あらすじ
真理に命を懸けた者達の物語、堂々完結。
「地動説」出版を目前に、審問官達に追い詰められつつも仲間の犠牲により包囲網を抜け出せたドゥラカとシュミット。しかしノヴァクが迫りくる!!
一縷の望みを懸け、ドゥラカ達が向かう先とは。
「真理」に命を懸けた者達の、そして「地動説」の結末は!?
動かせ。歴史を、心を、運命を、――星を。
地動説は美しい、命をかけても惜しくないほどに。
皆さんは地動説:太陽を中心として地球など惑星が回っているという学説を当たり前に知っているかと思いますが、それが当たり前ではない時代がありました。
それまでは天動説:地球を中心に太陽などが回っている説が当たり前という認識でした。
天動説は宗教的にも正しいとされ、それ以外の考えは異端思想であり、最悪火炙りの刑に処されてしまうこともありました。
この作品はそんな時代に生まれながらも、地動説の美しさを信じ、時代に抗った人々の物語です。
この作品の一番の魅力は地動説を信じ、己の意志を貫こうとする登場人物たちであり、読んでいて胸にこみ上げてくるものがあります!
歴史や科学好きだけではなく、現在に生きるあなたにきっと刺さる作品です。どうぞお手にとって読んでみて下さい。
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Posted by ブクログ
一気に見た。
地動説の知識が、関係者ではなく、
偶然そこにいた他人に渡り歴史になっていくところが面白かった。
一方で、敵役がずっとノヴァクなのも良かった。ノヴァクは正義のために地動説信者を処刑しているが、最後にこの歴史の悪役であることに気付いた。
なぜ、元傭兵が聖職についているのかということも最後に明かされた。
処刑された主人公たちは、
最初は賢く生きようとしたり、死を恐れていたりするが、
最後には次の主人公に歴史を託し満足して死んでいくのが印象的。
ヨレンタは自爆したが、
ノヴァクの顔を見て予定より早く火をつけた感があった。
ノヴァクはヨレンタの顔を一瞬見ていて、
飛んできた手を常に持っていた。
最後手袋をはめて、死んだが、
自分の娘が異端解放戦線のリーダーとして、
ラファウや、バデーニ、オクジー、フベルトのように真理のために生きたと、
理解したというか、理解していた自分に気付いた感じがあった。
クラボフスキのところはよく理解できなかった。
バデーニは浮浪者にパンの代わりに本の刺青
浮浪者は読めないので情報は漏洩しない
バデーニは死ぬ可能性があるとかんがえ、クラボフスキに浮浪者に対応するよう手紙を書いた
浮浪者はパンが欲しくてバデーニの教会に
浮浪者の頭の文字をクラボフスキが本にした
最終話でポトツキの家に報酬が届き、
それをアルベルトがみて、のちの地動説のヒントにした
時代が変わり、
アルベルトの弟子であるコペルニクスが地動説を世に広めた
各主人公たちが残した小さなバトンが、
長い年月をかけて次の主人公に偶然渡って、
偶然それを手にした人たちが歴史の主人公になっていく感じ
Posted by ブクログ
アントニ司教に「勘違い」と言われた時のノヴァクの
絶望…
ラファウの最期に痛みを感じたが、それを無視したと
いうノヴァク。自分のその感情に問いかけることなく
考えることを拒否した結果だとは言え、勘違いという
一言で片付けられては堪らない。
たった一人の人間(司教)の考えで、教えに反するこ
とかどうかが決まるというのは恐ろしい。
でも最後にヨレンタに”会えた”のは良かった。
突然、舞台がポーランドに移った時は驚いたけど、そ
れまでの話は、よく聞くようにパラレル世界なのかも
しれないし、こういう事があったかもしれないという
フィクションかな。
まぁ アルベルトの若い頃のことは知られてないような
ので、ポーランド部分も大学入学以外はフィクション
ではあるはずだけど。
成長したラファウに会えたのは嬉しかったけど…あの
まま成長していたら、そうなってたんだろうと納得は
するけれど…もう少し優しい彼に会いたかった。
最初のラファウは子供の頃に亡くなってるし、どの時
代にもラファウのような人はいるという事?
疑い、考え続けることをやめないように、ですね。
22年この漫画が凄い
2022この漫画が凄いに選ばれた作品。当時は2巻の途中で挫折してしまい、しばらく読んでませんでした。絵が好みじゃなかったのが大きな理由かなあ。
アニメ化され、やっぱり凄いドラマだと気づきまた読み始めました。見づらかった画面がアニメ化によって頭の中で整理され、ドラマが素直に頭に入り、キャラクターに感情移入しました。
哲学的な部分が多々ありますが、その時代の人間の信念だったり欲望だったりが、歴史に翻弄されながら生きたり死んだりしていく様が、凄いスケールで描かれています。
歴史は現在に続いていて、ドゥラカの、暴走した文明に歯止めをかけ、異常な技術も乗りこなせる知性になる、というセリフの通りになればいいなあと思いました。
Posted by ブクログ
読み終わった。こんな終わり方するんだーと思った。
劇的な感じじゃないけど、しっかり歴史とか感動とかが受け継がれていてすごく良かった。。。
そしてみんな死に際が美しすぎるよ。
一番お気に入りなのは、オクジーって思ったけどヨレンタもすごく好き、、、、♡
そして名言多過ぎる
Posted by ブクログ
ま、しょうがないですよ。それぞれの状況の中でやれることをやった。お互いにね。
お互いじゃない。君と私は大きく違うんだ。同じ立場じゃない。地動説が異端じゃないと言われて、気付いたよ。
私は、私はこの物語の悪役だったんだ。
クソ、全く驚きだ。
確かに、僕らは敵対した関係でしたね。
この世の中には様々な人がいる。正直者も、嘘吐きも、情けない奴も、勇敢な奴も。さらに驚きなのが、一人の人間にそのすべての要素が入ってることもざらにあるし、それが日々変化したりする。こんなに大勢いるのに誰一人、同じ人はいない。そりゃ争いは絶えないでしょう。
でも、だけどです。
過去や未来、長い時間を隔てた後の彼らから見れば、今いる僕らは所詮、皆 押しなべて"15世紀の人"だ。
僕らは気付いたらこの時代にいた。別の時代でもよかったのにこの時代だった。それはただの偶然で無意味で適当なことで、
つまり奇跡的で運命的なことだ。
だから、絶対そんな訳ないと思いつつも、感情と理屈に拒絶されようともこう信じたい。
今、たまたまここに生きた全員は、たとえ殺し合う程憎んでも、同じ時代を作った仲間な気がする。
面倒くさがって感情を無視してはいけないよ。
最後の日の出が差し込んでくるシーンで号泣した。
私のアレテーは?じゃあお前のは?
アリストなんちゃらはこうも考えた。人は自分の特性を活かしている時が一番幸福だ、と。
告解室っていいな、。
タウマゼインは、
この世の美しさに痺れる肉体のこと。そして、それに近付きたいと願う精神のこと。つまり、「?」と、感じること。
知が人や社会の役に立たなければいけないなんて発想はクソだ。知りたいからやる。それだけだよ。
そしてねアルベルト君。これだけは覚えていてくれ。
真理の探求において、最も重要なことだ。
信じろ。自分の直感を。世界の絶美を。僕は何があろうと、君の好奇心を否定しない。
僕が家庭教師をさせてもらってるが、彼の聡明ぶりには驚くよ。まるで、この少年の内には手練の論理学者が入っているようだ。
だけど、それより注視すべきはその好奇心の強さだ。学術の未来において、これが何より重要な才能だ。
聖アクィナスは知性を、一方では物体的で他方では非物体的と捉えました。身体と魂、理性と信仰、哲学と神学、疑うことと、信じること。これらの矛盾は両立します。何故か、
それが、人間だからです。
奇跡が貴方が生きる場所だったのに、です。
でも、いくら悩んで問うても神は口を開かない。
そうですよ。だから永遠に、私達は考え続けられるのです。私はそれを、幸福だと思いたい。
最後に一つ質問です。
硬貨を捧げれば、パンを得られる。税を捧げれば、権利を得られる。労働を捧げれば、報酬を得られる。なら一体何を捧げれば、この世のすべてを知れる。と、思いますか?その答えを探してください。
今の私は、"圖囚圉国(ずしゅうぎょこく)"を捧げる、と答えよう。
完結
最後はスッキリ終わることはできなかったが、切なく深い終わりになったなと思います。地動説について考えさせる漫画でした。
チ
ノヴァクの最後のセリフが印象的でメタ的に見えて会話として成立しているところに感動します。
託すことで、ある意味ぶつ切り的に繋がっていく物語の中で縦軸として存在し、途中からは家族を含めて巻き込まれていく様はまさに裏の主役でした。
故に彼の退場後の話はエピローグでしか無かったですが作者の『知』に対する論理的解釈を見させてもらいました。
また次回作期待しています。
Posted by ブクログ
なんというか、本当に難しい作品でした。
アニメで観たのがきっかけで。
とんでもなく気持ちを揺さぶるアニメでした。
異端審問官が娘のことを祈って
焼け落ちる教会の天井におし潰された場面では
号泣してしもーたよ。アニメでも、漫画でも。
また、「文字は特別な階級にしか許されるべきではない、さもないとゴミのような言葉が世界に溢れるに決まっている(意訳)」というセリフがあって、
見事に21世紀はそうなっているよ、自分のことだよ、と笑ってしまった。
原作を一気に読めてよかったです。
Posted by ブクログ
地動説で有名な「コペルニクス」や「ガリレオガリレイ」が生まれるもっと前に、
常識であり、法律的でもあった天動説。
それを疑うことは神への冒涜でもあり、裏切りでもあるとすら考えられていた。
それでも真実を突き詰めるうちに、神の言う常識が間違いであることに気づく人がいた。
その人数や信念は時代を経て大きくなっていく。
自分の命と引き換えてでも、真実を突き詰めた人たち。
だけど、その中に結論に辿り着いたものはいなかった。
このほかにも現代における沢山の常識について、
歴史に名を残す人物以外にもたくさんの人の命や信念や熱い思いが繋がって、
私たちの当たり前の知識として活かされているのかもしれない。
Posted by ブクログ
感動し、少し救われ、また新しい視点を与えてくれた言葉を長すぎてフレーズに残せなかったのでここに残す。
この世には様々なひとがいる。正直者も、嘘つきも、情けない奴も、勇敢な奴も。
さらに驚きなのが、一人の人間にそのすべての要素が入ってることもざらにあるし、それが日々変化したりする。
こんなに大勢いるのに誰一人、同じ人はいない。
そりゃ争いは絶えないでしょう。
でも、だけどです。
過去や未来、長い時間を隔てた後の"彼ら"から見れば、今いる僕らは所詮、皆押しなべて"15世紀の人"だ。
僕らは気付いたらこの時代にいた。別の時代でもよかったのにこの時代だった。
それはただの偶然で無意味で適当なことで、
つまり奇跡的で運命的なことだ。
僕は同じ思想に生まれるよりも、同じ時代に生まれることのほうがよっぽど"近い"と思う。
だから、絶対そんな訳ないと思いつつも、感情と理屈に拒絶されようとも、こう信じたい。
今、たまたまここに生きた全員は、たとえ殺し合う程憎んでも、同じ時代を作った仲間な気がする。
Posted by ブクログ
ラファウにジャン・バルジャンのようなしぶとさがなかったのが新しい。人でなく真理こそがみゃくみゃくと生き残る。そしてノヴァクがジャベールのような結末を迎える。
だから私の信仰は私が考えて決めること。他の人の信仰はたとえそれがどんなに眉唾もののちゃっちいものだと思えても、その信仰の対象を馬鹿にするのでなくその人の信仰を尊重しよう。自分の信仰を盾に他の人の信仰を迫害してはならない。真理はあなた方を自由にする。真理は神がお作りになったものなのだから、私が擁護しようとしなかろうととてもしぶとい。私は自分が真理から離れていないかだけを全力で気にするべきだ。他の人の人生は私のものではない。
うーん
チ。は面白かったんやけど
最後のラファウがなんか一巻のラファウがしそうにないことをしてるのがなんかうーんって感じがしてなんとも言えなかったです…
ん?
結局、生きてた?あれ??どうやって?もうちょっと経緯詳しく!初期〜中期の盛り上がりに比べてひゅんと終わってしまったような… うーん。。読み返したらわかるかな。