地動説は美しい、命をかけても惜しくないほどに。
皆さんは地動説:太陽を中心として地球など惑星が回っているという学説を当たり前に知っているかと思いますが、それが当たり前ではない時代がありました。
それまでは天動説:地球を中心に太陽などが回っている説が当たり前という認識でした。
天動説は宗教的にも正しいとされ、それ以外の考えは異端思想であり、最悪火炙りの刑に処されてしまうこともありました。
この作品はそんな時代に生まれながらも、地動説の美しさを信じ、時代に抗った人々の物語です。
この作品の一番の魅力は地動説を信じ、己の意志を貫こうとする登場人物たちであり、読んでいて胸にこみ上げてくるものがあります!
歴史や科学好きだけではなく、現在に生きるあなたにきっと刺さる作品です。どうぞお手にとって読んでみて下さい。
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一気読み
匿名 2022年12月18日
拷問などエグい表現もありますが、それでも一気に読んでしまいました。命をかけられる感動があるだろうか、自分の意思で生き方を選択できるだろうか、心に迫るものがあります。
Posted by ブクログ 2022年09月26日
漫画だし、何も考えずするする読もうと思っていたけど、刺さる部分があったので。
「歴史」「正義」「真理」「感動」「解釈」というとても抽象的なテーマを、地動説の誕生物語の中で語られている。その描き方の面白さに、まさしく「感動」した。
人はなぜ真理を求めるのか。真理を求める時に何を犠牲するのか。何を守...続きを読むれて、どこまでが限界なのか。その真理を追求するにあたっての前提は、どれくらいが無意識に作られたものなのか。それは他者とどれほどの差を生んでいるのか。その差をどれくらい自分が感動できるか…
問いただされている気分。
真理を追うことの、業の深さが描かれているのが、この作品の一番の魅力だと思う。死んだ人たちがとても綺麗だったからそう思えたのかもなあ。絶望と表裏一体である感じがとてもよく伝わってくるように思う。
ヨレンタが言った、「信念は大事。ただ迷うことも大事。その中に倫理があるから。」というのは、名言。難しくて半分は実感できないけれど、大事にできたらと思う。
本当にすごく雑にまとめると、なんというか、自信のない日々だからこそ、自分の考え方に勇気をくれた気がして、読んでよかったと思えた。
Posted by ブクログ 2022年08月01日
昔の人の圧倒的な好奇心と思考力に感動した。
毎日同じように生きて娯楽を消費し続ける自分の生き方を見つめ直すきっかけになった。
信念のために人が簡単に死んでいく時代で、その時の人々が渇望していた誰もが学び、衣食住も揃い、安心して暮らせる世界が今自分の生きている世界であると強く感じさせられた。
それなの...続きを読むに、今は多くの人が自殺をしてしまう世の中であり、どうすれば私たちは終着点に辿り着くことができるのか、もしくは永遠に一歩ずつ進み続けるのか考えさせられるものだった。
Posted by ブクログ 2024年02月04日
ずっと気になってた「チ。」を全巻読みきれた。
地動説や天動説なんてなんの理解もなかったし天文学すら興味があるというレベルのものでしかなかったのにすごく楽しめた。
なにより人間が生まれる意味や存在している意味、成すべきことや自分という存在の在り方を考えさせられた。
私はずっと死ぬだけの人間がこの世界に...続きを読む生まれることが謎だった。だけどこの漫画を読んでいくと、生まれてくることには歴史を紡ぐという大きな意味と、知性によって人間を「善」に導く大義がそこにはあると思うようになった。
何を信念として信じて生きるか。何を疑って自分をという人間を生きていくか。それは人それぞれだからこそその「想い」を受け継いで伝えてそうやって記憶を次の命に引き継がないとなと思った。
あー読み終わりたくなったけど読めてよかった。
感動した。この感動を誰かと共有したい。
Posted by ブクログ 2024年01月06日
好奇心と心理の追求。託され繋がっていく奇跡。壮大さに打ちひしがれながら読みました。子供にはちょっと過激な表現や絵もあるかもしれないけれど、それでも幅広い世代に知ってほしい傑作。アニメ化も決定されてるそうで楽しみすぎる!
作品とタイアップした amazarashiの「1.0」「カシオピア係留所」は作品...続きを読むを読んだうえで聴くとさらに深みが増す。「痛みの堆積が歴史だ」という歌詞が心に響く。
最後はスッキリ終わることはできなかったが、切なく深い終わりになったなと思います。地動説について考えさせる漫画でした。
Posted by ブクログ 2023年04月14日
時代的に、宗教革命の以前の世界観の作品である。
当時の固定観念やC教下で暮らす人々の空気感が分かりやすく描かれていて、読み手が想像しやすく、かつダイレクトに伝わる。
いかに常識という目に見えないものが世界を支配しているか、人の命でさえ簡単に握りつぶせるものか、よく分かる。
その世界の中で、命が燃え尽...続きを読むきても、燃え尽きない同じ信念を持った人たちが、まるでバトンリレーように、次世代にその想いを受け継いでいく歴史を描いている。
非常に面白い作品であった。
文章量と登場人物の一言一言の言葉の重みがハンパないが、その一癖がたまらなく好奇心が刺激される。
8巻の前半と後半で物語が別れるが、とても絶妙にフィクションと史実が混じっていて面白い。コペルニクスの地動説には「もしかしたら」このような人達の努力があって、地動説を思いついたものかもしれない。
そう思うと、コペルニクスというただ一人の天才がいた。と考えるより、我々が感動でき、今私たちがどう生きるか思考をする機会が与えられた気持ちになる。
Posted by ブクログ 2023年02月16日
新大学生。受験を終えてやっと勉強から解放されたと思っていた。しかし。
・怖くない人生などその本質を欠く。
・不正解は無意味を意味しない。
・文字はまるで奇跡。
・夢があると1週間くらいは悲劇に耐えられる気がする。
・全てのモノには"アレテー"がある。
→意:自分の得意なこと,自...続きを読む分にしかできないこと
教員になりたいと考えている自分にとって、学ぶ事の尊さや大切さを改めて感じることが出来た。
一生物のバイブルになるだろう。
Posted by ブクログ 2022年11月07日
他の方々がたくさんレビューされているので、いまさら書くことはないかなーと思いましたが、あえて一つだけ。
「こんなにも太字書体でかかれた名言の多いコミックスはたぶんないです。」
1巻につき10個前後あるので8巻で80個。
どれかはきっと刺さります。
以上です。
Posted by ブクログ 2022年10月31日
知性の探求
「神が世界を創り、人はそれを知りたいと願った。
これ以上に尊い欲望を僕は知らない。
「私は学者だ。
誰に言われても研究を棄てるつもりはない。
Posted by ブクログ 2022年09月24日
【あらすじ】
真理に命を懸けた者達の物語、堂々完結。 「地動説」出版を目前に、審問官達に追い詰められつつも仲間の犠牲により包囲網を抜け出せたドゥラカとシュミット。しかしノヴァクが迫りくる!!一縷の望みを懸け、ドゥラカ達が向かう先とは。「真理」に命を懸けた者達の、そして「地動説」の結末は!?動かせ。歴...続きを読む史を、心を、運命を、――星を。
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
漫画ではなく、文章で集中して読みたい内容の作品でした。よくこのテーマで漫画を描こうと思ったなぁ。
物語の中心に据えられたのは「地動説」ですが、それ自体は一つの事例に過ぎず、人類の歴史の中には探究心が生み出した数々の物語が無数に生まれては消えてを繰り返してきた(そして今この瞬間も繰り返されている)のだと思います。例えその先に破滅があろうとも、誰も「知ること」への欲求は止められない。現代の社会だって、過去の時代が積み上げてきた知によって成り立っているのだから。だからどのような結果になろうとも、自分の欲求に素直に従って、知りたいことを知ろう。追究しよう。全うしよう。そして次世代へ繋ごう。
少し話が逸れますが、私は、現代の科学がいつか過去のものになる日が来るのではないかと考えています。遠い未来の教科書には「19〜21世紀の世界では『科学』という考え方が信じられていた」と記載されているのではないか、と。
真理とは何なのか。人類はいつか辿り着くことができるんですかね。
Posted by ブクログ 2022年09月17日
発売日に買ったのになぜかずっと読んでなかった泣泣
結局地動説は弾圧を繰り返される。しかし真実を追う知識者達の努力によってやがてそれが真実になる。その歴史の一端がここにあり、最高を見た。ラストに鳥肌立った。魚豊先生は天才。血、地、知。
Posted by ブクログ 2022年08月07日
自分の思考力の限界に挑戦されるような、すごい漫画でした。同じ時代に生きる奇跡。ノヴァクが、この物語では自分が悪役だったと気づくところはゾクっときました。悪人とされる人物は数多いれど、自分でそう思う人間っているのかな。
Posted by ブクログ 2022年08月07日
面白くてネカフェで一気に読んだ。
正直、地動説の理論とか難しいことは全然分からなかった。
でもそこにかける人々の思い、好奇心、過去から思いがつながっていくのがアツすぎる。
ノヴァクの最後のセリフが印象的でメタ的に見えて会話として成立しているところに感動します。
託すことで、ある意味ぶつ切り的に繋がっていく物語の中で縦軸として存在し、途中からは家族を含めて巻き込まれていく様はまさに裏の主役でした。
故に彼の退場後の話はエピローグでしか無かったですが作者の『知』に対する論...続きを読む理的解釈を見させてもらいました。
また次回作期待しています。
ずっとこの物語は暗黒時代と呼ばれた中世ヨーロッパのC教の知恵への弾圧の話だと思っていた。
でもそれは一部の人間の思い込みとそれの手足のように使われた道具の話であった。
きっとこれは善悪の話じゃない。
最後まで読むと人間の業の話だと思わざるを得ない。
今も繰り返される「正義」と「正義」のあ...続きを読むらそい。
それには善も悪も無い。
きっとそうやって同じ愚を繰り返し繰り返し行いながら少しずつ進んでいくのだ。
願わくば己の信ずる「正義」を疑う勇気のあらんことを。
現代でも地動説と同様なことは存在しており、歴史は繰り返すことを、本作は想起させる。社会風刺として、秀逸な作品と評す。作者に感謝したい。
匿名 2022年07月17日
作中はどんどん時間が進んでっちゃって、単行本のタイミングで追ってるのと私の記憶力がないのとも相まってキャラクターが全然覚えられなかったので一気読みがいいかも…?
でも、ここが繋がるんだ〜とか読み返すの楽しかったし、とてもいい作品でした!
Posted by ブクログ 2023年09月20日
娘だと受け入れた時のカルタシス
物語としてはそこがピーク
あとは人間の本質について考えたり...
人によって考えたり感じることは違いそう
示唆を与えてくれる感じ
Posted by ブクログ 2023年08月25日
知と血、真理と信念と信仰を巡る、あり得たかもしれない物語。
真理は人を動かす。何代にも渡り。渡そうとせずとも受け継がれるバトン。歴史に敬意を払う。
・言葉は奇跡
・迷いの中で倫理が生まれる
Posted by ブクログ 2023年08月13日
知ったり学んだりすること、自由、信念、信仰、人間の考え方や「常識」の変遷の歴史とかについて考えさせられる。
純粋な好奇心が持つ力って凄いなと思った。
また、作者が自分よりもだいぶ若い方だと知って驚いた。どんな人生を送ってこの物語を描くに至ったのか興味深い。
Posted by ブクログ 2023年06月03日
2023/6/3
ラファエウがなんか2回出てきたか?
ノヴァクが自分は敵役やったと悟ってしまうのなんか美しいな。結局、理論よりは想いが伝わって物語が継承されていってという。
15:13
Posted by ブクログ 2023年01月13日
歴史に名を残すのは最後のランナーで、それまでにどんなランナーがいて、彼らがどうやってバトンを繋いだか(或いは繋げなかったか)はわからない。その空白を、筆者の想像と史実を組み合わせて見事に描いている。バトンを受け取った人はそれだけの感性と信念を持っていて、彼らのセリフにも考えさせられることが多かった。...続きを読む
作品中の「他者の意見にさらされることで、真実に近づく」という話はその通りだと感じた。そのために、地動説の美しさと根拠を文字に残し、時代を超えて他者に託す必要があったのだろう。またこれは、”集権化し過ぎた社会は、(他者との対話・議論がなくなり)選択の軌道修正ができなくなる”という話にも通じる気がした。
Posted by ブクログ 2022年12月17日
真理とは
人間は神と獣の中間である。信じ、疑う。両方が許される中間の存在。神は、人がそこに存在させているのかもしれない。
思考を止めるな。人間の「アレテー」は考えられることだ。
今生きている、この奇跡に、世界の美しさに。乾杯
Posted by ブクログ 2022年11月08日
信念も疑う心も結局は人それぞれ。十人十色。
神はどこかに存在するものではなくて
自分自身の中に存在するものなのかも。
人はそれを神と呼び、それを信じ生きて行く。
Posted by ブクログ 2022年10月22日
知と血と地が重なるタイトルが秀逸。知の探求、その継承を、主人公達が命をかけ、苦難に立ち向かいながらも、希望をもって次に繋いでいくストーリー。これまで、地動説解明の物語をフィクションで描いてきたが、最終章では、これまでの物語が史実に繋がっている可能性も示唆しており、夢のあるストーリーに昇華されていると...続きを読む思いました。
セリフが哲学的で、文字が多くて、難しい。
しかもドゥカラが死んで、伝えてきた鎖が切れちゃった。
もう伝える人がいなくなっちゃった。
え、終わり?
最終回?
ノヴァクが悪役だったことに気が付いて良かった。
最後まで絵がキレイにならなかった。
Posted by ブクログ 2022年08月07日
史実を織り交ぜたフィクション。
地動説を中心とした時代の変遷を短編でコンパクトに好奇心を刺激してくれた良書。
意志をのバトンリレー、最新技術(火薬/活版印刷/羅針盤は出てないが)の描写、、、しびれました。
思わぬ人の死に泣いてしまった。
途中で???となるところもあったけど、この物語を最後まで読めてよかったと思った。
最後まで漫画という媒体での表現や主張の力を見せつけた作品だった。数十年にわたる弾圧の連鎖も断ち切られて、知の前に善悪の区別なくみんなが時代の中の1ピースとして収まっていく様に圧倒される。心なしか絵が粗くなった気がするが、最後に地動説が歴史の表舞台に出るところまでを描き切ってきれいにおわったように思う...続きを読む。
Posted by ブクログ 2024年01月19日
一気読み。ちょっと頭がいっぱいいっぱいで追いつかない。。
チ。 というタイトルにしてる理由はよくわかった。
15世紀。
宗教、天体、意思を紡ぐ、感動、信念、
地獄に落ちる覚悟ができるものに見つかったのか
という言葉が、印象的だった。
白黒つける必要ないのになぁとか思う。
違うから迫害だとか、排除...続きを読むだって
戦争のこととかを思い出しました。
ほんとはもっと深いなぜ学ぶのか、考えるのか、というテーマだと思うけど、今の情勢と被り思うことは上記でした。
それぞれの正義に従ったのだなぁと。
(ネタバレ)
ヨレンタと、パパの再会があの一瞬だと思うと胸が痛い。
文字は奇蹟、というのも印象的で、
奇蹟 という文字を使ってるのも積み上げ感を感じてこだわりを感じる。
Posted by ブクログ 2023年02月24日
うーむ。命をかけて信じる道を行く人ばっかりだなぁ。それにみんな頭が良い。私だったら、地動説を説明されても、まず理解出来ないな。。
その上、天動でも地動でも、私の生活には影響ないしな。どっちでも良いけど、どっちにしても宇宙は凄いなと思ったろう。。(こんなんじゃ話にならないね笑)
Posted by ブクログ 2023年01月03日
・物語の締め方良すぎて声出た。
・登場人物にそれぞれの哲学があって、哲学同士をぶつけ合うセリフの応酬が熱い。
・扱うテーマの重さも熱い。暴力と知性とか、宗教と科学とか、信心と疑念とか。
・「感動」を伝えることは尊いので、読んだ人全員レビューを投稿するべき。
ノヴァクと地動説の長きにわたる因縁がついに決着。その終局は、人生なんて、歴史なんてそんなもの、というような決着で締められることとなる。歴史とは必ずしもドラマチックに進められるわけではないという至極当たり前の事実を叩きつけてくる。
そしてラファウの人間性も少しフォーカスされたが、これには少々驚いた。
...続きを読む
完結巻ということで、ひとまずは描いてくれた作者に感謝。アニメ化も決まっているということで、そちらにも期待したい。
Posted by ブクログ 2022年08月21日
ん?
大団円なんですけれど
最後の章に登場したラファウは何者?
そうか…こうして一気読みしている間は
まったく疑問を持たなかったけれど
この話って実は「ひとつの街」から
大きく離れていなかったんだ。
いろいろな人物が出て、消えていったけど
やっぱりバデーニが良かった。
チ。は面白かったんやけど
最後のラファウがなんか一巻のラファウがしそうにないことをしてるのがなんかうーんって感じがしてなんとも言えなかったです…
尻つぼみ。
異端審問官のオッサンがちょっとエンタメし過ぎたのか?
最後はあーだこーだ言って終わり。
で、内容はリフレイン。
を少し進化させる。
惜しいね。
でも、コレは傑作だよ。8巻以外は。
血=知=チは何処に向かったのだろう。
結局、生きてた?あれ??どうやって?もうちょっと経緯詳しく!初期〜中期の盛り上がりに比べてひゅんと終わってしまったような… うーん。。読み返したらわかるかな。