地動説は美しい、命をかけても惜しくないほどに。
皆さんは地動説:太陽を中心として地球など惑星が回っているという学説を当たり前に知っているかと思いますが、それが当たり前ではない時代がありました。
それまでは天動説:地球を中心に太陽などが回っている説が当たり前という認識でした。
天動説は宗教的にも正しいとされ、それ以外の考えは異端思想であり、最悪火炙りの刑に処されてしまうこともありました。
この作品はそんな時代に生まれながらも、地動説の美しさを信じ、時代に抗った人々の物語です。
この作品の一番の魅力は地動説を信じ、己の意志を貫こうとする登場人物たちであり、読んでいて胸にこみ上げてくるものがあります!
歴史や科学好きだけではなく、現在に生きるあなたにきっと刺さる作品です。どうぞお手にとって読んでみて下さい。
感情タグBEST3
「―地球の運動について―」という副題から「チ。」とは地動説の「地」のことだと思いこんでいた。しかしここまで読み進めていって、真実を知りたいという「知」であり、真実を表す「智」であり、代償としての「血」であるということに気づき、慄然とさせられた。
まさかの主人公が交代するパターンの漫画はあまりないのでとても新鮮でした。しかし物語は受け継がれ続いていくのでとても面白い。
匿名 2023年09月21日
火星の逆行とその理由がすごく納得、面白かったです。
ただ悲しことに私の頭ではその理屈が半分しか理解できなかった。
せっかくなので、もう一度じっくりと絵を見ながらなぜ見え方が巡行に
戻るのかを学ぼうと思います。
考え尽くした知が、流した血が、去りゆくものが踏み締めた地が、受け継がれていく。託されていく。「託す」とは、去りゆくものに残された権利である。
地動説というのは神の真理を追い求める人々見出したものなんだなと改めて感心した。神の作り出した世界の完璧さを見出す事で神の偉大さを知る。神を理解するためのあくなき欲求の情熱のなんとすごいことか。
世界はなんで汚いのか?と問うた子供。それは地球が底辺にあるからだと言われてから、空が見えなくなったこの巻の主人公、オクジー。そのオクジーが、死ぬ時にみんな苦しんで死んでいるのに、なぜあの二人は満足気な顔で死んだのか。その理由に地動説があるというストーリー、熱すぎる。
1巻のドキドキを抱えたままこちらを拝読。命のバトンが繋がれていくと同時に好奇心の呪縛にかけられる。どうも表現できないこの感覚。読んで欲しい。沢山の人に。
前作の衝撃的な結末からの続編。どのように展開していくのか楽しみにしていました。第二章の主人公も不安を抱えながら過ごしていて共感を覚えます。また、天文学を追求しながら審問官から逃れるようなスリルもあってハラハラします。
1巻の終わりから、どのようにお話が展開していくのかすごく気になっていたので、読めてよかったです!地動説を証明していく人たちの困難さが伝わってきました!!
一巻の完成度が高かったので、二巻はどうなんだろうと思いながら読みました。
やはりというか二巻とクオリティが高く、今後も購入していく予定です!
Posted by ブクログ 2021年10月04日
1巻のラファウからバトンを託された形となる、第2巻。
相変わらず暗い時代を感じさせるのは、この巻の主人公であるグラスとオクジーが代闘士という職業をしているから。
この「穢れた地球、私たち」から「美しいもの、宇宙」そして「実は地球と私たち自身の生も美しい」という転換を示す漫画なのだと思う。
特に...続きを読むこの巻では、P.82の第2章の始まりとなる「地」と「チ」がかけられて登場する見開きの展開力が秀逸。
常識を超えた発想から生まれた新しい理論に気がつくことで、ひとりの男の人生を変えるようなゲームチェンジが起こる。そうゆう世界観にワクワクさせられました。そして人は何を信じるかによって、世界の観え方と人生の流れが変わるんだなと感じることができました。
Posted by ブクログ 2021年09月18日
マジで面白い世界観に話の流れだ
1巻からメンバーが刷新されて物語が進む。ただし、1巻の世界観はもちろん継承されているので、内容にのめり込める巻になっている。
今巻は、火星の動き、天国の存在、人々の信仰と希望が描かれていた。制約多きかつ情報少なき世界線で、宗教に似た信仰、人々の階級が設定された中で...続きを読むの人の欲や希望が面白く描いていたと感じる。
希望に満ちすぎたサイコパスが多く登場して面白い。
タイトルはそういうことだったのか。思ってたのと違ったがなかなか良い。
カバーを外した材質とデザインが良すぎる。
終盤は、映画『TENET』を読んでる感覚になった。
今1番気になる作品だな。毎週1巻ずつ読み進めていこうと思う。すげぇ楽しみだ
Posted by ブクログ 2021年08月27日
登場人物がじっくり描かれ始める。まずはこの物語の今現在の価値観、世界観を描き、登場人物がどのような価値観の持ち主か、しっかりと固めてくる。そして、その中で地動説を信じる人たちがどのような意識で学問をしてきたかが、伝わってくる。これは今の学問にも通じることではないだろうか。
Posted by ブクログ 2021年08月17日
漫画大賞と、色んな雑誌漫画特集から。世代を超えて受け継がれ、地動説が日の目を見るまでの物語か。登場人物や場面が結構目まぐるしく移り変わって多少面食らうんだけど、それが心地よい緊張感に上手くつながっていて、頁を繰る手が止まらないという結構。面白し。
Posted by ブクログ 2021年07月30日
2人目の主人公、オクジーの登場。物語は次巻へ続く。
今回もタイトルコールが決まっていて、台詞回しはいちいち熱い。
目に見えるもの、多数派が信じているものを疑い、真実と美とを追い求める、という姿、すなわち「知性」というものの格好良さを描くというのは、古臭く見えながらも、むしろ現代にこそ必要な姿勢である...続きを読むのかもと思う。
Posted by ブクログ 2021年07月29日
「チ。地球の運動について 第2集 魚豊 小学館 2021年」決闘請負人なんて面白い設定。中世に本当にありそうな内容。昔も今も人間は残酷。1巻毎に主人公が変わっていくかと思ったが、2-3巻は続きそうな感じ。
今では当たり前に知られていることを、昔命をかけて解明した人達がいたと知ることができる作品。
セリフや漫画の見せ方から作者の気迫が伝わり、一気に読んでしまった。
現代を生きる自分は、世間の常識を疑うことなく流されていて、自分で考える力が足りないんではないかと考えさせられた。
1巻の子が死んでどうなるのかなと思っていたけど他の人に想いがつむがれているって感じの続き方で面白かったです!地動説に出会った人達の目の色が変わる瞬間が半端なく好き!!
Posted by ブクログ 2021年05月13日
ただの地学に終わらない。
穢れた地球から美しい宇宙を見上げるなんて愚だ、との信仰に寄りかかり真理に目を向けない者達が空を邪魔する目に。視覚的な表現力に圧倒された。
1巻から10年ほど時間が経過しているのだろうか。
相変わらず異端思想扱いではあるが、地動説証明のための資料は脈々と引き継がれていた。
文字もまとも読めない下層階級の男にその叡智が託されることで、また一歩世界が動き出す。
学がなくとも、宇宙は人を惹きつけてやまない。
今度は天文に興味がない男が物語の中心に。殺し屋2人が宝箱を見つけ「地。」を読んだ瞬間は、1巻1話と同様にタイトルとシンクロする瞬間でゾクゾクと興奮しました。3巻が楽しみ
前作から10年後、少年の「希望」「意思」はネガティブな男に受け継がれた!
死んで天国に行くことが唯一の望みのネガティブ男が託された希望と意思のため動き出す
こんなに地動説を面白く描いた漫画は初めてです。
人間の知的好奇心や人生観、希望、絶望も描かれてて哲学でもある。
凄く面白いです。
Posted by ブクログ 2021年02月20日
全く面白さが落ちない2巻。タイトルの「チ。」とは「地」と「知」をかけているのだろうか。真実を知ることにはあまりにも重い代償を払わなければならない。C教に反して宇宙の真実を追い求めることは異端だけれど、登場人物たちはみなその思想を絶やすまいとする。火炙りになる、目を焼かれる、拷問を受ける…そんな身体的...続きを読む苦痛をものともせず探求し続けた人たちのおかげで、今の常識があるのだろうなぁ。夜空をゆっくり眺めたくなりました。
Posted by ブクログ 2021年01月31日
「ノーベル賞の受賞に何十年という年月がかかるわけですが、凡人が選ぶのだからしょうがない」、正確ではないけれど、このようなことを養老孟司さんが言われていたのを覚えています。
常識的に考えて、現状に即して、真面目に、価値のあることを…真理を追い求める情熱と努力をもった人を前にして、私は何を思うだろう。...続きを読む
宇宙の真理に手を伸ばす壮大なテーマなのに、短距離走を描いた前作の『ひゃくえむ。』のようなスピード感があって、どのような距離感で着地するのかハラハラしながら楽しんでます。
1巻に続き、非常に面白かったです。情熱や信念が人を突き動かし、世代を超えて受け継がれていく様にグッときました。今後ももっと面白くなっていきそうなので楽しみです。
Posted by ブクログ 2021年01月18日
久々に「見つけた」「出会えてよかった」漫画になる。
まだ2巻だが、これからの展開が楽しみでならない。天才達がバトンを繋ぐように知識が継承され、地動説の美しさ、正しさが話を追うごとに明らかになっていく。
オラ次の巻が出るのワクワクすっぞ!
Posted by ブクログ 2022年10月12日
前半は下層階級である2人の代闘士オグジーとグラスの会話。片方が火星が不規則な動きをしていることに気が付く。
二人はある日、ノヴァクの依頼で、異端者輸送の仕事を請け負う。輸送中、異端者は観測記録の入った石の箱のことを二人に伝える。二人は石箱に向かうが、ノヴァクに気づかれ戦闘になる。
辛くも追跡を振...続きを読むりほどき石箱に到着。しかし片方は崖から落ちて死ぬ。
第10話は副助祭バデーニの話。彼は地動説を研究したために、異端者として片目を焼かれていたのだ。そこに火星の観察記録を持ったオグジーが訪ねてくる。二人は地動説のほうが合理的だと考える。
私はこのオクジー編が一番ぐっときましたねー。
無気力ですべてをあきらめていた死んだ目の青年が知識を得たことによって生まれ変わっていく姿に感動します。
あまりまだ関連性が掴めていません。
拷問する人が同じなのはわかりましたが、他の人は違う街の人??でも時も少し進んでいるから、地球の解釈も違うのでしょうか?難しい。
理系向きかも。
宇宙学がスンナリ入ってくる人向き。
宗教が地球の自転を否定していた時代があったのを知ってはいたが、なかなか残酷。
「それでも地球は回っている。」との言葉は、こんな背景があったのかもしれない。
絵がもっとキレイだったらいいなー。
Posted by ブクログ 2021年01月25日
15世紀のヨーロッパを舞台にした地動説漫画。コペルニクスに至るまで日の目を見ることなく真理を求めて続けた人たちの物語となるんだろうか?しかし、C教とかキリスト教を伏せ字にする意味が判らない。今後、史実を無視したトンデモ展開に進むための布石だったりすると楽しいんだが。
Posted by ブクログ 2022年07月26日
1巻目を乗り越えて良かった。
加速度的におもしろくなってきたわ。
物語は10年後から再開。
その間にまた「地動説の箱」には
新たな人間の手による知識が加えられ
次は教養の少ない傭兵の手によって
田舎に左遷された異端の修道士のもとへ
存在が伝えられていく。
神が作ったものが中心と考える教会に対して...続きを読む
神が作ったものだから不完全なはずはない
という、この修道士の考え方は
それはそれで信仰心のなせるものだと思う。
Posted by ブクログ 2021年11月03日
天動説が有力な世界で、
意義を唱えたら異端だと拷問されて殺されてしまう世界で、
それでもなお志を持ち、命をかけてでも、気高く真理を追求していこうとする話。