藤井太洋のレビュー一覧

  • オービタル・クラウド 下
    SF。サスペンス。
    『年間日本SF傑作選』で「行き先は特異点」を読んだ時も思ったが、SF設定が非常にリアル。本当に現実に起こりそうに思える臨場感が特徴的。
    そして、とにかくスリリング。解説にあるように、SF要素が理解できなくても十分に満足できる内容。それだけストーリーが面白いということでしょう。
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  • 公正的戦闘規範
    藤井太洋氏の小説は、現在進行形のSFとも言えるもの。現在のほんの少し先を描いてみせるから、とても興味深い。

    今回も、現在既に実現している技術で考えられる、ほんの少し先の未来を描いてくれてて、次作が楽しみな作家さんだ。
  • 公正的戦闘規範
    初の短編集。長編ほどの盛り上がりはないけれど、作風として通じるものはある。それぞれの短編は、まったく違う世界を描いているが、すべて近未来にありそうな世界。バラ色ではなく、少し灰色。でも希望がないわけじゃない。コンピュータが問題解決の糸口となる話も多い。個人的には、銃規制の問題からアメリカ合衆国が分裂...続きを読む
  • オービタル・クラウド 上
    おもしろい!
    日本SF大賞受賞の傑作長篇、と裏表紙には書いてあって期待を持たせられたのですが、上巻を読み終わって思ったのは、SFのジャンルを飛び越えて面白い!ということ。
    ※念のため、SFは大好きだし、低く見ているということも無いです。歴史小説だろうがビジネス書だろうが、なんかもう普遍的に面白いな!...続きを読む
  • アンダーグラウンド・マーケット
    この人のチームが出来上がっていく様子、トラブルをやっつけて行く様子が大好き!
    今回のネタは、仮想通貨と2年後にオリンピックを控えた移民都市 東京だ!
  • 公正的戦闘規範
    PGやSEの職歴はあってもコボルにC止まりなので気分は5番さん。
    でもちゃんと理解できなくても読むのは止められないっていう楽しさがある。
  • オービタル・クラウド 上
    みんな、これは面白いよ〜!
    いま、地球でくすぶってる色んな問題を散りばめて、様々なバックボーンの専門家であるメンバー達の有機的なチームが敵に立ち向かう!
    巻末の用語解説を見るだけで、この本の多様性とリアル感が伝わると思う。(僕はそこ読んでニヤけてしまった。)
  • ビッグデータ・コネクト
    サイバー犯罪捜査官とサイバー犯罪の元容疑者がタッグを組んで個人情報絡みの事件を追いかける警察小説。 元容疑者である武岱のキャラが立っていて、その存在感に本筋の話が絶妙にフックアップされている。

    「XPウィルス」の作成と配布の罪で逮捕された武岱は2年に渡る勾留の末に不起訴処分となるも、長期の勾留期間...続きを読む
  • 伊藤計劃トリビュート
    いかにも伊藤計劃トリビュートらしい中編集。
    戦争をAIから取り戻す「公正的戦闘規範」、AIが推奨される選択肢を掲示する世界「ノット・ワンダフル・ワールズ」が特に面白し、伊藤計劃らしさがある。
    分厚さもありSFはじっくり読み込んでしまうので時間がかかったが非常に面白かった。
  • 伊藤計劃トリビュート
    意図的な選択肢を提示し、それを人が受け入れるようになると、選択肢を提示している人は、人を操れるようになりますが、操られている人はそうであることを認識しませんという話が載っている。たとえ、あやつっていたのが人でなかったとしても。

    ノット・ワンダフル・ワールズ
  • オービタル・クラウド 上
    テザーがここまで活躍するものとは思っていなかった。実際のものはどうなんだろう…それ以外にもなんだか身近すぎるキーワードが出て来て、私にとってはリアルタイムな内容だった。
  • Gene Mapper -full build-
    遺伝子工学、拡張現実、難しい言葉が並ぶけど、ほんの少し読み進めればグイグイ行けます。
    あっという間のイッキ読みです!
    読後のゾワゾワする高揚感がもうたまらない。
  • オービタル・クラウド 下
    面白かった!
    特に下巻は一気に読んだ。

    登場した主な国(日本、アメリカ、北朝鮮、イラン)はなんというか、ものすごくステレオタイプのような気はしたけど、だからこそ、一方の宇宙に関する技術的なことが複雑なだけに、単純化されてわかりやすくて良かったのかも。

    あと、シアトルが舞台ってのが良かった。
    海外...続きを読む
  • Gene Mapper -full build-
    プログラミングの経験があるおかげでなんとなくのイメージができる部分もあって楽しめた。
    ストーリーももちろん面白かった。

    後半に出てくる設計動物のプログラムを書いた環境保護団体のエンジニア(笑)のコードの変数名に変数Aとつけるとか、"ここで変数を定義"のコメントとか笑ったw
  • オービタル・クラウド 下
    意外な人があっけなく退場したり、
    意外な背景を持つ人だったり、
    意外な変貌を遂げる人だったり。
    何十年も先には、技術的に時代遅れになるかもしれない、
    世界の情勢も変わっているだろう。しかし大国と
    そうではない国、そうではなくなっていく国、
    そこに生まれてしまった人、本当に輝ける場を
    探す人、世界・宇...続きを読む
  • オービタル・クラウド 下
    読んでて思ったのは,これはただの近未来SF小説だけでなく,現代の問題点を取り上げてること.
    日本で自分の技術を認めてもらえず,且つ隅に追いやられ,日本を捨てて中国へ行った技術者白石.これは近年見られる韓国などからの日本技術者ヘッドハンティングを表しているのではないだろうか.
    とにかく読んでて,面白い...続きを読む
  • オービタル・クラウド 上
    最初登場人物とか専門用語が多くてパニクりそうだったけど、次第に慣れてくる

    物凄く読み応えのある近現代sf小説だった!

    出てくる用語は巻末に説明があるけど、それを読まなくても大丈夫
    スペーステザーのやつ、なかなか面白かった
  • オービタル・クラウド 上
    おもしろい!ストーリーの構造上、話が集約するまでは少し全体像をつかみにくくて苦労するけど、つかんでしまえば後は一気に読める。
    近未来の話ではあるけど、完全に現在と地続き。宇宙物だけど難しくない。上質のエンターテインメントに仕上がってます。
  • 伊藤計劃トリビュート
    文字通り、伊藤計劃トリビュートの作品集である。文庫本で700ページを超える厚さであるが、作品数は8つの中篇集である。どの作品も伊藤計劃の影を感じさせる作品であり、作家らがいかに伊藤計劃氏の影響を受けているのか感じられる。しかもどの作品も驚くほど面白い。各作品に引き込まれるように読んだ。ページ数は多い...続きを読む
  • ビッグデータ・コネクト
    コンピュータウィルス/詐欺名簿事件の冒頭から、組織・行政・国ぐるみの大きな展開に。章を追うごとに高まる緊張感と徐々に炙りだされていく全容。警察モノという新題材だが変わらず理性的・解説的な記述が特徴。

    ・警察のフリーダイヤル負担も捜査コストに
    ・”生活反応”
    ・住基ネット/マイナンバー/セキュリティ...続きを読む