柴田元幸のレビュー一覧

  • ハックルベリー・フィンの冒けん

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    ネタバレ

    自然児ハックが逃亡奴隷ジムと逃避行を共にするバディもの、そして様々な人々に出会って成長していくロードノベル。
    そうまとめてしまうと、いやー読んでる途中はそんな感じじゃなかったぞ、端折りすぎでしょって自分で突っ込まざるを得ない。

    「ハックルベリー・フィンの冒けん」を今回初めて読んでみて、好きな箇所はミシシッピ川を筏で下るハックとジムが二人っきりのシーンに集約されている。
    ハックが成り行きとはいえ、『善良なミス・ワトソンの持ち物である、ジム』の逃亡に手を貸していることに対する『良心の咎め』に苦しんだ末、「よしわかった、ならおれは地ごくに行こう」と吹っ切れるシーンは間違いなく最高だ。心が揺さぶられ

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    2025年07月18日
  • ムーン・パレス(新潮文庫)

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    何かを失いながら何かを得る。
    何かを得たら失う。
    その繰り返しの物語でした。

    人生は幸不幸ではなくその輪廻の中にあるだけなのかも?

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    2025年07月15日
  • 翻訳夜話

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    村上春樹さんと柴田元幸さんという2人の翻訳家(?)の対談と、1つの小説を2人がそれぞれ訳したものが載っていた。

    本当に小説の一文一文を丁寧に読む方々だなぁと思った。自分はどうしても話の展開が気になるタイプで、一文一文を味わっていないなぁと思ったり。

    以下メモ
    村上さん:どうして翻訳をしなければいけないのか。翻訳をすると生き生きとした気持ちになれる。自分が何かの一翼を担っている。
    小説を書くのと翻訳するのでは脳の全く逆の部分が使われる。
    良い文章とは、人を感心させるものではなくて、人の襟首をつかんで物理的に中に引きずり込めるようなもの。

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    2025年07月11日
  • オズの魔法使い

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    世界観がだいすき。
    幼稚園の時に劇場も観に行ったけど、良かったなぁ。

    登場人物のそれぞれが「自分に足りないもの」を求めているけれど、「それは元からちゃんと自分の中に存在していたんだよ」というメッセージがあるような気がした。

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    2025年06月28日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    ちょっと一回読んだだけでは咀嚼が難しい。
    途中までは理解してたはずが、どこからか置いてかれてしまったような感覚。

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    2025年06月25日
  • ムーン・パレス(新潮文庫)

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    ありえない偶然が起こるが、それを必然と思わせるだけの魅力がこの本にはある。アメリカ小説特有の登場人物の多さはない。その分、キャラクターの心の動きに焦点を合わせることができ、青春ストーリーを楽しむめる。しかし、まだまだ私には、この話を深く理解する力はないようだ。

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    2025年06月21日
  • 冬の日誌/内面からの報告書(新潮文庫)

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    自分の身体的な記憶と内面の記憶、二つの面から人生を振り返るという構成がユニークで面白かった。必ずしも時系列順ではなかったり、自分の住んだ土地を順番に片っ端から挙げていったりしていたのも、過去へのアプローチの仕方がとにかく新鮮だった。
    自分が何を思って、どんなことを大切にして生きていたのか、ものすごく事細かに綴られていて引き込まれる。
    こうして振り返れる材料がここまで残っているのは、さすが文章を書くことを生業にしている人だと半分の人生も送っていないのに偉そうに思ってしまった。

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    2025年06月15日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    ブルーがだんだんわけがわからなくなっていったように、自分も「何を読んでいるんだ…?」と上手く頭が働かなくなってしまうような読書体験だった。『ガラスの街』でもそうだったけど、ニューヨーク三部作ってこんな「なんだかわけわからねえ靄に包まれた気分だぜ」っていうのが続くんですかね?『鍵のかかった部屋』を読むのが楽しみではあります。最後のブルーが旅立つところが好き。どこか分からないけど、とりあえずそういうことにしておこうかっていう姿勢が。

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    2025年06月11日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    鈴木保奈美さんが大好きなオースターを初めて読んでみた。これは探偵小説なのか、それとも心理小説、哲学?なかなか難しい本のように感じる。少し村上春樹の作風に似てるように感じるのは私だけかな。一度読んだだけでは、私には理解、謎はまだまだ解けない。探偵ブルーのその後が気になる。

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    2025年06月08日
  • 翻訳夜話

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    ネタバレ

    本作は、作家でありながら、翻訳にも精力的に取り組む村上春樹氏と、東大で長年教鞭をとり現在は名誉教授教授の柴田元幸氏の対談集。
    対談は、一つは東大の生徒を前にしたもの。もう一つは翻訳会社のフォーラムにて。

    更に、同じ文章を村上氏と柴田氏が翻訳したもの2篇、その原文、またこれらを踏まえて他の(当時の)若手翻訳家たちとの座談会を行った様子も、併せて収録されています。

    なお本作は2000年の出版。もう25年も前の話なのですね。

    ・・・
    翻訳の世界。憧れがあります。カッコいいなあって。

    でもgoogleで「翻訳 デビュー どうやって」とか「翻訳 英語 収入」とかで見てみると、余りいい話は出てきま

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    2025年05月22日
  • ムーン・パレス(新潮文庫)

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    とても読みやすく、理解しやすかったです。内容も、特別感動する部分は私にはなかったですが、どうなるか分からない展開で、不思議とリアリティも感じられて良かったです。

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    2025年05月02日
  • オズの魔法使い

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    映画ウィキッド→映画オズの魔法使い→本作という流れで辿り着きました。
    映画と結構展開が違ったのでびっくりしました。
    どのキャラも個性豊かで、明るいストーリーなので面白かったです!

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    2025年04月07日
  • ガラスの街(新潮文庫)

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    最後まで真相は掴めず。それが読み手の想像を掻き立てるのだろうが、不完全燃焼にもなってしまう。
    なかなか強敵だった。ポールオースター著書は繰り返し読むと新しい考察が生まれるから、少し時間を置いて再読したい。

    叶うならニューヨークの街の中で読めたら最高ですね。

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    2025年04月01日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    初めてポール・オースターの作品を読む。題名が
    読み終えるまで意味がわからなかった。幽霊がいつ出てくるのだろうと。現実だが抽象の世界。相手の行動を自己に投影する。そんな話。2025.3.29

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    2025年03月29日
  • ガラスの街(新潮文庫)

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    クインという作家が残した赤いノートをもとにオースターの友人である「私」という人がこの物語を書いた体になっている。けど、そもそもクインの体験したことが本当かどうかも分からないし、仕事をクインに依頼したピーターたちの存在、尾行対象だったスティルマン自体が本当に追っていた人物かどうかも、なにもかもがあやふやで消え入りそうなお話だった。それはまるで冒頭のニューヨークという街の特性を表すかのように。
    (途中色んな古典作品の話(ドン・キホーテなど)がでてくるのだけれど、それも知っていたらもっと面白く読めたのかもしれない)

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    2025年02月13日
  • ハックルベリー・フィンの冒けん

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    『トム・ソーヤの冒険』に出てくるトムの悪友のハックが主人公。トムよりもハックが好きという人も多いというが、なんとなくその理由もわかった。

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    2025年02月03日
  • ガラスの街(新潮文庫)

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    以前から気になっていた作家の一人、P・オースター。お亡くなりになったタイミングで手に取ることになったことを激しく後悔した。これは20代から30代のうちに出会いたかった作品で、作家だった。ニューヨークの街の迷路へ入り込んでいく。こんなにもみずみずしくニューヨークの街が描かれている作品があるだろうか。とらえどころのない物語。ちょっとした狂気を感じられるのけれど、それがホラーやサスペンス調ではない。だからこそ、凄みを感じた。アメリカ文学を深掘りしたくなったし、それとは別にドンキホーテをちゃんと読みたくなった。

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    2025年01月19日
  • ガラスの街(新潮文庫)

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    ミステリーなのか、自分には読解しきれない本だった。訳ではなく原文で読めばわかるだろうか。
    でも、これを書ける人もまた異常だと思う。

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    2024年11月23日
  • トム・ソーヤーの冒険

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    トムソーヤといういたずら好きな少年の物語。1830年代のアメリカの田舎ってこんな感じなのかなと思わせるような描写が多くて面白かった。トムがハックやジョーと一緒に家出をして海賊ごっこをする時やトムとベッキーが洞窟で迷う時に村総出で探索したりするところは田舎の一体感みたいなのを感じれた。前半のトムが仲間たちと物を交換する時にビー玉とかブリキとかに価値を見出しているのが少年だなって思うしなんか懐かしく感じた。

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    2024年11月08日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    探偵業を営むブルーのところにホワイトという人物がやってきて、ブラックという男を監視するよう依頼してくる。
    ブルーはブラックを毎日監査している内に、ブラックに興味を持つようになり、とうとうブラックに話しかけて、会話をするようになる、、、。

    現代アメリカ文学の代表的作家ポール・オースターの「ニューヨーク三部作」と呼ばれる初期の代表作の中の一作。

    ブルーやブラックという登場人物の名前も、探偵という職業も、この作品はいわゆる「物語」を語ろうとするよりも、「物語」という枠組みを使って、オースターが作品を書くという仕事を楽しんでいるように思える。

    丁度大学生だった時にオースターの作品の翻訳が出始めて

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    2024年09月15日