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  • 伊藤計劃トリビュート

    伊藤計劃トリビュート

    小説・文芸

    4.1
    1巻1,254円 (税込)
    伊藤計劃が2009年にこの世を去ってから早くも6年。彼が『虐殺器官』『ハーモニー』などで残した鮮烈なヴィジョンは、いまや数多くの作家によって継承・凌駕されようとしている。伊藤計劃と同世代の長谷敏司、藤井太洋から、まさにその影響を受けた20代の新鋭たる柴田勝家、吉上亮まで、8作家による超巨大書き下ろしアンソロジー

ユーザーレビュー

  • 伊藤計劃トリビュート

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    ネタバレ

    伊藤計劃を追悼する8篇。どれも短編としては濃密な設定で、長編小説としても読んでみたいと思わせるものばかりだった。以下は特に面白かったものを示す。

    藤井大洋「公正的戦闘規範」
    伊藤計劃、「虐殺器官」を彷彿とさせるような重厚な戦闘シーンが魅力。偵判打というゲームが、実際の戦闘ドローンの操縦になっていた、という設定に恐怖した。

    吉上亮「未明の晩餐」
    孤高のシェフと孤児二人、死刑囚の最後の晩餐専門シェフというなんともいいキャラ設定。感動。

    伴名練「フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪」
    切り裂きジャックの独白。ナイチンゲールがフランケンシュタイン博士に改造された屍者で、なんやらこうやら歴史が交錯するスペクタクル。一番面白かった。

    長谷敏司「怠惰の大罪」
    キューバの麻薬カルテルでのしあがるカルロス・エステベスの半生。クライム・ノベルとしての魅力が沢山でワクワクさせられた。

    非常に楽しめた。

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    2026年04月30日
  • 伊藤計劃トリビュート

    Posted by ブクログ

    伊藤計劃って名前のせいなのか?
    この8人の作家による中篇集は、それぞれがかなりの攻撃力を持っている。
    またまた、それぞれが異なる作風で僕をアタックする!
    早逝した怨みを晴らそうとしているようだ。
    たまらん!

    0
    2019年11月27日
  • 伊藤計劃トリビュート

    Posted by ブクログ

    いかにも伊藤計劃トリビュートらしい中編集。
    戦争をAIから取り戻す「公正的戦闘規範」、AIが推奨される選択肢を掲示する世界「ノット・ワンダフル・ワールズ」が特に面白し、伊藤計劃らしさがある。
    分厚さもありSFはじっくり読み込んでしまうので時間がかかったが非常に面白かった。

    0
    2017年04月22日
  • 伊藤計劃トリビュート

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    ネタバレ

    意図的な選択肢を提示し、それを人が受け入れるようになると、選択肢を提示している人は、人を操れるようになりますが、操られている人はそうであることを認識しませんという話が載っている。たとえ、あやつっていたのが人でなかったとしても。

    ノット・ワンダフル・ワールズ

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    2017年01月26日
  • 伊藤計劃トリビュート

    Posted by ブクログ

    文字通り、伊藤計劃トリビュートの作品集である。文庫本で700ページを超える厚さであるが、作品数は8つの中篇集である。どの作品も伊藤計劃の影を感じさせる作品であり、作家らがいかに伊藤計劃氏の影響を受けているのか感じられる。しかもどの作品も驚くほど面白い。各作品に引き込まれるように読んだ。ページ数は多いがあっという間に読み終えてしまった。特に面白かったのは、「仮想の在処」「南十字星」「未明の晩餐」「フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪」。

    以下、個別作品の感想。

    ◎公正的戦闘規範(藤井 太洋)
    格好いい話だ。ドローンや歩行兵器などが登場し、さらに戦争の規範を訴える。無人兵器が実用化されている現代において、生身の人間がどのように戦闘行為に携わるか、戦争の正義を提案しているとまでは言わないが、現代のノールールな戦争より少しはましな状態を描いていると思う。

    ◎仮想の在処(伏見 完)
    「ハーモニー」を彷彿とさせる物語。人間の意識とは、人格とは、存在意義とはなどを考えさせられる。伊藤計劃の作風に近い小説であり、彼の作品を読んでいるかのような感覚になった。

    ◎南十字星(柴田 勝家)
    伊藤計劃っぽさはあまりないけれど、作品自体は面白い。少女との出合い、少女の死、仲間の死、自我の死、いろいろな死が平気でまわりに存在する中で生きている自分。意識がある自分、他人と同化した自分、自分ではない自分、意識と生命の存在を意識したところはやはり伊藤計劃っぽいのかな。

    ◎未明の晩餐(吉上 亮)
    死刑囚に最後の食事を作る料理人の話。読んでいてどんどん引き込まれる。素直に面白い。哀しくもありハートウォーミングでもあり、見事な作品だと思う。

    ◎にんげんのくに Le Milieu Humain(仁木 稔)
    ジャングルで生活する少数民族の話。部族に所属する“人間”と部族出身ではない異人がどのように生活するのかを描いている。普通に読んだだけでは、現実にある少数民族の普通の話のようにも読める。SFとして読むのは無理があると感じたのだが、他の人はどのような感想を持ったのだろうか。

    ◎ノット・ワンダフル・ワールズ(王城 夕紀)
    生命の進化とはを問う物語。その定義を作品に語らせている。おそらく学術的な進化とは異なる解釈がなされていて、「へぇ~なるほど」と思わせる。「ハーモニー」を思い起こさせる作品である。

    ◎フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪(伴名 練)
    実に面白い。「屍者の帝国」を思い出す。三原則についてはどこかで聞いたようなものもあるが、最初に出てきた原則を読んで瞠目した。確かに意識があるとかないとかはどのように判別するのだろうかと。それを疑問に思ってしまうと、自分自身が生きているのかどうかさえ疑ってしまう。この恐怖に震えてしまった。

    ◎怠惰の大罪(長谷 敏司)
    人口知能(AI)が出てくるものの、それ以外でSFを感じさせる要素はない。ストーリーはキューバを舞台にした麻薬がらみの裏世界を描いたもの。ゴッドファーザーを思い出させる。長編作品の第一章が掲載されている。SF要素を楽しめるのは、第二章以降なのかもしれない。

    0
    2016年04月25日

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