砥上裕將のレビュー一覧
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持たざる人を描いているようでいて、まったく逆の人を描いていたような気がする。
主人公の青山霜介は家族を事故で亡くして以来、心が空っぽになってしまった青年だ。叔父に引き取られたけれど、何をする気にもなれないでいる彼は、大学に入学してから一人暮らしをすることになる。水墨画の展示会のパネル運びのバイトにきた彼は、そこで有名な水墨画の絵師・篠田湖山に見いだされ、内弟子として水墨画の世界に踏み出していくことになる。
湖山の孫娘の千瑛(ちあき)と霜介が一年後に開かれる湖山賞で競い合うことが提案され、霜介はまったく自分が了承しないまま湖山の弟子として千瑛にロックオンされてしまう。高い技術を持つ美しい女性と水墨画の知識は何もないが『本質』を捉えている(と、湖山は評価する)霜介の勝負。
なかなか燃えるシチュエーションだが、あまりにも霜介が何も知らないので勝負はまったく白熱しない。両親を亡くした彼が、世界のすべてに温度を感じられなくなっている状態から、水墨画を習うことによって少しずつ回復していく様子がメインで描かれる。
水墨画の世界を小説で読む、ということが私にとってはなかなか難しく、しっかり没入できなかったかも。何もかも失くしたと思った霜介が、持っているものに気づいていく話のような気もした。
登場人物としては、西濱さんが良かったかな。彼の描いた水墨画を見てみたいなと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2026.01.22 (木)
短編で手に取りやすく読んだことのない作家さんも多い中、読みやすかった。
金子玲介目当てで購入したけど、いくつか気に入った作品があって嬉しかった。
岡崎隼人 「パルス、またたき、脳挫傷」
砥上裕將 「母の箪笥」
五十嵐律人 「累犯家族」
荒木あかね 「重政の電池」
金子玲介 「恋文」
背筋 「こわくてキモくてかわいい、それ」
多崎礼 「海に還る」
柾木政宗 「切れたミサンガ」
夕木春央 「擲たれた手紙」
麻耶雄嵩 「探偵ですから」
この作品たちが好きだった。なかでも 「重政の電池」が1番良かったかも。余韻も好きだった。 -
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主人公の視能訓練士、
野宮を中心とした目にまつわる5つの物語を楽しめた。
この本を手に取ったきっかけは
わたし自身ものすごく目が悪く、
毎日度入りのカラコン生活を送っているため
目に対してかけるコストや苦悩も多かったので、
この目に関する物語に興味をひかれた。
読後は多少なりとも目に対してのケアを、
もっと大切にしようと同時に見えなくなることへの恐怖も感じた。
コンタクトすればいいじゃん、
メガネすればいいじゃん、
手術すればいいじゃん、
悪くなってから動くのではなく、日頃の生活習慣を改めて、さらに悪くならないようにの対策が大事なんだなと。。
最近本を読んでいても字が滲んだり、
ハッキリ見えなかったりすることもある。
目によって得てる情報や感情は一言では表せないくらい多いもの。
もっと自分の身体を大切に、
労わって、生きていこうね。