柴田元幸のレビュー一覧
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村上春樹訳のキャッチャー・イン・ザ・ライを読んだら、訳者解説は掲載不可のため書いたけど載せられず、とあり。
調べたらそれは本書に掲載されている、と。
J•D•サリンジャー、キャッチャー、そして主人公ホールデンについて、村上春樹と東大助教授が語る。
時代背景、サリンジャーの生い立ちと置かれた環境、文壇や雑誌社からの評価など、多方面からの解説は読み応えがあった。
知的かつ反社会的なホールデンのプチ逃亡劇の見え方が大きく変わった。
サリンジャーやキャッチャーのファンならいいけど、そうじゃない人にとってはこのテーマをここまで掘り下げて理解しなくてもいいかな、とは感じる。
読んで損はないけど。 -
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経済危機の最中にあるアメリカ・ニューヨークで、金のない4人の若者が一軒の廃屋に不法に住み着いてシェアハウスする話。構造的には「万引き家族」や「パラサイト」のようであり、最後の読後感は村上龍のようでもあった。
あと、魅力はやはり、舞台がブルックリンであること、ですよね。やはり。若者たちの不安や焦燥感、孤独や無力感が全体を通して強い話ではあるのですが、それが湿っぽすぎないのはやはり、舞台のオシャレ感、か。
そして一番かっこよかったのはこのくだり。
「私、会ったらあの子に何するかわからないわ。顔を引っぱたく?それとも抱きついてキスする? 両方やれよ、とモリスは言う。まず引っぱたいて、それからキス -
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何十年ぶりのポール・オースター。ニューヨーク三部作は20代頃読み、俺から数冊読んで以来、40年ぶりに。
オースター晩年60歳代に書いた作品見たいですね。
晩年書いたこの青春群像劇は、あのニューヨーク三部作とはテイストは変わってない。人間を見つめ、個人の生き様、様々な性格、男と女、家族を描き、日常を生きる登場人物達。
帯にこんなことが書いてある。
「もし世界に触れることが出来るとしたらそれは君の形をしてると思う」
この文章は本編には書かれて無かったと思う。編集部の担当の人が書いかな?間違ったらごめんなさいm(._.)m
読んだ俺ももう60代。基本俺もそんなには変わってない。変わったのは周りの -
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◼️ポール・オースター「幽霊たち」
再読。短めでさらっと読めて、小説的。オースター入門編には最適かもと今回思った。まあその、読後、「で?」というのは残るかも。
1947年、探偵事務所に勤める青年ブルーは、ホワイトという依頼者から、ブラックという男を見張る仕事を受ける。ホワイトはブラックの部屋に面したアパートを手配した。仕事にかかったブルーだが、あまりに事態が動かないことに疑念を抱き行動に出るー。
登場人物には色の名前が多いが、物語の大半はブルーとブラックの関係性。依頼人のホワイトへ報告書を出しながらも、いわば孤独を極める存在となったブルーの心情の描写が深まっていく。謎を解明しようと起こし -