藤井太洋のレビュー一覧
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刊行した時点では約5年後の未来が舞台だが、
まぁいわば現代と言っても差し支えない時代を舞台にしたSF。
2020年、流れ星の発生を予測するWebサイト『メテオ・ニュース』を
運営する木村和海は、イランが打ち上げたロケットブースターの
二段目『サフィール3』が、大気圏内に落下することなく
逆に高度を上げていることに気付く。
シェアオフィス仲間である天才的ITエンジニアの沼田明利の協力を得て、
サフィール3のデータを解析する和海は、
世界を揺るがすスペーステロ計画に巻き込まれていく。
まず基本としてロケットが飛ぶ仕組みがわかっていないと訳がわからない。
前半はとにかくセットアップのための説明が -
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遺伝子操作で生み出された超人とSFと、詰まりに詰まった怪作。
公正戦闘の概念が世界に浸透した2045年。ジャーナリストの迫田城兵は、
国際独立市テラ・アマソナスの指導者チェリー・イグナシオが
軍事企業グッドフェローズの捕虜を銃殺する場面に遭遇する。
この不可解な虐殺を世界にレポートしようとする迫田だったが
何故か事実確認プラットフォーム『コヴフェ』により配信を拒否されてしまう。
チェリー本人から遺族訪問を依頼された迫田は、
グッドフェローズ唯一の生存者レイチェル・チェンと共に
熾烈な第二内戦を経た北米の自由領邦をめぐる。
やがて二人に合流したコヴフェのトーマ・クヌートは、
虐殺に関する迫田の -
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帯には「最旬の作家たちが旅をテーマに競作したアンソロジー」と書かれている。この最旬の作家たち6人のうち5人が有名なSF作家だった。この様なアンソロジーには必ず読んだことがある作品が紛れ込んでいるもの。しかし、しょうがない。忘れている作品もあるだろうから、復習も兼ねてサラっと読んで行こう。SF作家が「旅」と言えば、時間旅行、宇宙旅行が定番、全くつまらないと言うことはないだろう。まさか、普通の旅行小説なのか?と、ワクワクしながら読むのも一興だ。さあ、個別にコメントしよう。
〇 国境の子/宮内悠介
講談社の短編集「国家を作った男」で既読。何回読んでも心に染み入る作品。主人公が大人しいだけに、その範 -
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伊藤計劃氏が亡くなってから16年
この“トリビュート”が出版されてから10年
その間、
大きな地震や災害が続き、パンデミックが現実となる。
理由のよくわからない戦争が続き、ドローンや無人兵器が実戦で用いられる。
SNSを用いた世論誘導、生成AIの実用化やマルウェアなど、目に見えない相手の脅威が現実となる。
現実がSFを超える日、それでも読まれる物語がある。
『虐殺器官』から続く天国と地獄の薄っぺらな境界線上での綱渡り……現代ジャパニーズSFの王道となった感がある。
多少の好き嫌いはあるもののどれも圧巻の出来栄えで、分厚い本の残ページが消えていく。
最終話、長谷敏司『怠惰の大罪』が特に響い -
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ネタバレ公正的戦闘規範 の第二内戦の後の世界が舞台。前作読んだのが7年前で、すっかり忘れているが、ORGANの説明等、舞台設定うっとうしいほど細かいので特に問題なし。近未来ガジェット満載で、戦闘用の犬型?多脚ローダーや監視ドローンだけでなく、自動運転(LEVELが場所によって変わる)、高層建築(1200mの富裕層マンション)、コンタクトレンズに内蔵された層化視(クシュヴ)、動画から記事の自動生成(これは既に現実化?)、遺伝子操作。展開もSPEED速く、最後の読後感もいい。だが
藤井太洋のSFは今ある技術の延長線上で現実化できそうな技術が売りだとおもっていたので、最後のおちには納得できない。最後だけオカ -
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第53回星雲賞日本長編部門受賞作品。その賞の名に恥じぬ濃密も濃密、もはや濃すぎるのではないかというレベルのゴリゴリのハードSF。2045年のテクノロジー描写が絵空事にならないようにしっかり練り込まれていてITに関心がある人はたまらないはず。一方でその辺りの土地勘が無いと情報量過多で戸惑うかも。土地勘があっても情報量は圧倒的で、とてもじゃないが「サクッと読める」ボリュームではない。じっくり味わうべし。社会批評SFとしてもアメリカの内戦という設定でアレックス・ガーランド監督のヒット映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』と共鳴しており、こんな小説が2010年代から日本で連載されていた事実が興味深い