藤井太洋のレビュー一覧
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「旅」をテーマに、気鋭の作家陣が短編を寄稿したアンソロジー。とはいえ旅の解釈はそれぞれであり、SFだったりミステリーだったり、各人の特徴が出ている内容となっている。
個人的な好みは藤井太洋さんの「月の高さ」。ご本人の経験を踏まえた舞台芸術の置かれた現状、地方巡業のドタバタ感、枯れたおじさんと若い女性の緩い連帯といった内容が小気味よくロードムービー的に展開されていて面白かった。
一方で石川宗生さんの「シャカシャカ」については正直よく理解できなかった。地表がシャッフルされるという話のメタ構造として、各章の順番もシャッフルされていく流れなのだけど、いきなり話と場所が飛んでしまうためについていけな -
Posted by ブクログ
中学生の時に島を離れた主人公が、島に残った父の認知症を理由に30歳過ぎてからUターン。
島での生活に慣れた頃に、クルーズ船寄港地としたリゾート開発が始まる……
いちいちカッコ書きとなる「奄美の方言」は、はじめはとても読みにくく、さらに、何が「第二」なのか、その意味を考えるまでがやや長い。
方言は、「難民問題」を感傷的になる一方で「どこか排他的な日本人に、「民族の違いなんて方言が違うぐらいの差なんだ」と、そんなことまでも織り込んでるのかもしれない……また、善意の人たちが善意で始めたことでも、結果「悪」となる場合もあり、そうならなくても、すべての人に「善」であることはない……その他、島の過疎化 -
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【2025年60冊目】
機動性の宇宙機スペース・テザーの信憑性を確かめるためシアトルまでやってきた和海。凄腕ハッカーのあかりや、CIAにJAXAと共に真相に迫っていく。軌道の先には、2人の民間人がいる宇宙ホテルが。絶対絶命の彼らを救うことはできるのか。
上巻に続き、壮大な物語。救われない要素がちらほらあるところが、リアルさを描きつつ、「フィクションだから救われて欲しかったなぁ」と少し残念に思いました。きっかけの彼のことです。
努力家だった蝶の彼の思いに関してはもう少し、生い立ちとかからじっくり描いて欲しかった思いもありますが、物語が冗長になることを避けたのかなと思ったりもしました。
あま -
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【2025年59冊目】
流れ星の発生を予測するWebサイト「メテオ・ニュース」を運営する木村和海は、大気圏内に落下するはずのロケットがなぜか高度を上げていることに気がつく。疑問に思う和海の元にイランの宇宙工学の助教授である博士から突如連絡が入ったことから、和海は宇宙規模のテロ計画に巻き込まれ始めることに――。
一万円選書で選んで頂いた本作。なかなか読み進められなくて、上巻の今作を読むだけでも一週間以上を費やしました。宇宙に纏わる専門用語が多く、説明はあるものの、なかなか想像するのは難易度が高い。
結局「なんか、故意にまかれた宇宙のゴミがすごい速さで宇宙ホテルにぶつかる可能性があってやばい」 -
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仮想通貨と移民労働者を題材にしたシステムエンジニア小説。東京五輪で移民が爆増した東京では、消費税その他諸々の課税から逃れる仮想通貨「N円」が流通しているという設定。
ゴリゴリにシステマチックな内容で、ルートキットとかapacheとかsshとかが注釈無しで会話中にポンポン出てくる。テンポはいいけど、ある程度のUNIX知識とシェルコマンド知識とセキュリティリテラシーを前提とされている感じ。この読者置き去り感がたまらない。
凄腕エンジニアなのに色彩デザイン感覚ゼロの恵さんのキャラクターがいい。Webエンジニアよりセキュリティエンジニアになったほうが稼げるんじゃないの?
地下経済で流通する仮想通 -
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ひとりのエンジニアを主人公にした連作短編集。まさに「エンジニアの夢」がいっぱい詰まった小説!動くものを作るワクワク感がヤバいです!なんか作りたくなる~!!
色々な技術を取り入れているが故に…ストーリー上の都合だと思いますが…技術的にやや不自然な描写があるのが(わりといつも大なり小なりあるのですが)いつもより気になってしまいました(汗)。あ、でも51%攻撃を多数派攻撃と表現したのは、わかりやすいなぁと思いました。
いつも“Hello World”じゃなくて“test”とか適応に書いちゃってますが、これからは新しい言語を始めるときは、“Hello World”でいきましょう!
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私にとっては、おもしろいんだけども、めっちゃくちゃおもしろいわけでもない、くらいでした。
あと表紙のイメージほどSFっぽくないというか、いや、しっかりSFなんだけど題材が地味というか……。
たとえば攻殻機動隊であれば光学迷彩で体を透明に見せたりするけども、そういうもんじゃなく、いまのzoomとかが進化してバーチャル空間がめちゃくちゃ進化してるでぇくらいの。
お話のメインは作物なので、地味と感じる理由はそこにもある。遺伝子組み換えがめっちゃ進化したから、最強のお米作れるで!イネ自体に色つけて最強の田んぼアートもできるで!光ったりするで!みたいな話。