あらすじ
”陰謀論”を信じてはいけなかったのかー?
「人生が、始まってる気がしない」
小さな不信感から始まり、傾倒した”陰謀論”。
しかし嘘に裏切られ、手元に残ったのはいくつかの疑問だった。
「なぜここでトラブルに遭ったんだろう」
「なんであの子と出会ったんだろう」
「なんで陰謀論を信じたんだろう」
”陰謀”と決めつけて蓋をした疑問に再び向き合い、
答えのない問いに決着をつけることはできるのかーーー
『チ。』『ひゃくえむ。』の魚豊が示す、
「運命」と「真理」の物語―――!!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
社会的弱者と定義されるような男性の心情の変化を描いた作品。
チ。と共通して感じたのは
受け入れ難い不幸せに直面した時に人間は、
その事象を受け入れるための理由を求める。
やがて全ての事象には理由があり、それは神や見えざる手によるものだと信じることに繋がる。
ただそれ自体が悪いわけではなく、信じて救われるなら良い。
それでも、自分で見たこと、起きたことを歪めて解釈せず、思考することが大事だよって言いたいのかな。
良くSNSで見かける陰謀論とはなにか?良く見かけるデモはなにか?
"ヤバい人たち"と括って関わらず、深く考えないようにしていたことに対して、当事者目線で進むストーリーは、正直理解し難く、全く共感もできず、むしろ不快とまで感じたけれど。
リアルでむず痒く、とてもおもしろかった。
Posted by ブクログ
ストーリーと作画に迫力に圧倒されつつ、2巻〜4巻【完結】まで一気読み。漫画って、こんなに面白かったっけ??って思わせてくれた漫画だった。主人公の思考回路についていけないし、どんどん読むのがキツくなっていくけど、結末が気になってしかたなかった。私の友達にどっぷり陰謀論にハマった人がいたらどうするだろう、私が陰謀論にハマったらどうしよう?私は自分と誰かとこの社会に、どうやって向き合っていくことが正解なのか。そんなことを考えてしまう漫画だった。
匿名
ラブコメとしてはとても良かったと思います。
渡辺君が先生との関係を「友達」と言い切ったのも素敵でした。
あと2巻分くらい続いていれば、マモルさんもモブキャラでは終わらなかったのかな。
こればかりは仕方ないですね。
Posted by ブクログ
陰謀論にハマる過程をある意味で追体験しつつそのメカニズムを知れる一冊。個別の事象の説明ではわずかに説得力を伴うものが混じりつつ、陰謀論への反証に対しては「それが彼らのやり方」、「否定こそ肯定と同義でありむしろ証拠のようなもの」と反応し、対話不能。その実、何も積み上げなくても帰属欲求、承認欲求、自己実現欲求を一貫して満たしてくれるツールとして機能しているだけであるが、そうであるが故に、それ以外の日常でこれらを満たせない者にとってその魅力は絶大。ということか。
先生のキャラが良すぎる。特に「わいフェス」での動きと、その後の主人公との絡み方も最高。
最後は、きれいで甘いけど、納得の終わり方だったし、コンパクトで情報の詰まった良い作品だと感じた。
匿名
唯一無二
テーマが斬新だし、作者の才能を感じました。最後まで読みやすく楽しめる作品。オープニングからひきつけられる構成もセンスいいと思いました。
Posted by ブクログ
世間に流されながら人生の意味を見出せずに生きるフリーターの青年、渡辺を主人公とする物語。
魑魅魍魎の渦巻く現代社会を疑心暗鬼になりながらも
一人の人間として「幸せ」を目指す姿を克明に描く魚豊さんの描写スタイルは本作でも健在。
これまでの代表作3作品の中では、
もっとも日頃の私たちの生活に近い世界を描いている作品だと感じます。
4巻目では、陰謀論を肯定するとか否定するといった垣根を超えて、
渡辺自身が感じたこと、確信を得たこと、勇気を出して踏み出す一歩の大切さに気がついて、
ようやく自分の人生を少しずつ歩き始めます。
何が本当で、何が権力による巧妙な搾取構造なのか?
その判断を迫られているのは、
この物語の主人公である渡辺だけではなく、
現代社会を生きる私たちにも等しくその判断を迫られているのかもしれません。
あなたは、この現代社会の構造について
どう思いますか?
Posted by ブクログ
良かった
旬な陰謀論を当事者とインテリ側で戦わすシーンや「いかにも」な先生のキャラクターのせいで陰謀論漫画の印象だったが、最終巻まで改めて最初から通読した時、弱者男性の葛藤のストーリーで、陰謀論はむしろその素材に過ぎないのだとも感じられた。
憧れた女性との現実的なギャップに耐えられず、自分自身の容姿や能力を否定する過程が0.5巻までの表層弱者男性パートで、
ギャップを形成する社会そのものを否定しようとする過程が3.5巻までの陰謀論パートで、
陰謀論を失ってからの半年間は自分の容姿や能力を認めて(諦めて)、好きだと思う気持ちそのものを否定して(先生が定食屋で言わなかったことが本当はもうわかっていた)包み隠すことで、真に社会から不可視化される純粋弱者男性パートに落ちかけるが、告白を通して好きになる気持ちを受け入れて清算することで心に従って生きる道(仕事で小狡く立ち回らない)を選べる。
身を預けられるほどの大きなストーリーも持たずに仕事というルーティンだけをこなす毎日に居ると本当に大袈裟でなく毎晩「ずっとこのままでそのまま死ぬのか?」と思う。先生の姿が年齢不詳で同じ物語を延々繰り返し続ける人物であることも意味深い。表層弱者男性(先生)も純粋弱者男性も惨めなことには変わりない。
と、読後すぐには思っていたものの、たまたま別の本でピザゲート事件についての言及があって、事件について思い起こされ、一巻冒頭からのピザ屋のくだりは実際に死者が出た事件をわざわざ引き合いに出してることに今さらながらに気がつく。やっぱり反陰謀論の姿勢は一貫してるなとも思った。故に自身を能力が低いと悟ってからの主人公が陰謀論の否定として「人が死んでいるから」を理由にする等身大さとほんとの真実さは重い。
Posted by ブクログ
1巻の最初のピザ屋襲撃も、思っていたつながり方と違った。
渡辺だけは吹っ切れたようだが、こちらは何だかモヤモヤが収まらない。
「な~んちゃって」では済ませてほしくはなかった。
Posted by ブクログ
【あらすじ】
”陰謀論”を信じてはいけなかったのかー?
「人生が、始まってる気がしない」小さな不信感から始まり、傾倒した”陰謀論”。しかし嘘に裏切られ、手元に残ったのはいくつかの疑問だった。「なぜここでトラブルに遭ったんだろう」「なんであの子と出会ったんだろう」「なんで陰謀論を信じたんだろう」
”陰謀”と決めつけて蓋をした疑問に再び向き合い、答えのない問いに決着をつけることはできるのかーーー
『チ。』『ひゃくえむ。』の魚豊が示す、「運命」と「真理」の物語―――!!
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
「陰謀論」って面白いですよね。どこの誰が考えたのかわからないけれど、よく出来てるな〜と感心してしまうものもあります。自分は基本的に陰謀論はオカルトの一種だと思っているので信じませんが、自分の知らないところで、高い次元から世界を思い通りに操っている存在がいるのかも…という考え自体は否定できないと思っています。ほら、ほとんどの凡人は情報に簡単に流されるので、それを利用する方法を知っている人からしたら、世界を操るのって実は結構簡単なのでは?と思ってしまうんですよね。だから、何事も「疑ってかかる」ことは大事。
この物語の主人公も、最後には自分で考えることができるようになりました。そこから先に見える世界は、ただのうのうと生きているときとは全く別物なんだろうなと思います。
一応決着はついたが。。。
まぁ、決着が一応つけられているには評価するが、作者のメッセージを汲み取り切れず消化不良感がすごく大きい。告白があっさり玉砕したことしか記憶に残らず。。。作者の他の作品mと比べると微妙。