あらすじ
ポリー伯母さんに塀塗りを言いつけられたわんぱく小僧のトム・ソーヤー。転んでもタダでは起きぬ彼のこと、いかにも意味ありげに塀を塗ってみせれば皆がぼくにもやらせてとやってきて、林檎も凧もせしめてしまう。ある夜親友のハックと墓場に忍び込んだら……殺人事件を目撃! さて彼らは──。時に社会に皮肉な視線を投げかけつつ、少年時代をいきいきと描く名作を名翻訳家が新訳。
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ハックルベリーフィンの冒険を読んだ後、読まなければと思っていたこの本をやっと読むことができた。
やはりとても面白かった。
ミシシッピ川河畔の描写も多く、20年前に訪れた、マークトウェインの生家までセントルイスから車でドライブした時のことを思い出した。
ミシシッピ川沿いをずっと北上してたどり着いた。
道中所々で見えたミシシッピ川は水量が多く堂々としている印象だった。
マークトウェインはもちろん知っていたが、まだ本は読んでいなかったので、ただ単に訪れたというだけで終わってしまったが、読んでから行けばよかったと今は後悔の気持ちでいっぱいだ。
できれば再度訪れてみたい。
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小学校時代に読み漁った名著の読み返し。
「トムソーヤの冒険」が発表されたのが今から140年前、アメリカがまだ南北で対立していた時代。
奴隷制もあり、荒れていた時代にこれほどまでに勇気と希望に溢れた物語を生み出した著者が素晴らしい。
印象的なシーンが、自らの日曜学校の葬式の日に戻ってきた3人を、喜びに満ち溢れて出迎えた人たちに、ハックが帰ってきたことも喜んでくれと、何の気無しにトムが言ったところ。
トムの心の優しさ、寛大さがひしひしと伝わってくるこのシーンに胸を打たれた。
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おそらく子どもの頃に読んだことがあるはずだが、こんなに長い話だという印象はなかったので、子ども向けに縮訳されたバージョンで読んだのだろう。数々のいたずらと冒険、少年らしい想像力と恋、そしてハッピーエンドで、19世紀アメリカらしい瑞々しさ満載のストーリーを柴田元幸訳で楽しめるのだから、文句のつけようがない。『ハックルベリー・フィンの冒険』も読もう。
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幼少期にTVで観たトム・ソーヤの冒険。「悪童」というのがぴったりのトム。ポリーおばさんに叱られ、学校で喧嘩し、日が暮れるまで遊び、女の子にモテたくて意地悪をする、純粋な少年。トムの少年時代は多くの事件が勃発する。海賊になりたくて家出、目の前で起きた殺人、金貨がぎっしり入った宝箱の発見。これらの事件でいつもトムの近くにはハックが常に一緒に行動する。このハックはとても独特な性格で面白い。トムが好きになったベッキーにはとても好感度が高く、少年トムを羨ましく思った。多くの人に小説のトム、ハックと会ってほしいな。
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大人になって読み返して改めて面白さがわかる本がある。失われた時間への惜別の想い、子供たちの未来よりも自分の今とこれからを期待したくなる小説。ストーリーは今さら語るまでもない。19世紀のミシシッピーを舞台にトムやハックやジョーが好奇心で常識を封じ込め、新しい世界に飛び出していく冒険小説である。「へん、ぶたれるのがなんだっていうんだ」明日会社で実践してみよう
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1876年に書かれたアメリカ南北戦争以前の「古き良き」我らが故郷を
少年の冒険を題材に描く作品
素材梗概を子供向けにジュブナイルのように翻案されてもいるが
広く読まれているようにその多くはアメリカ原風景を刺激する国民的作風
日本で言えば吉川英治作品のような
主人公やその周囲は人間的でありながら善と成されているが
だからこそ南北戦争以降の国家として目覚めたアメリカにとっての
得難さを持つ時代小説となっている
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多くの人が子供時代に一度は読んだと思う。私も小学生の頃読みました。大人になって再び読み、トムや仲間の言動に笑ったりハラハラしたりしながら童心に帰ってしまいました。子供だった頃の自分の考えていた事を次々と思い出させてくれる本。時代も場所も背景もトムたちとは全く違うのに、子供の考えることは世界共通。大好きな本です。
Posted by ブクログ
他の人の訳で中学時代に読んだ気がするが、柴田元幸氏の翻訳で読んでみたいと思い、再読。
トムの勇気や機転は本当にすごいんだけど、ガキ大将っぷりは鼻についてしまう。スクールカースト上位だよな、こいつ、とか思ってしまう。私が捻くれているのか。しかし柴田先生もあとがきで同様に「トムは大人になったら地元のお偉いさんになって『私も子供の頃はやんちゃしたもんですよ、ガハハ』って言ってそう」的なことを書いており、激しく同意。
やっぱりトムよりもハックの言葉が心にしみる。「手に入れるのに苦労しないものなんて、持つ気しねえから」。こっちはきっと、お偉いさんになって昔を笑ったりはしない。
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「なあ、ハック。その猫いつ使う気だ?」
「今夜さ。今夜悪魔たちがホス・ウィリアム爺さんを連れにくるだろうから」
「でも埋葬は土曜日だったじゃないか。土曜の夜に連れていったんじゃないの?」
「何言ってんだ!真夜中までは魔法が効かないんだぜ。で、真夜中になったらもう日曜だろ?悪魔は日曜にうろうろしたりしねえと思うぜ」
「そいつは考えなかったな。そうだよなあ。なあ、俺も行っていい? 」
神に召されて天国へ行けるよう教会に埋葬されたはずのホス・ウィリアム爺さんなのに、この子たちは悪魔が連れに来ると信じてる。
それがどうにもおかしくて堪らない!!
「トム・ソーヤーの冒険」は今さら説明するまでもない世界の名作であります。
子どもの頃にアニメの「トム・ソーヤーの冒険」が大好きで何度も何度も繰り返し見たわたしにとっては、夏が近くなるこの季節になると妙に懐かしく思える作品です。
しかし先日、今さらながらこの本を初めて読みました。
予想以上に面白くて、とても子ども向けとは思えない、大人こそ楽しめる本なのじゃないかとさえ思える1冊だったのです。
主人公トムの個性もさることながら、ハックとの関係がアニメを見ていた時よりも意外とドライなところがあったり、ポリー伯母さんの愛情深さやシッドとの関係など発見も数多くありました。
また南北戦争前のアメリカで人々がどんな風に生きていたのかを垣間見られるところも興味深く、アニメの声で脳内変換されるセリフの数々のおかげで一気に読み終わりました。
この話の特に大きな事件であるマフ・ポッターの事件(上のセリフのやり取りの後、彼らが目撃してしまう村を揺るがすような大事件)以降は特に顛末を知っていてもハラハラドキドキします。
かつて自分も子どもだったことを思い出させ、時におかしく、時に懐かしい。そんな気持ちにさせてくれる夏休みの思い出のようなキラキラした作品だと思います。
子どもだった時代はそれぞれまったく違うというのに、この時代を超えた感情は作品の普遍的なテーマがあるからなのだと思う。
今の子どもたちもこんな経験をしているのだろうか。そうだとしたら嬉しいな。
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この話を読んで、自分が友情モノに弱いんだと改めて気付かされた!当時の時代背景も感じられた。読むのが楽しかった。訳者のあとがきも必須。
「ハックルベリィフィンの冒険」も映画で観たが、それも良かった。
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言わずと知れたマーク・トウェインの代表的作品でありアメリカ文学の古典的超名作である。今更ながら読む。
ポリー伯母さんやドビンズ先生はいまなら幼児虐待全開なのだが、米国版カツオであるトムのあの手この手の破天荒な冒険活劇が面白い。かと思えば第4章冒頭のような詩的で美しい描写もあれば第33章の鍾乳石から滴る滴の荘厳な描写やほか妙に真理めいた文章も散りばめられ物語としてだけではなく文学作品としても秀でている。インジャン・ジョーが登場してから以降の展開はハラハラドキドキのまさにディズニーやハリウッド級の面白さだ。
アニメ版も作られたため児童向けのイメージが強い作品だが、おませなトムとベッキーの恋物語やインジャン・ジョーの残酷な死に様はPTA「非」推薦の児童向け良書かもしれない。兎にも角にもチビッ子がトムと同じことをすると確実に親のカミナリが落ちるだろう。
あとがきを読むと『ハックルベリー・フィンの冒険』の冒険もほうの評価も高いということで、今度はこちらも読んでみようと思う。
Posted by ブクログ
トム・ソーヤーの日常は冒険だ。遊び方がワイルドでたくましい。やんちゃなイメージはあったけど、予想以上に目立ちたがり屋で、女の子に対して積極的な肉食男子で笑ってしまった。何歳の設定か分からないけど、ませてるな~。でもちゃんと良心は備えているし、ひねくれたところがないので好感がもてる。
友達のジョーもやんちゃだが、ハックは全然違うタイプ。特に終盤のハックの台詞で、彼がトムとは違う価値観を持っているのが分かる。単純に恵まれない浮浪児という感じではなく、作中の「浪漫的浮浪者」というのがしっくりくる。このトムとハックが仲良しというのが微笑ましい。「ハックルベリー・フィンの冒険」も読みたい。
Posted by ブクログ
物語としては超有名、自由闊達な少年トムの、まさに冒険物語。いたずらや家出、殺人犯との絡みや同級生との恋愛、ハックとの友情、財宝を巡る奔走と気分躍る要素がふんだんに盛り込まれ飽きさせない。真面目で真っ直ぐなポリー伯母さんとの掛け合いがとても楽しく、感情の激しい浮き沈みが少年らしく微笑ましい。大人の洒落ているが難しい表現力で語られるのは少し違和感があり、また無駄に読みにくいと感じた。
終盤でのハックの無欲な人生観が個性的だがトムに説得され養子となり、ほっとするやら残念やら。
Posted by ブクログ
子供の頃読んだ本の再読をしている。当然少年少女本だったので、今回の全翻訳本とは違うのだが、わくわくした感触は忘れられない。読み返してみて主人公の破茶滅茶でない自制が効いたキャラクターであることがわかる。2018.4.15
Posted by ブクログ
夢想家で、いたずら好きで、目立ちたがり屋のトム・ソーヤ-の冒険物語。と言っても、トムが自ら冒険を企てるのが主の話ではなくて、トムがいたずら心でやったことから思いがけない状況に巻き込まれたり、日常生活の中で勇気を試されたりしながら、主人公が試練を乗り越えて成長していく話であった。
出だしはやや退屈だったが、トムとハックが殺人事件を目撃して以降、三人での海賊気取りの家出、その顛末、ベッキーの窮地、ポッターの裁判、宝探しや洞窟での出来事など、ストーリーが二転三転して、俄然面白くなった。
特に印象深いのは洞窟の場面であり、ハックが遭遇した出来事とも巧く結びつき、宝探しにもつながっていく。
個人的には、貧乏でも束縛を嫌って自由を愛するハックの方に魅力を感じた。
最後にハックはトムのアドバイスでダグラス未亡人のもとに戻る決心をするが、そのまま居続けることができたのであろうか。
Posted by ブクログ
言わずと知れたアメリカの古典文学作品『トム・ソーヤーの冒険』。柴田訳が出てる!てことで手に取ってみた。小さいころアニメで観た記憶はぼんやりあるものの、物語の内容は一切覚えていなかった。子供のとき読んだらもっともっとワクワクドキドキできたんだろうなあ。
やんちゃで悪知恵が働くけど、正直者で心根が優しい。カツオ的、いかにも“主人公”なトムが、いろんなことに巻き込まれていく。海賊や盗賊に憧れる子供たち。19世紀のアメリカはこんな風だったんだ。ちょっとしたタイムスリップ気分。
トムは魅力的な主人公だけど、共同体の規範から大きく逸脱したハックはもっと気になる存在だ。「俺は『みんな』じゃない」「食物は簡単に手に入りすぎるーーあれじゃ食う気も失せちまう」…『ハックルベリー・フィンの冒険』を読むのも楽しみ。
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トムたちの日常の中に冒険やいたずらや恐ろしい出来事など子供じゃないと理解できない行動とか全てが詰まってます。子供のころ読まなかったのですが、はたして読んでたとして理解できたかどうかというくらい理解力がなかったので、今読んである意味良かったかもしれないです。終始よく回る頭だなぁと感心します。悪知恵とはいえ嘘とはいえそうぽんぽん次の行動への指示が思いつくところが羨ましいです。
読まなかったシリーズ。
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後半の盛り上がりがヤバイ。しかしマーク・トウェインのスタンスはいいよなあ。社会のクソッタレと悪態を付きながらも、そうなってしまう現実とか人間に対してナーバスになりきらないんだな。
子供の心と、厭世的な視点と、大人としての理解っていう別々のところにあるものをまとめ上げているのが、あとがきにある「死のイメージ」なのかなと思う。これだけは普遍だという一本の筋を通すよりどころになってるし、この強烈な要素が物語全体を持ち上げてる。
Posted by ブクログ
優れた児童文学を読む度、なぜこの作者は、少年時代の世界の見え方や心象風景を記憶に留めて、こんなにも活き活きと描写できるのかと不思議に思う。
トム・ソーヤーの冒険は、大人になってから初めて読んだが、自分の子ども時代を懐かしく思うと共に、作品の随所に社会風刺が効いていて面白く、大人でも十分に楽しめた。
Posted by ブクログ
トムソーヤといういたずら好きな少年の物語。1830年代のアメリカの田舎ってこんな感じなのかなと思わせるような描写が多くて面白かった。トムがハックやジョーと一緒に家出をして海賊ごっこをする時やトムとベッキーが洞窟で迷う時に村総出で探索したりするところは田舎の一体感みたいなのを感じれた。前半のトムが仲間たちと物を交換する時にビー玉とかブリキとかに価値を見出しているのが少年だなって思うしなんか懐かしく感じた。
Posted by ブクログ
読むまでなぜか少年が筏で漂流する話だと思っていた。たぶん十五少年漂流記と混じってる。なんで混じっちゃったんだろ?
だから読み始めるうちはいつ漂流するんだ?と思ってたけど、中盤に差し掛かってどうやら違うらしいということに気づいた。
想像してた話とは違ったけど、赤毛のアンシリーズのような子どもが生き生きと自由に遊び回る姿を描いた海外児童文学が大好きなので、読んでよかったなあという感じ。
児童文学といっても、大人や子どもの人間性や心情について一歩引いた視点で書いているので、それが滑稽さを際立たせているところもあれば、今にも通ずる感性もあったりした。この的確な視点や本人も楽しんで書いたのだろうな、という文章が、作者が描こうとしていることへの信頼感にもつながった。
やっぱり名作は面白いなー
わたしが読んだのは旧訳版だったけど、翻訳も内容も読みやすく、全く古さを感じなかった。
Posted by ブクログ
主人公トムはいたずらっ子でポリー伯母さんに怒られてばかりですが、本を破ってしまったベッキーを庇うために自分が破ったと嘘をついたり、無実の罪で捕まったポッターに差し入れをしに行ったりと、優しいところがあり、どうしても憎めません。そんなトムや、浮浪者ハックルベリーといった、少年たちの物語です。
彼らは毎日楽しそうで、少年たちの楽しみを見つけ出す力を思い出しました。また、殺人事件、隠された財宝、洞窟探検など、大人でもワクワクするような出来事もあります。
物語の終盤で、大金を手に入れ、社会に引っぱり込まれたハックが、“俺は『みんな』じゃない、あんなの我慢できねえんだよ。(p380)”と言ったのが印象に残っています。ハックの自由な生活には憧れました。“子供たちはみなハックルベリーを崇めて、(中略)自分もハックみたいになれたらと願っていた。(p77)”気持ちもわかるような気がします。
Posted by ブクログ
むかーし、アニメでやってたなあくらいの印象で読み始めましたが、なかなか読破には時間がかかりました。前半の古き良きアメリカな展開が退屈で退屈で…
序盤の感想は「アメリカ版カツオ」の一言に尽きるかと。ペンキ塗りのくだりはもはや古典ですね。
後半にいくにつれ、ようやく冒険らしい冒険が始まります。無人島に殺人者にお宝に洞窟に。暗闇で蝋燭が尽きるあたりはさすがにゾッとするものがありました。
個人的に、訳者あとがきがすごく面白かったです。トムよりもハックの生き方に憧れるので、ハックルベリーフィンの冒険、ぜひよんでみたい。
ところで、昭和生まれの自分はアニメの記憶が本書を手に取るきっかけになりましたが、平成生まれだとなにをきっかけにこの本に出会うのだろう。気になります。
Posted by ブクログ
とくに後半から盛り上がってわくわくしてくる。
遊びに本気で、遊びだけどわりと命がけだったり、少年の日常だけどそれが冒険。
トム、悪知恵がすごいはたらくいたずらっ子なのに、根はいい子なのがいい。
Posted by ブクログ
改めて読んでみて内容を全然覚えていない自分にびっくりした。唯一イカダ下りくらいだけど、それほど重要な場面でもなかった・・・。児童向けというよりは筆者も冒頭に書いているように子供を主人公とした教訓めいた冒険談?教会のご褒美を得るためのトムの物々交換やペンキ塗りを友達にさせる方法など真似したいくらい賢い。
Posted by ブクログ
一言でいうなら腕白小僧の大冒険です。トムは悪知恵が働くというか、頭のいい子なんですね(笑)。色々と懐かしくて子ども時代を振り返ってしまいます。読んでみると社会に対する皮肉など、結構ブラックジョークがあるように感じました。少年たちの愉快なお話と言いましたが、一概に温かみのある作品とは言えないです。
日本では見られないキスでのスキンシップが印象的でした。愛情をしっかり表現できることは大変素晴らしいことだなと思いました。