藤井太洋のレビュー一覧

  • ビッグデータ・コネクト

    Posted by ブクログ

    サイバー犯罪捜査官とサイバー犯罪の元容疑者がタッグを組んで個人情報絡みの事件を追いかける警察小説。 元容疑者である武岱のキャラが立っていて、その存在感に本筋の話が絶妙にフックアップされている。

    「XPウィルス」の作成と配布の罪で逮捕された武岱は2年に渡る勾留の末に不起訴処分となるも、長期の勾留期間によって蝕まれた彼の身体は痩せこけ釈放された頃には骨と皮の亡者然に成り果ててしまう。しかし、その2年後には驚くべきことに彼は筋骨隆々・頭脳明晰というスーパマンへと変貌を遂げていた。 そんな武岱がかつて自分の取調べ担当だった捜査官とコンビを組むという「設定」を軸にして、主要登場人物達(主に警察関係者)

    0
    2017年04月28日
  • 伊藤計劃トリビュート

    Posted by ブクログ

    いかにも伊藤計劃トリビュートらしい中編集。
    戦争をAIから取り戻す「公正的戦闘規範」、AIが推奨される選択肢を掲示する世界「ノット・ワンダフル・ワールズ」が特に面白し、伊藤計劃らしさがある。
    分厚さもありSFはじっくり読み込んでしまうので時間がかかったが非常に面白かった。

    0
    2017年04月22日
  • 伊藤計劃トリビュート

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    意図的な選択肢を提示し、それを人が受け入れるようになると、選択肢を提示している人は、人を操れるようになりますが、操られている人はそうであることを認識しませんという話が載っている。たとえ、あやつっていたのが人でなかったとしても。

    ノット・ワンダフル・ワールズ

    0
    2017年01月26日
  • オービタル・クラウド 上

    Posted by ブクログ

    テザーがここまで活躍するものとは思っていなかった。実際のものはどうなんだろう…それ以外にもなんだか身近すぎるキーワードが出て来て、私にとってはリアルタイムな内容だった。

    0
    2017年01月09日
  • Gene Mapper -full build-

    Posted by ブクログ

    遺伝子工学、拡張現実、難しい言葉が並ぶけど、ほんの少し読み進めればグイグイ行けます。
    あっという間のイッキ読みです!
    読後のゾワゾワする高揚感がもうたまらない。

    0
    2016年10月19日
  • オービタル・クラウド 下

    Posted by ブクログ

    面白かった!
    特に下巻は一気に読んだ。

    登場した主な国(日本、アメリカ、北朝鮮、イラン)はなんというか、ものすごくステレオタイプのような気はしたけど、だからこそ、一方の宇宙に関する技術的なことが複雑なだけに、単純化されてわかりやすくて良かったのかも。

    あと、シアトルが舞台ってのが良かった。
    海外でも行ったことのある場所だと、余計に入り込めてよかった。

    0
    2016年08月11日
  • Gene Mapper -full build-

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    プログラミングの経験があるおかげでなんとなくのイメージができる部分もあって楽しめた。
    ストーリーももちろん面白かった。

    後半に出てくる設計動物のプログラムを書いた環境保護団体のエンジニア(笑)のコードの変数名に変数Aとつけるとか、"ここで変数を定義"のコメントとか笑ったw

    0
    2016年07月18日
  • オービタル・クラウド 下

    Posted by ブクログ

    意外な人があっけなく退場したり、
    意外な背景を持つ人だったり、
    意外な変貌を遂げる人だったり。
    何十年も先には、技術的に時代遅れになるかもしれない、
    世界の情勢も変わっているだろう。しかし大国と
    そうではない国、そうではなくなっていく国、
    そこに生まれてしまった人、本当に輝ける場を
    探す人、世界・宇宙の複数の舞台で、
    それぞれに自分の持つ能力を存分に発揮しながら、
    チームとして事態を解決していく爽快感。
    SF、サスペンス、スパイアクション、
    映画が似合うエンターテインメント!

    みなが真剣ななかでも、わかりやすく前向きで明るく
    ふるまうスマーク親子のやり取りや、オジーが
    よいスパイス。一代で巨

    0
    2016年06月20日
  • オービタル・クラウド 下

    Posted by ブクログ

    読んでて思ったのは,これはただの近未来SF小説だけでなく,現代の問題点を取り上げてること.
    日本で自分の技術を認めてもらえず,且つ隅に追いやられ,日本を捨てて中国へ行った技術者白石.これは近年見られる韓国などからの日本技術者ヘッドハンティングを表しているのではないだろうか.
    とにかく読んでて,面白いだけでなく,少し考えさせられた.


    最後のジャムシェド博士の態度の変わり方だが,ここはもうちょっと心理描写が欲しかった.

    0
    2016年06月02日
  • オービタル・クラウド 上

    Posted by ブクログ

    最初登場人物とか専門用語が多くてパニクりそうだったけど、次第に慣れてくる

    物凄く読み応えのある近現代sf小説だった!

    出てくる用語は巻末に説明があるけど、それを読まなくても大丈夫
    スペーステザーのやつ、なかなか面白かった

    0
    2016年05月31日
  • オービタル・クラウド 上

    Posted by ブクログ

    おもしろい!ストーリーの構造上、話が集約するまでは少し全体像をつかみにくくて苦労するけど、つかんでしまえば後は一気に読める。
    近未来の話ではあるけど、完全に現在と地続き。宇宙物だけど難しくない。上質のエンターテインメントに仕上がってます。

    1
    2016年05月21日
  • 伊藤計劃トリビュート

    Posted by ブクログ

    文字通り、伊藤計劃トリビュートの作品集である。文庫本で700ページを超える厚さであるが、作品数は8つの中篇集である。どの作品も伊藤計劃の影を感じさせる作品であり、作家らがいかに伊藤計劃氏の影響を受けているのか感じられる。しかもどの作品も驚くほど面白い。各作品に引き込まれるように読んだ。ページ数は多いがあっという間に読み終えてしまった。特に面白かったのは、「仮想の在処」「南十字星」「未明の晩餐」「フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪」。

    以下、個別作品の感想。

    ◎公正的戦闘規範(藤井 太洋)
    格好いい話だ。ドローンや歩行兵器などが登場し、さらに戦争の規範を訴える。無人兵器が実用化さ

    0
    2016年04月25日
  • ビッグデータ・コネクト

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    コンピュータウィルス/詐欺名簿事件の冒頭から、組織・行政・国ぐるみの大きな展開に。章を追うごとに高まる緊張感と徐々に炙りだされていく全容。警察モノという新題材だが変わらず理性的・解説的な記述が特徴。

    ・警察のフリーダイヤル負担も捜査コストに
    ・”生活反応”
    ・住基ネット/マイナンバー/セキュリティ会社監視カメラが収集する顔紋データ/キャリア位置情報/店舗での購買情報/全てがつながったら・・?
    ・個人情報保護法の誤認(プライバシーの保護が目的ではない。企業が保有する個人情報が破損したり盗まれないよう保護する、利用方法を定めただけ。)
    ・顔紋は”特徴点を結んだデータの固まりにすぎない”=条文のい

    0
    2016年03月14日
  • ビッグデータ・コネクト

    Posted by ブクログ

    バディものを想定していたら、不仲でした。中盤まではアレですが、そこから終盤への追い込みは勢いがあって、良かったです。私の知っている限りだと、4次受けが最大ですが、再派遣は日常。忙しいくらいで、あの人はそこまで壊れるか?と思える人は幸せです。

    0
    2016年02月09日
  • 伊藤計劃トリビュート

    Posted by ブクログ

    私的には話がすごく粒揃いだった。
    未明の晩餐はぜひ長篇でもやって欲しい。もっとよみたくなる、話だった。

    0
    2015年11月24日
  • Gene Mapper -full build-

    Posted by ブクログ

    これも面白かった。
    gene mapperの話がメインなのだけれど、ところどころに出てくるギミックが、それだけしか出ないなんてもったいない、という感じで使い捨てられていっていた。
    このお話で作り上げられた世界観で、いくつもお話が出来上がるのではないかと思うし、それをもっと読みたい。
    150712

    0
    2015年07月12日
  • Gene Mapper -full build-

    Posted by ブクログ

    この人の技術力(筆力ではない。それももちろんだが、工学的な)はすごいですね。どれほどの知識と理解を持っているのだか。

    0
    2025年11月27日
  • ビッグデータ・コネクト

    Posted by ブクログ

    ITもコンピュータも得意ではないし、理解できない用語もたくさんあったがワクワク楽しめた。戸籍の外字問題、探せないだけじゃないのか。個人情報、ダダ漏れなんだろうな。漏れて困る情報それほどないけど、気味悪い…。

    0
    2025年10月29日
  • 旅する小説

    Posted by ブクログ

    帯には「最旬の作家たちが旅をテーマに競作したアンソロジー」と書かれている。この最旬の作家たち6人のうち5人が有名なSF作家だった。この様なアンソロジーには必ず読んだことがある作品が紛れ込んでいるもの。しかし、しょうがない。忘れている作品もあるだろうから、復習も兼ねてサラっと読んで行こう。SF作家が「旅」と言えば、時間旅行、宇宙旅行が定番、全くつまらないと言うことはないだろう。まさか、普通の旅行小説なのか?と、ワクワクしながら読むのも一興だ。さあ、個別にコメントしよう。

    〇 国境の子/宮内悠介
    講談社の短編集「国家を作った男」で既読。何回読んでも心に染み入る作品。主人公が大人しいだけに、その範

    0
    2025年10月23日
  • 旅する小説

    Posted by ブクログ

    国境の子:宮内悠介/月の高さ:藤井太洋/ちょっとした奇跡:小川哲/水星号は移動する:深緑野分/グレーテルの帰還:森晶麿/シャカシャカ:石川宗生

    それぞれの時、それぞれの場所で
    旅が生まれ物語りになる
    不思議な感じのする物語たち
    「シャカシャカ」の切り取られる世界のイメージは見た気がする……夢かな??

    0
    2025年10月22日