辻堂ゆめのレビュー一覧
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粒ぞろい、とはこのこと!
全5編、どれも楽しく読めました。だいたいアンソロジー読むとその中から気に入った作家さんのを見繕って2、3冊買ってしまうんだけど…さて…
「その爪先を彩る赤」武田綾乃
出ました百合ミステリ。あ、百合って部分ネタバレだけどいかにもな疑似餌だからそれくらい大丈夫だよね? 素敵なペアリング、そしてこのテーマもほんとうに放課後にしっくりきていて。開幕にばっちり。
「東雲高校文芸部の崩壊と殺人」斜線堂有紀
念願の斜線堂さん! 思っていたとおりというか、なんというか。文庫が…待てなく…なる…
「黒塗り楽譜と転校生」辻堂ゆめ
片想い探偵のひとね。もう少し上の年代だと思ってた…90年代すごいなー黄金世代か?
気持ちいい、短編。
「願わくば海の底で」額賀澪
いちばん重くて、その分いちばん印象に残った一編。甘酸っぱくて脳天気な放課後から始まる関係性というのが、ずっしりと響いてくる。使いかたである。
「あるいは紙の」青崎有吾
はいはい安定(笑
いやーこの冬は楽しい読書の冬になりそうで。もっと読みたいから☆4。勝手か。
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Posted by ブクログ
急性脳腫瘍で倒れた女性が目を覚ましたら、悪魔と名乗る男から命を助ける代わりに大切なものを奪う取引を持ちかけられる話
ファンタジー設定に見えて実はリアルな真相だったりする
河野夕夏が失ったものは2年間の記憶
ヴァイオリン弾きが魂の曲と引き換えに片足を失った小説が対比されている
悪魔と名乗る男はアフターフォローと言って夕夏の様子を見に定期的に訪れる
この男は本当に悪魔なのか?それとも人間なのか?何故夕夏の前に現れるのか?現れたのか?
どうして夕夏は記憶を失ったのか?
大事なものとは何だったのか?
実家の長野で暮らす家族とは高校卒業以来疎遠になっている理由とは?
星羅という名前の双子の妹の存在
職場の銀行ではなぜか自分を怖がっている後輩がいたり
この設定はアノ小説だなーとか、有名ショートショートのアレかとか、色々と思い当たる設定があるものの、物語全体を読んだ後には既存の作品とは違う読後感になっている不思議
ありきたりな設定を盛り込んで組み替えてこんなストーリーを作る能力がすごいと思う
ま、まったくツッコミどころがないわけじゃないけどね -
Posted by ブクログ
子供の頃の記憶が他の人と食い違っているお話
絵本に影響を受けてチェスに傾倒している新見優希は、大学に入学した際に小学生のときに同じ絵画教室に通っていた岡本淳之介に出会う
旧交を温める中で二人は記憶の食い違いに気づく
淳之介は絵画教室の先生の息子のタケシにバレーボールを教わった事をきっかけにバレーの道に
優希は架空の登場人物のタケシがチェスで活躍する絵本を繰り返し読んできた事でチェスに傾倒したが、先生の息子のタケシの記憶はない
二人は当時の上級生だった吉江京香に連絡を取り、心理学の専門家である晴川あかりの元を訪ねたが、自分たちの記憶が作られた虚偽記憶であると指摘される
なぜ虚偽記憶が植え付けられたのか?誰がしたのか?なぜそんな事をしたのか?
その真相に隠された真実とは……
他の人も指摘してるけど、記憶操作がうまく行き過ぎているかな
理論上は可能なんだろうけど、偶然うまく行ったにしては出来すぎ
ただ、謎の真相を知った上でどうするかの選択が描かれてあるのはよい
新たな課題に対してどう向き合っていくのか、区切りをつけるのか?ってか、剛の最後の行動はどんな意図があったのかね?
今後の成り行きが気になるなぁ
ま、多分寄り添う展開になるんだろうけどね
謎解きそのものではなく、その先の方が大事というお話は好き
ソースモニタリングエラー(出来事の内容は覚えているが、その出来事をどこで体験したのか特定できなくなる心理学的現象は確かにあるよね
子供のときの話を親から聞かされた結果、自分でその記憶を補完している面があるからなぁ -
Posted by ブクログ
全日本種目別選手権の鉄棒で優勝した体操界期待の新星・結城幸市に度重なる不幸に襲われながらも練習に励む青春スポーツミステリー。
練習中に起きた器具の故障、妹似奈の転落事故による植物状態、母親のストレスで死産してしまう妹の美羽。次々に襲う不幸が周りの人達の嫉妬や保身から起きたことなんて辛すぎる。
そしてラストの幸市は、高く飛んだ。が更に辛い結末でなんとも言えない複雑な心境です。
主人公の幸市とは別の語り手も誰なのか想像しながら読み進めていましたが予想とは違っていた。
初読みの作家さんで他の作品も読んでみたいなぁと思った。大学に在学中にデビューしIT企業に就職後に本作は発表され2作目だとか...
二足のわらじを履く期待の作家さんなんだな...