藤井太洋のレビュー一覧

  • ハロー・ワールド

    Posted by ブクログ

    エンジニアなんでも屋の主人公•文椎(フヅイ)に降り掛かるネットワークの問題点に自身が納得出来る方法を提案していく短編集5本+番外編。
    プログラミング知識が無い私でも読み進めることが出来る。帯に書かれている通り「インターネットの自由と豊かさを守り世界を少しだけ良くするための熱く静かな闘いの物語」。現実的な内容が興味深い。
    現在において文椎のようなエンジニア達が居てくれることを祈ります。

    0
    2022年09月27日
  • 東京の子

    Posted by ブクログ

    「考える事」の大切さを考えさせられた。
    SF小説だと思って購入したら仕事小説だった。
    主人公が使う“パルクール”の緻密な描写文面が映像で浮かんだ。是非とも映画にして欲しい。

    0
    2022年09月18日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    解説にも書かれているが、この小説はリアリズムである。であるが故に非常に怖い。現実に起こり得る出来事が描かれている。
    東京オリンピックに向けた中で核爆弾によるテロが計画され実行されていく。現実ではコロナにより延期されているが、小説内では予定通り2020年に実施される予定となっている。
    テロリストはISの生き残りと日本人デザイナー。日本人デザイナーの動機は、日本に核の説明責任を果たさせる事。
    デマの廃絶は現実世界でもまだまだだが、説明する事でしか解決出来ないと思う。

    0
    2021年08月29日
  • アンダーグラウンド・マーケット

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    日本のFintechの未来…ifルート的な話で、非常にリアリティのある小説だった。至る所に伏線が散りばめられ、起承転結の転結に結びついていくさまはストーリーの練り込みを感じる。ぜひシリーズとして続きを読みたい。
    IT・マネーの基礎知識があるおかげか、読んでてとてもワクワクした。恵さんが、生き残ったedコマンドを駆使して汚染された他のコマンドを正常なものにコンパイルして置き換え、ピタットの全貌を暴いていく……ソフトウェアに関わるものとして痺れました。こういう凄腕エンジニア、憧れる。

    0
    2021年08月07日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    あぁ、素晴らしい!
    緊張感、交錯する正義、実在するけど見てこなかった現実、そして希望。
    僕はもうとにかく、この藤井さんの描く、多様な出自、バックボーンを持つメンバーがチームとなって目的をなそうとするところが大好きです!

    0
    2021年06月30日
  • 銀河英雄伝説列伝1

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    銀英伝のトリビュート短編集。ラインハルトがルアーフィッシングをするなら、ヤンは2人劇で女装で役者をする。キャゼルヌ婦人の名探偵っぷりは堂に入ってるし、フェザーンと地球教はなるほどなるほど…

    田中芳樹のすごいところは、あれだけ売れてあれだけ続編を書きやすそうな「銀英伝」を正伝10巻、外伝5巻できちっとけじめをつけたところだと思う。これは真逆の方向性だが、死ぬ間際までグインサーガを描き続けた栗本薫と同じくらいスゲーことだと、俺は思っている。

    だからこそ、銀英伝の2次創作は枚挙にいとまがない。世の中にあふれたくっているのだが…、深い愛とそれを表現できる技術をもった一流の小説家たちが創る二次創作作

    0
    2021年05月31日
  • ハロー・ワールド

    Posted by ブクログ

    エンジニアのなんでも屋の文椎。日本、アメリカ、ベトナム、中国を渡り歩く。短編集

    slack,ブロックチェーン.シンギュラリティなどのIT用語も登場しますが、最後の「めぐみの雨が降る」はブロックチェーンの仕組みが分からないと理解しにくいなと感じましたが、総じて分かりやすかったです。

    ITで世界を変えるといった時に最後は人との繋がりではないかと感じます。またネットで世界が繋がるということは資本主義や社会主義を越えて世界がより良くなること。理想論もあるかもしれませんが。

    自分のまわりに、主人公の様なコミュニケーション力、技術、英語も話せてなんてスーパーエンジニアがいないのは自分の世界が狭いのか

    0
    2021年05月04日
  • 銀河英雄伝説列伝1

    Posted by ブクログ

    6人の作家による銀河英雄伝説公式トリビュート・アンソロジー。
    原作が完結してから何年?1989年の完結?30年近く経て、トリビュートされるのは衰えない人気の証明。
    嬉しい。
    タイトルに列伝1とあるからには、今後も刊行の予定があるという含みと思います。銀英伝の世界が、銀河の歴史が1ページ、また1ページと増えてゆくわけです。これは嬉しい。

    「竜神滝の皇帝陛下」
    エミールのラインハルトへの心酔っぷりを評して、釣りをしている時も宇宙を釣り上げているようでした、という一文があったことを思い出す。そこからふくまらせた作品。日常生活というか余暇を楽しむことができないラインハルト。彼の数少ない日常の光景を垣

    0
    2021年04月07日
  • ハロー・ワールド

    Posted by ブクログ

    普通にありそうで、でもきちんとSF。
    生活感がリアルだからか、読んでいて違和感なく世界に入っていける。

    0
    2021年04月03日
  • 銀河英雄伝説列伝1

    Posted by ブクログ

    普段アンソロジーは手にとらないのですが、銀英伝トリビュートとくれば話は別です。
    ファン必読の書と言えるでしょう。
    列伝1とあるので、今後2、3と続いてほしいです。
    では、簡単なエピソード紹介を。

    ①竜神滝の皇帝陛下(小川一水さん)
    ラインハルトの新婚旅行中の数日が描かれます。
    僕は最後の作者自身による注釈を見るまで気づきませんでしたが、原案はあの超有名な漫画の1エピソードらしいです。
    冒頭のエピグラフに続いて、史書あるいは史家の論文と思しき記述があってから本編に入るという銀英伝らしさ溢れる構成に、一話目から胸が熱くなります。ラストに年表形式で語られるエピローグもいい。

    ②士官学校生の恋(石

    0
    2021年03月01日
  • 銀河英雄伝説列伝1

    Posted by ブクログ

    これは嬉しい(^^)♪もう読む前から1っていうことは2以降も続くんだよね?o(*゚∀゚*)oと気持ちが昂る♪そして登場人物達の意外な一面が続々と…あぁたまらん( *´艸`)一番衝撃的だったのはルビンスキーの頭(髪)Σ(-`Д´-;)次回はアンネローゼ様とか帝国女子の話が読みたいな~♪

    0
    2021年01月26日
  • 銀河英雄伝説列伝1

    Posted by ブクログ

    銀河英雄伝説公式トリビュート作品集の一巻。
    六名の作家による六編の短編が収められている。

    それぞれに、作家が本編に出てきた一文に着想を得ていたり、好きな人物をこうだったらと掘り下げてみたり、本編には過去の史実として書かれていることがリアルに知れるシーンが描かれていたり、自由で夢がある一冊。書き手から銀河英雄伝説への愛情が伝わってくる。

    士官学校に通ってた頃のヤンが女装して舞台に立っていたり、オーベルシュタインに女性の部下がいたり、ラインハルトが良き父親として振る舞おうとしつつ釣りをしていたり・・・。
    あれだけドラマチックな物語の中にいた人たちの何気ない日常が描かれていて、読んでいて楽しかっ

    0
    2021年01月24日
  • オービタル・クラウド 下

    Posted by ブクログ

    解説で大森望氏が書いている「仕事小説のリアリティ」がすべて。上巻終わりの膨大な注釈も斜め読みし、雰囲気を味わう。宇宙に夢を持つということがよくわかる。厳しい政治情勢下のイラン人科学者が痛ましい。

    0
    2020年12月29日
  • 銀河英雄伝説列伝1

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    カテゴリは合ってます(歴史だもんね)
    作者に太田忠司先生がいるだけで「買います」だが他の作者さんも銀英伝好きが溢れてるお
    作者公認の二次創作を嫌う人は多い、イメージが異なるからだと思うが40年も付き合っている作品ともなると別な一面を見る機会を逃す筈がありません
    そもそも歴史はそんな一面だけで理解したつもりになってはいけないのです
    太田先生の「レナーテは語る」
    あのオーベルシュタインが這い上がる基礎を築いた事件です(ネタバレ)突然オーベルシュタインから遺産が当るとなれば人類なら等しく恐怖を覚えるだろう、そんな状況になったレナーテが情報処理課にいた頃「上司で名探偵」でもあったオーベルシュタインとの

    0
    2020年12月09日
  • 銀河英雄伝説列伝1

    Posted by ブクログ

    私の読書のきっかけとなった銀河英雄伝説のトリビュート短編集。
    ミステリ的であったり哲学的であったりと作者によってテイストが少し異なるのが非常に面白い。
    いかにも銀英伝らしいのは「ティエリーボナール最後の戦い」。唯一艦隊戦が描かれている。
    気に入ったのは「士官学校生の恋」。キャゼルヌ夫人の才が本編のイメージを損なう事なく描かれている。
    初めて読んだのは多感な高校時代。ヤンやポプランに憧れ、軽口を叩きながら楽しく生きたいと思った。もうとっくにヤンの年齢は追い越したが、思いは変わっていない。次は是非ポプランを主役に誰か描いて欲しい。

    0
    2020年12月02日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    One More Nuke。こんな文字を書くと、FBIやCIAからこのサイトが監視されそうです(苦笑)。

    One More Nukeとは、「もう一度核を」と言う事。それはすなわち、(今のところ)最初で最後の被爆国の日本において、もう一度核爆弾を爆発させると言う事を意味しています。著者は、元々ソフトウェアエンジニアだった経験もあるので、そういうバックグラウンドのなせる業なのか、工学的な描写にすぐれています。

    通常核爆弾は、核燃料を90%以上まで濃縮しなければならないとされていますが、この物語では、それよりはるかに低濃度の20%で核爆発を起こす事が可能な設計の核爆弾を設計し、製造してしまったと

    0
    2020年08月15日
  • オービタル・クラウド 下

    Posted by ブクログ

    下巻になって圧倒的に面白くなった。
    ぜひ映画化してもらいたい。
    日本SF映画の金字塔になるはず。

    0
    2020年08月13日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    藤井太洋の作品は、本当にありそう、と思えるようなリアリティが感じられるところがすごく好きなんだと思う。
    何が正しいのかをきちんと説明させるために、汚染を東京で引き起こそうとするテロリストと、事実を説明できる形に残そうとする科学者を中心に、原子力爆弾を巡って複数の立場の主体が駆け引きし合う物語。
    忘れてしまっているだけで、見えなくなっているだけで、偏見の芽はいくらでも残っているのだろう。
    200812

    0
    2020年08月12日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    今読むべき本、というのはこういうもののことを言うのだろう。

    2011年3月11日から9年、2020年の3月11日を迎えるまでにこの本に出会い、読み終えられたことには本当になにか運命的なものを感じえない。

    私たちの中に未だ深い傷を残すあの地震とあの事故にここまで誠実に大胆に向き合わせ、新しい角度から考えさせてくれたこと、強い言い方になってしまうがあの事故に対して安い感動を与えることでそれらを美化するような小説しか発表されてこなかった9年間を脱却したことを評価したい。

    また、あの事故とオリンピックを結びつけ、両者の問題をさらけ出すことこの本を2020年2月という時期に文庫化したことは作者の功

    0
    2020年03月10日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    素晴らしい。

    SFが大の苦手であるわたしが、全作品抵抗なく読め、一作毎にどんどん面白くなっていく大好きな作家さんなのですが、今回はSFではなく、警察小説、国際謀略小説というまさにどストライク。
    近未来小説でありながら、東京オリンピック間近の今読むべき。

    デマが人を殺すというのも、今グイグイきます。



    0
    2020年02月23日