魚豊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレチ。読んだ
読みました。短い話だった。
結局最後に登場した青年ラファウは誰だったのか?
火刑から逃れたのか、はたまたパラレルワールドなのか。ラファウが自死せずに生き延びれば、あの様な残虐性を帯びた人間になっていたことを示唆しているのか…難しい話やで。
異端審問官ノヴァクの、歴史に残らない普通の人間さに心打たれた。家族系はダメだって言ったじゃん…
仕事で人を殺し、そこに信念も特になく、地動説がなぜダメなのかもあまり理解せずに生きてきたが、誰よりも地動説に縛られた人だったな。
移民少女のドゥラカと、解放全線の隊長?シュミットの比較は素晴らしかった。
無神論を唱えるドゥラカと、自然崇拝者だ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ良かった
旬な陰謀論を当事者とインテリ側で戦わすシーンや「いかにも」な先生のキャラクターのせいで陰謀論漫画の印象だったが、最終巻まで改めて最初から通読した時、弱者男性の葛藤のストーリーで、陰謀論はむしろその素材に過ぎないのだとも感じられた。
憧れた女性との現実的なギャップに耐えられず、自分自身の容姿や能力を否定する過程が0.5巻までの表層弱者男性パートで、
ギャップを形成する社会そのものを否定しようとする過程が3.5巻までの陰謀論パートで、
陰謀論を失ってからの半年間は自分の容姿や能力を認めて(諦めて)、好きだと思う気持ちそのものを否定して(先生が定食屋で言わなかったことが本当はもうわかっ -
Posted by ブクログ
ネタバレ地動説で有名な「コペルニクス」や「ガリレオガリレイ」が生まれるもっと前に、
常識であり、法律的でもあった天動説。
それを疑うことは神への冒涜でもあり、裏切りでもあるとすら考えられていた。
それでも真実を突き詰めるうちに、神の言う常識が間違いであることに気づく人がいた。
その人数や信念は時代を経て大きくなっていく。
自分の命と引き換えてでも、真実を突き詰めた人たち。
だけど、その中に結論に辿り着いたものはいなかった。
このほかにも現代における沢山の常識について、
歴史に名を残す人物以外にもたくさんの人の命や信念や熱い思いが繋がって、
私たちの当たり前の知識として活かされているのかもしれな -
Posted by ブクログ
ネタバレ感動し、少し救われ、また新しい視点を与えてくれた言葉を長すぎてフレーズに残せなかったのでここに残す。
この世には様々なひとがいる。正直者も、嘘つきも、情けない奴も、勇敢な奴も。
さらに驚きなのが、一人の人間にそのすべての要素が入ってることもざらにあるし、それが日々変化したりする。
こんなに大勢いるのに誰一人、同じ人はいない。
そりゃ争いは絶えないでしょう。
でも、だけどです。
過去や未来、長い時間を隔てた後の"彼ら"から見れば、今いる僕らは所詮、皆押しなべて"15世紀の人"だ。
僕らは気付いたらこの時代にいた。別の時代でもよかったのにこの時代だっ -
Posted by ブクログ
新たな探究者のもとに、地動説が引き継がれました。
地球は神がつくった特別な存在で、その周りを天体が動いていると考えられていた時代に、異端・禁忌である地動説に触れて、「天界は崇高で荘厳で偉大で広大で、そして地球と調和している」と感動する聖職者の姿は印象的です。
一方で、ネットには「地動説は数理的な理論の一つとして協会も理解していた面がある」という記述も見られ(それが正しいかどうかはわかりませんが)、本書で描かれているように地動説=異端・悪魔の手先ということで片端から火あぶりにされる、ということではなかったのかも? という気もします。
C教(キリスト教)を、旧来の考え方に凝り固まった「悪」とし