藤井太洋のレビュー一覧

  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

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    面白くないわけではないのだけど、あまりにも現実とリンクする部分が多すぎて、ちょいちょい現実に引き戻されてしまう。そのため、物語の世界に入り込めず、なんとも味気なく思えてしまった。
    藤井氏の作品は未来への警鐘がエンタメと混ざりあい、考えさせられつつ引き込まれる作品が多いので好きなのだか、今回は私には強すぎた。
    とはいえ、テロリストから警察、舘埜チームまで、チームとして人を書くのはやっぱりうまい。皆が生き生きしている。

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    2024年11月25日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

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    ネタバレ

    題材としては凄く面白いし、作者の他の作品と同様、かなり勉強になる部分が多かった。
    メインテーマとなる核兵器や放射性物質、放射線については、これをベースに色々調べてみたい。

    ストーリーは、登場人物を増やしすぎてちょっと散らかってしまっている印象。
    オチに繋げるための人物描写、展開が弱く感じた。中盤まではかなりワクワクした分、少し尻すぼみ。

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    2020年03月29日
  • ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

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    核爆発は防げたものの核汚染の東京.それでも除染してオリンピックは開かれる.だが現実の今,新型肺炎の脅威はオリンピックを延期させる.恐るべしコロナウィルス!と思ってしまいました.二つのアプローチで犯人を追い詰めていくが,みんな協力してといかないところがどんな捜査でも問題だ.そして原子力汚染に少し詳しくなりました.

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    2020年03月26日
  • 公正的戦闘規範

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    読み終わってから少し経ってしまった。

    自分としては『ハローワールド』くらいの軽さが読みやすかったので、プログラミングとかメカニックな面では付いていけなかったかなー。

    ただ、表題作「公正的戦闘規範」の世界観は好き。
    利用された者の持つ恨みと復讐の繰り返し。
    そこに知恵と技術が集まれば、盤面をひっくり返すことなんて容易くて、けれどひっくり返された盤面が「勝ち」を現すとも限らない。
    民族衣装に身を包みながらロボットに騎乗して殺戮する彼女の姿は、倫理的な面を無視すれば否応なしに格好いい。
    そうして彼女が君臨するであろう世界を、また別の技術が乗っ取り、塗り替えてゆくであろう未来。

    まさに、諸行無常

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    2019年01月12日
  • ビッグデータ・コネクト

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    マイナンバー制度を題材にしたサイバー警察小説。元SEと言うだけあって、IT業界の内幕はゾッとする程リアル。作中の【十二次請け】という言葉が過酷な就業環境を端的に物語っている。中盤まではPM誘拐事件の陰に潜む巨額不正発注を捜査する社会派警察小説として楽しめたが、諸々詰め込み過ぎた所為で終盤は明らかに失速。構成が複雑な上に、説明不足も相まって、全体を通して散漫な印象が残るし、説明台詞ばかりで人物描写が圧倒的に足りず、登場人物のキャラクターも弱い。興味のある題材だけに、痒い所に手の届かないもどかしい作品だった。

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    2018年12月14日
  • アンダーグラウンド・マーケット

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    不思議な雰囲気をまとわり付けている。
    日本の下層社会と言うべきところの
    言語的ダイバシティと格差にめげずに、
    真面目に取り組もうとしている 若者。
    巧、鎌田、恵の三人組。

    仮想通貨とクラウド。
    その流れと仕組み。
    ふーむ。仮想通貨が 投機の対象になっていない。
    狙いは、消費税の回避。なるほど。なんとなく、可愛い狙い。
    現在の状況ならば、換金した時点で50%とられるからね。

    仮想通貨のことがもう少し語られるかと思ったが
    仮想通貨のドリーム共同体ということか。
    助け合い。調定。
    などコミュニティを守るためのルールが作られている。

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    2018年08月06日
  • アンダーグラウンド・マーケット

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    近未来というより今だったが、うーん。著者が描く未来はあんまり住みたくないな。
    話としては面白い。なんだろ、どっちが悪いからとは言い切れない気がするけど

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    2018年05月01日
  • ビッグデータ・コネクト

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    京都府警サイバー犯罪対策課 万田警部の物語。

    官民連携プロジェクト「コンポジタ」の利用者管理システムに絡む巨大な陰謀。

    万田の協力者として捜査協力に名を挙げたのは、かつてXPウイルスの開発者の冤罪で、汚名を着せられた武岱(ぶだい)。

    様々なIT用語が飛び交い、個人情報保護法や住基ネット、戸籍文字の話(斉藤の斎)、マイナンバー、多情下請けなどなど、ややマニアックな面も...

    ちなみに、IPAの脆弱性届出制度も、所々出できます(P190ほか)。
    思わず、ニヤリ (^^;




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    2018年02月25日
  • 公正的戦闘規範

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    表題作は2年前に伊藤計劃トリビュートで読んでいたのだがすっかり忘れており、改めてドローンによる戦闘を満喫。ORGAN(Operator Re-localized Gun-and-firearms Activation Node)(局所化された操作者による銃・火器行使単位)が出てきて思い出した!。他の作品も面白かったが、第2内戦や常夏の夜の量子コンピュータの使い方も何となく納得。セールスマン巡回問題を解くことが運送問題・エネルギー問題・通信インフラ問題を解決するそうな。勉強します。

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    2017年12月17日
  • アンダーグラウンド・マーケット

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    東京オリンピックを目前に控えた2018年、東京は安い労働力として呼び寄せられた移民により多国籍化し、移民たちと非正規雇用の日本人は仮想通貨「N円」による地下経済圏で生きていた。

    スマホによる電子決済、現金を持たなくても買い物ができるようになり、ビットコインがクローズアッブされる現代、タイムリーな話であった。

    ただ、脱税を前提とした仮想通貨、小説としては面白くとも容認はできない。

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    2017年11月21日
  • Gene Mapper -full build-

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    時代的には、2030年代後半の設定になっています。その頃、この様にAR全盛の事態になっているかは不明ですが、いまでVR元年とか言われていますからねぇ。ARが、これほどではないにしても、今よりはもっと進んでいるでしょうね。

    また、時代設定がそういう時代設定なので、物語で出てくるエピソードが、既に起きて、過ぎているはずです(笑)。実際には、この作品で言うような事は起きていないのですが、SFで表現されたことは、バック・トゥー・ザ・フューチャーの例を引くまでも無いですが、その後に実際に起きているので、いつしか何か、これに近い事が起きるのでしょうね。

    この作品は、だいぶ極端な方向に降った内容だと思い

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    2017年09月23日
  • 公正的戦闘規範

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    悪くない、悪くないんだがいかんせん地味なんだよね。
    表題作は、ドローンによる無差別攻撃から闘争を戦場に閉じ込めることで公正さを確保するという考え方は面白かった。でも、自分の中の小さなミリオタを満足させてくれるようなくすぐりがなかったし、もっと風景描写を入れたら場面的な奥行きが出ると思うんだが、うーん。地味。。。メカニズムが人間の何かを変えるというのを見たい気がする。
    常夏のなんちゃらというのは、それが味わえてすごくよかった。

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    2017年09月13日
  • Gene Mapper -full build-

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    ◯ジーンマッパーという職業や、蒸留作物の考え方はバイオSFらしいガジェットで楽しい。
    Δ主人公自身に謎がないため魅力がない。むしろ周りのキャラクターがトリックスターばかりで、物語の牽引力バランスがいまいち。

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    2017年02月08日
  • ビッグデータ・コネクト

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     IT業界の苛烈さは伝わってくるが、ITエンジニア誘拐事件に至る過程って、あまりに陳腐過ぎてことばにならず。文庫本の帯コメントから、期待大であったから尚更ざんねんの一言。多少救われるのが、過去に冤罪で逮捕され、捜査に協力する武岱のキャラが立っていたことぐらいかな。

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    2017年02月02日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    ネタバレ

    藤井太洋「公正的戦闘規範」★★★
    伏見完「仮想の在処」★★★★
    柴田勝家「南十字星」★★
    吉上亮「未明の晩餐」★★★
    仁木稔「にんげんのくに」★★★
    王城夕紀「ノット・ワンダフル・ワールズ」★★★
    伴名練「フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪」★★★★★
    長谷敏司「怠惰の大罪」★★★

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    2019年09月04日
  • ビッグデータ・コネクト

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    マイナンバー制度を利用して個人情報を収集し悪用しようとする組織と戦う刑事たち。以前に逮捕したが起訴できなかったハッカーと協力しようとするが。
    物語は何故かボンヤリとして読みにくかった。それ以上にシステムエンジニアたちの闇が酷い。ここまでの奴隷根性は日本だけだと思うが、ありそうで怖い話だった。

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    2016年07月03日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    いろんな作家さんの短編集。
    伊藤計画っぽさとかは問うていないらしい。
    伊藤計画らしいのもあれば、全く違うものも。
    影響を受けて書いた作品というところでまとめてもこれだけ幅のある短編になるんだなあと感心しました。

    個人的には、「怠惰の大罪」という作品が面白く、「公正的戦闘規範」という作品が伊藤計画っぽいかなと思いました。

    読むのに結構時間かかってしまいましたが、その他の作品もお薦めです。

    伊藤計画さんの本を読んでなくても楽しめると思う。

    短編集なのに長編の冒頭だという作品が複数有り、(「怠惰の大罪」もだけど・・・)何だよ~という感じだったので星3つ。

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    2016年07月01日
  • 伊藤計劃トリビュート

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     今は亡き伊藤計劃。
     彼に贈る儚さに満ちた物語。
     サイコパスまんまだなぁ、とか、ブレードランナーだなぁ、とか、ディックだなぁ、とか。
     藤井さんのゲームの大元が、っていうのは実際ありそうだなー、とか。
     殆どが、血にまみれ肉にまみれ、痛々しい箇所もありますがそれもご愛嬌。

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    2016年04月06日
  • ビッグデータ・コネクト

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    ビッグデータという割には犯罪のスケールが少々、小さいのと、主人公の造形に無理があったかな。いずれにしろ、他の作品でも感じるのだが、この作者の人物造形は物語を進めるために都合よく能力を持った脇役を配するので、都合よく、そんなに有能な人物たちが登場するのかなという点でリアリティが乏しい。

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    2016年02月28日
  • Gene Mapper -full build-

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    ネタバレ

    オービタルクラウドがよかったので過去の作品も読見たく成り手を取った。オービタルクラウドでも思ったが、本作でも都合よく主人公の周りに有能な人物が集まっているという展開は相変わらず。少々、怪しい人物がどう関わるかが物語の肝ではないかと思ったが、思ったよりもひねりはなかったのが残念。また、そもそもの物語のキーとなるフルビルドの遺伝子組み換え生物の設計図を描いた肝心の部分が軍用としてしか描かれておらず、そこを深堀しておらず、そこから派生する問題をデータ公開という形で収束させている。本当に軍用であれば、そんなに簡単にデータ流出するか、また、そのような意図を持つ人物をほっておくのかという点が疑問。

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    2016年02月06日