藤井太洋のレビュー一覧

  • ハロー・ワールド

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    ストーリーに特別な没入感があったり惚れ込むようなキャラクターが居るわけではないけれど、主人公が自分の培ったスキルとちょっとした行動力で世界を動かす一員になっていく様子はかなりエンパワメントされる感がある。
    グローバル人材がボンボン出てくるので、英語頑張ろ…と思った。
    (作中で『しがない会社員』ポジションで描かれる主人公ですら、英語なら普通に使える…)

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    2025年08月18日
  • マン・カインド

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    ネタバレ

    高度に技術進化したドローン、遺伝子操作された狙撃手、公正さを前面に支持を得る手法など、今ある科学技術の延長上にありそうな戦争の形態を想像させてくれる。

    中盤あたりでストーリーの核心が見えてしまって後半ややダレて読んでしまったけど、こういう未来はあり得そうだなというリアリティがあって楽しく読めました。

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    2025年06月23日
  • Gene Mapper -full build-

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    拡張現実とリアルな場が融合している未来、遺伝子デザイナーの活躍を描くSF小説。この面白さをどう表現すればいいのだろう。まだみたこともない未来社会で登場するさまざまなギミックが生き生きと描かれていて、未来社会に読者を連れて行ってくれます。なんだか、夢を見るような未来社会ではないけれど、実現しそうな未来社会が描かれているように感じるのです。感情をフィルターにかけるアバターのようなものや、拡張現実へリンクする装置とかが生き生きと描かれていました。

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    2025年06月22日
  • マン・カインド

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    デザイナーズベイビーのような遺伝子操作が現実味を帯び始めていることや、近年のデマが横行していることを防止するための事実判定機関であったり、近未来SFでありながら、絶妙に現実味がある設定がストーリーへ引き込んでくれます。

    公式戦闘という設定は新しくて面白かったです。

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    2025年05月30日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    伊藤計劃氏が亡くなってから16年
    この“トリビュート”が出版されてから10年

    その間、
    大きな地震や災害が続き、パンデミックが現実となる。
    理由のよくわからない戦争が続き、ドローンや無人兵器が実戦で用いられる。
    SNSを用いた世論誘導、生成AIの実用化やマルウェアなど、目に見えない相手の脅威が現実となる。
    現実がSFを超える日、それでも読まれる物語がある。
    『虐殺器官』から続く天国と地獄の薄っぺらな境界線上での綱渡り……現代ジャパニーズSFの王道となった感がある。

    多少の好き嫌いはあるもののどれも圧巻の出来栄えで、分厚い本の残ページが消えていく。

    最終話、長谷敏司『怠惰の大罪』が特に響い

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    2025年05月02日
  • マン・カインド

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    ネタバレ

    公正的戦闘規範 の第二内戦の後の世界が舞台。前作読んだのが7年前で、すっかり忘れているが、ORGANの説明等、舞台設定うっとうしいほど細かいので特に問題なし。近未来ガジェット満載で、戦闘用の犬型?多脚ローダーや監視ドローンだけでなく、自動運転(LEVELが場所によって変わる)、高層建築(1200mの富裕層マンション)、コンタクトレンズに内蔵された層化視(クシュヴ)、動画から記事の自動生成(これは既に現実化?)、遺伝子操作。展開もSPEED速く、最後の読後感もいい。だが
    藤井太洋のSFは今ある技術の延長線上で現実化できそうな技術が売りだとおもっていたので、最後のおちには納得できない。最後だけオカ

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    2025年02月06日
  • マン・カインド

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    最初のうち、物語中の戦闘の状況/対立関係がうまく飲み込めなくて若干混乱したけど、読み進めていくうちに頭の中も整理されてきて、そうなるともう、次の展開はどうなる?とワクワクして楽しめた。誰か映画化してくれないかな〜

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    2025年02月02日
  • マン・カインド

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    長編なんですけど、最初から最後までずーっとおもしろかったです。小島秀夫監督が激推しされてたとおり、メタルギア好きな人なら刺さりまくると思います。

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    2024年12月24日
  • マン・カインド

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    公正戦闘がルールとなった近未来。人類の根本を揺るがす陰謀をめぐるサスペンスアクション。現代の技術の先にある未来の技術の姿に胸が躍った。その上で分断が進む現代の先にあるべき明るい社会の姿を夢見た。

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    2024年12月13日
  • マン・カインド

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    第53回星雲賞日本長編部門受賞作品。その賞の名に恥じぬ濃密も濃密、もはや濃すぎるのではないかというレベルのゴリゴリのハードSF。2045年のテクノロジー描写が絵空事にならないようにしっかり練り込まれていてITに関心がある人はたまらないはず。一方でその辺りの土地勘が無いと情報量過多で戸惑うかも。土地勘があっても情報量は圧倒的で、とてもじゃないが「サクッと読める」ボリュームではない。じっくり味わうべし。社会批評SFとしてもアメリカの内戦という設定でアレックス・ガーランド監督のヒット映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』と共鳴しており、こんな小説が2010年代から日本で連載されていた事実が興味深い

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    2024年11月30日
  • マン・カインド

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    近未来リアルサイバーSFというか、まずその近しい未来の描き方がさらりと自然で、説明くさくないので、世界観に入り込みやすいのがいい。物理空間と仮想デジタル空間を融合したMixed Realityなよくアニメで観る世界(空間に向かって手をささっと動かすと仮想空間のドキュメントがばばばっと分類されてそいつを相手にシュッみたいな)が文字の中で背景のように当たり前に存在している世界を構築している時点で、物語が面白くなる素地ができているのがすばらしい。
    近未来の戦争が「公正戦」と言われる事前に戦力を情報公開してライブ配信することを前提とした、まるで過去の正々堂々といざ勝負的な戦闘行為となっていたり、その報

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    2024年11月15日
  • ハロー・ワールド

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    積読ラジオで紹介されてたので購入。

    ITを通して人類愛を考える本でした。
    私は生の人間が苦手で、それでも「ひと」に期待を抱いてしまうのだと言うことを思い出しました。

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    2024年10月04日
  • ビッグデータ・コネクト

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    犯人不明で終結したウイルスを持ちいたサイバー犯罪、目的不明の猟奇誘拐事件。複数の事件が絡み合いやがて大きな闇に近づく王道のサスペンス。IT関係の現代の問題を扱いながら警察小説としてまとまっていた。

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    2024年09月14日
  • 公正的戦闘規範

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    現在の世界において世界最先端の少し先の未来を描いた短編集。サイエンスやエンジニアリングのワクワク感を存分に味わえるだけでなく、社会問題についてのモチーフも取り上げられている。

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    2024年09月09日
  • 銀河英雄伝説列伝1

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    銀英伝のトリビュート小説で様々な作家が短編でその世界を描いていて楽しかった。頭がいい人が多いからか推理系が多いな。本編では触れられないあったかもしれない話。本編好きには良い小説家と。それにしても2は出るのか?

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    2024年08月06日
  • 公正的戦闘規範

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    ネタバレ

    ――

     バネ座金過激派アンチ。



     確信犯的に、間違いのないものを。
     ある程度専門的な知識や技術を必要とする業界に居ると、それぞれの技術には流派というか流儀、みたいなものがあることが解ってくる。冗談めかして「それは◯◯流だねぇ」とか云ったりするのだけれど、実際のところ結構本気で信じていたりする。
     前の職場に居たサイボーグ姉御もそうだし、いまの職場にいるバネ座金過激派アンチもそうなんだけれど、突き詰めた技術に神性が宿るというのはどうやら確かなようだ。
     この方法でやらないと失敗する、この手順でやらないと意味がない。それはもう、宗教や信仰と同じ色をしていて。

     小説にもそれはあるよな、

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    2024年05月15日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

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    直訳すると「もう一度核を」。恐ろしいタイトルである。
    原爆テロを予告する動画が日本政府に届けられた。その時に向かって、各国の組織が、日本の警察が動き出す。
    緊迫感溢れるストーリーである上に専門用語がバンバンと飛び交うハードなストーリーだ。かつてテロリストが米国内で核テロを企てる『ピースメーカー』という映画があったが、あれよりもずっとハードで、おまけにサスペンスフルだ。
    最初こそ普段触れていない言葉に面食らうかもしれないが、そこを越えてしまえばあとはサスペンスに身を委ねればいい。緊迫感溢れるサスペンス小説だ。

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    2023年10月10日
  • 銀河英雄伝説列伝1

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     それぞれいろんな方向性の作品が読めて楽しめた。巻末の著者の言葉で、どういう興味や視点からその舞台やキャラクターを選んだのかが書かれていたのもよかった。
     表題作が、意外なところに舞台が設定されていつつ、その後の歴史の流れに思いをいたせる面白さがあって一番好きかな、と思う。

     2巻以降も企画されてるのかな?

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    2023年08月27日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

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    現代東京、しかも時は2020年3月。
    東京オリンピックを目前に控えた国内の混乱を具体的に描写しており、舞台描写はこの上なくリアル。
    対して、そこで展開されるイスラム圏やCIAを巻き込んだストーリーは壮大で。
    このリアルさと壮大さのギャップにイメージを刺激される。

    突っ込み処はいくつもある。
    例えば女犯人、超人過ぎ問題。
    この人が本気出したら大統領選に出馬しながら自前でロケットつくりそう。
    また例えば警官・科学者ペアの、察し過ぎ問題。
    あの情報範囲からテロ犯の動機と分裂を見抜くのは第六感に近い。
    世界を混乱に陥れ、日本経済に壊滅的ダメージを与えた犯人に、この人たちは事件による死者の「数」を日常

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    2023年08月19日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

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    良質なノンストップサスペンス。専門用語が多いが、犯人側の目的も、止める側の目的も明確。重要人物は経歴などの背景が過不足なく書かれてて感情移入しやすい。ラストも良い!映画化したら面白いと思う。

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    2023年04月08日