辻堂ゆめのレビュー一覧
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繰り返す悪夢で予知夢。運命を変えろ!
舞台は東海道線。電車で居眠り、よくある光景。少年院あがりの訳あり主人公と女子高生が出会った。「今、死ぬ夢を見ましたか?」
なぜだか2人は最悪の予知夢をみる。回避する手段は?刻々迫る運命の日。そして登場する過去の友人。誰が救いで真実か。死への急行列車は止まるのか。
電車のスピード感と相まってハラハラドキドキ面白く読みました。主人公のやさぐれ具合がひっかかって読みづらいところもあったのですが、最後でなるほどそういうことかと。
ギリギリ仕掛けに気づいたのも楽しかったです。
ミステリーって人が死んで警察とかきて解決するのでしょ?苦手!という方に、こういうミステリーもあるよとおすすめしたい一冊です。 -
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無戸籍とネグレクトという重い社会問題を背景に描いた作品。ミステリーとしての謎解き以上に、テーマの切なさに心を引き寄せられた。
特に無戸籍という立場については、携帯電話の契約や銀行口座の開設、各種ライセンスの取得、保険証の所持など、日常生活における不自由さや生きづらさが具体的に描かれており、その実態を知るきっかけとして、深く考えさせられた。
一方、物語の核となる「トリカゴ事件」のネグレクト描写には、どこかリアリティを捉えきれないもどかしさが残った。鳥の飼育と育児放棄の結びつきや、鳥を親に見立てるといったメディアの描く物語性に距離を感じ、うまくイメージを結びつけることができなかった。
無戸籍者のコミュニティで暮らすハナと兄の境遇や、事件の真相に迫る展開には魅力を感じただけに、テーマの重さが十分に物語への没入感につながらなかった点は惜しい。登場人物の心情についても、説明として理解することはできても、その内面に深く触れるところまでは至らず、物足りなさが残った。
次の『残火』では、どのような物語が描かれるのか期待したい。 -
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ネタバレ無国籍を題材にした本作でしたが、読後感としては、無知ほど恐いものはないなという印象を受けた。
とはいえ、私も無国籍に人に対しての法的な処置や対策を知らなかったわけで、知識を増やすきっかけをくれた本作品だった。
内容としては、第二章までは、淡々と進むような感じではいたが、第三章でそうきたか!という感じで読み進めることができました。
途中までは、兄妹は、トリカゴ事件の子達だと思ってたから…。
工場に年に一時期だけ様子見で現れていた沼田香苗は兄妹となんらかの繋がりはあるのだろうと思っていたけど、まさかという感じで衝撃を受けた。
私にも幼い子どもがいて、毎日育児に追われている。
世の中にトリカゴ事件のようなことが起きたらと思うと心が痛む。
金のためにとか自分の欲望のために事件をやらかそうという人の考えが胸糞悪いとは思いながらも、ミステリーとして貴重な読書体験をさせてもらいました。 -
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ネタバレ遅刻魔でサボり癖のある自称不良の涼が、親元を離れて離島留学します。
コンビニすらない島で寮生活しながら学校に通うことになるのですが、涼は寮の人や同級生とうまくやれるのでしょうか。
そして不良は改善するのでしょうか。
島でできた親友たちと、離島留学生が抱える謎や悩みを解き明かしていきます。
涼も、不良などではなく、起立性調整障害ということが最後にわかります。
この病気は子供に多いみたいですね。
職場の上司も、高校生の子供がダラダラして怠けていると思ったら、実はこの病気だったというのを思い出しました。
病気に限らず、離島留学を体験したり、逃げ場があるのはいいですね。 -
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これまで読んだ著者の作品の中では最も胸糞だなぁと感じました(褒めてる)
イヤミスというよりは胸糞という表現が似合うと思います
人が不幸になる様を見るのが好きな人に刺さりそうです
人の不幸は蜜の味というやつです
短編集なので主人公が複数いました
登場人物みんな可哀想でした
どのお話も身から出た錆というよりは、何かが違えばこんなことにはならなかったのにね…という終わり方です
悪人ではないのでとても気の毒でした
エピローグとプロローグも本当にいやらしい(褒めてる)
人の不幸の上に我らの平和は成り立っていると思わせるような締め括りです
どんなに不幸な事件も他人から見ればただのありふれたニュースでしかないんですよね… -
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ネタバレこの復讐は正解なのかな?
毒親は最低だったけど、高志は一度も自分の言葉で親に伝えることも言い返すこともしてないので、立ち向かう場面が欲しかった。
洗脳されていて恐怖で言えなかったとしても、結局叔父のところに逃げるならその前に叔父や児相や学校に相談すればいいのに。
そのあたりの描写がなくずっと言いなりで、東大の受験日に突然消えるやり方が、両親としてはノーヒントで気づく機会もなく悲惨に思えた。
そしてその後両親の反省も親子の話し合いもなく、これはめでたし?
話し合っても無駄とはいえ、一度くらい泣き叫んで訴えるくらいの感情の爆発を見せて欲しかったな。
高志が様々な場面で勉強に関するワードを連想するところが勉強中毒っぽくてリアルに感じた。
星さんは完全に頭のいかれた母親に搾取されるだけだったので、逃げるで正解だと思う。 -
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なかなか評価が難しい。
一章と二章は普通の小説で、あーまあ色々あるけどよかったねー、みたいな感じで読める。けど、やっぱり本命は三章だよね。一章と二章は別にまあ面白くないわけじゃないけど、三章を引き立てるための添え物感が拭えない。
ラストシーンがあれだけ感動的(というより悲劇的?まあその中にロマンチックさとか人の想いとかが入っているから感動的という言葉を使うことにする)になったのは間違いなく一章二章の物語が絡まっているからで、その重厚さは圧巻だった。だけど、なんとなく、読後感だけ良かったというだけで⭐︎5をつけられないような違和感があった。言語化できない。研鑽不足である。
あと、一章でも二章でも次章の前振りをされるのはちょっと嫌だった。これは細かいことなんだけど、このせいで三章のラストは想像通りになってしまったから。 -
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ごく普通の家族に思える一家のもとへ、突然現れた若い男。それをきっかけに家族それぞれの生い立ちや現在抱えている問題が暴露されていくミステリーっぽい長編小説。
湘南の築17年のマイホームに住む桜石一家。主は、電気メーカー勤務の和則、妻は専業主婦の冴子。
社会人3年目の息子・海と体育大学3年生の娘・舞花は、外で暮らしていたが、台風接近で警報が出た日に久しぶりに一家が揃った。
その夜、倒れ込むように入ってきた若い男を介抱し、和室に通すが、男は40度の高熱を出す。
男は何者なのか、閉まっていたはずの玄関の鍵を開けて男を引き入れた家族は誰なのか?
いきなりのミステリアスな展開で、読者の関心は、まずは、そこへいくと思われるが、著者の物語の描き方は、そこからずれていく。
家族4人の生い立ちや今の心境、悩みの詳細な描写が長々と続く。
幼い頃から体操競技をやり抜いてきて、ルームメイトと生活している舞花、鉄道会社に入りながら、うまくいかず転職の末、無職になった海、若い頃、恋愛相手との中を引き裂かれた過去を持つ冴子、電気メーカーで猛烈に働いていたが自殺した大学の同期生のことが頭から離れない和則。
そして、終盤で謎の若い男の正体が暴露されるが、彼は家族それぞれに関わりがあったという展開。
嵐の夜、隣家の大木が敷地に倒れ込んでくるのを防ぐため、皆が一体となり、それを契機にそれぞれが胸中に抱えている秘密を話し出す大団円的終末は、小説として、いかにもありそうなスタイルだと感じた。
ふつうに見える家族にも、それぞれ、悩みながら歩んできた人生の物語があるということを綿密に丁寧に描いた作品。
ただ、自分には、冗長で、だらだらして、じれったい小説だとも感じた。