柴田元幸のレビュー一覧
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「ジエィムズ」を読むために、まずは「ハックベリーフィンの冒険」を読まねば!
で、どうせ読むなら柴田元幸さんの新訳を読むことに。
やっぱりこういう冒険譚は子どもの頃に読むものなのかな。なかなかに苦痛な旅だった…。進まない。
嘘つきハックが、さまざまな偽名を使いながら、ジムと共に逃亡するのだが、もう子どもの感性がないからなのか、それとも時代的な感覚のズレなのか、私には共感し難いハックの行動原理笑
特に最後、トム・ソーヤが出てきてからの展開。
すぐに解放できるのに、それでは簡単すぎて面白くないとと、困難をわざわざ演出する「子どもの遊び」に命懸けで付き合わされるジム。
これ、なかなか笑って読むこ -
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かつてサンセット・パーク近くのゲストハウスに2週間ほど滞在したことがあり、当時の光景を懐かしみたくて手に取りました。
しかし、そこに描かれていたのは美しい追憶ではなく、ブルックリンの若者たちが抱える複雑な心情や、逃れられない過去のトラウマ。彼らを包む閉塞感や、行き場のないやるせない感情は、不法占拠されたアパートの空気感、そして決して裕福とは言えないサンセット・パーク周辺の乾いた街並みと見事に共鳴しています。
マイルズの浮世離れした美男子ぶり(女優の息子という設定も効いています)など、細かな描写も印象的です。ニューヨークの情景を五感で思い出しながら読む体験としては非常に贅沢でしたが、物語その -
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ネタバレちょいと“界隈”で、村上春樹が話題なのと、翻訳家として知る柴田元幸との対談はおもしろそうと、長野湯田中の古本屋で、というか、古民家を再利用したフレンチレストランの奥の和室に古本コーナーのある、ちょっと面白いお店で見つけたもの。
柴田氏の翻訳は、近年ではエドワード・ゴーリーの絵本の訳者として目にするなどしていて、実は、もう大御所の、なんなら鬼籍に入られているような方かと思っていた。本書を読んで、存命なのはもとより、村上春樹より年下なんだと驚いたりもした。
本書は、柴田が自分の大学の学生たち、若手翻訳者などとのセッションに村上春樹をゲストに招いて、翻訳とは、文章とは、といった日本語の表現に -
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何とも言えない余韻を残してくれる青春小説。
人類が初めて月を歩いた夏。
父を知らず、母とも死別したマーコは、
唯一の血縁だった伯父のビクターを失う。
彼はマーコと世界を結ぶ絆だった。
マーコは絶望のあまり、人生を放棄し始める。
やがて生活費も尽き、餓死寸前のところを友人に救われた。
体力が回復すると、彼は奇妙な仕事を見つける。
車椅子で生活する盲目の老人、トマス・エフィングの世話である。
エフィングの依頼を遂行するうちに、
偶然にも彼は自らの家系の謎にたどり着く。
人生に偶然は付き物である。
だが大抵は結びつきの欠如と、タイミングの悪さと、
無知ゆえの盲動の結果に終わる。
そんな人生におい -
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ネタバレ映画で洋画のホラーと、日本のホラーって怖さのベクトルが違うとわたしは思っています。
今回初めて海外のホラー小説を読んだのですが、映画と同じように本もやっぱり違うか…!と少し驚きました。
例えば流行りのモキュメンタリーホラーのようにギャーーーーーと叫びたくなるような、心臓がバクバクするような怖さではない。
淡々と日常に潜む怖さ。薄気味悪く、正体が掴めない。精神的に追い詰められるようなそんな不気味さがありました。
個人的に好きなのは「人魚」でした。
怖さだけではない。なぜか切なさや儚さも感じさせられる物語だと思いました。人魚といえば泡となって消える…。この話が好きだと思う人は多い気がします。