魚豊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最初の方は、共感性羞恥心で読むのが苦しかったけど読み進めると面白くて止まらなくなり、一日で一気読みした作品。
論理的思考力を強みとしている主人公だが、論理的プロセスを踏んでいない思考をしていることが特徴的。
事象に対する結論にいたるまでのステップが、かなり恣意的に自分に都合が良く組み立てられている。自分も同じことよくやっているなぁと反省する反面で、そういった不都合な選択を思考しないということは幸福に直結するのではないかと思った。
世の中の不都合な現実から目を背けるために、自分にとって都合の良い陰謀論を崇拝する。それは宗教に救済を求めている人間と似通ったプロセスだと思う。
もちろん神の存在 -
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多面的にみなければ
拷問や処刑の可能性を承知の上で、真理を解き明かそうとする、すごいことだと思います。
一方で、そういったことができるのも、教会などが社会を安定させているからかもしれません。
食糧不足や治安が悪ければ、研究どころではなく、生きるのに精一杯になるはず。
生きることにリソースを割かずに研究に生きることができるのは、害を及ぼす可能性のある教会のおかげかもしれないと考えると、物事を多面的にみなければならないと思い、めんどくせぇ…。 -
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科学的根拠あり
チ。を読んでから知ったのですが、どうやら天動説は科学的根拠があったようです。
当時の観測技術では、地動説よりも天動説のほうが合理的に説明が出来たからだそうですが、目視で観測していたら客観性やら再現性もないので、仕方ないような…。 -
Posted by ブクログ
陰謀論にハマる過程をある意味で追体験しつつそのメカニズムを知れる一冊。個別の事象の説明ではわずかに説得力を伴うものが混じりつつ、陰謀論への反証に対しては「それが彼らのやり方」、「否定こそ肯定と同義でありむしろ証拠のようなもの」と反応し、対話不能。その実、何も積み上げなくても帰属欲求、承認欲求、自己実現欲求を一貫して満たしてくれるツールとして機能しているだけであるが、そうであるが故に、それ以外の日常でこれらを満たせない者にとってその魅力は絶大。ということか。
先生のキャラが良すぎる。特に「わいフェス」での動きと、その後の主人公との絡み方も最高。
最後は、きれいで甘いけど、納得の終わり方だったし -
Posted by ブクログ
世間に流されながら人生の意味を見出せずに生きるフリーターの青年、渡辺を主人公とする物語。
魑魅魍魎の渦巻く現代社会を疑心暗鬼になりながらも
一人の人間として「幸せ」を目指す姿を克明に描く魚豊さんの描写スタイルは本作でも健在。
これまでの代表作3作品の中では、
もっとも日頃の私たちの生活に近い世界を描いている作品だと感じます。
4巻目では、陰謀論を肯定するとか否定するといった垣根を超えて、
渡辺自身が感じたこと、確信を得たこと、勇気を出して踏み出す一歩の大切さに気がついて、
ようやく自分の人生を少しずつ歩き始めます。
何が本当で、何が権力による巧妙な搾取構造なのか?
その判断を迫られている