柴田元幸のレビュー一覧

  • ジム・スマイリーの跳び蛙―マーク・トウェイン傑作選―

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    ばかばかしい話というのは、古今東西底堅い需要があるんだなあ。

    『物語の語り方』のラスト(怪談が、「お前だー」で終わるやつ)は、日本の怪談の伝統芸能かと思っていたら、19世紀の大昔からあるとは。。マークトウェインが元祖かはよく分からないけど。

    『本当の話』は、唯一異色なシリアスもの。黒人奴隷の人生への愛情を感じる。ここから公民権運動まで100年近くかかるなんて意外と言えば意外。

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    2021年06月19日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    アメリカ文学に馴染みがなく、ポストモダンと言われても全くピンと来ない私。それ故に、難解なイメージが付き纏う「ムーン・パレス」以前の初期作品を敬遠していたが、<ニューヨーク三部作>の二作目にあたる本書は素直に楽しめた。終盤へ向かうに従い、不条理さを増す作風ではあるものの、読者を惹き付けるストーリーテリングの手法がこの頃から健在だったことが伺える。他者との関係性を以て、人は自身の実存性を認識するという件は後の「偶然の音楽」でもテーマになっていたが、個人のアイデンティティとは己が思う以上に脆弱で儚いものなのか。

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    2022年01月27日
  • ブルックリン・フォリーズ(新潮文庫)

    購入済み

    おーん

    この手の作品が好きで何度か読むがいかんさん訳がわかりづらい。そのへんスルーできたらなぁ。原著で読めってことなのか

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    2021年06月06日
  • ハックルベリー・フィンの冒けん

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    トムソーヤがおままごと好きならば、ハックは本物の冒険者。危険から逃げていかだに戻りたくてたまらないのに、なぜかいつも冒険に巻き込まれてしまう。少年の機知に富んだ対応や、スパイスのように効いた人種差別の背景が冒険を加速させている。

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    2021年04月30日
  • インヴィジブル

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    "同情なんて最低の、役立たずの感情だよ。"(p.111)


    "人が望むことと得られることはめったに同じにならないのよね。"(p.243)

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    2021年01月26日
  • トム・ソーヤーの冒険

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    トム・ソーヤの冒険ってよく聞くけど実際こんな話やったんや…
    もっと色んなところに冒険しにいくような話やと思ってた

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    2020年12月17日
  • 翻訳夜話

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    柴田元幸と村上春樹の対談(フォーラム)を書き起こしたもの+カーヴァーとオースターの作品をそれぞれが訳したもの。翻訳はそのテキストが第一で、それに対する偏愛が大事なんだなと。凝った訳や綺麗な訳をしようとするよりも、その作品を誰よりも理解しているという自負と作品への愛が分かった。

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    2020年04月04日
  • 舞踏会へ向かう三人の農夫 下

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    下巻でようやく内容が掴めてきて、楽しめた。
    「写真」とはというところから、掘り下げられた、壮大な話になっていた。
    しかし、魅力的な写真だ。

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    2020年03月08日
  • 舞踏会へ向かう三人の農夫 上

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    なかなか読むのが難しい。
    最後の方でようやく登場人物をつかみかけてきた程度。
    とりあえず、表紙カバーが気を引く。

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    2020年03月05日
  • 翻訳夜話

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    翻訳家・村上春樹と柴田元幸の対談。
    翻訳の世界も小説と同じようにセンスが求められる。村上は小説家として、柴田は文学者として翻訳を行っているが、それぞれ背景となる世界が違っているので、翻訳にもそれが現れる。翻訳に対する自分の流儀、好みの作家など翻訳に関する色々な話が紹介されていて面白かった。

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    2020年01月02日
  • オズの魔法使い

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    実は、ストーリー知らず。30過ぎてはじめて読んだ。


    弱いのに強いライオンに、心がないのに心優しい木こり、脳みそがないのに賢いカカシ。


    古典は、やっぱり残るだけの魅力があるから、後世に残っていくんだな、と。

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    2019年06月20日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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     『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(以下、この本に沿って『キャッチャー』と呼ぶ)の翻訳を手掛けた村上春樹と、彼の翻訳仲間である柴田元幸が、翻訳者という視点からサリンジャー及び『キャッチャー』について縦横無尽に語る本。

     小説について作家が語る本を読むのは、おそらく初めてだと思う。読書ガイドとして書評集を買うことはあったが、どれも一冊につき2~3頁程度で語られており、こうして一冊の本としてガッツリ語られたものを読んだことはなかった。 読むことになった理由は、『キャッチャー』を読んだ時の印象が、普段読む多くの青春小説に比べ非常にもやもやした感覚が残ったため。
     青春小説というと、例えば主人公に好

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    2019年04月20日
  • インヴィジブル

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    1967年のニューヨークやパリを舞台に、一人の大学生が自分を巻き込んだ人物と対決する。
    40年の時を経て、当時の人たちがいろいろと証言していく。

    インヴィジブル具合が、ちょっと中途半端かなと思った。

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    2019年02月11日
  • インヴィジブル

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    オースターの初期作品において、「不可視(invisible)」であるということはイコール「非在」であるということだった、と思う。『見えない男の肖像』では、「不可視」な父親の「非在」が語られ、NY三部作では他者から「不可視」になることで主人公が非在者となって姿を消していく。しかし、そのものズバリ“インヴィジブル”というタイトルが付けられた本書では、不可視であることは必ずしも非在を意味しない。不可視であることが在/非在の境界を曖昧にしていったその先に、真実と創作、事実と願望の見極めがつかない物語だけがただ、在る。
    第一章では、語り手のアダムが経験した1967年春の出来事が描かれるが、この章の物語世

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    2019年01月22日
  • インヴィジブル

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    大学生アダムとコロンビアの客員教授ボルンの邂逅から始まる数奇な物語は、様々な語りを通して、はっきりとした真実がわからないままに語られていく。

    まさに〝Invisible〟.
    現実もこうなのかもしれない。

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    2018年10月24日
  • インヴィジブル

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    詩人を目指す大学二年生の「私」はパーティの席上でフランス人男女と知り合う。次に会ったとき、そのボルンというコロンビア大学の客員教授は「私」に雑誌編集の話を持ちかける。新雑誌の内容から運営まですべてを任し、資金は援助するという嘘みたいな話である。連れのマルゴが「私」のことを気に入ったのが支援を申し出た理由だ。最近、財産を手にしたので、女を喜ばせてやりたいという。

    信じられない話だが、ボルンは大金の小切手を用意していた。事件は前祝いの夜に起きる。夜道で黒人の少年が二人を銃で脅したのだ。おびえる「私」をしり目に、ボルンはしのばせていたナイフで少年を刺す。銃には弾が入っておらず、救急車を呼ぼうという

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    2018年10月24日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    小説家であり翻訳もこなす作家の村上春樹と訳書をいくつも出版している柴田氏の対談。翻訳夜話という新書の2にあたる。
    タイトルにあるように作家サリンジャーの「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の翻訳にまつわる様々なエピーソードなどを対談形式で送る本。

    文学や翻訳に興味がない人はまったくおもしろくないだろうが、そういうのに少しでも手を付けている人はなかなか興味深く読めるとおもう。

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    2018年10月09日
  • トム・ソーヤーの冒険

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    主人公トムはいたずらっ子でポリー伯母さんに怒られてばかりですが、本を破ってしまったベッキーを庇うために自分が破ったと嘘をついたり、無実の罪で捕まったポッターに差し入れをしに行ったりと、優しいところがあり、どうしても憎めません。そんなトムや、浮浪者ハックルベリーといった、少年たちの物語です。

    彼らは毎日楽しそうで、少年たちの楽しみを見つけ出す力を思い出しました。また、殺人事件、隠された財宝、洞窟探検など、大人でもワクワクするような出来事もあります。

    物語の終盤で、大金を手に入れ、社会に引っぱり込まれたハックが、“俺は『みんな』じゃない、あんなの我慢できねえんだよ。(p380)”と言ったのが印

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    2018年04月02日
  • トム・ソーヤーの冒険

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    ネタバレ

    むかーし、アニメでやってたなあくらいの印象で読み始めましたが、なかなか読破には時間がかかりました。前半の古き良きアメリカな展開が退屈で退屈で…
    序盤の感想は「アメリカ版カツオ」の一言に尽きるかと。ペンキ塗りのくだりはもはや古典ですね。
    後半にいくにつれ、ようやく冒険らしい冒険が始まります。無人島に殺人者にお宝に洞窟に。暗闇で蝋燭が尽きるあたりはさすがにゾッとするものがありました。
    個人的に、訳者あとがきがすごく面白かったです。トムよりもハックの生き方に憧れるので、ハックルベリーフィンの冒険、ぜひよんでみたい。
    ところで、昭和生まれの自分はアニメの記憶が本書を手に取るきっかけになりましたが、平成

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    2017年03月24日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    "the Catcher in the Rye" 40年振りの新訳について、訳者 村上春樹と柴田元幸が語り尽くす。

    出版に先立って行なわれた白水社主催の対談、本書出版のために行なわれた文春主催の対談、訳書に(契約上の問題で)未掲載となった幻の訳者解説、柴田元幸のエッセイ風解説の 4編からなる。圧倒的に面白いのは、やはり出版前夜の興奮を湛える白水社の対談。"the Catcher in the Rye" を訳すためには、物語そのものではなく、スタイル(文体)を翻訳する必要があった、そしてこの40年の日本語の変化や、日本文化のアメリカ化が、(1964年の野

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    2016年03月21日