藤井太洋のレビュー一覧

  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    これが、これこそが「本物の震災後文学」
    そして、サイエンスフィクションどころか、リアルタイムフィクション。犯行日に間に合うタイミングで読めて良かった。

    ただね、このあとの世界、核兵器禁止条約レベルの話じゃ済まなくて、原子力発電の続行が世界的に無理になるでしょ。但馬は間接的に世界中に多数の犠牲者を生むことになると思うよ。

    0
    2020年02月22日
  • 公正的戦闘規範

    Posted by ブクログ

    他よりも取り扱う技術が新しいからなのか、求めるリアリティの水準が合っているからなのか、相変わらず藤井太洋の描くSFは面白い。
    物語がこれから膨らみ、盛り上がっていきそうなところで終わってしまう短編であることだけが残念。
    200215

    0
    2020年02月16日
  • Gene Mapper -full build-

    Posted by ブクログ

    近未来のテクノロジーについてのきめ細やかな設定もSF好きにはたまらない内容でしたが、それに負けないくらい登場人物がとても魅力的に描かれていました。

    0
    2020年02月15日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2020年3月のオリンピックを控えた東京を舞台に、核テロリストと攻防を描いたサスペンス。

     テロリストの三人は、それぞれの理由から、微妙に異なる状況を作り出そうとするが、それゆえ、思惑が絡み合い事態は二転三転する。一方で、それを追う、警察などの組織も、テロを防ぐという同じ目的を追いながら、それぞれの立場のしがらみや情報の欠落に翻弄される。


     登場人物のバックグラウンドを通じて、読者は、過去と現在における核による被害の対比構造に気づかされる。
     核保有国の初期のウラン採掘に関わった祖先や、核実験に影響を受けた自分自身や家族、それは過去の為政者の「知らせなかった」罪だ。また、一方で、また別の

    0
    2020年02月15日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    なんて気高い…!
    著者の誇り高い仕事ぶりに、ただ涙が流れます。
    万人に受ける小説ではないかもしれないけど、できるだけ早く(できれば3月11日より前に…!)、多くの人に読んでほしいと思う秀作です。

    2020年の東京、3月11日に原爆テロが予告された戒厳令下という、聞いただけでギョッとなる設定。刑事、科学者、テロリスト、それぞれの線が最初は群像劇的に動いていき、やがて絡み合って…というストーリーです。
    ※文庫の帯にも解説にも「爆心地」が書かれてしまっていたものの、そこまでネタバレ感はなく。
    読み終わったばかりの今思うのは、著者から送られているエール。東京を守る人々に対して、核に傷つけられた人々に

    0
    2020年02月14日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    2020年3月、東京オリンピックを目前とした日本に、核爆弾によるテロの予告動画が流れる。
    複数のテロリストの、それぞれの目的。それを止めようとする、複数の組織の人々。
    それぞれの思惑と行動が交差して、常に緊張感のある1冊だった。
    作中の時間が過去になる前に、今読まれるべき作品です。

    0
    2020年02月07日
  • Gene Mapper -full build-

    Posted by ブクログ

    いろいろあるけれど、未来は明るくあってほしい、希望に満ちた世界であってほしいと思わずにいられなかった。

    0
    2019年12月17日
  • 伊藤計劃トリビュート

    Posted by ブクログ

    伊藤計劃って名前のせいなのか?
    この8人の作家による中篇集は、それぞれがかなりの攻撃力を持っている。
    またまた、それぞれが異なる作風で僕をアタックする!
    早逝した怨みを晴らそうとしているようだ。
    たまらん!

    0
    2019年11月27日
  • 公正的戦闘規範

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    藤井太洋の送る技術特異点とその先の近未来を描いたSF短編集。量子コンピューターによる量子アルゴリズムとフリーズ・クランチ法という未来予測。クォイン・トスというゲームが彩るセブ島での一騒動を描いた「常夏の夜」が個人的に一番面白かった。近未来的なガジェットがてんこ盛りでありながら、ディストピアめいた悲観的な視野は一度もなく、量子ネイティブへの期待という人類の希望が詰まっている。因果逆転した記事を参考に、暴走するクラブマンからの攻撃をかいくぐる姿は良質なハリウッド映画を見たときのような興奮を味わうことができる。

    表題作である「公正的戦闘規範」もドローンにより人類不在になりつつある戦争に公正さを取り

    0
    2019年05月30日
  • Gene Mapper -full build-

    Posted by ブクログ

    作者の真面目さが伝わると共に、多少なりともデザインやエンジニアリング、ウェブの仕事でPCに関わっている人間ならば、もはやリスペクトとともに色んな角度から同調したくなるような用語やニュアンスに満ち溢れている。
    ギブソンを彷彿とさせるキラーなジャパニーズSFの名作と言って良いでしょう。

    0
    2019年05月10日
  • ビッグデータ・コネクト

    Posted by ブクログ

    難しかった! でも面白かった!
    IT産業の下請け体質のひどさとか、いろいろ知れた。
    サイバーのことはほとんど解らないけど、私と同様に解らない人が沢山いて、そこに付け込んで、あわよくば気づかれないだろう、という犯罪が沢山あるんだろうな。マイナンバー制の犯罪は、本当にひどい。

    0
    2018年10月23日
  • 公正的戦闘規範

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    5篇収録の短編集。どれも、めっちゃ面白かった!
    一つ目の「コラボレーション」を読んだ段階で、当たりを確信できた。この著者を追っていくしかないな!(確信

    テクノロジーを悪とせず、テクノロジーの生み出す変化を好意的に捉えているのが相性の良い理由なのかな?(良かった理由は、まだよくわかってない

    0
    2018年10月27日
  • ビッグデータ・コネクト

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    三年前の小説ですが、ネット社会における個人情報の扱いや、それらに関する世間の認識の甘さだったり、IT企業のブラックぶりなどは、今の世も変わってないなぁと痛感。被害者の月岡、ならびに武岱や内藤といった現場の人たちには(自分も一時期プログラマやっていたので)共感しきり。

    著者も開発会社に勤務していたこともあるらしいので、このように現場が困窮している実態を知って欲しかったりもしたのでしょうか。

    お話的には……武岱が、ゲーム的に言うと武力も知力も高すぎるので、いざとなったらコイツが自分でなんとかするんだろうという安心感があって、緊張感が欠けていたところが残念ポイント。ありきたりかもですが、武岱は登

    0
    2018年09月18日
  • オービタル・クラウド 下

    Posted by ブクログ

    SF。サスペンス。
    『年間日本SF傑作選』で「行き先は特異点」を読んだ時も思ったが、SF設定が非常にリアル。本当に現実に起こりそうに思える臨場感が特徴的。
    そして、とにかくスリリング。解説にあるように、SF要素が理解できなくても十分に満足できる内容。それだけストーリーが面白いということでしょう。
    上巻の序盤こそ、よく分からなくてなかなか読み進められなかったが、下巻はノンストップで読めた。
    読後感も良くて、非常に楽しめました。

    0
    2018年08月17日
  • 公正的戦闘規範

    Posted by ブクログ

    藤井太洋氏の小説は、現在進行形のSFとも言えるもの。現在のほんの少し先を描いてみせるから、とても興味深い。

    今回も、現在既に実現している技術で考えられる、ほんの少し先の未来を描いてくれてて、次作が楽しみな作家さんだ。

    0
    2018年03月12日
  • 公正的戦闘規範

    Posted by ブクログ

    初の短編集。長編ほどの盛り上がりはないけれど、作風として通じるものはある。それぞれの短編は、まったく違う世界を描いているが、すべて近未来にありそうな世界。バラ色ではなく、少し灰色。でも希望がないわけじゃない。コンピュータが問題解決の糸口となる話も多い。個人的には、銃規制の問題からアメリカ合衆国が分裂した世界を描く「第二内線」が、ちょうど現在の世界情勢と重なるところが多く興味深かった。

    0
    2018年01月26日
  • オービタル・クラウド 上

    Posted by ブクログ

    おもしろい!
    日本SF大賞受賞の傑作長篇、と裏表紙には書いてあって期待を持たせられたのですが、上巻を読み終わって思ったのは、SFのジャンルを飛び越えて面白い!ということ。
    ※念のため、SFは大好きだし、低く見ているということも無いです。歴史小説だろうがビジネス書だろうが、なんかもう普遍的に面白いな!的な驚きと興奮がある本だと言いたい…

    最初は別々の出来事に見えていたそれぞれの情景が、物語が進むにつれて徐々にリンクしていき、ジェイソン・ボーン的なスピード感や緊張感が生まれてきて…の途中で上巻は終わります(笑
    登場人物も今のところ非常に魅力的で(ちょっと全員スペック高すぎ感はあるのですが)、カッ

    1
    2017年10月04日
  • アンダーグラウンド・マーケット

    Posted by ブクログ

    この人のチームが出来上がっていく様子、トラブルをやっつけて行く様子が大好き!
    今回のネタは、仮想通貨と2年後にオリンピックを控えた移民都市 東京だ!

    0
    2017年09月19日
  • 公正的戦闘規範

    Posted by ブクログ

    PGやSEの職歴はあってもコボルにC止まりなので気分は5番さん。
    でもちゃんと理解できなくても読むのは止められないっていう楽しさがある。

    0
    2017年10月14日
  • オービタル・クラウド 上

    Posted by ブクログ

    みんな、これは面白いよ〜!
    いま、地球でくすぶってる色んな問題を散りばめて、様々なバックボーンの専門家であるメンバー達の有機的なチームが敵に立ち向かう!
    巻末の用語解説を見るだけで、この本の多様性とリアル感が伝わると思う。(僕はそこ読んでニヤけてしまった。)

    1
    2017年06月21日