吉田修一のレビュー一覧
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都内の2LDKに住む四人の若者と、そこに加わったサトル。
本音を偽り、優しくも怠惰な共同生活を送る彼らの日常に、
サトルが加わることで小さな波紋が広がり、歪みが生じる。
平穏な日常、抱える秘密、そして不可解な事件が絡み合う。
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ユーモア溢れる軽快で愉快な会話のテンポやトーンが
一見読みやすく若者達の青春群青劇を思わせる切り口。
シェアハウスに住む四人は、理想的な暮らしに見えた。
干渉し合わない、踏み込 -
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【2025年129冊目】
任侠の家に生まれたものの、数奇な運命を辿って歌舞伎役者の部屋子になった喜久雄。ただ歌舞伎が好きで、芸を磨き続けるが、立ちはだかるのは血筋の壁。恩師の死、理不尽な仕打ち、ライバルの復活――芸に生きて芸に生かされた男の一生上巻青春篇。
映画を見てからの原作なので、終始語り部によって進められる物語に些かの違和感を抱きながらも、映画の情景を思い浮かべながら読みました。映画の出来がめちゃくちゃ良かったなと思っていたのですが、この淡々と語られながらもあまりにもドラマチックな喜久雄の人生が描かれていなければ、きっとあの映画もできなかったのだろうという気もしました。
あくまで推 -
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香港、上海、ソウル、東京、4つの都市で暮らす若者を描く短編集。元は『オリンピックにふれる』というタイトルだったものが改題されて『昨日、若者たちは』になっており、4編それぞれの若者たちの人生にオリンピックが何らかの形で「ふれて」来るのだけど、その触れ方や距離感は四者四様でオリンピックを射程圏に目指す距離にいる人もいれば、周囲の人の間接的な視点で触れる人もいて、それは読者である私たちもきっとそう。私にとっては東京五輪もまったく近さを感じないものだったが、自分の人生に何らかの形で触れたという人もいたのでしょう。そして改題されたタイトルでは「昨日」という言葉が用いられて日常が昨日から今日、そして明日へ
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オーディブルで聴きました。
やはり吉田修一作品はしみじみと良い。それぞれのキャラクターが知り合いにいそうなほど目に浮かんだ。
毒にも薬にもならないけど、いいヤツだったな⋯な知り合いは誰にでもいそう。そういう物語の主人公にはならなさそうな世之介が主人公のお話。
バブル時代だったせいもあるだろうけれど、みんなふわふわ生きている。肩パッド入ったバーガンディのスーツ着ていたんだろうな。それでもそれぞれに成長して、それなりの大人になっていく。祥子ちゃんはやはりポテンシャル高かったなと思う。
さくらは木綿のハンカチーフのその後のイメージ。幸せになっていて欲しい。
ドラマにするとしたら、世之介は満島 -
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昔台湾に旅行したときのことを思い出しながら読んで、また台湾に行きたくなった。
食べ物、自然、天気など、台湾の空気感がイメージできる豊かな描写。
台湾に旅行したとき、私は台湾語ができないが、現地の年配の人たちは日本語を喋れた。
それが日本の統治があったから、ということは知っていたが、そして台湾が親日ということも知識としてはあったが、当時から現在まで、日本と台湾がどういった関係性なのか、私は知らない。
台湾人から見た日本と、日本人から見る台湾、その乖離があることが示唆されていた。
台湾と日本の歴史的関係をしっかり学んでみようと思った。
つまり主人公の奮闘や恋愛よりも、おじいさん世代の話が -
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吉田さんの小説は、観客席から舞台を観ているようだ。
それだけストーリー構成がきめ細やかで、頭の中に登場人物がそれぞれ浮かびあがり生き生きと動いている。
作者が長崎県出身であるからこそ、原爆犠牲者について反戦についての強いメッセージを感じたし、戦後の日本人の底力が作っていたパワーも1人の女優の人生を通して感じることも出来た。
ハリウッドでは「ミス•サンシャイン」と呼ばれ、それも原爆を連想させることから本人は納得いかなかった。
強くあるということは、美しい。
しかし辛くてさびしい時、「膻中」というツボを温めてゆっくりと押してみることも知っているから、更に美しいのだと思った。
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ネタバレ国宝から悪人へ、私にとっては吉田修一さんの2作品目。
物事のシロクロなんてそう簡単につけられるもんじゃない。同じ一人の人間であっても時間の経過やその過程で受け取る情報によって変わることもある。そんなことを改めて感じさせてくれる作品だった。日々メディアで目にするアレコレも、きっとその一部の切り取りでしかないのだろう。
祐一の「どっちも被害者にはなれん」がただただ切なかった。そこで加害者側を選んでしまう祐一のそれは優しさとは違うようにも思えて、何とも言えない気持ちになった。
悪人と国宝、全然違う世界のお話なのに、どちらもページをめくる手が止まらなかった。
次は怒りへ。そして悪人の映画版も観てみよう -
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横道世之介を読んだのはもう、随分前だけど、世之介のことがとても気に入り、吉田修一の中ではベストワンだ!と思っていた。しかし、内容を全く覚えていない。読み始めてもなかなか思い出せない。それもそのはず、世之介と彼を取り巻く人々の日常がほのぼのと綴られているだけの小説である。まるで、サザエさんやちびまる子ちゃんのように。けれどもこの小説にはそんな、普通と言われる人は誰も出てこない。けれども、彼らの織りなす1日1日がとても愛おしい。セリフの一つ一つに幸せを感じる。結局、普通の人々なんて、現実世界にも存在しない。それでも、世之介たちの日々からは幸せのカタチが見える。この世之介ワールドにいつまでも浸ってい