柴田元幸のレビュー一覧

  • インヴィジブル

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    ネタバレ

    こころ震わすような、とか涙滂沱、大興奮、という激しい読後感はポール・オースターにはないのだが、不意にある登場人物や場面がまざまざと浮かび上がって来て自分でもびっくりすることがある。
    もちろん、読んでいる最中は夢中になる。あちらの世界からこちらに戻ってくるのにちょっと時間がかかったりもする。
    『インヴィジブル』の各章はアダムが見たもの、アダムが見ようとしたもの、アダムが見たかったもの、アダムに見えなかったもの、が書かれている。
    でも、書かれたものが真実とは誰が言える?
    ボルンは少年を殺したのか、殺さなかったのか。
    セシルは島を去ったのかとどまったのか。
    見えたものが真実ではないし、見えないから存

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    2018年11月07日
  • 翻訳夜話

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    ジュンク堂でやっていたフェアから掘り出す。
    そういえば、この間も『翻訳するということ』という本を読んだばかり。

    村上春樹は、フィーリングの合う作家を「選び出して」その文章を翻訳することから学ぶという話をしていた。
    良い文章を真似て書くといいと聞いたことがあるし、言葉にすれば暗唱にも繋がるのかもしれないけど、独特の呼吸や言いまわしというのを身に付ける第一歩ってそこなんかな。

    ただ、村上春樹の翻訳は村上春樹だな、という声を聞く。
    私は小説は何作も触れたけど、翻訳はまだ読んだことがない、というか多分よほどのことがなければ、今後も読まないと思う。
    でも、村上春樹が勧める本は読む。
    先日は『ゴールド

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    2018年08月16日
  • ハックルベリー・フィンの冒けん

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    訳も自然で読みやすいし、解説も分かりやすいし、イラストも当時のままを載せているとのことで、すごく良かったです!ハックっていい子だね。

    ジムが娘のエリザベスを誤解から叩いてしまってひどく後悔している逸話が印象的だった。150年くらい前の話だけど、人間ってそう変わるもんじゃないんだね。

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    2018年08月14日
  • トム・ソーヤーの冒険

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    子供の頃読んだ本の再読をしている。当然少年少女本だったので、今回の全翻訳本とは違うのだが、わくわくした感触は忘れられない。読み返してみて主人公の破茶滅茶でない自制が効いたキャラクターであることがわかる。2018.4.15

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    2018年04月15日
  • ハックルベリー・フィンの冒けん

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    浮浪者ハックの冒けん物語です。

    『トム・ソーヤの冒険』で、トムとハックはカネもちになり、ダグラス未ぼう人がハックを息子として引き取ることになります。ハックは“はじめは学校がイヤだったけど、そのうちにガマンできるように”なり、“未ぼう人のやりかたにもすこしずつなれてきて”、“あたらしいくらしもすこしは好きになって”(p34)きます。

    私はハックの自由な生活に憧れていたので、これを読んで、ハックも普通の生活に馴染んでいってしまうのかと、悲しくなりました。けれど、その後色々とあり、ハックはジムと一緒にいかだの旅に出ることになります。ハックは何か事件があってもなんとかいかだに戻ってきて、“いかだの

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    2018年04月12日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    そうか~。これ、”サリンジャー戦記”ってより”キャッチャー戦記”だ。そう銘打っておいてくれれば、同作を読んだ直後にこれも読んだのに。本来は本編に同時収録されていたはずの、村上春樹による解説が収録されていることからも分かるように、これは完全に”キャッチャー”の解説本です。だから恐らく、あとがきを読むかのように、本編を読んだそのままの流れで本作を読むのが理想的。自分の記憶力の悪さもあって、細かい内容は結構忘れていたから、そのあたりが悔やまれる。それを差し引いて、名翻訳者2人の対談、っていうだけでも読む甲斐はありましたけど。

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    2018年02月02日
  • 翻訳夜話

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    翻訳にそれほど興味はないが、翻訳者の柴田元幸さんには以前から興味があった。相手が村上春樹さんとあれば、なおさらだ。
    翻訳の裏話がたくさん出てくる。
    個人的に好きな部分は挙げきれないので、ここでは割愛。
    1つだけ挙げるなら、村上さんの、翻訳者に必要なのは、偏見のある愛情という話。
    内容に直接関係はないけれど、カーヴァーやフィッツジェラルドを読みたくなった。

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    2017年08月03日
  • トム・ソーヤーの冒険

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    夢想家で、いたずら好きで、目立ちたがり屋のトム・ソーヤ-の冒険物語。と言っても、トムが自ら冒険を企てるのが主の話ではなくて、トムがいたずら心でやったことから思いがけない状況に巻き込まれたり、日常生活の中で勇気を試されたりしながら、主人公が試練を乗り越えて成長していく話であった。
    出だしはやや退屈だったが、トムとハックが殺人事件を目撃して以降、三人での海賊気取りの家出、その顛末、ベッキーの窮地、ポッターの裁判、宝探しや洞窟での出来事など、ストーリーが二転三転して、俄然面白くなった。
    特に印象深いのは洞窟の場面であり、ハックが遭遇した出来事とも巧く結びつき、宝探しにもつながっていく。
    個人的には、

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    2017年07月11日
  • トム・ソーヤーの冒険

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    ネタバレ

     言わずと知れたアメリカの古典文学作品『トム・ソーヤーの冒険』。柴田訳が出てる!てことで手に取ってみた。小さいころアニメで観た記憶はぼんやりあるものの、物語の内容は一切覚えていなかった。子供のとき読んだらもっともっとワクワクドキドキできたんだろうなあ。

     やんちゃで悪知恵が働くけど、正直者で心根が優しい。カツオ的、いかにも“主人公”なトムが、いろんなことに巻き込まれていく。海賊や盗賊に憧れる子供たち。19世紀のアメリカはこんな風だったんだ。ちょっとしたタイムスリップ気分。

     トムは魅力的な主人公だけど、共同体の規範から大きく逸脱したハックはもっと気になる存在だ。「俺は『みんな』じゃない」「

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    2017年06月02日
  • 翻訳夜話

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    ネタバレ

     海外文学を読み始めてまだ日が浅いけれど、このお二人がとてつもない量の仕事をしていることは嫌でもわかる(各々5人くらいいるんではないかと疑ってる)。それほどまでに英米文学の棚には彼らの名が連なっている。柴田氏の訳文は海外文学初心者の私でもスーッと脳に染み込むようで心地よく、みんなにオススメしたい。

     しかし、100%自由に書ける小説と違い、翻訳というのは原作の上に成り立つ。そこにストレスはないのだろうか?翻訳者でもあり、世界中さまざまな言語に翻訳される著書を多数持つ村上春樹氏の翻訳に対する見解は意外なものだったー“多少誤訳があっても、多少事実関係が違ってても、べつにいいじゃない、とまでは言わ

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    2017年10月01日
  • 小説の読み方、書き方、訳し方

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    生活にストイックな点で、鴎外と村上春樹は似ている?
    アメリカ文学は自己意識の文学だったけれど、グローバル化の進行で、日本文学とも意識の上での差がなくなった?
    ごくわずかしかアメリカ文学に馴染みがないので、柴田さん、高橋さんというアメリカ文学の偉大な読み手を通してみると、また違う日本文学像が見えてくる。

    日本の文学が、現在の「ニッポンの文学」にへんしつする結節点にいるのが中上健次なのだとか。
    言葉が壊れているというのがその徴なのだそうだが…。
    翻訳文のリズムとか、言葉の壊れ方などは、どういうことかわかりにくい。
    できれば作品を引用してほしいところだ。

    最後の方に、二人がそれぞれ選んだ海外小説

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    2016年09月19日
  • 翻訳夜話

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    村上春樹さんが、「趣味で訳す」という趣旨の話をしていて、柴田元幸さんが「読み手がいないならしない」と言われてたけど、私はまちがいなく前者。読む人が自分以外にいなくても、訳したい。好きなお話や、歌や、詩を、思う存分訳したい。読んでくれる人がいれば尚いいし、いつか小説の訳をしてそれが本になったりしたら、さぞ素敵だろうとも思うけど。

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    2016年07月08日
  • ジム・スマイリーの跳び蛙―マーク・トウェイン傑作選―

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    ウイットに富み、皮肉が効いていて、とても面白かった。
    柴田さんの訳もよかったが、原文を読みたくなった。

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    2016年02月22日
  • [音声DL付]現代語訳でよむ 日本の憲法―憲法の英文版を「今の言葉」に訳してみたら―

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    憲法の条文をすべて読む機会など、あらためて設けない、この先ないだろうなあと思っていたところ、1946年11月3日憲法公布の日に「英文官報号外」に掲載した英文憲法をあらためて現代語に訳した本を見つけました。まだまだ今の憲法は若いのだなと思いました。英文で見るとどういう思いと意味合いで訳すべきなのか、主語に迷うところさえあって、議論の余地があるように思えました。

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    2015年11月02日
  • 翻訳夜話

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    村上春樹と柴田元幸の翻訳フォーラムとそれぞれが訳したオースターとカーヴァーの短編が収録されている。私は村上春樹が好きだし、柴田元幸の翻訳も好きだ。ふたりの翻訳を比べるとやはり柴田元幸の翻訳のほうがスッキリとしていて読みやすく感じる。春樹本人も語っていたが春樹のカーヴァーの翻訳は「~した」の過去形が並びまくり文章が硬かった。今ならこんな翻訳はしないのかもしれないけれど。

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    2015年06月22日
  • 翻訳夜話2 サリンジャー戦記

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    同時代に生きている作家か、自分が特別に好きな作家の本しか翻訳してこなかった村上春樹。
    サリンジャーを訳すという考えは、当初なかったそうなのだ。
    そうか。サリンジャーはすでに古典になりかかっているのか。(サリンジャーが亡くなったのは2010年)

    何人かの人に「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を訳さないんですか?と言われ、長く残る作品については複数の翻訳テキストがあってしかるべきとの持論もあり、野崎訳をも出版し続けることを条件に「キャッチャー~」を訳すことにしたのだそうだ。

    時代の空気を伝える訳は、翻訳としての賞味期限が短くなってしまう。
    しかし、時代の空気を無視して「ライ麦~」を訳すことはでき

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    2015年04月15日
  • 翻訳夜話

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    二人の翻訳愛が溢れ出ている。村上春樹が翻訳の愛情を迸らせ、柴田元幸がそれよりも少し冷静に見えるのが面白い。様々な質問を巡り、議論が交わされるが、結局、答えの向かう先は翻訳に対する愛なのだ。

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    2015年04月02日
  • 翻訳夜話

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    一部は東大の学生の前で、二部は翻訳の専門学校生の前で、そして三部は中堅の翻訳家・研究者の前で二人が翻訳に着いて語ったことが収録されている。

    言葉を訳す。文章を訳す。雰囲気、世界観を訳す。
    どう訳すかの選択から翻訳がはじまるのだと思った。

    村上春樹と柴田元幸がそれぞれに、カーヴァーとオースターの短編小説を訳し、そのちがいを読み比べる第三部が面白かった。
    本来村上春樹が訳しているはずのカーヴァーの作品でさえ、私には柴田訳の方が読みやすかった。

    もともと村上春樹は英文で書かれた小説を読んで自分の文体を作ってきたのだそうだ。
    だから彼の小説は、脳内では英文で構成されているものを、書くことによって

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    2015年03月31日
  • オズの魔法使い

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    冒険としてはどれも呆気ない。しかし、オズの正体がバレる場面、旅をする意味については、十分すぎる示唆がある。

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    2015年02月25日
  • ガラスの街(新潮文庫)

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    海外の現代作家の作品を読むことって、
    あまりなかったりませんか?
    何かと古典ばかり読むようにしていたりしがちなのは、
    僕だけではないはず。
    それで、じゃあ、現代の海外の作家にはどんな人がいるのかと調べてみると、
    いろいろ出てくるのでした。
    その中でも、新潮文庫のメールマガジンに載っていたのが本書です。
    よさげだ、と、びびびっと来て購入しました。
    思っていたように、やっぱり面白かったですね、現代作家の作品は。
    村上春樹さんだとか、日本の現代作家の本が面白いんだもの、
    外国人のが面白くないわけがない。
    とはいえ、本作は30年くらい前の作品なんですけどもね。

    探偵小説の皮をかぶってるオオカミみたい

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    2025年06月28日