あらすじ
真理に命を懸けた者達の物語、堂々完結。
「地動説」出版を目前に、審問官達に追い詰められつつも仲間の犠牲により包囲網を抜け出せたドゥラカとシュミット。しかしノヴァクが迫りくる!!
一縷の望みを懸け、ドゥラカ達が向かう先とは。
「真理」に命を懸けた者達の、そして「地動説」の結末は!?
動かせ。歴史を、心を、運命を、――星を。
地動説は美しい、命をかけても惜しくないほどに。
皆さんは地動説:太陽を中心として地球など惑星が回っているという学説を当たり前に知っているかと思いますが、それが当たり前ではない時代がありました。
それまでは天動説:地球を中心に太陽などが回っている説が当たり前という認識でした。
天動説は宗教的にも正しいとされ、それ以外の考えは異端思想であり、最悪火炙りの刑に処されてしまうこともありました。
この作品はそんな時代に生まれながらも、地動説の美しさを信じ、時代に抗った人々の物語です。
この作品の一番の魅力は地動説を信じ、己の意志を貫こうとする登場人物たちであり、読んでいて胸にこみ上げてくるものがあります!
歴史や科学好きだけではなく、現在に生きるあなたにきっと刺さる作品です。どうぞお手にとって読んでみて下さい。
感情タグBEST3
匿名
一気読み
拷問などエグい表現もありますが、それでも一気に読んでしまいました。命をかけられる感動があるだろうか、自分の意思で生き方を選択できるだろうか、心に迫るものがあります。
Posted by ブクログ
漫画だし、何も考えずするする読もうと思っていたけど、刺さる部分があったので。
「歴史」「正義」「真理」「感動」「解釈」というとても抽象的なテーマを、地動説の誕生物語の中で語られている。その描き方の面白さに、まさしく「感動」した。
人はなぜ真理を求めるのか。真理を求める時に何を犠牲するのか。何を守れて、どこまでが限界なのか。その真理を追求するにあたっての前提は、どれくらいが無意識に作られたものなのか。それは他者とどれほどの差を生んでいるのか。その差をどれくらい自分が感動できるか…
問いただされている気分。
真理を追うことの、業の深さが描かれているのが、この作品の一番の魅力だと思う。死んだ人たちがとても綺麗だったからそう思えたのかもなあ。絶望と表裏一体である感じがとてもよく伝わってくるように思う。
ヨレンタが言った、「信念は大事。ただ迷うことも大事。その中に倫理があるから。」というのは、名言。難しくて半分は実感できないけれど、大事にできたらと思う。
本当にすごく雑にまとめると、なんというか、自信のない日々だからこそ、自分の考え方に勇気をくれた気がして、読んでよかったと思えた。
生きている間にこの感動作に出会えてよかったです。この作品の良さを言葉で伝えるのは難しいです。
是非、原作やアニメを観て感じてください。
いろいろ考えさせられる、とてもおもしろい作品でした。
ありがとうございました!
Posted by ブクログ
地動説、とは単なるテーマのひとつでしかなく、それに魅せられた人間たちの感動を繋ぐ歴史の物語だと感じた。今ある全ての事象は、人間たちが知を振り絞り血を滲ませて紡いできたものなのだと、この漫画を読むとそう思わざるを得ない。もうこれ以上先に道はないと思うことがあっても、感動が潰えることはなく、私たち人間を何度でも奮い立たせてくれる。その感動はきっと今日まで地続きになっている。私もその感動の上に立って生きているのだと実感する漫画だった。
Posted by ブクログ
ま、しょうがないですよ。それぞれの状況の中でやれることをやった。お互いにね。
お互いじゃない。君と私は大きく違うんだ。同じ立場じゃない。地動説が異端じゃないと言われて、気付いたよ。
私は、私はこの物語の悪役だったんだ。
クソ、全く驚きだ。
確かに、僕らは敵対した関係でしたね。
この世の中には様々な人がいる。正直者も、嘘吐きも、情けない奴も、勇敢な奴も。さらに驚きなのが、一人の人間にそのすべての要素が入ってることもざらにあるし、それが日々変化したりする。こんなに大勢いるのに誰一人、同じ人はいない。そりゃ争いは絶えないでしょう。
でも、だけどです。
過去や未来、長い時間を隔てた後の彼らから見れば、今いる僕らは所詮、皆 押しなべて"15世紀の人"だ。
僕らは気付いたらこの時代にいた。別の時代でもよかったのにこの時代だった。それはただの偶然で無意味で適当なことで、
つまり奇跡的で運命的なことだ。
だから、絶対そんな訳ないと思いつつも、感情と理屈に拒絶されようともこう信じたい。
今、たまたまここに生きた全員は、たとえ殺し合う程憎んでも、同じ時代を作った仲間な気がする。
面倒くさがって感情を無視してはいけないよ。
最後の日の出が差し込んでくるシーンで号泣した。
私のアレテーは?じゃあお前のは?
アリストなんちゃらはこうも考えた。人は自分の特性を活かしている時が一番幸福だ、と。
告解室っていいな、。
タウマゼインは、
この世の美しさに痺れる肉体のこと。そして、それに近付きたいと願う精神のこと。つまり、「?」と、感じること。
知が人や社会の役に立たなければいけないなんて発想はクソだ。知りたいからやる。それだけだよ。
そしてねアルベルト君。これだけは覚えていてくれ。
真理の探求において、最も重要なことだ。
信じろ。自分の直感を。世界の絶美を。僕は何があろうと、君の好奇心を否定しない。
僕が家庭教師をさせてもらってるが、彼の聡明ぶりには驚くよ。まるで、この少年の内には手練の論理学者が入っているようだ。
だけど、それより注視すべきはその好奇心の強さだ。学術の未来において、これが何より重要な才能だ。
聖アクィナスは知性を、一方では物体的で他方では非物体的と捉えました。身体と魂、理性と信仰、哲学と神学、疑うことと、信じること。これらの矛盾は両立します。何故か、
それが、人間だからです。
奇跡が貴方が生きる場所だったのに、です。
でも、いくら悩んで問うても神は口を開かない。
そうですよ。だから永遠に、私達は考え続けられるのです。私はそれを、幸福だと思いたい。
最後に一つ質問です。
硬貨を捧げれば、パンを得られる。税を捧げれば、権利を得られる。労働を捧げれば、報酬を得られる。なら一体何を捧げれば、この世のすべてを知れる。と、思いますか?その答えを探してください。
今の私は、"圖囚圉国(ずしゅうぎょこく)"と答えよう。
Posted by ブクログ
なんで8巻だけ、こんな真っ黒の表示なのかと思っていたら、黒ではなく夜空だった。今までの表紙の人物達はみんな星を見上げていた。
登場人物もセリフも多く、読み解くのが難しい漫画。登場人物の視点しか無い。ただし、事実は過去の巻に示されている。解説とセットで読みたい。
二項対立の間のどこに立つかが教養であるなら、やはりアルブレヒトなり懺悔室の神父なりが教養人だと思う。
Posted by ブクログ
いろんな要素が混ざっていて、いろんなことを考えさせられた。
何が正しくて何が間違っているかなんて、生まれた時代や場所で、誰が権力を持っているのかで変わってしまう。権力の世代が変わるだけで変わる。時代や環境が変れば変わる。妄信していて裏切られることもある。ノヴァクのように。その時代に生まれたのは運命。同じ時代にもいろいろな考え方の人はいる。
その中で権力に屈さず、知的探究心で真理を追求しする人たちがいる。自分がダメでも次に伝えようとする人たちがいる。その姿や内容に感動して手伝う人たちがいる。ラファウ、フベルト、グラス、オクジー、バデーニ、ヨレンタ、ピャスト伯。それに巻き込まれるノヴァク、異端審問官、ドゥラカ。
地(動説)と、知(的探究心)と、血の物語。
この物語では、最後は実在したアルベルト・ブルゼフスキにつながる。コペルニクスの先生だった人らしい。アルベルトのお父さんは天体に関する重要な資料を持っていた。子供の頃の家庭教師がラファウ。パンを届けに行って懺悔室で長く話した司教は、たぶん異端審問官でノヴァクの部下だった二人の新人の片割れ。そしてドゥラカが送った手紙を受け取って、その話をしている住人の前を通る。本の題名が「地球の運動について」だと聞こえてきたときにアルベルトは「書き違いかな?運動するのは天球だし」と呟きながら頭に「?」が浮かぶ。タウマゼイン。
アルベルトは子供の頃ラファウ先生から言われた。「夜空を見ていると感じるだろ?タウマゼインを。それは、古代の哲学者曰く、知的探求の原始にある驚異。簡単に言い換えると、この世の美しさにしびれる肉体のこと。そして、それに近づきたいと願う精神のこと。つまり『?』と感じること」と。アルベルトが地動説へ辿り着く伏線。
フィクションからノンフィクションへつながれた。そして活版印刷の発明が、ルネッサンスと宗教改革につながっていくのだろう。
多様性が尊重されないと世界は発展しなくなる。争いが絶えなくなる。拒絶より寛容が大切。と言われているように解釈した。
7巻で、ヨレンタがドゥラカに語る歴史観が好き。
Posted by ブクログ
いろんな人の気持ちが紡がれていく様子がヒヤヒヤしながらも楽しく読めた。
当たり前と思ってた地動説の裏側にこんなストーリーがあったのかも。と思うと面白い。
Posted by ブクログ
ずっと気になってた「チ。」を全巻読みきれた。
地動説や天動説なんてなんの理解もなかったし天文学すら興味があるというレベルのものでしかなかったのにすごく楽しめた。
なにより人間が生まれる意味や存在している意味、成すべきことや自分という存在の在り方を考えさせられた。
私はずっと死ぬだけの人間がこの世界に生まれることが謎だった。だけどこの漫画を読んでいくと、生まれてくることには歴史を紡ぐという大きな意味と、知性によって人間を「善」に導く大義がそこにはあると思うようになった。
何を信念として信じて生きるか。何を疑って自分をという人間を生きていくか。それは人それぞれだからこそその「想い」を受け継いで伝えてそうやって記憶を次の命に引き継がないとなと思った。
あー読み終わりたくなったけど読めてよかった。
感動した。この感動を誰かと共有したい。
Posted by ブクログ
地動説を巡る本当に存在したかもしれない人々の物語。好奇心と心理の追求。託され繋がっていく奇跡。壮大さに打ちひしがれながら読みました。幅広い世代に読まれてほしいなぁ。アニメ化も決定されてるそうで楽しみです。
作品とタイアップした amazarashiの「1.0」「カシオピア係留所」は作品を読んだうえで聴くとさらに深みが増す。「痛みの堆積が歴史だ」という歌詞が心に響く。
完結
最後はスッキリ終わることはできなかったが、切なく深い終わりになったなと思います。地動説について考えさせる漫画でした。
Posted by ブクログ
時代的に、宗教革命の以前の世界観の作品である。
当時の固定観念やC教下で暮らす人々の空気感が分かりやすく描かれていて、読み手が想像しやすく、かつダイレクトに伝わる。
いかに常識という目に見えないものが世界を支配しているか、人の命でさえ簡単に握りつぶせるものか、よく分かる。
その世界の中で、命が燃え尽きても、燃え尽きない同じ信念を持った人たちが、まるでバトンリレーように、次世代にその想いを受け継いでいく歴史を描いている。
非常に面白い作品であった。
文章量と登場人物の一言一言の言葉の重みがハンパないが、その一癖がたまらなく好奇心が刺激される。
8巻の前半と後半で物語が別れるが、とても絶妙にフィクションと史実が混じっていて面白い。コペルニクスの地動説には「もしかしたら」このような人達の努力があって、地動説を思いついたものかもしれない。
そう思うと、コペルニクスというただ一人の天才がいた。と考えるより、我々が感動でき、今私たちがどう生きるか思考をする機会が与えられた気持ちになる。
Posted by ブクログ
新大学生。受験を終えてやっと勉強から解放されたと思っていた。しかし。
・怖くない人生などその本質を欠く。
・不正解は無意味を意味しない。
・文字はまるで奇跡。
・夢があると1週間くらいは悲劇に耐えられる気がする。
・全てのモノには"アレテー"がある。
→意:自分の得意なこと,自分にしかできないこと
教員になりたいと考えている自分にとって、学ぶ事の尊さや大切さを改めて感じることが出来た。
一生物のバイブルになるだろう。
Posted by ブクログ
他の方々がたくさんレビューされているので、いまさら書くことはないかなーと思いましたが、あえて一つだけ。
「こんなにも太字書体でかかれた名言の多いコミックスはたぶんないです。」
1巻につき10個前後あるので8巻で80個。
どれかはきっと刺さります。
以上です。
Posted by ブクログ
知性の探求
「神が世界を創り、人はそれを知りたいと願った。
これ以上に尊い欲望を僕は知らない。
「私は学者だ。
誰に言われても研究を棄てるつもりはない。
Posted by ブクログ
【あらすじ】
真理に命を懸けた者達の物語、堂々完結。 「地動説」出版を目前に、審問官達に追い詰められつつも仲間の犠牲により包囲網を抜け出せたドゥラカとシュミット。しかしノヴァクが迫りくる!!一縷の望みを懸け、ドゥラカ達が向かう先とは。「真理」に命を懸けた者達の、そして「地動説」の結末は!?動かせ。歴史を、心を、運命を、――星を。
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
漫画ではなく、文章で集中して読みたい内容の作品でした。よくこのテーマで漫画を描こうと思ったなぁ。
物語の中心に据えられたのは「地動説」ですが、それ自体は一つの事例に過ぎず、人類の歴史の中には探究心が生み出した数々の物語が無数に生まれては消えてを繰り返してきた(そして今この瞬間も繰り返されている)のだと思います。例えその先に破滅があろうとも、誰も「知ること」への欲求は止められない。現代の社会だって、過去の時代が積み上げてきた知によって成り立っているのだから。だからどのような結果になろうとも、自分の欲求に素直に従って、知りたいことを知ろう。追究しよう。全うしよう。そして次世代へ繋ごう。
少し話が逸れますが、私は、現代の科学がいつか過去のものになる日が来るのではないかと考えています。遠い未来の教科書には「19〜21世紀の世界では『科学』という考え方が信じられていた」と記載されているのではないか、と。
真理とは何なのか。人類はいつか辿り着くことができるんですかね。
チ
ノヴァクの最後のセリフが印象的でメタ的に見えて会話として成立しているところに感動します。
託すことで、ある意味ぶつ切り的に繋がっていく物語の中で縦軸として存在し、途中からは家族を含めて巻き込まれていく様はまさに裏の主役でした。
故に彼の退場後の話はエピローグでしか無かったですが作者の『知』に対する論理的解釈を見させてもらいました。
また次回作期待しています。
人間の業
ずっとこの物語は暗黒時代と呼ばれた中世ヨーロッパのC教の知恵への弾圧の話だと思っていた。
でもそれは一部の人間の思い込みとそれの手足のように使われた道具の話であった。
きっとこれは善悪の話じゃない。
最後まで読むと人間の業の話だと思わざるを得ない。
今も繰り返される「正義」と「正義」のあらそい。
それには善も悪も無い。
きっとそうやって同じ愚を繰り返し繰り返し行いながら少しずつ進んでいくのだ。
願わくば己の信ずる「正義」を疑う勇気のあらんことを。
現代にも通ずる
現代でも地動説と同様なことは存在しており、歴史は繰り返すことを、本作は想起させる。社会風刺として、秀逸な作品と評す。作者に感謝したい。
匿名
作中はどんどん時間が進んでっちゃって、単行本のタイミングで追ってるのと私の記憶力がないのとも相まってキャラクターが全然覚えられなかったので一気読みがいいかも…?
でも、ここが繋がるんだ〜とか読み返すの楽しかったし、とてもいい作品でした!
Posted by ブクログ
地動説で有名な「コペルニクス」や「ガリレオガリレイ」が生まれるもっと前に、
常識であり、法律的でもあった天動説。
それを疑うことは神への冒涜でもあり、裏切りでもあるとすら考えられていた。
それでも真実を突き詰めるうちに、神の言う常識が間違いであることに気づく人がいた。
その人数や信念は時代を経て大きくなっていく。
自分の命と引き換えてでも、真実を突き詰めた人たち。
だけど、その中に結論に辿り着いたものはいなかった。
このほかにも現代における沢山の常識について、
歴史に名を残す人物以外にもたくさんの人の命や信念や熱い思いが繋がって、
私たちの当たり前の知識として活かされているのかもしれない。
Posted by ブクログ
感動し、少し救われ、また新しい視点を与えてくれた言葉を長すぎてフレーズに残せなかったのでここに残す。
この世には様々なひとがいる。正直者も、嘘つきも、情けない奴も、勇敢な奴も。
さらに驚きなのが、一人の人間にそのすべての要素が入ってることもざらにあるし、それが日々変化したりする。
こんなに大勢いるのに誰一人、同じ人はいない。
そりゃ争いは絶えないでしょう。
でも、だけどです。
過去や未来、長い時間を隔てた後の"彼ら"から見れば、今いる僕らは所詮、皆押しなべて"15世紀の人"だ。
僕らは気付いたらこの時代にいた。別の時代でもよかったのにこの時代だった。
それはただの偶然で無意味で適当なことで、
つまり奇跡的で運命的なことだ。
僕は同じ思想に生まれるよりも、同じ時代に生まれることのほうがよっぽど"近い"と思う。
だから、絶対そんな訳ないと思いつつも、感情と理屈に拒絶されようとも、こう信じたい。
今、たまたまここに生きた全員は、たとえ殺し合う程憎んでも、同じ時代を作った仲間な気がする。
Posted by ブクログ
娘だと受け入れた時のカルタシス
物語としてはそこがピーク
あとは人間の本質について考えたり...
人によって考えたり感じることは違いそう
示唆を与えてくれる感じ
Posted by ブクログ
知と血、真理と信念と信仰を巡る、あり得たかもしれない物語。
真理は人を動かす。何代にも渡り。渡そうとせずとも受け継がれるバトン。歴史に敬意を払う。
・言葉は奇跡
・迷いの中で倫理が生まれる
Posted by ブクログ
知ったり学んだりすること、自由、信念、信仰、人間の考え方や「常識」の変遷の歴史とかについて考えさせられる。
純粋な好奇心が持つ力って凄いなと思った。
また、作者が自分よりもだいぶ若い方だと知って驚いた。どんな人生を送ってこの物語を描くに至ったのか興味深い。
Posted by ブクログ
2023/6/3
ラファエウがなんか2回出てきたか?
ノヴァクが自分は敵役やったと悟ってしまうのなんか美しいな。結局、理論よりは想いが伝わって物語が継承されていってという。
15:13
Posted by ブクログ
歴史に名を残すのは最後のランナーで、それまでにどんなランナーがいて、彼らがどうやってバトンを繋いだか(或いは繋げなかったか)はわからない。その空白を、筆者の想像と史実を組み合わせて見事に描いている。バトンを受け取った人はそれだけの感性と信念を持っていて、彼らのセリフにも考えさせられることが多かった。
作品中の「他者の意見にさらされることで、真実に近づく」という話はその通りだと感じた。そのために、地動説の美しさと根拠を文字に残し、時代を超えて他者に託す必要があったのだろう。またこれは、”集権化し過ぎた社会は、(他者との対話・議論がなくなり)選択の軌道修正ができなくなる”という話にも通じる気がした。
Posted by ブクログ
真理とは
人間は神と獣の中間である。信じ、疑う。両方が許される中間の存在。神は、人がそこに存在させているのかもしれない。
思考を止めるな。人間の「アレテー」は考えられることだ。
今生きている、この奇跡に、世界の美しさに。乾杯
Posted by ブクログ
信念も疑う心も結局は人それぞれ。十人十色。
神はどこかに存在するものではなくて
自分自身の中に存在するものなのかも。
人はそれを神と呼び、それを信じ生きて行く。
Posted by ブクログ
知と血と地が重なるタイトルが秀逸。知の探求、その継承を、主人公達が命をかけ、苦難に立ち向かいながらも、希望をもって次に繋いでいくストーリー。これまで、地動説解明の物語をフィクションで描いてきたが、最終章では、これまでの物語が史実に繋がっている可能性も示唆しており、夢のあるストーリーに昇華されていると思いました。
ムズカシ〜!
セリフが哲学的で、文字が多くて、難しい。
しかもドゥカラが死んで、伝えてきた鎖が切れちゃった。
もう伝える人がいなくなっちゃった。
え、終わり?
最終回?
ノヴァクが悪役だったことに気が付いて良かった。
最後まで絵がキレイにならなかった。
読んでよかった
思わぬ人の死に泣いてしまった。
途中で???となるところもあったけど、この物語を最後まで読めてよかったと思った。
超大作を見終わった気分
最後まで漫画という媒体での表現や主張の力を見せつけた作品だった。数十年にわたる弾圧の連鎖も断ち切られて、知の前に善悪の区別なくみんなが時代の中の1ピースとして収まっていく様に圧倒される。心なしか絵が粗くなった気がするが、最後に地動説が歴史の表舞台に出るところまでを描き切ってきれいにおわったように思う。
Posted by ブクログ
一巻からまとめて。
思っていたよりずっと複雑なストーリーで、不思議な内容だった。
知とは、人とは。知るとは、学ぶとは、本とは。色々に考えさせられる。
でも、好みではなかった。
セリフの文字をフォントで強調するのは、漫画効果として有効だと思うけど、ここまで多用されると煩いし、絵で描き、語ることから逃げているようにしか見えない。しかもセリフがくどい。
Posted by ブクログ
一気読み。ちょっと頭がいっぱいいっぱいで追いつかない。。
チ。 というタイトルにしてる理由はよくわかった。
15世紀。
宗教、天体、意思を紡ぐ、感動、信念、
地獄に落ちる覚悟ができるものに見つかったのか
という言葉が、印象的だった。
白黒つける必要ないのになぁとか思う。
違うから迫害だとか、排除だって
戦争のこととかを思い出しました。
ほんとはもっと深いなぜ学ぶのか、考えるのか、というテーマだと思うけど、今の情勢と被り思うことは上記でした。
それぞれの正義に従ったのだなぁと。
(ネタバレ)
ヨレンタと、パパの再会があの一瞬だと思うと胸が痛い。
文字は奇蹟、というのも印象的で、
奇蹟 という文字を使ってるのも積み上げ感を感じてこだわりを感じる。
Posted by ブクログ
うーむ。命をかけて信じる道を行く人ばっかりだなぁ。それにみんな頭が良い。私だったら、地動説を説明されても、まず理解出来ないな。。
その上、天動でも地動でも、私の生活には影響ないしな。どっちでも良いけど、どっちにしても宇宙は凄いなと思ったろう。。(こんなんじゃ話にならないね笑)
Posted by ブクログ
・物語の締め方良すぎて声出た。
・登場人物にそれぞれの哲学があって、哲学同士をぶつけ合うセリフの応酬が熱い。
・扱うテーマの重さも熱い。暴力と知性とか、宗教と科学とか、信心と疑念とか。
・「感動」を伝えることは尊いので、読んだ人全員レビューを投稿するべき。
人生、歴史なんて
ノヴァクと地動説の長きにわたる因縁がついに決着。その終局は、人生なんて、歴史なんてそんなもの、というような決着で締められることとなる。歴史とは必ずしもドラマチックに進められるわけではないという至極当たり前の事実を叩きつけてくる。
そしてラファウの人間性も少しフォーカスされたが、これには少々驚いた。
完結巻ということで、ひとまずは描いてくれた作者に感謝。アニメ化も決まっているということで、そちらにも期待したい。
うーん
チ。は面白かったんやけど
最後のラファウがなんか一巻のラファウがしそうにないことをしてるのがなんかうーんって感じがしてなんとも言えなかったです…
前半と比べて
尻つぼみ。
異端審問官のオッサンがちょっとエンタメし過ぎたのか?
最後はあーだこーだ言って終わり。
で、内容はリフレイン。
を少し進化させる。
惜しいね。
でも、コレは傑作だよ。8巻以外は。
血=知=チは何処に向かったのだろう。
ん?
結局、生きてた?あれ??どうやって?もうちょっと経緯詳しく!初期〜中期の盛り上がりに比べてひゅんと終わってしまったような… うーん。。読み返したらわかるかな。