柴田元幸のレビュー一覧

  • ガラスの街(新潮文庫)

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    ニューヨークの街並み、96丁目を曲がってとか109丁目の角を曲がってとか、ほとんど街並みのイメージが出来なかったけど、依頼を受けた私立探偵の動向が気になって仕方なかった。ドン・キホーテの解釈や失楽園、新バベルがとうとか難しい話も出てくるけど、そこはあまりこだわらなければ十分楽しみた。物語に著者のポールオースター自身が登場すると言う変わり種の本。のめり込んで自分を失う怖さを味わった。

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    2025年11月15日
  • ムーン・パレス(新潮文庫)

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    偶然の出会いと別れによる人生の激しい浮き沈みが描かれることで、ストーリーに惹きつけられ、読書中は現実の悩みを一時忘れさせてくれます。必ずしも時系列ではない語りがあり、匠の技を感じました。

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    2025年11月09日
  • ガラスの街(新潮文庫)

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    デビュー作から異彩を放っているポールオースター。先が気になる予想できない展開に加えて類稀なる表現力と文章力。訳者もすごい。最後の物語の締め方も良かったです。

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    2025年10月29日
  • 新訳 オズの魔法使い

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    小さい頃映画を一度観ただけで、ほとんど覚えていない状態で読んだ。面白かった!
    脳みそがほしいかかし、心臓がほしいブリキの木こり、勇気がほしいライオン、と仲間がみんな個性的。訳者解説で、ドロシーは家に帰るため、他は欲しいものを手に入れるため「仕方なく」冒険していると書かれていて面白かった。
    展開がテンポ良く進むのも心地良かった。西の魔女があっさり死んだのは驚き。
    オズの魔法使いの正体も驚きだった。
    意外性が散りばめられているのも面白さの理由かも。

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    2025年10月27日
  • 芥川龍之介選 英米怪異・幻想譚

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    少し前にTwitterで見た、巨人殺しの主人公が小屋を訪ねるとめちゃくちゃデカいババアがいて「今度はおまえの番だ」と棘が生えたグローブをつけて殴りかかってくる話が『ショーニーン』(レディ・グレゴリー作)だった。おっ、これかぁ、と感動した。

    なんか好きだなと感じたのがスティーブンソンの『マークハイム』で、殺人犯の主人公が悪魔的な囁きをする謎の男に誘惑されるが自首する、という話で、要は悪魔の誘惑的な話なのだろうけど、短編だからこそうまくまとまっている話だなと感じた。

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    2025年10月26日
  • ガラスの街(新潮文庫)

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    アメリカの近代作家オースターのニューヨーク三部作、鍵のかかった部屋と幽霊たち、とで3冊。
    話的には繋がってはいないけれど、3冊に共通するのは、ニューヨークという現実の世界の中で感じる非現実感。読み進むと、幻想的な迷路にはまってしまったような感覚に陥ります。
    どの話も推理小説のようであって推理小説ではありません。主人公は、誰かを探す、観察する、探偵、という体裁をとりながら、ひたすらある人を追ってニューヨークブルックリンの街を徘徊します。
    相手を知ろうとすればするほど他人とは何かと考え始め、他者の不確かさが深まり、延いては自分と他者との境界はあるのか、自分とは何か、となります。
    結論もなければ謎の

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    2025年10月15日
  • ムーン・パレス(新潮文庫)

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    どこかでグッと掴まれるとか、起承転結がバッチリあるとか、あんまりそういう感じじゃないんだけど(ずっとちょっと変で悲しい話)、なーんか飽きずに楽しく読めて不思議。
    MSフォッグ(と彼女のキティ)、フォッグとエフィング(目の見えない偏屈なじいさん)、エフィングの過去、フォッグとバーバー、バーバーの本の内容、みたいにそれぞれまあまあちゃんとした(どちらかというと重くて悲しい)話がたくさん出てきた。
    でもなんからみんな好き。
    特に最初のフォッグの、お金無いのにその中で謎にやりくりしようと頑張るところがなんか好き。叔父さんの残した本を読みまくって、売って、何もなくなったら公園で生きて…私も助けに行く親友

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    2025年10月02日
  • 4 3 2 1

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    学ぶことがとても多い読書であった。
    ページが進むにつれて、悲しい出来事が起きていき、読んでいるとこちらまで鬱っぽくなる時があった。けれども必ず章の最後の方に。人生において糧となり指標となってくれるような言葉が綴られていて。それを見つけるために頑張って読んでいた気がする。
    神は果たしてどのような意図で肩をすくめたのか?
    自らのちょっとした、あちゃーやってもた、ごめん!というべき策士的失敗にか。それとも、良きことを重ねていれば必ず神は報いてくれる、という人間の思い込みにか。そもそも神はいるのか?
    でも
    神はいないかもだが、生は必ずそこにある。死もまた確実にそこにあり、生と死は一体である。
    自ら選ん

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    2025年10月01日
  • ハックルベリー・フィンの冒けん

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    ネタバレ

    "トム・ソーヤーよりおもしろいワクワクする冒険物語"というイメージがあって、確かにそういう部分もあったけれど、そんなことより黒人奴隷の境遇や白人の考え方が怖かった。訳者の解説によると、この作品が書かれたときには既に奴隷制は廃止されてから40〜50年経っていたそうだ。当時の人たちから見ても実感しがたい状況が広がっていたことを作者が描いたこと、ジムを自由にしたのはハックでもジム自身でもなく、持ち主だったことなどの解説が興味深かった。

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    2025年10月01日
  • ナイフ投げ師

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    初っ端の表題作の異常な緊張感から一気に引き込まれてしまった。
    現実と虚構が溶け合っていく瞬間がたまらないのだけど、かと思えば実話ベースの話があるのも面白い。
    段々と、語り手が“私たち”だと嬉しくなっちゃうようになってしまいました

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    2025年10月01日
  • 鑑識レコード倶楽部

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    作品紹介・あらすじ

    「俱楽部を作るんだよ。レコードをじっくり、
    綿密に聴くことだけを目的にした俱楽部を。
    いわば鑑識的に、いっさいの邪魔を排して聴くんだ」

    月曜の夜、パブの小部屋に3枚のレコード盤を持ち寄り、厳格なルールのもとにただ黙って聴く──ストイックな倶楽部は順調に育っていくかに見えたが、やがてライバルが出現し、分裂の危機に揺さぶられる……トマス・ピンチョンがデビュー作を賞賛、イギリスならではの乾いたユーモアの名手が送る現代社会の寓話。

    作中には60年代以降のロック、ポップスのタイトルが無数に登場するが、ミュージシャンやバンド名はいっさいナシ。そんな意地の悪い小説だが、作者本人が“

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    2025年09月27日
  • ムーン・パレス(新潮文庫)

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    一度落ちるところまで落ちた生活から老人と出会い真実かわからない昔話と繰り返される出会いと別れの中で運命の数奇さが散りばめられている。最後はなんだか唐突せ切なくてとても良かった。

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    2025年09月21日
  • 芥川龍之介選 英米怪異・幻想譚

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    芥川龍之介が選んだ英米怪異・幻想文学のアンソロジー。芥川龍之介が英文学者を志していたとは知らなかった。収録作品はオスカー・ワイルドやエドガー・アラン・ポーなど有名作家もいるが、知らない作家も多いので簡単なプロフィール紹介があるのが嬉しい。

    好きな作品:
    ・月明かりの道(アンブローズ・ビアス):「藪の中」に影響を与えた作品。事件関係者たちの告白で構成されている。
    ・A・V・レイダー(マックス・ビアボーム):英国紳士二人の話。オチが意外だった。
    ・大都会で(ベンジャミン・ローゼンブラッド):わずか4ページの作品だけど、大都会の冷たさと人間心理の醜さにゾッとした。
    ・ささやかな忠義の行い(アクメッ

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    2025年09月19日
  • インヴィジブル

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    ネタバレ

    アダム・ウォーカーが書き残した彼の人生。ルドルフ・ボルンとの出会いと殺人疑惑。彼に物語を託されたジムはアダムの死後、彼の人生を追う。

    ポール・オースターも村上春樹と同じで、読むタイミングがある作家さん。今は波長が合うらしく、ずっと読んでしまった。アダムの物語やジムに語られる関係者の話が引き込まれる。

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    2025年09月19日
  • 翻訳夜話

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    70冊目『翻訳夜話』(村上春樹/柴田元幸 著、2000年10月、文藝春秋)
    米文学翻訳家のトップを走り続ける2人が、若き翻訳家や翻訳家を目指す学生と行ったディスカッションの模様を纏めた新書。
    一見堅苦しそうな本に見えるがそんなことは全く無く、いかに翻訳が楽しい作業なのかが伝わる幸福感に満ちた一冊である。
    2人が同じ短編小説をそれぞれに訳すという「競訳」も収録されており、そのスタイルの違いを比較出来るのも面白い。

    〈僕は翻訳というのは、基本的には誤解の総和だと思っているんですね〉

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    2025年09月17日
  • ガラスの街(新潮文庫)

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    ポストモダン的な話とかドンキホーテの話とか聖書の話とか教養がないからむずい。これ推理小説なのか?
    ムーンパレスと雰囲気近いけど、ムーンパレスの方が読みやすかった気がする。

    ニューヨーク行く機会あったらもう一回読みたい。

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    2025年09月08日
  • ナイフ投げ師

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    ほんとうにただごとではない密度。文字に埋め尽くされたページ、底なしに秀逸な文章。質が高いとしか言えねえよ。不安がつきまとう夢みたいなお話たち、とてもよかった。不思議で、薄気味悪くて、心当たりがないのに懐かしいような気さえしてくる。『協会の夢』『パラダイス・パーク』この上なく想像力が掻き立てられたし、『ある訪問』好みすぎてたまらんかった。満足感えぐ。

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    2025年08月22日
  • ムーン・パレス(新潮文庫)

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    不格好で、不器用にもがく滑稽な姿。
    主人公の青年期が見事に描かれています。
    「ムーン・パレス」 ポール・オースター著
    若い頃、何冊も同じ著者の本を読んだのですが強く印象に残ったのはこちらの一冊でした。
    今年に入ってニュースで著者の訃報を受けました。その夜から3日間でこの小説を再読しました。
    物語の前半は、主人公がとにかく極限状態に落ちていく様子、
    後半はそこから回復して、自分のルーツを探すという設定です。
    後半からの話はちょっと奇想天外で、ここが面白い!という方々が多々ですね。
    私は、主人公マーコがどんどん落ちて彷徨うところが、この作品の一番の魅力だと思っています。
    この主人公の精神状態がその

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    2025年08月12日
  • ナイフ投げ師

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    細部が犇めく濃密な短編集。非現実的な出来事がシームレスに現実へと滑り込むが、その文体は数学のように精緻でエレガント。究極のナイフ投げ芸が行われる表題作に惹き込まれ、少女たちの秘密結社への様々な憶測が流れる『夜の姉妹団』に唸り、自動人形劇場だらけの町を描く『新自動人形劇場』に魅了され… 全12作が高い完成度で、短編ならでは魅力に浸る。

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    2025年08月07日
  • ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)

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    ガラスの街など比較的初期のオースターを読んでいたので、今回の作品は少し違う雰囲気ではあるけど、面白く読めました。 準主人公のグラスの周りで起こる悲喜交々、徐々に生きる意味を取り戻しつつある現実に911が暗い影を落としています。後期の作品も面白いです、また他の作品も読みたい。

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    2025年08月04日