魚豊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なるほど。「知」の自由の問題でもあった、と。
ドゥラカにせよシュミットにせよ、恐らく彼ら(彼女ら)の考え(思う事)は「今の」私達には理解できるけれど、信仰によって考える事、疑う事が禁じられ、情報が監禁された世界の中では何を言っているのか分からない、いわば宇宙人の言葉のように思えたんでしょうねぇ。
そういう意味で、ドゥラカを導いた叔父さんは凄い人だったんだなぁ…好きにはなれんけど(苦笑
シュミット。
これまたかなり強烈なキャラがきたなぁ、って感じです。
最初の行動がホントに「ドカン」だし、話は長いし。
とはいえ、自分の信念と相容れないものでも尊重するあたり、C教よりはるかにマシなんですよね -
Posted by ブクログ
真理を求める人々の執念というヤツは何と狂おしく、そして切ないのか。
オクジーとバデーニの行動はさておき、ロレンタの苦悩はなんとも…。
やりたいことができない、という呪縛は地動説を信じる人々だけでなく、生まれ持った性別にすらかかってくる。
そのやるせなさがあの行動力に繋がってる、というのはなかなかに強烈ではあります。魅力的。
そして何より、ピャスト伯。
「2000年」と言ったその悔しさは…我々には伺いしれないものがあったのではないでしょうか。
でも、同時に「師匠」の最期の後悔は同じようにピャスト伯をも苛んでいたのだろう、と。
だから「真理」をこそ求めたのでしょう…。
ただ「知る」という自由 -
Posted by ブクログ
…C教、ヤバ過ぎでは…?
とはいえ。
ノヴァクも信念と疑念を持って生きていたという事が分かり。
いや、同情はしないのですが、彼は彼なりにというよりも、それが良しとされる時代と世界の中にいたのだから、何も間違っていないわけで。
そんな世界の中で、「知りたい」という自由を求め死ぬ覚悟を持てる人達は…狂気ですよねぇ。
正気の範疇で自由を求められる今がいかに幸せなのか、思い知ります。
それにしてもパデーニ…。もちろん彼にしか分からない痛みがあったわけですが、それでも、それを味合わせたくなかったというのは。
…きっと、彼が本当は情に篤かったとか、友愛に目覚めたというわけではなく、オクジーの考えや生 -
購入済み
信念が受け継がれる
意外な手段で信仰では無く信念が次代に受け継がれていく。
あっち側だったあの人も思わぬ形で巻き込まれて。
面白いが、他の方も仰っているようにページ数がちょっと少なめ。 -
Posted by ブクログ
修道院の天才副助祭・バデーニの人間的に最低な部分が露呈されるところから始まる第3巻。
女だからと才能を認められない、いとも簡単に手柄を奪われるヨレンタも、その漫画がここまで一貫して描いている、この時代の暗くて救いのない部分を体現している存在として描かれる。
(今のところまだ殺されなくてよかった、と安堵した)
それにしてもこの漫画、なかなか天才にすぐ出会えるもんなんだな、とは思う。笑
老い先の短いピャスト伯のように、誰かが一生を賭けて、あるいはユダヤ教以来2,000年のあいだ人類が追い求めた「真理のはずのもの」がそうではなかったと認める転換というのは、今の時代のどの価値観よりも重く大きなも