砥上裕將のレビュー一覧
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6冊目の砥上裕將さんは『龍の守る町』の続編です。
5年前に未曾有の大水害に見舞われ、いまだに町のあちこちにその爪痕が残されている瑞乃町。この町で生まれ育った消防士の秋月龍朗は、20年を超える現場を引退し司令室勤務となった前作。
司令室とは、119番に電話をかけて繋がる場所で、迅速に状況を判断して救急車や消防車を出動させる重要な部署です。
秋月本人もトラウマを抱えながら、町を守るために奮闘します。
すごく良かったんですが…ただ、う〜ん、うまく言えないんですが、エンタメ感というかフィクション感というか、がちょっと強かった気がします。
でも災害の描写は非常に臨場感があって、とてもハラハラしました。映像化したらハマりそうですね。
そしてこの町、なんと『線は僕を描く』の世界と繋がっているようですよ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ過去の水害の記憶に苦しみながらも、今生きる人の命を救う消防士と、その地域に生きる人たちのお話。
たくさんのキーワードが盛り込まれている。
亡くなった人が今を生きる人たちの命に繋がっている。
自然は強くて恐ろしい。
水害は苦しく悲しい記憶だけど、ずっとそこに固執しすぎてもよくない。
メインのテーマはそのあたりだったけど、悲しい記憶を抱えている人たちが、その記憶と向き合い、前を向いて生きようとする姿が描かれている。
災害を経験した人に向けて書かれた小説なのかなと思った。
そういう災害で生き残ってしまった人が罪悪感を覚えたり、あの時ああしていたらと後悔を抱え続けるという話はよく聞く。
そういった人たちにそっと寄り添い、自分の生を肯定してくれるような小説なのではないかなと思う。
ただ重苦しいだけの小説ではなく、指令室のメンバーとのスイーツを巡るやり取りはふっとひと息つける場面でもあり、緩急が心地よい。また、妻の薫とも最後改めて打ち解けられていたのもよかった。 -
Posted by ブクログ
持たざる人を描いているようでいて、まったく逆の人を描いていたような気がする。
主人公の青山霜介は家族を事故で亡くして以来、心が空っぽになってしまった青年だ。叔父に引き取られたけれど、何をする気にもなれないでいる彼は、大学に入学してから一人暮らしをすることになる。水墨画の展示会のパネル運びのバイトにきた彼は、そこで有名な水墨画の絵師・篠田湖山に見いだされ、内弟子として水墨画の世界に踏み出していくことになる。
湖山の孫娘の千瑛(ちあき)と霜介が一年後に開かれる湖山賞で競い合うことが提案され、霜介はまったく自分が了承しないまま湖山の弟子として千瑛にロックオンされてしまう。高い技術を持つ美しい女性と水墨画の知識は何もないが『本質』を捉えている(と、湖山は評価する)霜介の勝負。
なかなか燃えるシチュエーションだが、あまりにも霜介が何も知らないので勝負はまったく白熱しない。両親を亡くした彼が、世界のすべてに温度を感じられなくなっている状態から、水墨画を習うことによって少しずつ回復していく様子がメインで描かれる。
水墨画の世界を小説で読む、ということが私にとってはなかなか難しく、しっかり没入できなかったかも。何もかも失くしたと思った霜介が、持っているものに気づいていく話のような気もした。
登場人物としては、西濱さんが良かったかな。彼の描いた水墨画を見てみたいなと思った。 -
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ネタバレ2026.01.22 (木)
短編で手に取りやすく読んだことのない作家さんも多い中、読みやすかった。
金子玲介目当てで購入したけど、いくつか気に入った作品があって嬉しかった。
岡崎隼人 「パルス、またたき、脳挫傷」
砥上裕將 「母の箪笥」
五十嵐律人 「累犯家族」
荒木あかね 「重政の電池」
金子玲介 「恋文」
背筋 「こわくてキモくてかわいい、それ」
多崎礼 「海に還る」
柾木政宗 「切れたミサンガ」
夕木春央 「擲たれた手紙」
麻耶雄嵩 「探偵ですから」
この作品たちが好きだった。なかでも 「重政の電池」が1番良かったかも。余韻も好きだった。 -
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主人公の視能訓練士、
野宮を中心とした目にまつわる5つの物語を楽しめた。
この本を手に取ったきっかけは
わたし自身ものすごく目が悪く、
毎日度入りのカラコン生活を送っているため
目に対してかけるコストや苦悩も多かったので、
この目に関する物語に興味をひかれた。
読後は多少なりとも目に対してのケアを、
もっと大切にしようと同時に見えなくなることへの恐怖も感じた。
コンタクトすればいいじゃん、
メガネすればいいじゃん、
手術すればいいじゃん、
悪くなってから動くのではなく、日頃の生活習慣を改めて、さらに悪くならないようにの対策が大事なんだなと。。
最近本を読んでいても字が滲んだり、
ハッキリ見えなかったりすることもある。
目によって得てる情報や感情は一言では表せないくらい多いもの。
もっと自分の身体を大切に、
労わって、生きていこうね。