藤井太洋のレビュー一覧

  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

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    カチッ、カチッ、カチッ……
    まるでドラマ『24』のように、短期間で時系列、複数場面の同時進行が、読む人を夢中にする。
    夢中になり過ぎて、久しぶりに帰宅時にひと駅乗り過ごすとこだった。

    2020年3月6日から11日までの5日間のお話。ーー「東京に核爆弾⁉︎」

    多くの人が昨年3月にリアル読書を試みたと思うが、スルーしてしまったので、改めて一年遅れで読んでみた。

    読んでみて「東日本大震災後10年」の今年の方が、読む意義が大いにあった。

    あの日自身が体験した戒厳令下のような東京のこと。
    その後、テレビで伝えられる「ツナミ」や、続々と襲いかかるような「フクシマ」の情報のこと。

    あれから10年、

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    2021年03月09日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

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    原爆テロ予告、爆発は2020年3月11日。3Dプリンタやネットワークを駆使した現代ならではの爆弾作成や材料調達を始め、物語は妙にリアルだ。映像を見ているように600頁を夢中で一気に読んだ。テロリスト各々の事情、阻止する側の思惑、面白かった、と素直に言っていいか迷うほどメッセージ性は高い。「One more nuke to fear it.」なんて強い、痛々しい言葉だろう。今はちょうど3月、沢山のことに思いを馳せる。2020年は想像されていたものとは違ってしまったが、これは読んでよかった、読むべき一冊だった。

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    2021年03月08日
  • 銀河英雄伝説列伝1

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    いわば二次創作なので読もうか迷っていたのですが、店頭で見かけちゃったのでつい買ってしまった…(笑)
    正伝外伝の新しい供給がないので列伝に手を出してしまうのも致し方ない…が、やはり二次創作なのでイマイチイメージ違うなぁというのもあり、その辺の嫌いな方は読まない方がいいのかな。

    執筆されてる作家さん全員を知ってるわけではありませんが著作を読んだことのある方もいて、それぞれの個性が出るものだなぁと。
    石持浅海さんの描くオルタンス嬢がすごくすごく碓氷優佳さん(石持氏の作品のヒロイン)っぽかったです(笑)。オルタンス嬢を探偵役に持ってくるところが上手いなぁと。

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    2021年02月14日
  • 銀河英雄伝説列伝1

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    様々なジャンルに関する名言が読める。ラインハルトは、カッコいい。又、小説の世界でのタンクベッドなど想像力を大きくさせる面白い表現もあって楽しい。

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    2021年01月04日
  • 銀河英雄伝説列伝1

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    ネタバレ

    銀河の歴史がまた一ページ。

    公式アンソロジーというものが好きなので、有無を言わずに入手。オーベルシュタインの安楽椅子探偵などと聞いたら読むしかなかった。しかしそれ以上に女装して演劇するヤンにびっくり。しかもミス・マープルもびっくりな安楽椅子探偵がもう一人いらしたという。1となっていますが、ぜひ続けてほしい企画。

    「竜神滝の皇帝陛下」ギャグですか。ヒルダとエミールに対して一生懸命になったとき、途端に面白い超天然陛下になるラインハルト様の魅力がたっぷり。思わず吹き出してしまうくらい。

    「士官学校生の恋」名探偵オルタンス・ミルベール。未来のキャゼルヌ夫人が華麗に推理を披露する物語。相変わらずヤ

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    2020年12月27日
  • 銀河英雄伝説列伝1

    購入済み

    あくまで原作に忠実な作品集

     ミステリーものが主体で、一個だけ艦隊戦ものがあります。中には少しひねりすぎた感じのもあるけどおおむね原作の世界を再度楽しめる良作だと思います。

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    2020年12月07日
  • 銀河英雄伝説列伝1

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    ユリアン「・・・」
    ヤン『どうしたんだい、ユリアン。そんな浮かない顔をして』
    ユ「て、提督。この報告書を読まれましたか?」
    ヤ『あぁ、なかなか良く出来てるじゃないか。何か不満でもあるのかい?』
    ユ「そりゃ、ヤン提督は活躍が報告されてますけど、僕は、言え、私の事はどこ
    にも書かれてないんです。不公平じゃないですか!」
    ヤ『そうは言うけどね、ユリアン。あのキルヒアイスやロイエンタール、
    ミッターマイヤーについても書かれていないよ』
    ユ「で、でも提督。あのオーベルシュタインなんて、大活躍じゃないですか」
    ヤ『確かに。ユリアン、君は何歳だい。今回報告されているのは、それなりに
    年齢を重ねている人の昔話

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    2020年11月10日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

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    東京のど真ん中で原子爆弾を爆発させようと試みる但馬樹(たじまいつき)とサイード・イブラヒムだが、二人の目的は微妙に違っていた.長崎型の原爆を日本で組み立てるという難題を彼らは難なくこなすが、中核になるプルトニウムの純度が問題になる.20 or 70%.但馬は20%でも起爆させることを企画して3Dプリンターなどを駆使しているが、イブラヒムは但馬が放射能汚染だけに留めることを見破る.防御側のシアリー・リー・ナズ、舘野健也らと但馬との攻防が面白かった.原爆に関してかなり正確な仕様が出てきたが、起爆装置で重要なEBW(Exploding Bridgewire)雷管の記述がないのが残念だった.知っている

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    2020年09月21日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

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    オリンピックの年の3.11、オンタイムで読むことを想定された本作は、コロナによってすっかり世界線が変わってしまった後でも十二分に読むべき本、映像化すべき作品である。
    世界的に見てぬるくてチョロい国である日本は、これからますます困窮していく世界において、真っ先に紛争ターゲットにされ得るカモ国家だ。
    規律と従順を十全に発揮できることはわかった、次は理性と知性とリテラシーだ。

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    2020年08月20日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

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    あっこれはこの3月に読むのがリアルタイムベストでしたね…!
    「核をもう一度」か…。
    テロに関わった彼女らのそれぞれの立ち位置と理由……。
    相変わらず藤井氏の長編は映画のようなドラマチックな盛り上がりが良いな。
    ぜひ実写化を、といつも読後に感じるのだけど解説・説明が難しいかなあやはり。

    東京五輪を控え、人的被害(風評被害含む)を食い止めるべく政府を奔走させるというこの…なんというか非常にリアリティ溢れて感じられるこの現在よ……。

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    2020年04月03日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

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    被爆者として、核の恐怖を世界に知らしめたいムフタール・シェレペット。
    途上国の悲惨な現状を先進国に知らしめるため、使命に燃えるイブラヒム。
    放射能のプロフェッショナルとして、事態の収束にあたる舘野とそのチーム。
    日本国内でのテロ行為を未然に防ぐために奔走する、警視庁公安部。

    そんな彼ら/彼女らを全て出し抜いて自らの想いを遂げようとする、最強最悪のテロリストにして美貌の革命家・但馬樹。

    エモい。その一言に尽きます。
    作中世界は、2020年3月6日から同10日のたった5日間を中心に、もの凄い密度で展開していきます。現実の東日本大震災の9年後、未だ生まれ故郷に帰還し得ていない人の想いをベースに、

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    2020年03月18日
  • ビッグデータ・コネクト

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    なるほどなあ……とか思うくらいノンフィクションに感じた。現実に同じような事が、国内で起きているんではないかと思わせられたが、現実はどうなんだろう。ネットセキュリティーとか、プログラムとか、本当に分からない世界なので、全て信じてしまいそうだ。
    ストーリー的にはブダイというキャラが個性的で印象的。
    刑事ものサスペンスというより、未知なITに対するサスペンスという気がした。

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    2019年12月12日
  • ビッグデータ・コネクト

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    友人に、SEが居ます。彼の言動の原因が、この本を読んで、なんとなくわかった気がします。病んでるなぁ・・・

    って言うか、描かれている事が、余りにも“リアル”なので、不思議な感じがしたんですが、それはそう、著者が、元々ソフトウェア会社に勤務していたので、その経験が活きているんでしょうね。

    ただ、ちょっと足りなくね?と思ったのは、武岱の要望の変化の理由が、イマイチ明らかにされ無かった事。まぁ、想像すれば、色々と考えられるんですが、伏線と思っていたので、その謎が解明されなかったのは、ちょっと残念。

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    2019年12月07日
  • オービタル・クラウド 下

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    面白かった。各分野のプロフェッショナルが集結し、それぞれが死力を尽くして戦う構図が熱くてかっこいい。SFでありサスペンスであり、そのどちらの視点からも素晴らしいエンタメ作品として楽しめた。
    ただ、主人公チームの能力がほとんどチートと言っていいほど高すぎるために難問が難問として機能しておらず、ただ主人公チームの「凄さ」を強調するための装置としての役割しかなくなっていることが惜しく感じた。
    また、「なんてやつだ!」「たったこれだけの時間でこんなことを!」のような持ち上げが多すぎて途中から「はいはいすごいすごい」と感じてしまったのが正直なところだった。
    しかし、最後は大団円を迎えて読後感も非常に爽や

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    2019年11月01日
  • Gene Mapper -full build-

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    処女作にして、セルフビルドで構築された電子書籍をもとに加筆されたもの。
    近未来の遺伝子組換植物のエラーが引き起こす物語を描いている。ここ数十年で世界各地の農業の多様性を破壊したモンサント社や、それに対して活動する環境NGOの対立を彷彿とさせる部分があり、個人的に既視感が強い作品と感じた。
    著者の生まれた奄美大島は、世界自然遺産登録候補である。日本は生物多様性の宝庫で在来種も多い。その中で琉球列島は地域固有種が多く、生物だけでなく文化の多様性も豊かである。奄美群島では近年、海外資本の豪華客船ルート誘致や、オサガメの産卵地である自然海浜の護岸工事等、観光や環境の影響が懸念される事件が複数あり、更に

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    2019年10月05日
  • ビッグデータ・コネクト

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    下請け、そのまた孫請け労働の顛末とは?

    IT分野の仕事はよく知らないが、就職氷河期世代として、非正規職員を転々としたので、この中に登場する社会や企業の仕組み、歪み、世界観は嫌と言うほどよくわかる。個人情報保護について、非正規職員も法令遵守を事細かに指示され、研修を受け、教育されたことを思い出す。
    はてさて、ところで、そんなに難しい専門的な業務を委託する発注者の仕事とは?!

    不条理な世の中で起きた事件がフィクションでありながら、あたかも事実のように思えて仕方なかった。

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    2019年09月29日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    ネタバレ

    目次
    ・公正的戦闘規範 藤井太洋
    ・仮想(おもかげ)の在処 伏見完
    ・南十字星 柴田勝家
    ・未明の晩餐 吉上亮
    ・にんげんのくに Le Milieu Humain 仁木稔
    ・ノット・ワンダフル・ワールズ 王城夕紀
    ・フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪 伴名練
    ・怠惰の大罪 長谷敏司

    どの作品も伊藤計劃の気配を漂わせているけれど、特に濃厚なのは王城夕紀の作品(ハーモニーの世界観)と、伴名練の作品(屍者の帝国の世界観)。
    この2作品は好きだなあ。
    特に伴名練作品のナイチンゲールは夢に出てきそうなくらい恐ろしい。

    単純な幸福はない。
    幸福に正解はない。
    けれどどの作品も屈託があり

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    2019年08月14日
  • アンダーグラウンド・マーケット

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    若者の貧困をテーマの一つとして描かれていますが、そこを力強く駆け抜けていく姿に希望を抱ける良作です。仮想通貨が世界中を席巻していますが、日本ではまだまだ広がっていないし、僕自身まだpaypayもLinepayも使っていません。なんとなく必要性を感じていないからというのが大きいです。それでも殆ど買い物も支払いもクレジットなので、現金使用しなくなって来ていますが。
    この中ではN円という仮想通貨を巡って、3人の若者が事件に巻き込まれていきますが、上田岳弘の「ニムロッド」の仮想と現実との境界線があやふやになるような漠然とした不安感とは真逆で、肉体的で汗ほとばしる青春作です。
    国家という傘から弾き飛ばさ

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    2019年06月06日
  • Gene Mapper -full build-

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    個人的に大好きなジャンル。農学と生物学(遺伝子工学)と、プログラミングが合わさった話。
    ジーンマッパーとして、遺伝子をプログラミングすることを生業とするフリーランスの主人公と、遺伝子組み換えではなく、遺伝子からプログラミングされて作りだされた植物の話。
    何故か、緑の革命を思い出しました。多分作物の名前の所為です。

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    2018年12月28日
  • Gene Mapper -full build-

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     拡張現実、遺伝子デザインされた作物が広く行き渡る未来。
     遺伝子デザイナーは大手企業に依頼されて手がけた自身の仕事、稲のデザインに不備があったと告げられる。企業のエージェントとともに原因究明に乗り出すが・・・

     思っていたより楽しく読めました(当初はもっと難しいかと思ってた)。
     拡張現実のギミックがいろいろ挟まれていて、一応、遺伝とかの基礎知識があったからかな。
     最後は希望にあふれ過ぎとのむきもあるけど、オープンソースが叫ばれる中では割とありかなぁ、という気もしました。

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    2018年12月22日