斎藤幸平のレビュー一覧
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斎藤幸平さんの名前があったので読んでみた。
一番心に残ったのは平川克美さんの文章だろうか。会社勤めするようになって当たり前のように見聞きしてきた経済合理性。原価を絞り、無駄を排除して、より低価格の製品を提供する。お客様の要望に応え、お客様が期待する以上の価値を生み出すこと。製造業をはじめ、経済はそのようにして成長するものだと思っていた。
しかし、現在は総供給が総需要を上回っている状態。必要ないものを売るための広告やマーケティングなど、ブルシットジョブ(この本で言及してる人の多いこと!)が蔓延し、限られた利潤を確保するために「集中と選択」という言葉に現れるように、偏った資源配分をし、競争優位性のない部門は排除すべきとの考え。この競争優位性、経済合理性といった考え方は、巨大企業や金融市場が成長を続けるために流布されたもの。これが人々の価値基準や判断基準のモノサシとなり、格差やブルシットジョブを生み出すことになった。コロナ禍はその脆弱性を露呈させた。無駄を排除した結果、緊急時の備蓄がない、余剰人員を持たない保健所や医療現場、高齢者より若者を優先すべきだとの優生思想。さらに、経済かコロナ対策か、という議論自体が、経済合理性というただ一本のモノサシで語られているということ。
大学生活が単に勉強をすること、即ちオンライン授業さえ受けていれば事足りるのとは違うということもコロナ禍で見えてきた。
仕事とは何か、大学とは何をする場なのかを再考する機会を持とう、社会で当たり前とされる考え方、メディアの喧伝するものに次第に染まってしまう危うさを意識するようにしよう、そう思った。 -
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「脱成長」、英語ではdegrowthと言う。
私のような左翼を自任している人間でも、資本主義のなかで生まれ、その価値観に深く影響されていることがあるのだろう。まさしくマルクスが言ったように「存在が意識を規定」している。私自身も、経済成長をストップしたり、減速させようという意見を聞くと、抵抗を感じる。しかし、なんでも疑問を突き付け、「正しさ」の上にあぐらをかいている価値観に揺さぶりをかけるのは、ともかくも「良い」ことだ。
著者たちは次のように主張する。経済成長を重視する資本主義経済は惑星地球の限界に到達しつつある。化石燃料はいずれ枯渇する。原子力発電もウランなどの特殊な鉱物資源に依存しており有限である。発展途上にある国々の人々がこのまま先進国同様の生活水準を達成すれば資源の枯渇は必然的になる。地球温暖化によって地球環境も変わってきつつある。経済成長は、格差を縮小するのではなく拡大してきた。こうした問題を引き起こしているのは、GDPという指標の絶えざる増大(経済成長)を目指す画一的価値観そのものである。私たちは危機を回避するために、脱成長の価値観に転換せねばならない。
斎藤幸平さんが解説を書いているように、『人新世の『資本論』』と類似の主張であり、同書を読んでいる人にとっては、目新しさはないだろう。
薄い本であり、すぐ読み終わる。読んでいるあいだはなるほどと思いつつ読んだが、残るものが少なかったのも事実(これも自分が知らず知らずのうちに資本主義に毒されているからかもしれない)。
「脱成長」、これが今後大きな運動になるかは未知数だ。とりあえずこのキーワードは覚えておいて損はないだろう。 -
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撤退論 内田樹編 晶文社
歴史のパラダイム転換に向けて
題名に惹かれて手に取ってみたけれど
前書きを読んで学者の限界を感じた
まず仲間内で先生と呼び合うのをやめてからにしてほしい
少子化がいけないと決めつけてからの話では
答えが出ないだろう
問題は噂されている
権力を振りかざしている側の都合で
少子化を作り出して不安をばらまいていることの真偽を
確かめることが前提だろう
識者とされた多くの人が原稿を寄せた中で
唯一面白く読ませてもらったのは
『個人の選択肢を増やす「プランB」とは何か』
というタイトル始まるお話だ
広い目線で現代文明が陥っている
物質至上主義の問題の急所を捉えている
いやもう一つ
夫婦で語る「撤退女子奮闘記」と「撤退のマーチ」が面白い -
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VUCA感がめちゃ高まっている現在
今、そしてこれからの世界をどのように生きていけばよいのか。
それを自分のために、そして若い人達のために知りたい。
そのような気持ちで本書を読みました。
執筆者は、内田樹先生セレクトというバイアスはあるので、ものすごい多種多様な意見という感じではないですが、それでも幅広い年代と専門分野にわたっています。
そしてみなさん暗くなりがちな話題にも関わらず、暖かで柔らかい前向きな文章を書かれており、こちらも穏やかな気持ちでページをめくり続けることが出来ました。
全体を通してある程度共通だと感じたメッセージは
•現在や過去(大人、制度、システム)を信じすぎないでね
•データは大事だけど私たちは人間だよ
•自分の頭で考えてね
•支え合うって、大事だよ
•いや、そんなシンプルで簡単にまとめられることばっかじゃないからね
ということです。
これに関して私は全面的に共感します。
このメッセージの先によい未来があると信じて、若い人達にそれを伝えたいし、伝え方を考えていきたいです。
と同時に若い人達には、このメッセージと全く関係ないような、私たちが予想もしない全く新しい素敵な未来を創ってくれることも、ちょっと期待しています。 -
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<目次>
第1章 「脱成長」とは何か
第2章 成長で犠牲になるもの
第3章 草の根から変革を起こす
第4章 道を切り拓く5つの改革
第5章 人々を動かすための戦略
付録 脱成長に関する23の質問への回答
日本語版解説 資本主義に亀裂を入れるために(斎藤幸平)
<内容>
最近言われている「人新世」。それが地球の自然環境の破壊へとつながる、資本主義の権化であると。それを超えるためには「脱成長」が必要とする書。この本には具体例がたくさん載っている。そして、夢ばかりを語らない。先進資本主義国は、その甘い汁を離さないし(政治家と金持ちが結託しているから)、一般の我々も資本主義の先など考えもしない。しかし、地球を存続させるためには、資本主義はすでに限界を超えていて、「脱成長」必須なのだと。スペインバルセロナでは、行政がこれを実行している。草の根レベルでは全世界で始まっていると。 -
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サブタイトルは、「分断・格差・気候変動を乗り越える」。このためには、GDP至上主義、経済成長至上主義から脱却し、コモンズを取り戻すことが必要だと説き、コモニングの実践を紹介する。著者たちも簡単なことではないは承知しており、しかし個々人の実践からバルセルナのような社会運動、変革につなげていくしか、この人類の危機を乗り超えて行く方法はないという。
経済成長がウェルビーイングを増大させることはないということは、各種調査から明らかになっている。人類全体の、一人も取り残さずウェルビーイングを増大させて行くには、脱成長と、多分「分配」しかないということを主張する。
最初は「わたしのシェアとシンプルライフが、誰かのシンプルライフを叶え」て、「個人の努力から、共通の努力へ」そして「共進化」「共進化するコミュニティ経済へ」。その筋道を明らかにする。
書かれてないこと。この先コミュニティーの規模はどうなる? 国民国家はこのままなのか? グローバル化に可逆性はあるのか? 脱成長の社会は、地球の反対側の人々と物理的には出会わない社会なのか? -
Posted by ブクログ
大学は勉強するところではない。大学とは、知識を商品のように学生に売るところではありません。知とはデジタルデータではなく、身体と感情を持った人間一人一人が身につけ、実践し、対話し、試行錯誤する中でしか役立たない。
あらかじめ用意された正解をたくさん覚えることが優秀だというのは、いわば知識ベースの勉強です。しかし、非常事態に対処するには、そんな勉強だけでは限界があります。そこで力を発揮するのが、物事をいろいろな角度から観察し、今までに知った事実と組み合わせて、全体の構造を考えるという知性ベースの学びです。
まだ答えがない問題への対処については、先生と生徒の立場は対等です。 -
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いまいち。
精神病に関する記述については、実につまらん、と言うしか無い。まだ、読んでる途中だが。つまらなくて読み続ける気が失せる。
著者は精神病棟の実際を知らないんじゃないのかな。私は中にいたけど、患者として。その経験から言うとこの人は実際を知らない。