【感想・ネタバレ】英日バイリンガル 現代ゴシック小説の書き方のレビュー

あらすじ

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★エッセイで指南し、小説で実践してみせる。当代一の書き手によるゴシック入門。

エドガー・アラン・ポー、ウィリアム・フォークナーから始まり、内田百閒、伊藤潤二、柴崎友香、『鬼滅の刃』までのゴシック、ホラーの作品世界を、現代アメリカの最重要ゴシック作家のひとりブライアン・エヴンソンが語り尽くす。書き下ろしを含むゴシック小説4篇(うち3篇は本邦初公開)と、柴田元幸との対談も収録。完全英日バイリンガル本。

〈目次〉
まえがき ブライアン・エヴンソン
Introduction by Brian Evenson

1 幼いころに難解な物語を 聴くことの効用 ― たとえばポー ―
Having Poe Read to in Childhood
エッセイ ポーを読む(Reading Poe)
小説 ザ・パニッシュ(The Punish)

2 「よくわからない」が創作につながる
― 鬼滅の刃、内田百閒、伊藤潤二、柴崎友香 ―
Creativity of Not Knowing

エッセイ 何もかもわかってはいないことの効用(Not Quite Knowing What It All Means)
小説1 痕跡を残さぬ顔(A Face Leaving No Traces)
小説2 紫の野菜(Purple Vegetable)

3 ブライアン・エヴンソンはいかにして作られたか
The Making of Brian Evenson
ブライアン・エヴンソン、柴田元幸対談
A Conversation Between Brian Evenson and Motoyuki Shibata

4 総括篇
Conclusion
小説 ぐっすりお休み(Good Night, Sleep Tight)

訳者あとがき 柴田元幸
Translator's Afterword

装画 横尾忠則

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Posted by ブクログ

なかなか興味深いエッセイだった。子供の頃に難解な本を読んで、分からない言葉があったり理解出来なくても、得るものは時にすごく大きかったりすること。これは本当にそう思う。今でも難解な読書体験をすることがあるけど、これがいつ深い理解や気づきに繋がるか分からない。英語も口語的で分かりやすいので、英語の勉強にもオススメ。

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2025年01月16日

Posted by ブクログ

作品紹介・あらすじ

エッセイで指南し、
小説で実践してみせる。
当代一の書き手によるゴシック入門。

エドガー・アラン・ポー、ウィリアム・フォークナーから始まり、内田百閒、伊藤潤二、柴崎友香、『鬼滅の刃』までのゴシック、ホラーの作品世界を、現代アメリカの最重要ゴシック作家のひとりブライアン・エヴンソンが語り尽くす。書き下ろしを含むゴシック小説4編(うち3編は本邦初公開)と、柴田元幸との対談も収録。完全英日バイリンガル本。

*****

ブライアン・エヴンソンは大好きな作家の一人。今のところ翻訳されている彼の作品は「遁走状態」と「ウインドアイ」の二冊だけだけれど、僕は二冊ともに五つ星にしている。

そんな彼の短編4本とエッセイ2本、そして柴田元幸との対談が収録されているのが本書。「英日バイリンガル」となっているのは左ページにブライアンによる英語、右ページに柴田元幸による日本語訳、両ページの下段に日本語による訳注が掲載されているため。英語の勉強にもなりますよ! ということになる。そして本の表紙には横尾忠則の「Y字路」という作品が使用されている。

エッセイや対談も面白く、ブライアンの人柄なども窺い知ることができるのだけれど、やはり4本の短編が僕にとってはメイン。そのうちの1編「ザ・パニッシュ」は柴田元幸編集による文芸雑誌「Monkey Vol.2」に掲載済であるが、残りの3本は本書の為に書き下ろされたもの。「紫の野菜」は軽めでちょっとコミカルな印象の作品だったけれど、「痕跡を残さぬ顔」と「ぐっすりお休み」は僕にとって絶品。特に「ぐっすりお休み」は最後「おお、そうきたか」と思わせてくれた。ちなみに「ザ・パニッシュ」も嫌な感じがずっと残るような作品だった。

調べてみるとブライアンはかなりの作品を出版している(短編集だけでなく長編やノンフィクション、他者との共著もある)。ざっと数えただけでも30冊を超えているのに、翻訳されたのはたった2冊というのはちょっと寂しい。僕にもっと英文読解の才能があれば洋書で読めるのにという気持ちもあるが、才能のない物ねだりをしても仕方ない(悲)。柴田さんに頑張ってもらって、もっと翻訳して欲しいなと願っている。

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2024年11月20日

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