手にとり気になり読み始めてみると面白い。グイグイ引き込まれながら読みました。
    翻訳とはどういうことかを、まずは大学のワークショップの学生の前で、次に翻訳家を目指す若者の前で、そして同じ短編小説をそれぞれが翻訳した作品を挟んで若き翻訳家の前で質問に答える形で示していく。
    それぞれの立場も違えば取り組み方も変わる。しかし翻訳という行為そのものを楽しんでいる様子はふたりから溢れています。そこに強く大きく引き込まれたのでしょう。

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    2014年09月05日
  • オズの魔法使い

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    もうすぐ3回目のウィキッドを観に行くので、今度は角川で再読。
    改めてよむと、自分には足りないものを求めてオズに向かった彼らには実は脳味噌も心も勇気も最初からたっぷりもっていたな、と。要は自らをきちんと見つめ気付くことが出来るかどうか?そして、信じる人の言葉行動というのは予想以上に大きな力を持つということ。

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    2014年07月14日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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     読んだばかりのJ.D.Salinger の「Catcher in the Rye」について、訳者である村上春樹と、それを教材に東大で講義をしている柴田元幸が徹底的に語り合っている。

     この小説は「社会に反抗する無垢な少年の物語」という評価が通り相場らしいが、村上も柴田もそれに関してはとても否定的である。以前は、若者はこの小説を読まないことには話が始まらないというところがあったそうだ。ところが二人の対談を読んでいると、とてもそんな単純な物語ではないことに気付かされた。

     二人は「トム・ソーヤー」や「ハックルベリー・フィン」を引用しながら、ヨーロッパにある成長物語はアメリカにはない。反成長物

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    2014年06月06日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    この本を読んだあとに村上訳「キャッチャー・イン・ザ・ライ」も読みました。作者との契約で村上春樹訳の「キャッチャー・イン・ザ・ライ」に翻訳者のあとがきを載せることができないために、こちらに掲載されたとのこと。学生時代に野崎訳で「ライ麦畑…」を読んで以来の再読なので、予習のつもりで、こちらを先に読みました。
    翻訳者のレベルの細かい話がたくさんあって、翻訳された日本語をぼーっと読むだけの読者の私としては、新鮮でなかなかおもしろかったです。

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    2013年10月01日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    「キャッチャー・イン・ザ・ライ」が大好きなので。
    すごく良かったです!
    改めてサリンジャーのこの作品が、どれだけ凄いか分かりました。
    そしてそれを見抜かれたお二人も。

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    2012年08月13日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    ネタバレ

    作風としては好き。そして皆さんのおっしゃる通り、本当に難解というか、最後の方は何が起きているのやら分からなくなった。他の作品も読んでみるべきか…
    つまらなくはない。面白かったけど、意味は分かっていない。
    絶対違うと思うけど、ブラックを監視することによって自らがいない人間=幽霊になっていたブルーと、幽霊になるまいと自分の存在をブルーを通して知覚することに必死になっていて、最後にはリアルに幽霊になったブラック…ってこと?
    まあ私なら途中で仕事放棄してどっか行くね笑

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    2026年07月04日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    1947年ニューヨーク、私立探偵ブルーは、ホワイトという男からブラックという男を見張り、報告書を送るよう依頼される
    ブルーはブラックの部屋の向かいにあるアパートに住み、見張り始めるが、何も起こらない。監視を始めて1年が過ぎた頃ブルーは見張られているのはむしろ自分なのではないか、という疑念を抱き始める


    よく理解できなかったのでまた時間をおいて読み直したいと思う。そしたらまた違う解釈がでてくるかもしれない。
    私には難解でした。


    〈考察〉
    ブラックについて⋯
    ブラックは自分を見ているブルーを必要としていた。自分が生きているあかしとして。自分が何をしていることになっているか、自分自身が忘れない

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    2026年07月03日
  • ガラスの街(新潮文庫)

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    NYタイムズ「21世紀名著 100選」に入らないわけがない。
    間違い電話をきっかけに探偵を名乗ることになった推理作家が、NYの街を行く迷宮ミステリー。

    ザ・ポストモダン。反推理小説にあたるでしょうか。探偵行動を続けるほどに哲学的要素が積み重なり、言葉やアイデンティティが壊れてゆく。
    不条理がオモロ怖くなりつつ…なんというかオースターのペンがノっているような、キャラが縦横無尽に動いているような感覚も。

    ガラスのように脆いのは常識や自我や概念か。セオリーをあえて外すところも含め、オースターによる小説独自のアソビがただただ見事でした。

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    2026年06月19日
  • バウムガートナー

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    晩年の作品には、正しく晩年であることを表して(オースター作品らしからず)穏やかな場面が多いが、通底して、「人から見える世界は全てその個人の脳内にある」という世界観なので助かる。
    誰かから見える世界は、親しい人の死や社会を揺るがす事件と同様に、それに対して反応する個人の脳内のイベントに支配される。
    内面に閉じた世界観を描くということについて圧倒的な信頼があるため、オースターを好きで居続けてきた。
    そしてここまで期待を裏切らずに居続けてくれた作家は他にいなかった。

    本作でも、バウムガートナー氏の他に登場する人物はいるが、全て氏の脳のフィルターを通した描写のみで進む。
    重要に見えない細かい風景描写

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    2026年06月16日
  • バウムガートナー

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    アメリカの70歳の大学教授が主人公。
    妻を亡くした喪失感の中、身体も精神も衰えてくる。
    悲しみに沈んでばかりもいられず、日々の暮らしを送っていると、希望の光も見えてくる。
    若い頃のキラキラな回想や自分のルーツを巡る話も展開される。
    少し混沌としてるけど、これが生きてきた証のようだ。

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    2026年06月07日
  • 囚人のジレンマ 下

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    ネタバレ

    W・ディズニーが作った虚構の町ワールド・ワールドで17歳の父エディは、ミッキーの助言を受けながら1939年13歳からの人生を1945年までたどる。1945年現実と思われる世界線ではアラモゴード基地におり、原爆実験の光を浴びたときに世界線は交わる。そこで現実の世界線に収斂したようだが、今度はエディは虚構の町ホブズタウンをテープに吹き込み始める。
    1978年エディは病院を抜け出しアラモゴードを目指す。そこで世界線は再び融合したようで、エディは現実の世界線から消える。

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    2026年06月03日
  • 囚人のジレンマ 上

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    ネタバレ

    1978年のシカゴ近郊から始まり、高校の歴史教師の父の1939年NY万博の記憶から飛び飛びに記憶が挟まる。父は、1939年万博と1945年にW.ディズニー(この世界線では日本人の血を引く)が日系人収容者を活用してつくる映画のセットの町にインスパイヤされた虚構の世界にも生きているよう。徐々に謎が見え始める。
    知識とクイズと文字遊びとゲームが満載。

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    2026年06月10日
  • ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)

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    一人の老人の、生の記録
    といっても寂しさとは無縁の、にぎやかさに満ちたもの
    登場人物の誰もが生き生きとしていて、ブルックリンという街の息遣いも感じられた
    もう少し、歳を取ったら再読したい
    また違った感想を持てると思う

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    2026年05月29日
  • サンセット・パーク(新潮文庫)

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    それぞれの事情を持った4人がサンセット・パークで過ごす数ヶ月間の物語。
    学生の頃から、ポール・オースターが好きで、久しぶりに読みたくなり購読。

    “青春群像劇”とは銘を打っているが、いままで読んできた青春小説とはだいぶ趣がことなる。それもそのはず、この小説の名は『サンセット・パーク』、つまり日が沈みゆくような仄暗い背景を舞台にした物語なのだ。

    この本が書かれた当時、世界金融危機が起きた直後だった。先行きが不透明な社会情勢と、自分が何者になれるのか、あるいはなれないのかという将来への不安と希望を抱く若者達の心の葛藤が、同じような色調で物語に彩りを与えている。

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    2026年05月25日
  • ガラスの街(新潮文庫)

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    最初は一本の間違い電話から。小説の最後まで、「間違い」「選択」というキーワードがあったように思います。少し難解でしたが、三部作ということでゆっくりと他の二作も読んでみたいと思います。

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    2026年05月20日
  • バウムガートナー

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    なかなか読む覚悟を決められずに購入して5ヶ月くらい積読していたけれども意を決して読みました。

    第1章は読むのに少し根気を要したけれども、その後バウムガートナーとアンナそれぞれの過去や家族のルーツを遡っていく様はまさに自分が好きななオースターでした。



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    2026年05月19日
  • バウムガートナー

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    これが最後の長編小説という先入観があるせいか、喪失の悲しみと、老いやその先にある死への諦念が色濃く感じられました。再生とか、ここからもう一花、みたいな明るさを見出した人もいるようなのだけれど、わたしには人生の最終章という印象のほうが強かった。なんかずっと寂しかったです。たとえば秋の景色に対して、きらきらと日の光を受けて輝く紅葉や落ち葉のじゅうたんが美しくて好ましいと感じる人がいる一方で、冷たい風を受けて散っていく葉や道路をカラカラと駆けてゆく枯葉に心がざわついてうら寂しさを感じる人もいますよね。この本はわたしにとっては後者の景色。オースターはどんな思いで書いていたのだろう。

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    2026年05月07日
  • バウムガートナー

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    笑えるのに笑えない。泣けるのに泣けない。
    枯淡の境地なんてどこ吹く風の、初老の男を巡る物語。

    思い通りにいかない老いた体への諧謔と、縦横無尽に展開される思考の渦と、あたふたとした日常の瑣末時のごった煮の中に、失った人生の伴侶への愛、若き日々の一コマ、奇跡のような喜びの瞬間が、突然一筋の光として差し込まれる。

    そして、オースターが最後の一行に込めた力強い宣言は、逃れがたい現実に満ちた人生を、煌めくジョークとスリリングな冒険へと変えてくれる。


     “生きるとは痛みを感じることであり、痛みを恐れて生きるのは生きるのを拒むことなのだ。”

     “ある出来事が真実として受け容れられるためには、それが

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    2026年05月03日
  • デカルトからベイトソンへ――世界の再魔術化

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    解かれた魔術と再びかけられるもの。

    個人としてではなく社会として、共有不能な神秘体験ではなく科学的手法の更新により、事実と価値とを再統合する。
    今の時代に、グレゴリー・ベイトソンを学ぶ。

    ・情感もまた理性と同様に厳密な演算規則(アルゴリズム)に基づいている

    ・違いを生む違い

    ・学習Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ

    ・全体論はただし危ない論理に陥り易い

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    2026年05月24日