藤井太洋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
SFって踏み込んでしまうとエラいことになりそうで、星新一→筒井康隆→清水義範、小林恭二以外には手を出さないようにしてました、伊藤計劃まで。まぁ伊藤計劃も「ハーモニー」「虐殺器官」「屍者の帝国」しか読んでないけど。
というSFあまり読まない人間の感想。一番伊藤計劃っぽいなと思って気に入ったのが藤井太洋、次が柴田勝家かな。機械による戦争というか殺戮への反発、中国辺境のムスリムテロリストとか伊藤計劃好きそう、と思いました。どうもファンタジー系は苦手みたいで伏見完と仁木稔はちょっと苦手。王城夕紀と長谷敏司は単独でおもしろいけど、前2人も含め伊藤計劃あまり関係ない印象。
伴名練は屍者の帝国のスピンアウト -
Posted by ブクログ
ネタバレ伊藤計劃をテーマに、影響を受けた作家たちが集まったアンソロジー作品。
伊藤計劃の作品、虐殺器官、ハーモニー、メタルギアソリッド、屍者の帝国とどこかで繋がるようなとても面白い素晴らしい作品が集まった。
テクノロジーが人間をどう変えていくかを追求しているらしいが、あまりそこにこだわることなく、伊藤計劃が内包しようとした世界観にワクワクしつつ集まった新しい作家たちの物語を楽しむだけで良い作品だと思う。
個人的に「未明の晩餐」が秀逸で、テクノロジーと人間との関わりはもちろん、退廃した未来の東京を描くSFらしさ、その世界観における人間模様、食の話を中心にし、その全てが綺麗にまとめられている。
で -
Posted by ブクログ
「旅」をテーマに、気鋭の作家陣が短編を寄稿したアンソロジー。とはいえ旅の解釈はそれぞれであり、SFだったりミステリーだったり、各人の特徴が出ている内容となっている。
個人的な好みは藤井太洋さんの「月の高さ」。ご本人の経験を踏まえた舞台芸術の置かれた現状、地方巡業のドタバタ感、枯れたおじさんと若い女性の緩い連帯といった内容が小気味よくロードムービー的に展開されていて面白かった。
一方で石川宗生さんの「シャカシャカ」については正直よく理解できなかった。地表がシャッフルされるという話のメタ構造として、各章の順番もシャッフルされていく流れなのだけど、いきなり話と場所が飛んでしまうためについていけな -
Posted by ブクログ
中学生の時に島を離れた主人公が、島に残った父の認知症を理由に30歳過ぎてからUターン。
島での生活に慣れた頃に、クルーズ船寄港地としたリゾート開発が始まる……
いちいちカッコ書きとなる「奄美の方言」は、はじめはとても読みにくく、さらに、何が「第二」なのか、その意味を考えるまでがやや長い。
方言は、「難民問題」を感傷的になる一方で「どこか排他的な日本人に、「民族の違いなんて方言が違うぐらいの差なんだ」と、そんなことまでも織り込んでるのかもしれない……また、善意の人たちが善意で始めたことでも、結果「悪」となる場合もあり、そうならなくても、すべての人に「善」であることはない……その他、島の過疎化 -
Posted by ブクログ
【2025年60冊目】
機動性の宇宙機スペース・テザーの信憑性を確かめるためシアトルまでやってきた和海。凄腕ハッカーのあかりや、CIAにJAXAと共に真相に迫っていく。軌道の先には、2人の民間人がいる宇宙ホテルが。絶対絶命の彼らを救うことはできるのか。
上巻に続き、壮大な物語。救われない要素がちらほらあるところが、リアルさを描きつつ、「フィクションだから救われて欲しかったなぁ」と少し残念に思いました。きっかけの彼のことです。
努力家だった蝶の彼の思いに関してはもう少し、生い立ちとかからじっくり描いて欲しかった思いもありますが、物語が冗長になることを避けたのかなと思ったりもしました。
あま -
Posted by ブクログ
【2025年59冊目】
流れ星の発生を予測するWebサイト「メテオ・ニュース」を運営する木村和海は、大気圏内に落下するはずのロケットがなぜか高度を上げていることに気がつく。疑問に思う和海の元にイランの宇宙工学の助教授である博士から突如連絡が入ったことから、和海は宇宙規模のテロ計画に巻き込まれ始めることに――。
一万円選書で選んで頂いた本作。なかなか読み進められなくて、上巻の今作を読むだけでも一週間以上を費やしました。宇宙に纏わる専門用語が多く、説明はあるものの、なかなか想像するのは難易度が高い。
結局「なんか、故意にまかれた宇宙のゴミがすごい速さで宇宙ホテルにぶつかる可能性があってやばい」