角田光代のレビュー一覧

  • エコノミカル・パレス

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    生活困窮小説。
    仕事を見つける気がないヒモの彼氏と、明日の生活費の心配ばかりをする毎日。34歳フリーターで、雑文書きとウェイトレス、スナックで働く。

    日々の中に楽しみも、希望もあるわけもない。問題に直面して、変えていこうとするわけでもない、不安を抱えながらも、毎日はすぎてゆく。

    1960年代ならば、未来に向かう明るさがあったかもしれない。2000年代の社会にある、虚無感、閉塞感。
    重たーい気分になるけど、角田光代はそんなとこが好き。

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    2013年10月12日
  • 空の拳

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    ネタバレ

    典型的なダメ文系の主人公が、全く知りもしないボクシングの世界に熱中し、離別していく三年間を描いた長編小説。表現に疑問が残る部分があって、前半がもう一つだったけれど、終盤をとても面白く読めた。リングの上でボクサーは何を思うのか、競技を通じて何を求めているのか、っていうことを一貫して描こうとしている姿勢がよかった。

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    2013年11月19日
  • マザコン

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    ネタバレ

    母にまつわる短編集。解説が「母は娘を支配する」の斎藤環で、そっちの本でも角田光代の「マザコン」は引用されていたし、解説も母娘関係に焦点を当てたものになっていたが、母と息子の物語も半分くらいある。息子の場合、大抵妻も出てくる。
    「共感」みたいな気持ちになるのはやっぱり娘モノだが、息子モノも面白かった。どちらにせよ、苛立ち、息苦しさ、胸くそ悪さ、ヒタヒタと染み渡ってくるような狂気…みたいなものを現出させるのがうまいんだなあ、この人は。それでいてこっちまで嫌になっちゃうような不快感はない。それで小説として面白く読めてしまう。
    特に好きなのは、「パセリと温泉」「ふたり暮らし」「クライ、ベイビイ、クライ

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    2017年03月15日
  • 菊葉荘の幽霊たち

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    におい。

    仕事をくびになり「暇」になった「わたし」は、ここに住みたい、という友人・吉元のために、空き室のない「菊葉荘」に忍び込み、住人の動向を探る日々を送る。

    「鍵を鍵穴に差し入れ、扉を開けると、よそよそしいにおいが染み出してきてわたしをつつんだ。~大きく息を吸いこみ、自分のものらしいにおいを嗅ぐ。これがいったいなんのにおいであるのかわたしにもわからない。」
    菊葉荘の蓼科の部屋に入り浸っている「わたし」が、久しぶりに自分の家に戻ってきた時の描写である。

    家=居場所=すみか=テリトリー=縄張り

    私は臭いに敏感な方で、他人の家から戻った時に服や体に染みついた他人の家の臭いというのが、ひどく

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    2013年08月17日
  • 空の拳

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    「もう一度あの場所にいきたいんです」ときとして人を潰すこともできるちいさな悪意がいっさい届かない静かな場所-いいなぁ!まぐれにも見える一瞬を逃さないため練習を積む立花、名声も栄誉も金もつかまなかったとしてもその手のひらで何かをつかんだだろう中神、心優しき坂本、「ザ・拳」の三年間がようやく筋肉になりつつある空也。ボクシングならではの成長物語。前半の冗長な運びはすべて終盤のため?ふつふつと感動。

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    2013年08月04日
  • 空の拳

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    弱っちい文芸希望の記者の目を通し、興味の無かったボクシングの世界に熱くのめり込む、自身の成長と選手の成長。最近読んだBOXの方が正統派なボクシング小説だったが、こちらも楽しめた。プロレスしか見た事無いけど、後楽園であの会場の温度がぐっと上がる一体感を感じたくなった。そうだな!試合で見せりゃいい!経歴詐欺とか何とか関係無い!その上に行く事で説得力なんだ!と熱くなってしまい、その分ラストの落ち着きが少しさみしく思う。

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    2013年07月24日
  • 空の拳

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    爽やかな読後感が残る素敵な作品。
    ボクシングの試合の描写に、「人生で対峙するその決断の時にどう対処するか」、「勝ち負けではなく自分のスタイル(信念)をもってどう戦うのか」が大切であると感じた。
    結果は今でなくてもよい、信念を持って続けていれば、目標の形は変わっていたとしても必ずモノになると信じていたい。

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    2013年07月24日
  • ナイト キャット

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    リサ・ラーソンのこの猫がずっと気になる存在だったので、絵本化が嬉しい。
    人間が知らない猫の夜の過ごし方はこんな感じなのかと思うと楽しそうでワクワクする。
    英文つきなので、そちらを自分なりに訳すのもおもしろい。

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    2013年07月18日
  • 福袋

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    ネタバレ

    読み終わりました!

    最後。。これで終わり??というお話が幾つかあったけど、
    楽しめました(^^)♪

    「箱おばさん」「カリソメ」好きなお話だな。。

    あと赤ちゃんとの出会いのお話も良かった…
    長く預けっぱなしはよくないけど、預けられた後の
    登場人物の二人が、赤ちゃんの接し方に和んだ(〃ω〃)

    このきっかけで別れなければいいなと思っていました。。


    この小説の表紙!かわいいですよね♡

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    2013年06月22日
  • ナイト キャット

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    リサ・ラーソンさん一家で作られた絵本。猫はいつも寝てばかりで怠けてるようだけど、実は夜猫はいろいろ予定があって。原文の英文も書かれているので、自分なりに訳すのも楽しいでしょう。

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    2013年06月18日
  • まどろむ夜のUFO

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    ネタバレ

    読んだ後は自己肯定感。
    以前読んだ乙武洋匡さんの新書よりも。
    合う人にはしっくりきてると思います。

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    2013年11月23日
  • ぼくはきみのおにいさん

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    六年生のアユコが知らない男の子から、突然「きみのあにきだよ」と声をかけられる、ちょっとドキッとするような始まりです。果たして男の子の真意は?・・・①アユコをからかっている ②幼なじみであるが、アユコが忘れている ③実は本当のおにいさん ④おにいさんであったが、アユコが幼い頃に死んでしまって、幽霊として現れた・・・こんなことを想像しつつ、ファンタジックでミステリアスに話が進行していきます。あっという間に読める優しいお話でした。

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    2013年05月30日
  • ナナイロノコイ

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    長編も好きだけどつい読みふけってしまうので、普段は短編集を読む事が多いです。ただしこれまで複数の作家さんの短編集はあまり買うことがなく、今回買ったのも井上荒野さんの短編が読みたかったくて手に取った一冊です。
    人気作家さんの競演は、様々な恋愛模様を垣間見ているようで飽きずに読みきれました。

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    2013年05月03日
  • ぼくとネモ号と彼女たち

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    「ぼくとネモ号と彼女たち」
    角田作品の初読みです。
    冒頭のスローテンポからギアチェンジで加速します。
    描写が細かくて、おなじみの固有名詞や魅力ある個性的なキャラ設定。脳内スクリーンにバッチリと映像が出ます。ボクが知っている地名やアイテムが登場するから、なおのこと、リアルに感情移入できました。

    ページを開けば、その瞬間から、いつでもどこでもロードムービーが始まる。
    (END)

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    2013年03月22日
  • Because I am a Girl ― わたしは女の子だから

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    女性・子ども、そんな生まれたときからの事情によって、
    虐げられる世界の人達の現状を著名な有名人作家7人が綴り、
    それが日本語訳された本。

    僕自身、カンボジアに売春街に訪れ、
    そこで沢山の男性達と一緒にいる少女達を見た。
    不慣れな化粧をして、必死に男性達を誘惑して、
    一夜を共にして、お金を稼ごうと必死になっていた。

    そんな光景が頭の中に強く蘇ってきた。
    実態を見て、知った、
    本で読んで、知った。

    女性だから、子どもだから、そんな理由で、
    虐待を受け、レイプをされ、孕ませられ、
    未来を失っていく、現状。

    「知る」という行為の先に、
    何が待っているのか分からないけど、少なくとも、
    「知って」

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    2013年02月26日
  • 福袋

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    久しぶりの角田先生の本!!短編集ですが、内容も相変わらず軽快かつ奇妙で楽しかったですね。短編の時、時々ラストに不満が残るのですが、これは比較的それがなかったです。

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    2013年02月10日
  • ピンク・バス

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    なんか、オカシイよ、それ、って思うんだけど、でも自分にもおこりうる、
    自分もそうなんじゃないか。。。
    なんて思ってしまうのがこわい。

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    2013年02月04日
  • Because I am a Girl ― わたしは女の子だから

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    「海外支援の目的は、支援が必要でなくなる状態を作ることでなくてはならない」ために、目の前にいるウガンダの女の子たちを助けられないかもしれないことに、筆者が怒って泣き狂った場面。私もわんわん泣いていたら、はいはいで近づいてきた息子(生後9が月)がにこにこしながらドンドン私に頭突きしてきました。

    映画「ホテル・ルワンダ」で「世界の人たちは虐殺のニュースを見ても『こわいわね』といって結局ディナーを続けるだけ」といっていたシーンを思い出し、自分の姿を重ねました。

    「女の子だから」という理由で差別などを受けている女の子たちを、7人の作家が描いています。訳は角田光代さん。その土地がもつ色彩の豊かさやに

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    2013年01月18日
  • Because I am a Girl ― わたしは女の子だから

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    7人の作家による女の子に纏わるアンソロジー。
    生まれながらに受ける様々な虐待、受け入れることしか許されない人生、それを由とされてしまう世界。少しは知ってはいたけれど、敢えて目を背けていた実情は、歯を食い縛ってないと読み続けることができない。
    「女の子だから」。ただそれだけ奪われていくものの大きさに、怒りと悲しみが混ざり、その不条理さに呆然とする。
    国や地方、部族の数だけ様々な風習や慣習、伝統や思想があり、そこに生まれてきたものとして当然受け入れ生きてゆかねばならないことはわかるけれども。
    彼女たちには選択する術も何もない。
    そしてわたしは何もできないことに苛立つ。

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    2012年12月28日
  • おやすみ、こわい夢を見ないように(新潮文庫)

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    ちょっとゾクっ!とするような短編だったわ~。
    主人公はみんなちょっとグレーのような靄のかかった状態にいる感じの設定で、昔のこととか過去のこととかに固執し恨んだり苦しんだりしちゃう。で、その背後には常に謎の女がすーっと現れるわけ。
    ホラーやサスペンスではないんだけど、人間の深層心理に迫った話が7つ。
    どれも短編なのに、内容がないようだけにちょっと濃い感じで出来てた。
    これをそれぞれ長編にするとダークすぎちゃうんだろうな~。これくらいの話の長さで丁度いい。計算されて書かれたのかな~?

    私は今までに、心底ある人を憎んだり恨んだりしたことはないけど、これを読むと「私ならここでこうする」とかちょっと過

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    2012年11月27日