藤井太洋のレビュー一覧

  • オービタル・クラウド 下

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    映画を見ているような感覚でした。

    親ガチャと言われているように、生まれや育った環境により、本来画期的な発明を行う可能性を奪ってしまっている現状は寂しいと感じました。

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    2021年09月19日
  • ビッグデータ・コネクト

    購入済み

    デジタル時代のミステリー

    テンポが早く、スピーディーに進むストーリーは上出来の小説です。

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    2021年08月16日
  • ハロー・ワールド

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    あとがきにもあったが、藤井さんのすごいところは、IT関係者にも、関係していない人でも面白いと感じさせる文章と話の構成の組み立て方だと思う。
    今作は自身に近い人物を主人公として、いくつかの短編で構成されており、ビジネスを含めた緊張感のある対人でのやりとりも、ソースを書くときのそのシステムの思想もうまく言語化されていて、純粋に話として面白かった。
    表題のハローワールドも面白かったが、個人的には特異点が好き。

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    2021年07月31日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

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    オリンピックを控えた3月11日に東京で核テロをやろうというお話。物語は核物質が東京に持ちこまれてからの、5日間を描いています。いろいろな人物の思惑が交錯しますが、淡々と進んでいく時間が緊張感をあおります。
    藤井さんの小説は技術者目線のお仕事小説の傾向が強いですが、本作はサスペンスに徹している感じ。テーマについては、なかなか考えさせられますね。

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    2021年06月20日
  • ハロー・ワールド

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    主人公は何でも屋と自分を卑下していますが、何でも屋であるがゆえに人を結びつけるハブとして機能してる。この小説は2020年ころのネット事情や技術を描いていますが、メインテーマは自由なコミュニケーションだと思う。
    技術的な素養は求められないけど、楽しむためにはある程度のネットリテラシーは必要かも。

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    2021年05月30日
  • ハロー・ワールド

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    面白かった。

    時が経つごとに住む場所や関わる内容は変わっているが、何でも屋という立場と隠し持つ熱い気持ちは変わらない主人公。
    内容はIT周り(検閲、ドローン、仮想通貨等)の様々なテーマを取り上げられてつつも、読みやすい。

    ・TwitterやFacebook、そしてGoogleは移動を許さない、サービスにへばりつくか、やめるかだ
    ・西海岸の連中はたまたま手に入れた成果をたまに与えられた政治力であるかのように考えている
    ・何より悪かったのは、僕が「無理だ、助けて」と声を上げることができなかったことだ

    というように、フィクションでありながらもリアルさも感じられる1冊。

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    2021年05月27日
  • ハロー・ワールド

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     「面白い」VS「難しい」のせめぎ合い……! 現実、というか現代におけるネット社会で実際に起こり得る題材をエンタメに仕上げている、の、だと思うのですが……畑違い過ぎて「事実」と「創作」の境界線がさっぱり分からず; 驚きどころも笑いどころもピンとこない自分の知識のなさが憎い……orz
     分からないながら、ビットコインのルーツや仕組み、検閲の問題など、物語以前に大変興味深くて面白かったです。自分の全く知らない世界を覗き見たという印象。一技術者ながら、倫理観を持ってネット社会の闇に真っ向から立ち向かう文椎さん、格好いいですね。世界はこういう人たちが回しているんだなぁ……。

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    2021年05月12日
  • 銀河英雄伝説列伝1

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    ネタバレ

    銀英伝公式同人誌な短編集6編。どの作家さんも普通に外伝を読んでいる気持ちになって懐かしく嬉しい。同盟派なのでヤンの士官学校時代の仲間とのやり取りには終始にやにやしてしまう。著作既読は小川さん石持さん太田さんの3人だったけど皆それぞれの持ち味も上手く混ざっていて流石だと感心した。特に石持さん「士官学校生の恋」におけるキャゼルヌ夫人の名探偵っぷりが正に石持さんでまたこんな過去があるから皆頭上がらないのねー、と本編に繋がりそうな違和感の無さが凄い。藤井さんの「晴れ上がる銀河」ゴールデンバウム王朝初期時代といった一見枠外に思わせて実は礎だったのがとても良かった。締めも効いてる。第二弾あるかな。

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    2021年05月09日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

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    東京に原子爆弾を仕掛けたテロリスト。予告時刻は3月11日の午前0時。それを阻止するため、公安部やCIAが動く。


    題名の「ヌーク」とは核という意味。東京に原子爆弾を仕掛けたということで、それぞれの登場人物にスポットをあて、同時進行で物語が進行するので、昔の「24」を見ているような躍動感がありました。危機が迫る中での勢いが読み手にまで伝わり、約600ページという量でしたが、あっという間な感じがしました。ただ、詳細に見てみると、これはどういった状況?といった情報量の多さや今の状況が、頭の中で整理しづらかった部分もありました。登場人物も多く、最初のところで一覧表があってもよかったかなとも思いました

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    2021年04月07日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

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    カチッ、カチッ、カチッ……
    まるでドラマ『24』のように、短期間で時系列、複数場面の同時進行が、読む人を夢中にする。
    夢中になり過ぎて、久しぶりに帰宅時にひと駅乗り過ごすとこだった。

    2020年3月6日から11日までの5日間のお話。ーー「東京に核爆弾⁉︎」

    多くの人が昨年3月にリアル読書を試みたと思うが、スルーしてしまったので、改めて一年遅れで読んでみた。

    読んでみて「東日本大震災後10年」の今年の方が、読む意義が大いにあった。

    あの日自身が体験した戒厳令下のような東京のこと。
    その後、テレビで伝えられる「ツナミ」や、続々と襲いかかるような「フクシマ」の情報のこと。

    あれから10年、

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    2021年03月09日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

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    原爆テロ予告、爆発は2020年3月11日。3Dプリンタやネットワークを駆使した現代ならではの爆弾作成や材料調達を始め、物語は妙にリアルだ。映像を見ているように600頁を夢中で一気に読んだ。テロリスト各々の事情、阻止する側の思惑、面白かった、と素直に言っていいか迷うほどメッセージ性は高い。「One more nuke to fear it.」なんて強い、痛々しい言葉だろう。今はちょうど3月、沢山のことに思いを馳せる。2020年は想像されていたものとは違ってしまったが、これは読んでよかった、読むべき一冊だった。

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    2021年03月08日
  • 銀河英雄伝説列伝1

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    いわば二次創作なので読もうか迷っていたのですが、店頭で見かけちゃったのでつい買ってしまった…(笑)
    正伝外伝の新しい供給がないので列伝に手を出してしまうのも致し方ない…が、やはり二次創作なのでイマイチイメージ違うなぁというのもあり、その辺の嫌いな方は読まない方がいいのかな。

    執筆されてる作家さん全員を知ってるわけではありませんが著作を読んだことのある方もいて、それぞれの個性が出るものだなぁと。
    石持浅海さんの描くオルタンス嬢がすごくすごく碓氷優佳さん(石持氏の作品のヒロイン)っぽかったです(笑)。オルタンス嬢を探偵役に持ってくるところが上手いなぁと。

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    2021年02月14日
  • 銀河英雄伝説列伝1

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    様々なジャンルに関する名言が読める。ラインハルトは、カッコいい。又、小説の世界でのタンクベッドなど想像力を大きくさせる面白い表現もあって楽しい。

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    2021年01月04日
  • 銀河英雄伝説列伝1

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    ネタバレ

    銀河の歴史がまた一ページ。

    公式アンソロジーというものが好きなので、有無を言わずに入手。オーベルシュタインの安楽椅子探偵などと聞いたら読むしかなかった。しかしそれ以上に女装して演劇するヤンにびっくり。しかもミス・マープルもびっくりな安楽椅子探偵がもう一人いらしたという。1となっていますが、ぜひ続けてほしい企画。

    「竜神滝の皇帝陛下」ギャグですか。ヒルダとエミールに対して一生懸命になったとき、途端に面白い超天然陛下になるラインハルト様の魅力がたっぷり。思わず吹き出してしまうくらい。

    「士官学校生の恋」名探偵オルタンス・ミルベール。未来のキャゼルヌ夫人が華麗に推理を披露する物語。相変わらずヤ

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    2020年12月27日
  • 銀河英雄伝説列伝1

    購入済み

    あくまで原作に忠実な作品集

     ミステリーものが主体で、一個だけ艦隊戦ものがあります。中には少しひねりすぎた感じのもあるけどおおむね原作の世界を再度楽しめる良作だと思います。

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    2020年12月07日
  • 銀河英雄伝説列伝1

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    ユリアン「・・・」
    ヤン『どうしたんだい、ユリアン。そんな浮かない顔をして』
    ユ「て、提督。この報告書を読まれましたか?」
    ヤ『あぁ、なかなか良く出来てるじゃないか。何か不満でもあるのかい?』
    ユ「そりゃ、ヤン提督は活躍が報告されてますけど、僕は、言え、私の事はどこ
    にも書かれてないんです。不公平じゃないですか!」
    ヤ『そうは言うけどね、ユリアン。あのキルヒアイスやロイエンタール、
    ミッターマイヤーについても書かれていないよ』
    ユ「で、でも提督。あのオーベルシュタインなんて、大活躍じゃないですか」
    ヤ『確かに。ユリアン、君は何歳だい。今回報告されているのは、それなりに
    年齢を重ねている人の昔話

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    2020年11月10日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

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    東京のど真ん中で原子爆弾を爆発させようと試みる但馬樹(たじまいつき)とサイード・イブラヒムだが、二人の目的は微妙に違っていた.長崎型の原爆を日本で組み立てるという難題を彼らは難なくこなすが、中核になるプルトニウムの純度が問題になる.20 or 70%.但馬は20%でも起爆させることを企画して3Dプリンターなどを駆使しているが、イブラヒムは但馬が放射能汚染だけに留めることを見破る.防御側のシアリー・リー・ナズ、舘野健也らと但馬との攻防が面白かった.原爆に関してかなり正確な仕様が出てきたが、起爆装置で重要なEBW(Exploding Bridgewire)雷管の記述がないのが残念だった.知っている

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    2020年09月21日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

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    オリンピックの年の3.11、オンタイムで読むことを想定された本作は、コロナによってすっかり世界線が変わってしまった後でも十二分に読むべき本、映像化すべき作品である。
    世界的に見てぬるくてチョロい国である日本は、これからますます困窮していく世界において、真っ先に紛争ターゲットにされ得るカモ国家だ。
    規律と従順を十全に発揮できることはわかった、次は理性と知性とリテラシーだ。

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    2020年08月20日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

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    あっこれはこの3月に読むのがリアルタイムベストでしたね…!
    「核をもう一度」か…。
    テロに関わった彼女らのそれぞれの立ち位置と理由……。
    相変わらず藤井氏の長編は映画のようなドラマチックな盛り上がりが良いな。
    ぜひ実写化を、といつも読後に感じるのだけど解説・説明が難しいかなあやはり。

    東京五輪を控え、人的被害(風評被害含む)を食い止めるべく政府を奔走させるというこの…なんというか非常にリアリティ溢れて感じられるこの現在よ……。

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    2020年04月03日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

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    被爆者として、核の恐怖を世界に知らしめたいムフタール・シェレペット。
    途上国の悲惨な現状を先進国に知らしめるため、使命に燃えるイブラヒム。
    放射能のプロフェッショナルとして、事態の収束にあたる舘野とそのチーム。
    日本国内でのテロ行為を未然に防ぐために奔走する、警視庁公安部。

    そんな彼ら/彼女らを全て出し抜いて自らの想いを遂げようとする、最強最悪のテロリストにして美貌の革命家・但馬樹。

    エモい。その一言に尽きます。
    作中世界は、2020年3月6日から同10日のたった5日間を中心に、もの凄い密度で展開していきます。現実の東日本大震災の9年後、未だ生まれ故郷に帰還し得ていない人の想いをベースに、

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    2020年03月18日