藤井太洋のレビュー一覧
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One More Nuke。こんな文字を書くと、FBIやCIAからこのサイトが監視されそうです(苦笑)。
One More Nukeとは、「もう一度核を」と言う事。それはすなわち、(今のところ)最初で最後の被爆国の日本において、もう一度核爆弾を爆発させると言う事を意味しています。著者は、元々ソフトウェアエンジニアだった経験もあるので、そういうバックグラウンドのなせる業なのか、工学的な描写にすぐれています。
通常核爆弾は、核燃料を90%以上まで濃縮しなければならないとされていますが、この物語では、それよりはるかに低濃度の20%で核爆発を起こす事が可能な設計の核爆弾を設計し、製造してしまったと -
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今読むべき本、というのはこういうもののことを言うのだろう。
2011年3月11日から9年、2020年の3月11日を迎えるまでにこの本に出会い、読み終えられたことには本当になにか運命的なものを感じえない。
私たちの中に未だ深い傷を残すあの地震とあの事故にここまで誠実に大胆に向き合わせ、新しい角度から考えさせてくれたこと、強い言い方になってしまうがあの事故に対して安い感動を与えることでそれらを美化するような小説しか発表されてこなかった9年間を脱却したことを評価したい。
また、あの事故とオリンピックを結びつけ、両者の問題をさらけ出すことこの本を2020年2月という時期に文庫化したことは作者の功 -
Posted by ブクログ
最後まで読まされた。
以下、ネタバレ含みます。注意。
2020年。
原発レベルの濃度の燃料で、原爆を生み出すことが出来るとしたら。
3月11日。
その爆弾を日本の中心地、東京新国立競技場で爆破させるという予告動画が流された。
イスラムから材料を持ち込んだイブラヒム。
ウイグル人であり、かつて被曝実験に巻き込まれた二世でもあるシェレペット。
そして、フクシマの友人を亡くし、この綿密な計画を打ち立てた但馬樹。
追う側より追われる側に惹かれてしまう。
そこに、それぞれの背景があるからだろう。
核爆弾をめぐる緊迫したストーリーも読み応えがあるのだけど、そこには「終わりのない悲劇」が描かれ -
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ネタバレ2020年3月のオリンピックを控えた東京を舞台に、核テロリストと攻防を描いたサスペンス。
テロリストの三人は、それぞれの理由から、微妙に異なる状況を作り出そうとするが、それゆえ、思惑が絡み合い事態は二転三転する。一方で、それを追う、警察などの組織も、テロを防ぐという同じ目的を追いながら、それぞれの立場のしがらみや情報の欠落に翻弄される。
登場人物のバックグラウンドを通じて、読者は、過去と現在における核による被害の対比構造に気づかされる。
核保有国の初期のウラン採掘に関わった祖先や、核実験に影響を受けた自分自身や家族、それは過去の為政者の「知らせなかった」罪だ。また、一方で、また別の -
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ネタバレ藤井太洋の送る技術特異点とその先の近未来を描いたSF短編集。量子コンピューターによる量子アルゴリズムとフリーズ・クランチ法という未来予測。クォイン・トスというゲームが彩るセブ島での一騒動を描いた「常夏の夜」が個人的に一番面白かった。近未来的なガジェットがてんこ盛りでありながら、ディストピアめいた悲観的な視野は一度もなく、量子ネイティブへの期待という人類の希望が詰まっている。因果逆転した記事を参考に、暴走するクラブマンからの攻撃をかいくぐる姿は良質なハリウッド映画を見たときのような興奮を味わうことができる。
表題作である「公正的戦闘規範」もドローンにより人類不在になりつつある戦争に公正さを取り -
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ネタバレ三年前の小説ですが、ネット社会における個人情報の扱いや、それらに関する世間の認識の甘さだったり、IT企業のブラックぶりなどは、今の世も変わってないなぁと痛感。被害者の月岡、ならびに武岱や内藤といった現場の人たちには(自分も一時期プログラマやっていたので)共感しきり。
著者も開発会社に勤務していたこともあるらしいので、このように現場が困窮している実態を知って欲しかったりもしたのでしょうか。
お話的には……武岱が、ゲーム的に言うと武力も知力も高すぎるので、いざとなったらコイツが自分でなんとかするんだろうという安心感があって、緊張感が欠けていたところが残念ポイント。ありきたりかもですが、武岱は登