魚豊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
生まれつき足の速いトガシ
学校でのヒエラルキーもコミュニケーションも
足が速いことで乗り切ってきた。
トガシと同じ小学校に転校してきた小宮
転校初日からイジメの対象となる。
「100mだけ誰よりも速ければ 全て解決する」
ひょんなことから トガシは小宮に走り方を教えるようになり、小宮は驚くほどの成長をみせ、運動会の100m走で金メダルを取る。
イジメもなくなり 走ることに目覚めた小宮
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『俺たちは知った
速さは全てを変えられると』
『だが、俺たちは知らなかった
その速さは全てを変えてしまうと』
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トガシとの真剣勝負、疲労骨折で負けた小宮は
次の日 トガシの前から姿を消した-
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中学まで 出場する大会すべてで負け無しだったトガシ。やがて負けることへの恐怖が大きくなってきた彼は 高校進学と共に陸上を辞めることを決意するが-。
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「チ。―地球の運動について」の魚豊先生ですね!
1巻だけ持ってます!
「ひゃくえむ。」劇場版が先月から公開されてますね!
んで、次男君が貸してくれました(*ˊᵕˋ* )
姿を消した小宮くん
上巻では全く姿を見せなくて…
いつ出てくるの いつ出てくるの?!?!
ってな感じで下巻へ〜 ´▽`)ノ
【100mの全力疾走、時間にすれば十数秒。だがそこには、人生すべてを懸けるだけの”熱”があった】 -
Posted by ブクログ
好奇心は人間の進歩を促すものだけど、一方で人に簡単にルールや常識を飛び越えさせてしまう危険なものでもあると、物語を通してそのスリルをずっと感じさせられた。
また、世代を越えて何かを受け渡していく「継承」という人間の営みの美しさと崇高さもテーマの一つになっているように感じた。いくつもの時代が積み重なったその延長線上に自分の生があるという、時代を超えた繋がりの実感を持てることはとてつもなく感動的な体験で、それを紡いでいくこともまた喜びに満ちた作業だと思う。これは個人的にとても好きなテーマなので、(物語の最後は世界線がズレるので一貫したテーマとしては用いられていないと思うけど)断片的にでもこのテーマに触れられているのはグッとくるポイントだった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレまじでグロい。えげつないほどリアルな才能の問題を描いてる。情熱、それを冷笑する視点、だけど諦めきれない生々しい人間らしさ。才能のあり方が全然綺麗じゃないしなんか変に冷めてたり変に熱があったりするところがまた人間らしい。メンタリティと才能が合致しないと生きていくことがハードレベルになるんだなと思うと才能があることが呪いになる可能性ありと感じて複雑。でもやっぱ才能あるやつの贅沢な悩み事ではあるけどね。
映画見たけど全然違うね。そりゃ原作好きはキレるわ。まじでどこもかしこも尺のために改悪されてるもん。まあ自分はほぼ初見だったからおもろかったけど。
まだ出てきてないけど世界を舐めろってセリフは自分自身に今一番必要な言葉な気がする。人や物事決めつけてなめられる人間のほうが強いよね、結局。
主観的な世界を信じられる人間は客観的な人間より強い。
あと総じてこの作品に出てくる人間のほとんどが小物的精神観持ってるから才能あるのに自分と刺さるんかなぁと思った。小物ってそれだけ敏感に器が割れないようにリスクとかありもしない不安を深掘りする性質を持ってるし、だからこそ物語としてはこんなに面白いんだと思う。
ただ出てくる登場人物全員好きになれない感じなのが難点。そんなうじうじ考えんなよと思う。あとクソ教師とクソアメフト部のクソ具合でより作品が生々しい嫌さが滲み出てる。人間不信なるわこんなん。 -
Posted by ブクログ
時代は、1400年初めの頃。紀元前300年代にアリストテレスが終わらない「等速円運動の原理」に基づいて天動説を確立し、それを紀元2世紀にプトレマイオスが火星の逆行の矛盾を補完した。天文学は、暦を作る上で重要であった。紀元前45年にユリウス暦が確立した。1年間を365.25日として閏年を決めて、1年とした。実際は1年間は365.242日で、1000年越えると10日以上のズレが起こる。1582年にグレゴリオ暦に改定された。遠洋航海にとっても不可欠で、占星術にも必要だった。天動説では説明できないことがあった。ピャスト伯はそれを解明しようとした。
ヨレンタと知り合い、ピャスト伯のおかげで、教会の図書室の資料を自由に運び出せるようになった司祭バデーニ。調べる仕事をオクジーの部屋で進める。バデーニは、ピャスト伯のデータに基づき、そして、オクジーの持っていたネックレスから、真円ではなく、楕円運動していることを思いつき、それがプトレマイオスの天動説を覆すものとなった。地動説に確信を持った。
バデーニはオクジーの日記を見つける。そこには、地動説を解いていく過程が描かれていた。オクジーは、「文字は、まるで奇跡」といったヨレンタから文字を教えてもらって日記を書いていたのだ。バデーニは「大半の人が言葉を読み書きできないことはいいことなんだよ。文字というのは特殊な技能、言葉を残すのは重い行為だ。扱うには一定の資質と最低限の教養が要求されるべき。誰もが簡単に文字を使えたら、ゴミのような情報で溢れかえってしまう。そんな世の中、目も当てられん」という。今の情報洪水社会を皮肉り、警告している。オクジーは、特権階級の立場を持っている。オクジーを見下している。
新しい司祭たちが、司教からガイダンスを受ける。混乱と暴力によってバラバラになった人類を統一するのが、C教だった。唯一、希望の光を照らし、社会に文化と道徳を布教し、日々に愛と救済を与えた。C教により人々はつながる。この素晴らしき行いに、信仰を失い破壊する異教異端者がいる。彼らは、救いと希望を放棄し、人々を分断する。異端者を救わねばならん。異端者を救うことを、君らの情熱で、全人類を救ってくれという。
司祭の実習を担当するのがノヴァクだった。ノヴァクは、異端者を救うために効率的に出世できる方法を教える。司教は宇宙論関係を重視しているので、それを重点にせよという。そして、早速異端尋問の実習に入る。女の異端者の指を潰すことで、自供させる拷問だった。新しい司祭は、なぜそんなことをと驚く。そして、ノヴァクは顔色変えず指を潰す。
ノヴァクは、司教に言われて、異端者尋問にいく。バデーニとオクジーと娘のヨレンタが居酒屋でいるところだった。その席で、バデーニが地動説を完成させたといったばかりだった。ヨレンタは、今も、まさに、我々は動いているという。現在でわかっていることは、太陽の周りを1年365日で1周するには、地球は時速約10万7000kmで動いているのだ。地動説を知っているのが、三人だけ。そして、動いている実感が湧かないとオクジーはいう。
バデーニは、「私も、動いている実感が湧かない。惑星軌道の数学的記述は一旦完成したが、自然哲学的には謎が大量にある。これからだ」という。バデーニは発表できるところに移動するという。
オクジーは、目を輝かせて「将来的に大学に行きたい」という。ヨレンタは、自分の名前で論文を発表したい。まぁ、夢見たいですが」という。オクジーは、組合の先輩が夢を持つのはいいといった。「なんというか夢っていうのがあると、とりあえず1週間くらいは悲劇に耐えられる気がする」という。
そこに、ノヴァクが登場する。オクジーは、ノヴァクが異端審問官であることを知っていた。そして、ノヴァクはヨレンタの父親だった。ヨレンタは、父親が異端審問官であることは知らなかった。そこに、大きな悲劇が生まれる。 -
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バデーニは、「惑星の中心は太陽である。軌道は真円である。惑星は一定の速度で運行する。」ということに、不具合があることを感じる。そして、そのことの質問を掲示板に貼り出した。
それを半日もしない間に、解答した少女ヨレンタがいた。
女が学問をすることが許されなかった。ピャスト伯の講義にも参加できず、講義室の地下で聞いていたのだった。そして論文を書くが認めてくれない。自分の名前で出せないのだ。ヨレンタは絶望していた。
そして、ヨレンタは、バデーニとオクジーに会うのだった。
そのバデーニとオクジーの疑問を解決するには、一番資料を持っているピャスト伯に合わせるのだった。ピャスト伯は、プトレマイオスの天動説を完成させる立場があり、資料は古のものから全て集めていた。その図書室の鍵を、バデーニとオクジーに渡すのだった。
異端審問官のノヴァクの異端者に対する拷問は、本当に厳しい拷問だ。爪を剥がす。指を押しつぶす。口の中の歯を破壊し、唇を引き裂く。
地動説を唱える異端者に、そのようなことが史実としてあったのだろうか。もしあったとしたら、宗教って、残酷な行為を容認することに驚くばかり。宗教の名で戦争が起こるって、いったい宗教とはなんだろうと思う。バタイユのいう蕩尽としての一つとしての宗教が、戦争を生み出している。
不思議なテイストの、天文学と宗教の葛藤の中に、自分の人生を重ねていく。 -
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主人公が、12歳の大学に進学する神童ラファウだと思ったら、第1集で亡くなってしまった。主人公が亡くなるなんてと思っていたが、主人公は「地動説」なんですね。
第2集は、第1集の10年後。ラファウの残した資料の石箱をオクジーとグラスが見つける。オクジーは、そこから三つの穴が空いたネックレスを受け取ることに。
どうも、第2集から主役はオクジーという代闘士になったようだ。ちょっと性格は暗く、下層民で、文字も読めない。とにかく、謝れば済むと思っている。オクジーは、天国に救いを求めている。それに対してポジティブな性格のグラスが先輩。グラスに「絶対の信頼がおける『希望』を見つけた」とオクジーに告げる。そしてグラスが取り出したのは、「火星」の観測記録だった。グラスの信じられるものだった。グラスは、火星が円を描くと思ったら、反転したことにショックを受けるのである。
グラスが観察していた火星が円を描かず、反転(逆行)したのは、「地球が太陽の周りを公転する速度が火星よりも速いため」である。これは、天動説では説明できないことをグラスは見た。でも、それの意味することは、わからなかった。
グラスの意志を継ぐオクジーが、どんどんと変化していくのがすごい。
チ。の第1章の一番初めに出てくるページが、異端審問官のノヴァクによるオクジーの拷問だった。オクジーが、ヨレンタに出会い、「文字は、まるで奇跡ですよ」と言われることで、大きく変化する。文字を読む努力を始め、日記をつけ、そして感動したことを物語にしようとするのだ。
好奇心があり、頭がよく傲慢な司祭のバデーニ。この男は、オクジーを見下し、オクジーが文字を学ぼうとすることに対して意味がないという。火星の逆転を「神が設計し間違えたのだ」という。
オクジーは、空を見ることが怖いのだ。いつも、俯いている。 -
Posted by ブクログ
最初の方は、共感性羞恥心で読むのが苦しかったけど読み進めると面白くて止まらなくなり、一日で一気読みした作品。
論理的思考力を強みとしている主人公だが、論理的プロセスを踏んでいない思考をしていることが特徴的。
事象に対する結論にいたるまでのステップが、かなり恣意的に自分に都合が良く組み立てられている。自分も同じことよくやっているなぁと反省する反面で、そういった不都合な選択を思考しないということは幸福に直結するのではないかと思った。
世の中の不都合な現実から目を背けるために、自分にとって都合の良い陰謀論を崇拝する。それは宗教に救済を求めている人間と似通ったプロセスだと思う。
もちろん神の存在を否定しているわけではないし、陰謀がないということを伝えたいわけではない。神も存在するし、陰謀も存在すると思うが、それを裏付ける合理的な証明がない限り空想でしかままならない。(神の存在を否定することができないから肯定しかできない立場であるけどね)
中世でペストが蔓延した時代に人々はキリストに救いを求めた。それを利用する教会があったわけだけども。直近における、コロナ時代で正常な判断ができずに陰謀論信者が増えたのと似たような匂いを感じた。
ただ、冒頭でも述べたように、論理的ないし合理的に考えることが幸福に直結するとは断じて思わない。私のような皮肉な人間よりも、陰謀論を心から信じている人の方が幸福度は高いのかもしれないのだから。
今を正しく楽しくこと、それすなわち生きることであると思うので、幸福であれば価値ある人生。でも馬鹿でなくてよかったなとも思う。搾取されるだけだけど搾取されるという自覚を持っている不条理さね。