原田マハのレビュー一覧
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2年ぶりの原田マハさん作品は、明治末期、自分の意志で道を切り拓くことが困難だった時代に、作家になるという道を追い求めた少女・すてらの人生が描かれます。マハさんらしい胸が熱くなる良質な物語でした。
原田マハさん自身、アートに携わる仕事の後に作家デビューしているので、本作の主人公は、原田マハさん自身を投影したかのようです。また、芸術や文学普及の功労者である実在人物も登場させ、その想いもうまく散りばめて、多層的で深みのある読後感につながっていると思いました。大きく3つのメッセージを受け取りました。
〈好きなことを追求し挑戦し続ける意義〉
この意義を感じることは、主体性が向上し、自分が納得 -
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伝説のスピーチライター久遠久美。
彼女のスピーチには本当に心を打たれてしまった。
フィクションだって分かっているはずなのに、そのスピーチには本当に血が通い、熱があって、オバマ大統領やキング牧師のスピーチのような、実在した人の本当にあったスピーチかのように読み入ってしまった。
久遠久美のスピーチ、つまり作者である原田マハが考えたスピーチ原稿。
言葉を操る人の言葉って本当にすごいって思った。
人を感動させ、動かす言葉が持つ力。魔法の言葉。
一字一句、言葉を選び考えながら今、この感想を書いてみてはいるけど、語彙も足りないし、圧倒的にセンスのない自分には到底真似の出来ないものだなって痛感した。でも -
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モネの作品には多くの睡蓮の花が咲いている。
そしてその睡蓮の花は、モネ自身が実際に見た睡蓮の花である。モネから見える睡蓮は、本当に美しく、永久的なものであり、多くの人を魅了してきた。そしてこの本の著者である原田マハさんはこう語る。
厄災や不穏、(不安や苦しい、悲しい時)も睡蓮は花開いている。モネは、自然の摂理にままらならぬ人の営みを重ね合わせて、大丈夫、いずれ花は開くのだからと、論してくれているのではないか。
何かが我々の中で起こったり、変化が起こったとしてもあの睡蓮の花は常にこちらを向いて語ってくれるのだ。モネ作品がさらに好きになった。
パリへ行く際に、この「モネのあしあと」と「ジヴェ -
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友人からのオススメで拝読。
紹介文を読んだだけでは話の内容があまり想像できず、自分が芸術分野に精通していないこともあって、人からの薦めでなかったら決して自分では手に取らないようなジャンルの本である本書を最後まで読み切れるか不安な気持ちがあったが、いざ読み進めると驚くほどページを捲る手が止まらなかった。「芸術」という一見敷居の高いテーマを扱いつつも、ミステリー要素とドラマチックな展開が絶妙に絡み合い、知識の有無にかかわらず物語の世界へと引き込まれる感覚があった。作中には数多くの美術用語や作品が登場していたが、決して置いてけぼりにされることがなく、むしろ、物語の流れの中での自然かつ丁寧な説明によっ -
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なんて清々しい読後感なんでしょう!
とてもとても良かった。「私、何でもっと早く読まなかったのー!」って思いました。
一流オーケストラ指揮者の父と元チェリストの母が両親の少女・和音を描いた音楽小説。希望に満ちたラストは、目の前に未来への道が広がっていくようでした。
孤独と寂しさのなかで生きる和音の日常に明かりを灯してくれるのは、数少ない友人の朱里と文人だけ。
そんな和音の日常に突然やって来た女性・真弓さんによって、和音の毎日が一変!
大人らしくない印象が強いですが、実は感情豊かで、思いやりがあって人のために行動できる真弓さん。頭で考えるよりも、感情で惹きつけられてしまう魅力があります。
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