柴田元幸のレビュー一覧

  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    徹底的に「キャッチャーインザライ」を掘り下げる。また、読みたくなってしまった。野崎訳も村上訳も。

    ・グールドの音楽に対する姿勢
    ・アメリカではヨーロッパと違って、引きこもりがハードな形になりがち。
    ・『海辺のカフカ』におけるネコ殺しへの反応。人間殺しより過剰。イノセントに対する反応か。
    ・柴田氏が挙げた『アメリカの息子』『見えない人間』『ブラック・ボーイ』『ポートノイの不満』

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    2012年11月05日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    一冊丸々キャッチャー・イン・ザ・ライであり、一冊丸々サリンジャー。こういう深い読み方ができたら、本をよむのもずっと意味のあることになるのだろうな、とおもう。サリンジャーという人間の人種的背景や育ってきた環境も含めてこの大ヒット小説を読む。この本の強い強い吸引力のようなものの元を明らかにしていく。すごく分かりやすいと同時に、色々と言われているけれどとりあえずもう一度キャッチャーを読みたい、ホールデンに会いたい、と思わされた。こんな風に本が読めたらなあ、こんな風に好きな本について話せたらなあ、と思わざるを得ない。良き本を書く人は同時に良き読み手でもあるし、わたしに介入の余地はないし、とりあえずキャ

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    2012年10月31日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    J.D.サリンジャーの『The Catcher in the Rye(キャッチャー・イン・ザ・ライ)』は野崎孝訳「ライ麦畑でつかまえて」で親しまれてきたのだが、2003年に村上春樹が翻訳権を持つ白水社からあらたな訳で『キャッチャー・イン・ザ・ライ』として出版することとなった。

    その翻訳に関わる経緯や翻訳中の解釈を対談を通じて解説しているのがこの書。

    村上春樹は、どっぷりとこの作品に浸っていると言うよりも、少し離れた視点から眺めているようだが、それゆえに非常に深く見通している感がある。

    ジョンレノンを射殺したマーク・チャップマンや、レーガン元大統領を狙撃っしたジョン・ヒンクリーについては”

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    2012年09月22日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    村上春樹がどういう意図で『キャッチャー•イン•ザ•ライ』をあのように訳したかぎ分かる本。さらに『キャッチャー』の謎に包まれている部分がどこで、対談をしている二人がどう考えているのかが分かる。
    キャッチャーにつかなかったあの解説も読めたし満足できた。柴田元幸のCall Me Holdenもホールデンと同じ口調で書かれていて、とても面白かった。

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    2012年09月14日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    これは先日レビューを書いた
    「翻訳夜話」の第2段として
    出版されたもの。

    しかも今回はタイトルにあるように
    「サリンジャー」キャッチャーインザライ
    つまり、「ライ麦畑でつかまえて」
    に、ついてエンエンと語ったもの。

    そもそもホントはこれが読みたくて、
    翻訳夜話から読んだようなもので、
    話は遡ること3年前の夏。

    初めて村上さんの訳で
    キャチャーインザライを読んだ
    所まで戻ります。

    正直キャッチャーはぼくには
    難解過ぎて、読みどころが
    全然分からないまま空中に
    放り出されたような感覚で
    しがみつくように最後まで
    読んだことをよく思いだします。

    そこで、最後の砦として
    「訳者後書き」を楽し

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    2012年07月15日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    キャッチャーインザライを読んだ直後にこの本を読んだので、さらっと読めました。本編で感じた思いを強くすることができてとても良かったです。
    村上春樹氏は作家といえば作家なんだけど、このような本の時はまるで文学の先生か学者のような印象を持ちます。

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    2012年05月12日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    ’Catcher’が「反成長小説」だということにすとんと納得した。アメリカ文学とイノセントっていうのは割と典型的なテーマだと思うけれど、そういった制度化から抜け出して'Catcher'を純粋に考えていこうとする2人がとても興味深かったし、対談のほか、村上春樹訳「キャッチャー・イン・ザ・ライ」に収録できなかった訳者解説と柴田氏による"Call Me Holden"も読めるのでお得感(笑)。

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    2012年05月01日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    この本を読んだ後に「ライ麦畑で捕まえて」を読むと
    「ライ麦~」がすごいイイ作品だとわかる

    「あ。ここはあの時、柴田さんと村上さんが言ってた所か~フムフム」
    「なるほどね、ここは次のあそこに繋がっていくわけね~フムフム」

    「ライ麦~」の事だけじゃなくて二人のお話が興味深い

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    2011年10月20日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    翻訳夜話1を読んでからはや2年。やっと2を読めました。本当は1を読んでから今までのわたしの翻訳観の変化についてとか言ってみたいけど、英語できないし、やっぱり翻訳はよくわかりません。あらゆるプロセスを受け入れる、「文章」というものの魅力には相変わらず取り憑かれているし、これからもきっと魅せられ続けると思いますが。
    今回はサリンジャー戦記ということで、とりあえずサリンジャーを読み返したくなった。わたしはキャッチャーよりナイン・ストーリーズの方が好きだったのですが、これを読んで改めてキャッチャーを読もう、と思った。春樹独特の解釈が最高です。

    イノセンスを題材にしてしまうと、その性質上どこにも行けな

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    2011年08月26日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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     『ガラスの街』『幽霊たち』『鍵のかかった部屋』の三つがオースターの「ニューヨーク三部作」と呼ばれているそうだが、何も知らずに二番目の『幽霊たち』を最初に読んでしまったよ。三部作はそれぞれ独立した話だというから、順番はあまり関係ないかもしれないけれど。
     これまで読んだことのないタイプの小説で衝撃的だった。どこでもない場所、誰でもないひとの、アイデンティティクライシス。

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    2022年11月20日
  • サンセット・パーク(新潮文庫)

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    かつてサンセット・パーク近くのゲストハウスに2週間ほど滞在したことがあり、当時の光景を懐かしみたくて手に取りました。
    ​しかし、そこに描かれていたのは美しい追憶ではなく、ブルックリンの若者たちが抱える複雑な心情や、逃れられない過去のトラウマ。彼らを包む閉塞感や、行き場のないやるせない感情は、不法占拠されたアパートの空気感、そして決して裕福とは言えないサンセット・パーク周辺の乾いた街並みと見事に共鳴しています。
    ​マイルズの浮世離れした美男子ぶり(女優の息子という設定も効いています)など、細かな描写も印象的です。ニューヨークの情景を五感で思い出しながら読む体験としては非常に贅沢でしたが、物語その

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    2026年02月08日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    ネタバレ

    不思議だな。
    ガラスの街も読んだけど、対象者と接触しがち(笑)そして妄想がちょっと面白い。
    結局何だったんだろう。人が自分の人生をどうしようが、本人の勝手じゃないか。っていう文章、本当にそうだよな、でも割と1番難しい問題でもあるよな。ブラックは自分をブルーに見張らせて何がしたかったのか。多分そういうのを説明している部分はあるんだろうけど、わからない。文学ってこういうものなのかな。私も誰かを見張る仕事したい。

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    2026年02月07日
  • トム・ソーヤーの冒険

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    時代的に黒人への差別や偏見がところどころで暗い影を落とすが、トムを通して少年たちにしか分かち合えない世界が伸びやかに描かれていた。日曜名作劇場のイメージが強いので読んでいる間脳内ではアニメのトム達が駆け回っていた。

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    2026年02月01日
  • ガラスの街(新潮文庫)

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    ネタバレ

    そもそも、最後の視点は誰?
    途中も急に視点が変わって、え?ってなった(笑)んで、駅でなんでピーターが2人いたんだろう、これはクインの書いた小説か?
    ちょっとわからないことが沢山あるけど、間違い電話から始まって、興味本位で探偵することにした設定は物凄くいいよね。
    ニューヨーク3部作、全部読んでみよう。

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    2026年01月31日
  • サンセット・パーク(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ピラールに惹かれるのはわかる気がする。マセガキが一番魅力的だと思う。やはりオースターらしい孤独を感じるが、ストーリーに凡庸さを少し感じてしまった。ムーンパレスや偶然の音楽のような、どこか劇的な要素に欠ける。特にラストはプツッと終わりすぎかなと思う。オースターってそういうものだろうけど、何かしらの変化というのはもっとあるべきだと思う。ポールとリンダが出てきた。オースターも好きなのか。

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    2026年01月17日
  • 翻訳夜話

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    ネタバレ

     ちょいと“界隈”で、村上春樹が話題なのと、翻訳家として知る柴田元幸との対談はおもしろそうと、長野湯田中の古本屋で、というか、古民家を再利用したフレンチレストランの奥の和室に古本コーナーのある、ちょっと面白いお店で見つけたもの。
     柴田氏の翻訳は、近年ではエドワード・ゴーリーの絵本の訳者として目にするなどしていて、実は、もう大御所の、なんなら鬼籍に入られているような方かと思っていた。本書を読んで、存命なのはもとより、村上春樹より年下なんだと驚いたりもした。

     本書は、柴田が自分の大学の学生たち、若手翻訳者などとのセッションに村上春樹をゲストに招いて、翻訳とは、文章とは、といった日本語の表現に

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    2026年01月09日
  • ムーン・パレス(新潮文庫)

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    題名が好きで読み始めた。
    すごく惹き込まれるというより主人公の物語を聞き流している感じ。
    ときどき刺さるフレーズが出てくる。

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    2026年01月07日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    「鍵のかかった部屋」のような、脳みそを侵食されて溶かされるような感覚がなかった。最後まで煙に巻かれて不完全燃焼。

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    2026年01月02日
  • ムーン・パレス(新潮文庫)

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    何とも言えない余韻を残してくれる青春小説。

    人類が初めて月を歩いた夏。
    父を知らず、母とも死別したマーコは、
    唯一の血縁だった伯父のビクターを失う。
    彼はマーコと世界を結ぶ絆だった。
    マーコは絶望のあまり、人生を放棄し始める。
    やがて生活費も尽き、餓死寸前のところを友人に救われた。
    体力が回復すると、彼は奇妙な仕事を見つける。
    車椅子で生活する盲目の老人、トマス・エフィングの世話である。
    エフィングの依頼を遂行するうちに、
    偶然にも彼は自らの家系の謎にたどり着く。

    人生に偶然は付き物である。
    だが大抵は結びつきの欠如と、タイミングの悪さと、
    無知ゆえの盲動の結果に終わる。
    そんな人生におい

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    2025年12月22日
  • どこかで叫びが

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    ネタバレ

    映画で洋画のホラーと、日本のホラーって怖さのベクトルが違うとわたしは思っています。
    今回初めて海外のホラー小説を読んだのですが、映画と同じように本もやっぱり違うか…!と少し驚きました。
    例えば流行りのモキュメンタリーホラーのようにギャーーーーーと叫びたくなるような、心臓がバクバクするような怖さではない。
    淡々と日常に潜む怖さ。薄気味悪く、正体が掴めない。精神的に追い詰められるようなそんな不気味さがありました。
    個人的に好きなのは「人魚」でした。
    怖さだけではない。なぜか切なさや儚さも感じさせられる物語だと思いました。人魚といえば泡となって消える…。この話が好きだと思う人は多い気がします。

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    2025年10月23日