あさのあつこのレビュー一覧
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バッテリーを読んでいたので、似たようなクールなピッチャーの主人公を想定していたが、色々な登場人物が敗者としての背景や想い出が描かれた小説。どの登場人物も敗者であり、その面では重いテーマになりがちだが、淡々と描かれているので深刻にならずに読めた。
県予選での決勝戦。サヨナラ負けのホームランを打たれた海藤高校が相手校の不祥事で代わりに甲子園に行く。海藤高校のキャプテンはレギュラーでは無いが、全員の推薦でキャプテンとなる。他にもレギュラーにならなかった選手が何人も出てくる。不祥事の高校の内部の選手達の想いであったり、代わりに出る海藤高校の一人ひとりの想いとか、児童文芸を得意とするあさのあつこ先生が丹念に描いてくれている。大昔の青春を甘酸っぱく思い出させてくれる。 -
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息子が少年野球をやっている頃に(たしか息子も)読んだ「バッテリー」「ラスト・イニング」以来の あさのあつこ さんです。
バッテリーは6巻にわたる長編で、次の展開がどうなるかワクワクして読んだ記憶があるが、本短編集は物語に入り込めないうちに終わってしまい物足りなさを感じた。
表紙に5匹のネコが描かれている理由も、明日へつながることも見つからなかった。
困った、レビューに書くことがない。
フィニッシュ・ゲートの"東京マラソン"の話での、「残り七キロあたりで、どうにも脚が動かなくなる。」というセリフ。
私も一度フルマラソンに挑戦しようと決意し、勝田マラソンを走ったことがある。
35キロ地点手前の直線が坂道になっていて、上り切ったと安心したとたんに腰に痛みが来た。
脚も呼吸もまだ大丈夫だというのに、ランナーには有名な35キロの壁をまさに体験することになり、残り7キロがきつかったことを思い出した。
"東京マラソン"も走ってみたかったが、もはや走れる自信は微塵もない。
ならば、寄り道しながらコースを歩いてみようかと思ったのが、この作品を読んでの"明日へつながる?"収穫か。
スタート地点付近だけでも、新宿ゴールデン街、東京おもちゃ美術館、新宿歴史博物館などがあるし。 -
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ネタバレ離婚、子どもの虐待、ヤングケアラー……。碧李と杏樹の環境はヘビーだ。謙吾と千賀子が離婚していなければ、って思うオイラは単純なのかな。浮気をした謙吾は家族よりも自分の快楽を優先して、千賀子は養育費をもらうことで離婚を許す。例えがよくないかもしれないけど、交通事故に遭って加害者はお金を払い、被害者は相応のお金を得ることで事態を納める。でも、治療しても治らない怪我や病気だってある。離婚だってそうだ。ただ、交通事故と違うのは離婚には選択肢があること。大人である夫婦はお互い残りの人生を充実したものにしたいから離婚を選択するのだろう。でも子どもはそうはいかない。「人生は何度だってやり直せる」のかもしれないけど本当にそうだろうか。誰かを犠牲にしても自分の幸せを優先する人が本当に充実した人生を送れるの?離婚も交通事故も被害者や加害者ではなく、当事者にならないことがいちばんだと思う。おそらく碧李と杏樹は離れ離れにならずに済んだと思うけど、千賀子の虐待がなくなるかはわからないし、碧李のヤングケアラーも続くのかもしれない。オイラが重く考えすぎなのかもしれないけど、碧李には走り続けて欲しいな。
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さらっと読める青春もの。若者!青春!スポコン!というほどサラリとはしてないけれども、まぁ青春ものですね。
自分が誰かを誘って一緒に何かをする、という行為が苦手な方なので、親友ちゃんが頑張って主人公に射撃を一緒にやろう、と勧誘する辺りですごいなぁとなんか感心しました。まぁ、一緒に映画見ようとか芝居観ようと誘うのと同じような理屈なのかな?共感出来たり一緒に体験出来たら楽しいし。
でも当然のように実力差が出てきたりして友情に微妙な影が。近ければ近い分だけ色々と考えちゃうだろうから、彼女たちは早めに離れて正解だと思う。
主人公はハードルで壁にあたり、射撃を始めましたが、一つの種目や競技に盲目的に打ち込むことが美学となりそうな日本社会はそろそろ卒業した方が良いと思う。フィクションでも、現実でも。少子化社会なんだし、部活を掛け持っても良いと思うし、体験して自分に合うものを探すのもいいよ、という風潮になればいいのになぁと読んでいて思いました。
後、オリンピックに出れるよ、という言葉にはちょっと引っかかりました。オリンピック競技だから予算がついて、注目されるのは現実そうなんだろうけどなんだかなぁと。昔のオリンピックはアマチュアのみ参加で、その競技を愛する人の集まりだった気がするのに、この頃はもっぱら商業主義に染まってしまった感があり、なんだか鼻に付きます。その競技を精進して強くなってオリンピックに出られて勝利した、という過程は素晴らしい。でもそこで賞賛されるのは努力した個人だし、導いたり支援した団体だったり指導者であるべきで、そこに「国家の威信」みたいな意識が入り込むとなんか違うかなと思う。大体この頃の報道だと「日本の選手が5位に入りました!」なんて報道はしてもその競技の勝者が外国勢だと誰が優勝したかも言わないことが多いですしね。
日本が金メダルを何個取った、じゃなくて、〇×さんが優勝しました、その方は〇〇国の人でした、で良いと思うんだけど。良いと思わない人が多いんだろうなぁ、きっと。 -
購入済み
2巻もあっという間に読み終わりました。
せいはくんも色々と思うところがあるんだなあ…
兄ちゃんも色々な気持ちだったり周りの環境?だったりが入り交じって大変なのかも。
3巻も楽しみです -
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この物語を読み始めて気がついたら巧には絶対的な力があると思い込んでいた、豪や門脇と同じように。門脇が豪快に三振したにも関わらず、瑞垣には打てるのだ。そもそも絶対的な力、誰にも打たれない球ってそうそうないような気がする。誰かにとってとても苦手なことが、他の人にとっては得意なことだたったりする。誰かと比べて何かが秀でている。そういういことじゃないかな。沢口や東谷、吉貞は巧が豪速球を投げれることしか取り柄がないことを知っている。それ以外はまるでダメなのだ。でもこの物語はそんな偏った天才ピッチャー巧を簡単に十三歳の少年にはさせない。楽しい野球を知らない巧は伝説的な選手になるか、ごく平凡な人になるか、どっちかだ。瑞垣って、あさのあつこ自身じゃないかなって思う。自分が描く主人公の力を試すように。
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紅白戦で巧は、沢口にホームランがまぐれじゃないことを証明しろって言う。展西たちの暴力の恐怖心よりも、野球をやりたい気持ちの方が強い沢口の肩を抱きしめたい衝動を感じた巧にちょっと期待ができた。豪が言う通り巧の野球は自分のためだけの野球だ。巧の野球は9人対9人ではなくて、ピッチャー対バッターの1人対1人だ。そして豪がいなければそれすらも成立しない。オイラの中でこの物語の巧はヒールだ、いまのところ。洋三が危惧するように巧の成長はここまでなのか、それが気になる。ポテンシャルが高ければ、巧の1人対1人の戦いは勝てるだろう。でも本来の9人対9人の野球では勝てないと思う。スター選手には支えてくれる選手たちがいる。スター選手がそのことをわかっていなければ、支える側の選手たちだって手を離すだろう。巧に豪の言葉が届くといいな。
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縫箔と表紙の紹介文にあって、思わず手にした本。
とはいえ、あさのさんの作品を読むのは、実はもしかしてはじめてかもしれない。
あの名作『バッテリー』も何も、恥ずかしながら、読んじゃいない。
化政期の江戸。
深川の小規模な縫箔屋、丸仙が舞台だ。
その家の一人娘、おちえは、「今かぐや」と言われるほどの美貌の持ち主。
けれど、女性ながら剣道の道場に通う活発な少女だ。
父の仙助は、名人と呼ばれる縫箔の職人。
その技に魅了され、吉澤一居という武士が弟子入り志願に訪れる。
剣の才に恵まれた吉澤がなぜ身分を捨てて、縫箔職人になろうとするのか。
しかし、この話の中心となる謎は、そちらではなく、連続少女殺人事件の方だ。
そして、仙助に許されて弟子となった一居が、おちえらと下手人を探し出す。
一居が信じられないほど切れ者で、謎をすいすい解いていくのに、驚く。
最初一居が犯人なのかと思ったくらい。
万能すぎる一居は、いささか便利な存在になっていはしないかという気さえする。
もうちょっと、縫箔のことが出てくるとうれしかったな。