【感想・ネタバレ】まるで渡り鳥のように 藤井太洋SF短編集のレビュー

あらすじ

宇宙で生物の「渡り」を研究する日本人と、春節に地球へと帰省する習慣を持つ華人のパートナー。それぞれの選択を描いた表題作ほか、薩摩藩に雇われ江戸総攻撃に臨む屍兵遣いの数奇な人生を綴る「従卒トム」、大国による侵略の危機に晒される国境近くの難民キャンプで感染症対策に挑むエンジニアの闘い「距離の嘘」、軌道作業ステーションに就職した奄美の巫女(ユタ)が遭遇する宇宙的脅威「祖母の龍」など、国内外で発表した11編を収録。各編に書き下ろしの著者解題を付す。テクノロジーと人類への希望を描く傑作SF短編集。/【目次】ヴァンテアン/従卒トム/おうむの夢と操り人形/まるで渡り鳥のように/晴れあがる銀河/距離の嘘/羽を震わせて言おう、ハロー!/海を流れる川の先/落下の果てに/読書家アリス/祖母の龍/解説=勝山海百合

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Posted by ブクログ

ネタバレ

この人のSFアイデアはどこから湧いてくるのだろう?長編も良いが、アイデアを凝縮している短編はもっといい。近未来のガジェットの使い方も秀逸。初出が中国だったり、アメリカだったり韓国だったり、国際色豊か。特に中国からの依頼で書き上げた作品は舞台や登場人物が中国なので、中国人作家のようである。

以下ネタバレ含む備忘録

ヴァンテアン:ヒトタンパク質を構成するアミノ酸の21個目を発明したら・・・フランス語の21という題名。バイオ特許は自然に存在するものには効かない
従卒トム:幕末に米国から派遣されて屍者のお話
おうむの夢と操り人形:オウム返しでも役に立つ。今のAIチャットはオウム返し以上だから大変役に立つ。
まるで渡り鳥のように;春節の帰省をヒントに量子力学で離れ離れの恋人たちが再会する
晴れあがる銀河:銀河英雄伝説のトリビュート。帝国は出自が大事
距離の嘘:新型感染症対策と大国の侵入からの防衛
羽を震わせて言おう、ハロー:宇宙船自体が異星に意思をもって航行する
海を流れる川の先:1609年海流を使って薩摩の琉球侵攻に抗う奄美の少年
落下の果てに:太陽フレア事故時に作業員がシールドを下ろさなかった理由は?宇宙の息吹を感じたから・・・
読書家アリス:小説がAI作か人間作かを見分けるAI。人間らしさを学習するには、たくさん読め
祖母の龍:奄美大島の海流が太陽フレアに置き換わって、帆を使ってフレアを乗り切る。解説によると紬の着物柄は龍郷柄と秋名バラらしい。

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2026年08月25日

Posted by ブクログ

11編からなるSF短編集。AI、パンデミック、宇宙など様々なテーマのSFが読める。短編だからか、途中説明らしいパートがないため、?となることもそれなりにあったので、ある程度SFを読み慣れていないととっつきにくいかもしれない。「祖母の龍」はあらためて長めの作品でまた読んでみたいと思った。

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2025年01月18日

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