あらすじ
私達はこの世界に絶望すべきなのか――?
地動説を生き延びさせるために、神童ラファウが「決断」を行ってから10年が経った。代闘士として殺人を繰り返す超ネガティブ思考の青年・オクジーは、同僚の超ポジティブ思考の男・グラスに「絶対の信頼がおける『希望』を見つけた」と告げられる。そしてグラスが取り出したのは、「火星」の観測記録だった――
あらかじめ絶望しておけばそれ以下の悲しみも苦しみもない。ならばこの世界に絶望しておくのが正解なんだろうか? いや、そんなことはない。 まったく違う。その理由はこの漫画に描いてある。
地動説は美しい、命をかけても惜しくないほどに。
皆さんは地動説:太陽を中心として地球など惑星が回っているという学説を当たり前に知っているかと思いますが、それが当たり前ではない時代がありました。
それまでは天動説:地球を中心に太陽などが回っている説が当たり前という認識でした。
天動説は宗教的にも正しいとされ、それ以外の考えは異端思想であり、最悪火炙りの刑に処されてしまうこともありました。
この作品はそんな時代に生まれながらも、地動説の美しさを信じ、時代に抗った人々の物語です。
この作品の一番の魅力は地動説を信じ、己の意志を貫こうとする登場人物たちであり、読んでいて胸にこみ上げてくるものがあります!
歴史や科学好きだけではなく、現在に生きるあなたにきっと刺さる作品です。どうぞお手にとって読んでみて下さい。
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Posted by ブクログ
読んでいると、作中のことは、異常に、非情に見える
けど、現在起こっていることとさほど変わりないな
と思ったりする。
国民の生命や健康に関わる事でも、思考停止で「仕事
だから」の一言で執行する政治家とか?
今回石箱を託した異端者が語った「悲劇を肥やしに新た
な希望を生む」も興味深い。
地獄があるとしたら「この世」こそが地獄だと思うと
言ったアメリカの牧師がいたけれど、「天国」が人々の
希望ではなく権力者が人々を制御するツールになって
しまっている気がする。
異端者を移送中の聖職者がノヴァクに「信仰の安定を
守るために働いている」も面白い。
安定させなきゃいけないと思う時点で、それはもう信
仰ではないような気がする。
ついにバデーニさんが登場した。
Posted by ブクログ
ある時代の、人類が住むこの地球と宇宙の在り方に関する説に関する時代背景や実際の史実を基にした、いわゆる歴史ものの作品。
こういった史実に基づく作品は基本的に、既に記載のある描写以外は全て作者の想像に依るところが大きいために、本当にそんな詳細なストーリーが存在していたのか、本当はもっと劇的なものだったかもしれないという点でも好きなジャンルの一つです。しかし、いわゆる歴史モノの中でもこの作品のモデルは「地動説」を中心に描かれている。
これを読む前に簡単にでも天動説と地動説について調べてから読んでみるとより面白く感じるかもしれません。
今となっては「常識」とされる天体(各惑星)だけでなく地球は動いている、という説は当時の世の中でどれほどの反発を受けるものなのか、この説に辿り着く上でぶつかる「天動説」の矛盾。これらに思いを巡らせたことが無い人は多いと思うし、自分もその一人である。天動説も改めて説明されるとコペルニクスが想像もつかない程の、科学技術と呼べるものがほとんど無い時期に提唱されたとは思えないほどに「良く出来た」ものであったからこそ、これに付随して発展していく宗教的な教えが、当時の現世の人々の困窮した生活と嚙み合ってしまったが故に地動説が世に広がるにはこの作品中の描写以上の苦労や被害があったのだと推測できる。
「チ。」の1巻こそが本作品中で最も鮮烈に「面白い!」と感じさせてくれる話が描かれているが、この2巻では「地動説」の凄さを理解できる、学びに楽しみを見出している(もっというなら知識欲に魅了されている)者と、勉学というものには触れてこず、当時の現世に最も多いであろう宗教観を信じ切ってきその日暮らしの者が出会う巻。
実際の歴史では「地動説」はたった一人のいわゆる天才がまとめ上げた学説であった可能性は否定できないが、その規模、必要となる観察結果や先に述べた時代背景等々を鑑みると、その学説の素晴らしさを読み解き、共感し、異端とされてもそれを継続する程に感動した者たちが連綿と受け継いできたものだったのだと思わせられる。
本当にこのような劇的な背景があったように思わせてくれる。科学の進歩はその発見の「面白さ」「美しさ」に魅了される人間が人類の中に絶対に現れてきてしまう法則のようなもの、「チ。は作品中では地。を示すが、知。によって」に突き動かされてきた人々が確かにいたのだとしみじみと感動させられる作品だと思う。
当時の宗教観と天動説の組み合わせから、この世は地獄、もしくは最底辺の世界といったように考えられていた。そのことから当時の日常に絶望しているものもいたかもしれない、それが「死んだ後」という不確定要素しかないものに希望を見出して日々を乗り越えていたのかと考えると、それは確かに極めて苦しい「地獄」のようなものに思える。しかし、その考え方が浸透世界において「天動説」から「地動説」への移り変わりにはこの世はそんな最底辺の苦しいだけの世界なんかでは決してないと思わせてくれる、「説を信じること」に妄信する者にとっては絶望を与えられたかもしれないが、多くの人にとっては一方的に刷り込まれた地獄という呪いから解き放たれるような発見だったんじゃないだろうか。
どうしても描写が受け付けない人もいたり、反応が分かれやすい作品化と思うので、この2巻までたどり着けた人は一気に8巻まで読めてしまうのでは、読まないとスッキリできないのではないだろうか?
秘密の箱がつながります
グラスとコンビを組んでいるオグジー、代闘士という決闘の相手を代わりにしています。
グラスは2人による護衛任務で異端者と会話し、様々な感情をいだいたようです。
この異端者はノヴァックに刺されますし、グラスはこの後、橋が崩れて落下するときに、遺言のようにな話をして例のペンダントをオグジーに伝えて落下死してしなす。
1人、バディーニなら話が通じるだろうとオグジーは面会し、ここで例の箱なども見せ、宇宙が変わるぞ、と聞きます。
火星逆行の謎、の真実を説明するのにこのお2人がある中心点を廻ると、外側(火星、バディーニ)の動きが遅くなり、とまって逆向きに動き出すのが実感できるのです。
非常に分かりやすい地動説の説明でした。
名セリフが多々出てくる作品です。
最後は視力が非常に優れているオグジーが空を見るのが怖かった筈のところ、一大決心をして綺麗な夜空を見ていました。
Posted by ブクログ
感想
新たな探求者へと地動説が引き継がれた。
この物語の主人公は人物ではなく「地動説」そのもの。壮大な物語すぎて最終的にコペルニクスとかガリレオにいくのか、それともそうでないのか、どこに着地するのか楽しみで仕方ない。
匿名
面白かった。とても。学者って最高。死に際の顔が満足してるかしてないか、とかも面白い。今回は主人公死ななかったけど次の巻でどう進むのか気になる。
受け継がれる思い
まさかの主人公が交代するパターンの漫画はあまりないのでとても新鮮でした。しかし物語は受け継がれ続いていくのでとても面白い。
この時代の話も熱い
世界はなんで汚いのか?と問うた子供。それは地球が底辺にあるからだと言われてから、空が見えなくなったこの巻の主人公、オクジー。そのオクジーが、死ぬ時にみんな苦しんで死んでいるのに、なぜあの二人は満足気な顔で死んだのか。その理由に地動説があるというストーリー、熱すぎる。
何がなにやら
1巻のドキドキを抱えたままこちらを拝読。命のバトンが繋がれていくと同時に好奇心の呪縛にかけられる。どうも表現できないこの感覚。読んで欲しい。沢山の人に。
Posted by ブクログ
2人目の主人公、オクジーの登場。物語は次巻へ続く。
今回もタイトルコールが決まっていて、台詞回しはいちいち熱い。
目に見えるもの、多数派が信じているものを疑い、真実と美とを追い求める、という姿、すなわち「知性」というものの格好良さを描くというのは、古臭く見えながらも、むしろ現代にこそ必要な姿勢であるのかもと思う。
心のズシリとくる作品
今では当たり前に知られていることを、昔命をかけて解明した人達がいたと知ることができる作品。
セリフや漫画の見せ方から作者の気迫が伝わり、一気に読んでしまった。
現代を生きる自分は、世間の常識を疑うことなく流されていて、自分で考える力が足りないんではないかと考えさせられた。
繋がってるんですね
1巻の子が死んでどうなるのかなと思っていたけど他の人に想いがつむがれているって感じの続き方で面白かったです!地動説に出会った人達の目の色が変わる瞬間が半端なく好き!!
Posted by ブクログ
ただの地学に終わらない。
穢れた地球から美しい宇宙を見上げるなんて愚だ、との信仰に寄りかかり真理に目を向けない者達が空を邪魔する目に。視覚的な表現力に圧倒された。
心が動かされました
今度は天文に興味がない男が物語の中心に。殺し屋2人が宝箱を見つけ「地。」を読んだ瞬間は、1巻1話と同様にタイトルとシンクロする瞬間でゾクゾクと興奮しました。3巻が楽しみ
Posted by ブクログ
第2章は下級市民である代闘士オクジー、その相棒グラス、処刑場に向かう異端者、左遷された修道士バデーニ、そして第1章から続いての登場となる異端審問官ノヴァクが軸となったストーリー。
最初と終盤のシーンで「大地を生きている人間を蔑むような眼」に見えた夜空が、石箱の資料に出会うことで「なんか綺麗」に見えるようになる。対比がすごい。
そしてあのネックレス。託されていく象徴として今後も出てくるんだろうな。
Posted by ブクログ
前半は下層階級である2人の代闘士オグジーとグラスの会話。片方が火星が不規則な動きをしていることに気が付く。
二人はある日、ノヴァクの依頼で、異端者輸送の仕事を請け負う。輸送中、異端者は観測記録の入った石の箱のことを二人に伝える。二人は石箱に向かうが、ノヴァクに気づかれ戦闘になる。
辛くも追跡を振りほどき石箱に到着。しかし片方は崖から落ちて死ぬ。
第10話は副助祭バデーニの話。彼は地動説を研究したために、異端者として片目を焼かれていたのだ。そこに火星の観察記録を持ったオグジーが訪ねてくる。二人は地動説のほうが合理的だと考える。
オクジー編
私はこのオクジー編が一番ぐっときましたねー。
無気力ですべてをあきらめていた死んだ目の青年が知識を得たことによって生まれ変わっていく姿に感動します。