柴田元幸のレビュー一覧

  • 新訳 オズの魔法使い

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    大きな竜巻に巻き込まれて、不思議な国へと飛ばされてしまったドロシーとトト。偉大なる魔法使い・オズに頼んで、カンザスへ帰らないと! 道中仲間になった脳みそが欲しいかかし、心臓が欲しいブリキのきこり、勇気が欲しいライオンと共にドロシーたち旅人一行、様々な困難を切り抜けてエメラルドの国を目指す! 世界中で読み継がれる冒険ストーリー、つばさ文庫で登場っ

    長年生きておきながら、お恥ずかしながらオズの魔法使い、大体誰が主人公で何が出てくるか、はわかってたけど、どういうお話なのか、実は去年、プロジェクト杉田玄白っていう翻訳小説がweb上で読めるサイトで読むまでほっとんど知らなかったです。ライアーソフトの紫

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    2013年03月05日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を訳した時のことなどを両氏があれこれ語っている内容ですが、
    これは一粒で何度もおいしいような本ですね。

    『キャッチャー』の巻末に理由あって載せられなかった訳者解説は読む価値があるし、
    サリンジャーという人物にまつわる話もおもしろいし、
    翻訳の奥深さを感じさせてくれる内容だし、
    アメリカ文学の解説としても分かりやすい。

    家に眠ってる米文学本でもぼちぼち読んでいこうと思いました。
    『キャッチャー』の原書と野崎訳の『ライ麦畑でつかまえて』も家に眠ってるので、
    時間があれば読み比べてみようかな~。
    時間があれば、ですがね。

    バルトは「作者の死」

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    2013年01月25日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    徹底的に「キャッチャーインザライ」を掘り下げる。また、読みたくなってしまった。野崎訳も村上訳も。

    ・グールドの音楽に対する姿勢
    ・アメリカではヨーロッパと違って、引きこもりがハードな形になりがち。
    ・『海辺のカフカ』におけるネコ殺しへの反応。人間殺しより過剰。イノセントに対する反応か。
    ・柴田氏が挙げた『アメリカの息子』『見えない人間』『ブラック・ボーイ』『ポートノイの不満』

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    2012年11月05日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    一冊丸々キャッチャー・イン・ザ・ライであり、一冊丸々サリンジャー。こういう深い読み方ができたら、本をよむのもずっと意味のあることになるのだろうな、とおもう。サリンジャーという人間の人種的背景や育ってきた環境も含めてこの大ヒット小説を読む。この本の強い強い吸引力のようなものの元を明らかにしていく。すごく分かりやすいと同時に、色々と言われているけれどとりあえずもう一度キャッチャーを読みたい、ホールデンに会いたい、と思わされた。こんな風に本が読めたらなあ、こんな風に好きな本について話せたらなあ、と思わざるを得ない。良き本を書く人は同時に良き読み手でもあるし、わたしに介入の余地はないし、とりあえずキャ

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    2012年10月31日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    J.D.サリンジャーの『The Catcher in the Rye(キャッチャー・イン・ザ・ライ)』は野崎孝訳「ライ麦畑でつかまえて」で親しまれてきたのだが、2003年に村上春樹が翻訳権を持つ白水社からあらたな訳で『キャッチャー・イン・ザ・ライ』として出版することとなった。

    その翻訳に関わる経緯や翻訳中の解釈を対談を通じて解説しているのがこの書。

    村上春樹は、どっぷりとこの作品に浸っていると言うよりも、少し離れた視点から眺めているようだが、それゆえに非常に深く見通している感がある。

    ジョンレノンを射殺したマーク・チャップマンや、レーガン元大統領を狙撃っしたジョン・ヒンクリーについては”

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    2012年09月22日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    村上春樹がどういう意図で『キャッチャー•イン•ザ•ライ』をあのように訳したかぎ分かる本。さらに『キャッチャー』の謎に包まれている部分がどこで、対談をしている二人がどう考えているのかが分かる。
    キャッチャーにつかなかったあの解説も読めたし満足できた。柴田元幸のCall Me Holdenもホールデンと同じ口調で書かれていて、とても面白かった。

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    2012年09月14日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    これは先日レビューを書いた
    「翻訳夜話」の第2段として
    出版されたもの。

    しかも今回はタイトルにあるように
    「サリンジャー」キャッチャーインザライ
    つまり、「ライ麦畑でつかまえて」
    に、ついてエンエンと語ったもの。

    そもそもホントはこれが読みたくて、
    翻訳夜話から読んだようなもので、
    話は遡ること3年前の夏。

    初めて村上さんの訳で
    キャチャーインザライを読んだ
    所まで戻ります。

    正直キャッチャーはぼくには
    難解過ぎて、読みどころが
    全然分からないまま空中に
    放り出されたような感覚で
    しがみつくように最後まで
    読んだことをよく思いだします。

    そこで、最後の砦として
    「訳者後書き」を楽し

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    2012年07月15日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    キャッチャーインザライを読んだ直後にこの本を読んだので、さらっと読めました。本編で感じた思いを強くすることができてとても良かったです。
    村上春樹氏は作家といえば作家なんだけど、このような本の時はまるで文学の先生か学者のような印象を持ちます。

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    2012年05月12日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    ’Catcher’が「反成長小説」だということにすとんと納得した。アメリカ文学とイノセントっていうのは割と典型的なテーマだと思うけれど、そういった制度化から抜け出して'Catcher'を純粋に考えていこうとする2人がとても興味深かったし、対談のほか、村上春樹訳「キャッチャー・イン・ザ・ライ」に収録できなかった訳者解説と柴田氏による"Call Me Holden"も読めるのでお得感(笑)。

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    2012年05月01日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    この本を読んだ後に「ライ麦畑で捕まえて」を読むと
    「ライ麦~」がすごいイイ作品だとわかる

    「あ。ここはあの時、柴田さんと村上さんが言ってた所か~フムフム」
    「なるほどね、ここは次のあそこに繋がっていくわけね~フムフム」

    「ライ麦~」の事だけじゃなくて二人のお話が興味深い

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    2011年10月20日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    翻訳夜話1を読んでからはや2年。やっと2を読めました。本当は1を読んでから今までのわたしの翻訳観の変化についてとか言ってみたいけど、英語できないし、やっぱり翻訳はよくわかりません。あらゆるプロセスを受け入れる、「文章」というものの魅力には相変わらず取り憑かれているし、これからもきっと魅せられ続けると思いますが。
    今回はサリンジャー戦記ということで、とりあえずサリンジャーを読み返したくなった。わたしはキャッチャーよりナイン・ストーリーズの方が好きだったのですが、これを読んで改めてキャッチャーを読もう、と思った。春樹独特の解釈が最高です。

    イノセンスを題材にしてしまうと、その性質上どこにも行けな

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    2011年08月26日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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     『ガラスの街』『幽霊たち』『鍵のかかった部屋』の三つがオースターの「ニューヨーク三部作」と呼ばれているそうだが、何も知らずに二番目の『幽霊たち』を最初に読んでしまったよ。三部作はそれぞれ独立した話だというから、順番はあまり関係ないかもしれないけれど。
     これまで読んだことのないタイプの小説で衝撃的だった。どこでもない場所、誰でもないひとの、アイデンティティクライシス。

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    2022年11月20日
  • どこかで叫びが

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    ネタバレ

    映画で洋画のホラーと、日本のホラーって怖さのベクトルが違うとわたしは思っています。
    今回初めて海外のホラー小説を読んだのですが、映画と同じように本もやっぱり違うか…!と少し驚きました。
    例えば流行りのモキュメンタリーホラーのようにギャーーーーーと叫びたくなるような、心臓がバクバクするような怖さではない。
    淡々と日常に潜む怖さ。薄気味悪く、正体が掴めない。精神的に追い詰められるようなそんな不気味さがありました。
    個人的に好きなのは「人魚」でした。
    怖さだけではない。なぜか切なさや儚さも感じさせられる物語だと思いました。人魚といえば泡となって消える…。この話が好きだと思う人は多い気がします。

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    2025年10月23日
  • 翻訳夜話

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    2人の翻訳との向き合い方が垣間見えた。

    自分の文章はリズム的、と自覚している村上さんが印象的だった。

    カキフライ理論も興味深い。

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    2025年10月20日
  • ムーン・パレス(新潮文庫)

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    重い本だった。
    ずっと波乱万丈な人生で、読むのが苦痛ではなかったけれど、逆にめちゃいいところもそんなに…
    ムーンパレス好きなやつに悪いやつはいないらしいけど、入れなかったかも。
    キティいいやつすぎるほんと

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    2025年09月30日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    主人公の内面的な葛藤や思考の変遷が描かれ続けますが、飽きさせないで読ませる文章はさすがポールオースター。短いのですぐ読めます。

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    2025年09月21日
  • トム・ソーヤーの冒険

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    とにかくトムは、やんちゃで頭のいい子です。
    大人になって忘れていた「何か」を思い出させてくれます。
    ハックとのコンビも面白かったです。

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    2025年09月13日
  • 幽霊たち(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ブルーはホワイトの依頼でブラックを見張っている。何も起こらない。いい加減何かがおかしいと気づき始めるブルー。もしかすると、と想像していた通りの結末になった途端、ブルーが消えた。ブルー自体が消えたのである。そして私も迷子になった。
    まるで合わせ鏡をしているような世界。その世界に迷い込んだら、他人を観察していたつもりが自分を観察していた。
    ブラックって本当にいたのかな?

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    2025年09月08日
  • ガラスの街(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ある小説家クインがポール・オースターという探偵に間違えられた電話が来て、演じ切ることを決意する。幼少期から言葉を与えずに監禁された子供と、そうすることで神の言語が現れるとした父親に関する事件だ。数年前に父親から殺害予告じみた手紙がきて、もうすぐ精神病院から父親が帰ってくるから監視及び警告してくれという依頼だ。クインはそれに則り数週間スティルマンをつけることにする。最初にスティルマンをみつけ駅でつけていた時に、スディルマンは2人に分裂していた。クインは直感的に古びたように見える方のスディルマンを選ぶ。そこから奇妙な歩き方をし、ガラクタをひろうスディルマンを、赤いノートにしるしながらつける。ストー

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    2025年08月07日
  • 雲

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    ネタバレ

    いかにも面白そうな出だし、どんどん読み進めたのだけれど、最後まで読んで読み終えて何の感動もなかったな。それがちょっと残念。

    現在から始まりスコットランドのスラム生まれ(とはいえ事故で両親を亡くすまでは幸せな生い立ち)の語り手が不思議な運命に導かれて世界中を旅する、まあある意味サクセスストーリーではあるのだけれど。

    重要な要素のひとつに異母兄弟。ひとりではなくて複数の人間のやらかし。この異母兄弟に抱く幻想?は男性特有のものだよなと思った。まあ、この話に出てくる異母兄弟はみんな良い人だけれどね。


    最後に精神病患者とのあいだに子供が出来たのでは?と恐怖する語り手、いやそれあんたのスケベ心が悪

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    2025年07月22日